毎日更新にいたるまでの道のり

Inspired by ブロガーのみなさんに教えてもらった!ブログを続けていくコツ(447ブログ)

上のBlogでも取り上げていただいたのだが、「タスクにする」というのはあまりにも素っ気なすぎるな、と感じたのでちょっと詳しく書いてみることにする。

T&E

毎日更新がモットーになっているこのR-styleも昔は毎日更新ではなかった。大体毎日、とか更新しようと思ったとき、ぐらいのアバウトな感覚で続けていた。

しかし、ある時に「ブログのアクセス数を上げたいな」という思いと「文章を書く力を付けたいな」という思いが湧いてきた。この二つの思いを一気に解決する手段が「ブログの更新頻度を上げること」である。今考えても短絡的この上ない話だが、ただ単にブログのアクセス数を稼ぎに走るのはいやだったので、ある程度ボリュームのある記事の更新数を上げていこうと決めた。

結果はもちろん失敗だ。

「ある程度のボリュームのある記事の更新数を上げていこう」などという目標設定で人間の習慣が変えられるはずもない。そこで次のような目標を立てた。

「週に五回更新しよう」

これも失敗だ。

一見具体的に見えるこの目標だがやってみると面倒なのだ。つまり「今日更新するかどうかを判断する」作業が毎日発生するのだ。そしてこの判断の材料が「その日の気分」なのだから、当然タスクは先送りされる。結局忙しいからと「更新は4回でまあいいや」と言うことになる。このあたりの失敗具合は非常によくあるパターンだ。

で、結局「日曜日はお休みの日として、それ以外は毎日更新する」と決めた。大体更新する時間も決めた。

毎日更新すると決めると、思っていたよりは簡単に実行できることが分かった。必要なのは文章を書く時間とアイデアである。逆に是さえあれば更新自体はそれほど難易度の高い作業ではない。

優先順位の変化

必要は発明の母、みたいな言葉があるがまさにその通りだ。「空いている時間に更新する」ではなく、「ブログを書くための時間を確保してからスケジュールする」と優先順位が変わった。これは、給料の一定額を先に貯金(定期預金)しておく、というのに似ている。

アイデアに関しても同様だ。毎日更新することを決めておくと、ネタ向けのアンテナが敏感になる。ネタが見つかったから書くのではなく、書くためのネタを見つけるという風に意識が切り替わる。

もちろん、最初は簡単にできていたわけではない。なかなかプレッシャーだった。しかしそのプレッシャーを内側に取り込むことができれば、難易度は著しく下がる。もしRPGならばレベルアップの音が鳴り響いている所だろう。

継続の中で身につく力

これをご覧の方の中には「ブログを書くのは面倒だ」、と考えておられるかも知れない。確かに時間もかかるし手間もかかる。だからこそ、やり続けることに意味がある。やり続ける中で身につく力がある。

継続は力なり

結局いまでは、日曜日以外を更新と決めてから直ぐにTwitterで「今日の一言」というのを始めて、どうせならと思い日曜日はそれのまとめに使って、現在は毎日更新にいたっている。

私のタスクリストには「ブログを更新する」が並んでいる。そして今日もそのタスクを消している。しかし、それは単にタスクリストに書き込めばブログが更新できる、というものではない。

要するに、「手が空いたらやろう」ではなくて「自分自身がやると決めたこと」という風に認識のスイッチを入れ替える作業が必要なのではないかと思う。そうすれば、優先順位が代わり、具体的な計画が出てくる。もちろん、ブログを毎日更新しなさいといいたいわけではない。それにブログだけの話でもない。

ただ、「なんとなくの気持ち」のままでは何も始まらない、そんな気がしている。

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無印の「電卓ケース」を情報カードホルダーに

最近は、リコレクションのメモ帳にライフの情報カード(5x3)を挟み込んで持ちあるいています。サイズ的にはぴったり。

情報カードとリコレクション

情報カードとリコレクション

外で作業をするときの簡単なToDoメモ(Doingメモ)にしたり、集中して考えたい事を書いてみたり(一人ブレストの議題)、となかなか活躍してくれています。私は考えがあっちこっちによく飛んでしまうので、情報カードに「○○とは?」と書いておき目の前に置いておけば思考の集中を助けることができます。結構重宝しております。

テーマボードとしての情報カード

さて、以前紹介した「リュウドのキーボードシリーズ」。これで外出先でもiPhoneがあれば簡単な文章が書ける、という事を紹介しました。そういう時にも情報カードは便利です。文章を書く際に、タイトルとキーワードを情報カードに書いて置いておき、ちょこちょこそれを見ておけば、テーマから大きくずれる可能性を押さえられます。

というわけで、「これはちょっと文章化しておきたいな」というものは情報カードに書き込んで、キーボードと一緒に持ち歩きたいなと考えていました。
※もちろんEvernoteにもスキャンして送る。

ただ、キーボードに付いているソフトケースの中に入れてしまうのはあんまり芳しくありません。カードが曲がってしまう可能性があります。いろいろと物色しているうちにたどり着いたのが、「電卓ケース」。

無印のジーンズラベル素材

無印良品では、「ジーンズラベルの素材」を使った小物入れというシリーズがあります。

ジーンズのラベル素材(無印良品ネットストア)

文庫本カバー、封筒、メモホルダー、カードケースなどのおなじみのカバーが比較的手頃な値段で売られています。
※文庫本カバーが315円、封筒が367円。

本革と比べるのは少々酷ですが、値段以上の耐久性は十分にありそうな感じです。

耐久性としなやかさが特長の「ジーンズのラベル素材」で作ったステーショナリーです。
原料の紙は、水にも強く、丈夫で繰り返し使えます。使い込むほどに柔らかくなじみ、味が出てくるのも楽しみのひとつです。

このシリーズの「電卓ケース」に目を付けました。


ジーンズのラベル素材で作った 電卓ケース

ご覧の通りポケットが一つだけあるシンプルなカバーです。名前の通り電卓を入れておくためのケースです。このケースが驚くほど情報カード(5x3)のサイズにぴったりフィットします。

情報カードを入れたところ

情報カードを入れたところ


ポケットの厚みはそれほどありませんが、情報カードを蓄積させるためではなくあくまで「これを文章化しておこう」というリマインダーなので特に気になりません。もしこの電卓ケースに処理できていないカードが大量に入るならば、私のタスクの組み方がどこか間違っているということの証左になります。

さて、リュウドキーボードとカバーをセットにするとこんな感じです。

電卓ケースとキーボード

電卓ケースとキーボード


ぴったりサイズですね。あとはゴムバンドかなにかで一括りにしておけばOKかなと考えています。まあ「情報カードを持ち歩きたい!」という要望を持っている人はあまりいないかもしれませんが、ご参考までに。

参考アイテム:

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リュウド アールボードフォーケイタイRBK-2100BTJ Ver.2.1(Bluetooth HID、JIS配列) RBK-2100BTJ
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starこれぞ現代人必読の知的生産術!
star今でも通用する部分があります

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書評 「ケチャップの謎」(マルコム・グラッドウェル)

あのマルコム・グラッドウェルの新刊である。買わないわけにはいかない。読まないわけにはいかない。

マルコム・グラッドウェル THE NEW YORKER 傑作選1 ケチャップの謎 世界を変えた“ちょっとした発想” (マルコム・グラッドウェルTHE NEW YORKER傑作選)
マルコム・グラッドウェル THE NEW YORKER 傑作選1 ケチャップの謎 世界を変えた“ちょっとした発想” (マルコム・グラッドウェルTHE NEW YORKER傑作選) マルコム・グラッドウェル 勝間 和代

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star私は良書だと思います! やはりグラッドウェルは面白い!
starグラッドウェルはいいけど、、、、

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と、過剰な期待を込めて買っておいたのだが、手に取るとやはり一気に最後まで読んでしまった。彼の書く文章はほどよく私の心を惹きつける。ショートフィルムのドキュメンタリーを見ているようなコラム。それが6編収録されている。時に中心的な人物にぐぐっとフォーカスがあたり、そして周辺の状況を映すためにカメラがパンする。その文章の進み方は単に「構成が上手い」というだけでは表現できないリズムの良さが存在している。

TheNewYorkerに掲載された「ありがたい」コラムらしいが、私はあまりそういった事に興味はない。しかし、このコラムが優れた文章であることは喜んで認める。グラッドウェルは「優れた文章」を以下のように定義している。

優れた文章かどうかは、読む者を引きずり込み、何かを考えさせ、誰かの頭の中を”垣間見せる”力によって決まる

そう、まさにその通りの文章が本書には詰め込まれている。

主な構成

章立ては以下の通りだ。

  • 第一章 「TVショッピングの王様」
  • 第二章 「ケチャップの謎」
  • 第三章 「プローイング・アップ(吹っ飛び)の経済学」
  • 第四章 「本当の髪の色」
  • 第五章 「ジョン・ロックの誤解」
  • 第六章 「犬は何を見たのか?」

これらは、「マイナー世界の天才たち ~偏執狂か先駆者か~」というテーマで集められたコラムだ。確かにどの章にも、かなり尖った人が出てくる。

個人的に興味深かったのは、第三章、第四章、第五章の3つだ。どれもおもしろいし、示唆的だ。

「プローイング・アップ(吹っ飛び)の経済学」

ブラックスワンで有名なタレブの第三章。「まぐれ」「ブラックスワン(上)(下)」を読んで、タレブがどのような考えの持ち主であるかは大まかにはつかめている。
※ちなみにタレブも私が著者名を見て購入を即決する著者の一人だ。

ただ、外から見たタレブ像はタレブの著書からはうかがい知ることができない。そういった視点を持つことができたのはちょっとした楽しみだった。

本当の髪の色

アメリカのヘアカラー業界の顛末を描いた第四章。単に業界のお話だけではない。戦後のアメリカ文化がどのような変化を遂げ、その中に住む女性の意識がどのように変化してきたのかを、「髪の色」から考察している。

女性の心理的な変化とそれを直視しようとする企業のマーケティング戦略。その二つの要素がバランスを持って見事に配置されている。この章が個人的には一番面白かった。

ジョン・ロックの誤解

「人間悟性論」を書いたイギリスの哲学者、ではないジョン・ロックのお話。この章に登場するジョン・ロックはピル、つまり避妊薬の開発者である。彼の経歴で一番興味深いのは、「カトリック信徒」という点だろう。説明するのも野暮かも知れないが、カトリック教徒とピルというのは、阪神と巨人ぐらい相性が悪い。たとえが悪ければ、国士無双と平和ぐらい相容れないもの、と言い換えても良い。あるいは、社民党と核軍備の関係性といってもよいだろう。何にせよ、それは普通ではくっつかない水と油のようなものなのだ。

しかし、ジョン・ロックは自らの信念にそって、ピルを開発しそれを世に広めた。彼はお酢のような存在だったのかも知れない。かくしてマヨネーズたるピルがカトリック信徒の手から生まれた。

この章の面白い点はそういった人間の心理と宗教的な葛藤を描いている点だけではない。女性の生涯生理の回数が変化してきている点に注目しながら、人間の「自然」というものに疑問を投げかけている点だ。これは生理だけに留まる話ではないだろう。

急激な技術の進化は私たちの体に影響を与えているはずだ。今ではそれが「自然」になっていたとしても、それは人間の体的には不自然なものもある可能性が十分に考えられる。そういう意味で一番示唆の多い章だった。

さいごに

もし、機知とユーモアのある文章を書きたいならば、ぜひお手本にしたいコラムが集められている。描写的・説明的でありながら、押しつけがましい所はない。感情的かつストーリーがありながら、「物語」的な重さは少ない。

コラムの内容自体も面白いものだが、文章を書く立場にいる人間にとっては「文章を書くとはどういう事か」という命題を突きつけてくるようなコラムでもある。

▼関連書籍:

マルコムグラッドウェルの本

天才! 成功する人々の法則
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第1感  「最初の2秒」の「なんとなく」が正しい (翻訳) M・グラッドウェル 沢田 博

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star読んで2年後の効果は有り?無し?
star爆発的な拡大現象のメカニズム
star私は途中で飽きました。

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ナシーブ・タレブの本

まぐれ―投資家はなぜ、運を実力と勘違いするのか
まぐれ―投資家はなぜ、運を実力と勘違いするのか ナシーム・ニコラス・タレブ 望月 衛

ダイヤモンド社 2008-02-01
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starたまたま成功しただけで奢るなかれ、運と実力の違い
star一部要約
starここでやめときゃ〜

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ブラック・スワン[上]―不確実性とリスクの本質
ブラック・スワン[上]―不確実性とリスクの本質 ナシーム・ニコラス・タレブ 望月 衛

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star優雅に生きるために
starこんな事を言ってしまうと
starマートンとショールズはノーベル経済学賞を返上すべきだろう

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ブラック・スワン[下]―不確実性とリスクの本質
ブラック・スワン[下]―不確実性とリスクの本質 ナシーム・ニコラス・タレブ 望月 衛

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star今のファイナンス理論では説明できないことが『大きすぎる』のだ
starおお。全部が本文でなくて助かった・・
star下巻だけでもいい

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納得のモバイル用キーボード「RBK-2100BTJ Ver.2.0」について

現在この原稿はモスバーガーで書いている。使っているのはiPhoneの3GSとアールボードだ。ちなみに、アールボードとはリュウドの携帯向け折りたたみBluetoothキーボードシリーズの名称である。私が使っているのは「RBK-2100BTJ Ver.2.0」という型番の商品。

リュウド アールボードフォーケイタイRBK-2100BTJ Ver.2.1(Bluetooth HID、JIS配列) RBK-2100BTJ
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メーカーサイト(http://www.reudo.co.jp/rboardk/index.html)

3週間ほど前に注文したのだが、Amazonから届いたのはつい先日。iPhoneのOSがバージョンアップしたことによりメーカーの想定を超える人気が出ているのだろう。

はっきりいって、その人気は理解できる。本格的に使い始めて一週間もたっていないが、この使い勝手の良さは今までにない体験だ。今回はこのキーボードについて書いておくことにする。

基本的な機能 注意すべき点

先ほども書いたが、このキーボードは折りたたみ式であり、Bluetoothによる通信で接続している。iPhoneのOSがiOS4以上になっていれば、3GSで問題なく動作する。

メーカーの公式サイトを見れば

1. iPhone 4
2. iPad
3. iOS 4にアップデートしたiPhone 3GS
4. iOS 4にアップデートした第3世代 iPod touch の32GBモデルと64GBモデル

に対応するようだ。

実際の大きさは、こんな感じである。

ボールペンとのサイズ比較

ボールペンとのサイズ比較


電源は単四電池2本。頻繁に電池残量を気にする必要はなさそうだ。

キーボードに携帯立てが内蔵されているのもポイントである。左上部を引き出せば携帯立てが出てくる。シンプルながらうまく作られた構造になっている。

接続

一番最初にBluetoothの接続を設定しておけば、次回以降はキーボードを開くだけで接続できる。最初の接続も取説に書いてあるとおり行えば至極簡単だった。

印字のズレとver2.1の対応

このキーボードは英字と日本語対応の二つがあるようだ。私が買ったのは日本語。この日本語キーボードをiPhoneで使うと印字と実際にタイプされる文字にズレが生じるという問題がある。

・RBK-2000BTIIは、iOSのハードウェアキーボード配列設定で「US」を選択することで全てのキーが印字通りに入力できます。
・RBK-2100BTJは、iOSのハードウェアキーボード配列設定に「日本語(JIS)」がないため「US」を選択せざるを得ません。そのため英語配列キーボードと見なされ、記号など一部のキーが刻印通りに入力されません

しかし、これは記号の一部であり、通常の文字の入力にはまったく問題がない。私が使う記号で言えば()と「」の4種類がずれていて、若干戸惑った。いまではもう慣れたので、あんまり問題はない。

最新のバージョン(ver2.1)からは、ずれた印字に対応するための「iPhone用キートップシール」が付属付属するようだ。Ver.2.0のユーザーも申し込めばそのシールがもらえるらしい。申し込みはiPhone用キートップシールの無償送付からできるようだ。

ver2.1の情報についてはメーカーサイトの

RBK-2100BTJ Ver.2.1について

このページをご覧になると良いだろう。

キーボードの機能

iPhoneで普通に入力していていくつか面倒な作業もキーボードならば比較的簡単に行える。これまたメーカーサイトからそれらの機能を抜粋しておこう。

「Win + スペース」:「全角かな」と「半角英数」の入力モード切替
「Shift + 左右カーソル」:範囲選択
「Win + A」:全て選択
「Win + X 」:カット
「Win + C」:コピー
「Win + V」:ペースト
「Win + Z」:アンドゥ(操作の取消)

コピペがずいぶんと楽になった印象がある。これだけでもキーボードを使う価値はあるというものだ。

気に入った点

さて、自分の使い勝手で印象に残った点を書いておくことにする。

まずは、「軽くて小さい」というのが大きい。上の写真を見てもらえば分かるが、折りたたむとかなり小さい。小さいということは、持ち運ぶカバンを選ばないということだ。普通のタイプのキーボードを持ち運ぼうとするとどうしても、一定以上のサイズを要求してしまう。このキーボードならばハンドバックでも余裕で持ち運べるし、重さもほとんど気にならない。

さらに、「使い勝手の良さ」というのもある。これは設計の根本的な部分に「モバイルで使う」ということが組み込まれている。それは

・ソフトカバーが付いている
・Bluetoothによる接続
・携帯立てが内蔵されている

という点から印象付けられる。特に「携帯立て」の便利さはちょっと表現に困るくらいだ。

iPhoneが一台しかないので、箱で代用

iPhoneが一台しかないので、箱で代用

もちろん、それらのモバイル性を付けるためにキーボードそのものとしての機能は重視されていない。キーピッチは充分だが、傾斜がないので長時間タイプするのには向いていない。しかし、一体誰がモバイル用のキーボードで長時間タイプするのだろうか。これはあくまでお出かけ用キーボードである。そしてお出かけ用キーボードに求められている機能はほぼ満たしていると言って良いだろう。

普通のキーボードとのサイズ比較

普通のキーボードとのサイズ比較


このあたりの、必要な機能に絞ってそれを特化させるという商品コンセプトは個人的に大好きである。

広く使える

このキーボードを使えばiPhoneの画面が目一杯使えるようになる。ソフトキーボードは便利なのだが、いかんせん画面表示を喰ってしまう。文章の前後関係が見えにくくなるのは、文章を書く場合にはかなり不便だ。しかし、ソフトキーボードが表示されないとiPhoneの画面は結構広い。横向きにしても全然問題ない。これはキーボードを使ってみるまでは気がつかなかった事だが、iPhoneでも十分に文章を打てるということを実感した。

最後に気に入った点をもう一つ付け加えるならば、「簡単に使える」という点がある。案外この点は大きいかも知れない。キーボードを拡げてキーを押せばそれで接続される。キーボードを綴じれば電源OFF。非常にシンプルだ。このシンプルさは心理的ハードルを上げない。

ここに面倒な操作が入ってくるようならば、モバイル用途としては失格だろう。このキーボードはおそらく細かい時間で作業のオンオフが行われる環境で使われるはずだ。その短い時間で「キーボード接続するのが面倒」に感じられてしまってはおそらく、使用頻度は著しく落ちるはずだ。

これらを踏まえて、モバイル用キーボードとしては文句の付けられない一品になっている。

使うシチュエーション

今のところは電源のないカフェで簡単な原稿を書く時に使っている。日常的にノートPCは持ち歩いていない。普段はiPhoneとメモ帳ぐらいだ。本屋に出かけるならば小さめのカバンを持つことが多い。そして、大抵本屋に行くと、何かしらアイデアが浮かんでくる。そう言うときに、ちょっとしたメモをiPhoneやメモ帳に書き残しておくのと、ぱぱっと小さい文章を書いておくのでは、のちのちの処理の手間がずいぶん変わってくる。つまりメモ帳とPCの間を埋める存在だ。本来これはiPadが埋めてくれるものだと考えていたが、iPhoneでも充分その役割をこなしてくれるということが分かった。

こういう思いついたときに文章化できる瞬発力を出せるようになったのはかなり大きい。もちろん、隙間時間を有効に活用する上でも重要だ。

使用用途としてはポメラに近いものがあるだろう。ポメラ比べて優れている点は、まずカラーであること。もう一つは画面とキーボードの物理的な位置関係が自由であること。この二つだ。

ポメラの方が優れている点は、「文章を書くこと以外に何も出来ないこと」(制約を生み出す)であり、もちろん「ATOK」が入っていること。である。もはや説明する必要なないだろうが、後者の影響力は果てしなく大きい。

iPhoneでの文章書きに使うアプリ

最初は標準のメモ帳を使っていた。メモ帳を立ち上げて、さらさらと文章入力、そしてEvenoteにメール送信。簡単だ。

しかし、最近はAwesomeNoteというアプリを使っている。Evernoteへの転送ができるし、ノートの背景やフォントサイズも選べるので便利である。もちろんメールで送信もできる。

Awesome

さらなる飛躍

今のところiPhone3GSプラスキーボードという使い方しか試していない。他にBluetoothで接続できるモバイル機器を持っていないのだから試しようがない。

今後iPhone4に変えた時に使い勝手が変わるのかが興味の一つだ。もう一つはiPadとの相性も気になる。この辺はガジェットを導入してからまたいろいろ観察してみたい。

とりあえず、今求められているのは「ATOK」だ。これさえあれば、個人的な「出先で文章を書く」という機能は、iPhoneとキーボードでほぼまかなえる。その実現を待ちたいところである。

最後にもう一度だけ繰り返しておく。このキーボードはモバイル用としてはかなり優秀だ。現段階で言えるところはそれだけだ。他のメーカーが類似品を出したり、あるいはこの商品がバージョンアップしたり、あるいはiPhoneに変化が合ったときに、またその評価も変わってくるだろう。

ガジェットページへの案内

まったくキーボードには関係ないが、「Tools」という固定ページをブログに追加した。私が使っているツールを紹介するというだけのページである。今のところこのキーボードだけであるが、アナログのツールも今後加えていく予定になっている。興味のある方はたまにチェックしてくださるとよいかもしれない。

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梅雨の書評企画を終えて

参加御礼

7月19日~7月25日まで実施していた「[告知]夏のじめじめとした季節に読書をして書評を書こう!企画概要」が終わりました。

今回参加していただいたのは、以下のBlogです。

ゲーマーチ

【書評】スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン―人々を惹きつける18の法則
【書評】「達磨 村松 恒平(著)」

書肆小波 -books sazanami-

GTDは意外に身近なものだった~ストレスフリーの仕事術

毎回思うことですが、他の人の書評というのは面白い物です。自分が読んだことのある本でも、まったく違った視点から取り扱われているのはより深くその本を知る手がかりになります。また、自分ならば手に取らないような本でも書評で擬似的に読書体験することができます。

世の中には一人の人間では読み切ることのできない本が存在しています。一生の時間を読書にあてたとしても、制覇することは不可能です。他の人の書評はそんなすかすかな読書人生を埋めてくれます。

参加して下さった皆様。どうも、ありがとうございました。

私の書評

今回は7つの書評を書いてみました。一回目の時から企画中は一日一個の書評を書くということが最低限の目標でした。しかし4回目となるとさすがに慣れてきましたので、今回は「7つの書評で流れを作って全体として何かを語る」という目標を新たに加えました。

全てのエントリーをお読みになった方ならば大体分かるでしょうが、「セルフブランディング」に含まれる要素を中心に書評を行った、という感じです。それはブランディングの手法だったり、別の物との比較でブランディングを考えてみたり、人生におけるブランディングとは何かの考察だったりしました。

これは本の中からテーマを見いだすというよりも、一定のテーマに沿って本を読むという手法です。「本を読む」というのは書かれている内容を頭にたたき込む、というよりは自分の関心事に合った情報を見つける行為だと私は思います。それは網で池の中を掬うのに似ているかも知れません。

書評にもいろいろなスタイルがありますが、今回は「テーマに沿った書評」というものを目指してみました。つたない文章ではありますが、「セルフブランディング」について何かしら考える材料を提供できていれば幸いです。

まとめ

というわけで、おそらくはまた次の書評企画も行われる事でしょう。先日行われた「東京ライフハック研究会」の一つの課題として「書評を書くのにチャレンジ!」みたいな流れで行われるかも知れませんし、今回と同じようにほそぼそと行われるかも知れません。

書いてみればわかりますが、真摯な姿勢で書評を書こうと思えばある程度その本を読み込む必要があります。そういった作業をしておくと、単に読みっぱなしの本よりは遙かに頭にインストールされる割合は高いと思います。読書の効用を高める手段であり、情報をシェアする手段でもある書評というのは、なかなか便利なヤツです。もし読書に関するハックを一つあげるとすれば、「書評を書く」ということになるのかもしれません。

ぜひ、読書が好きな方はちょっとしたメモからでも付け始めてみてはいかがでしょうか。

今週の「今日の一言」まとめ:&連絡事項

今日の一言はこちらでつぶやいております。

7月19日

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書評 「マイナー力」(桜井章一)

前回は、プレゼンZENについて書いた。私が考えるプレゼンZENのコンセプトをもう一度書いてみよう。

  • 最も伝えたいメッセージを考え、それを中心にする
  • 一枚のスライドにはあまり要素を詰め込みすぎない
  • プレゼンの主役はあなたであってスライドではない

このコンセプトは、プレゼンだけではなくもっと大きな対象にについても言えるのではないだろうか。

マイナー力(リョク) 「負け」が「勝ち」になる生き方
マイナー力(リョク) 「負け」が「勝ち」になる生き方 桜井 章一

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マイナー力とは

世の中に溢れる「成功者」を信奉しすぎる感覚をメジャー感覚と呼び、著者はこれに警告をならしている。

 世の中が是とするメジャー感覚……高学歴を持つことやメジャーな会社への就職、金銭的な成功だけを追い求めていては、他人の価値観で生きているのと同じ事です。
 それではいつまで経っても本来出せるはずの力は出せず、どこかに隠れているかもしれない能力は眠ったままになってしまう。人がそれぞれ持っている能力とは、本来マイナーな感覚からきているものなのです。

サイズの合わない他人の靴を履いたまま、人生の長い道を歩いていくことはできない。

今の時代、セルフブランディングが意味を持つとすれば、誰しもがメジャーになれる可能性を持っている事ではなく、本来持っているマイナーさに価値を見いだすことができる事ではないだろうか。

 メジャーを目指して足下も見ずに上へ上へと必死にもがくより、今自分が持っているものを受け入れ、それを活かして生きる。

これがマイナー力だ。

マイナー力の特徴

本書よりマイナー力の特徴をいくつか上げてみる。

  • マイナー力は「自分が本来何を求めているのか」から始まる
  • 他人の成功を追いかけたりはしない
  • 多数派に流されない自分の軸が持てる
  • マイナー力は現場感覚
  • 不便な物に工夫を加えて楽しむ

これらはとても重要な事のように思える。社会構造の変化の中で「成功」の形は多様化している。他の誰かの「成功」が自分にとっての「成功」ではない社会が今の日本だと言えるだろう。そういった社会の中で、他人の成功を追いかけることは無意味なだけではなく、自らレッドオーシャンに足を突っ込んでいくのに等しいことだ。

マイナー力とは突き詰めれば「自分の人生を生きる」ということにつながる。自分の人生において自分の人生は唯一無二のものだ。それを多くの人が信奉するメジャーに合わせていくことは、本来持つ価値をそぎ落としていく事に等しい。

他人の成功を追いかけている限り、満たされる感覚を覚えることはないのではないだろうか。

まとめ

本書の構成は以下の通りだ。小難しい言葉は一つもない。歯切れの良い、そして慎重な言葉遣いで、メジャー感覚にどっぷりと浸かる事の「ヤバさ」が語られている。

第一章 成功というメジャーを求める時代は終わった
第二章 地に足を付けた生き方をする
第三章 能力は磨かなくていい
第四章 人間関係は「感覚」でつなげ
第五章 仕事から「数字」を捨てられるか?
第六章 マイナー感覚の強さをめぐって
 ー桜井章一×平野早矢香 対談

最近のビジネス書や自己啓発に疑問を抱いているならば、桜井氏が語るマイナー力に耳を傾けてみればよいだろう。この本の中には具体的なノウハウなど一切書かれていない。そもそも「ノウハウ」に頼って行きようとしている段階で、それはメジャー感覚である。むしろ、そう言ったものに頼らなくても、自分の足で歩いていける感覚を持つことこそが、不安定な日本社会においては必要なのではないだろうか。

最初に上げたプレゼンZENのコンセプトを人生に置き換えてみる。

  • 最も大切な事を考え、それを中心に生きる
  • 一回切りの人生にはあまり要素を詰め込みすぎない
  • 人生の主役はあなたであってブランドではない

これからの日本においてセルフブランディングはとても重要な事だと思う。しかし、「あなた」が入っていない、空っぽのブランド作りに躍起になってもあまり意味がない。

成功した人たちにあこがれを感じる気持ちはモチベーションを維持する上で大切なものかもしれない。しかし、ちゃんと自分の足が地面に付いているかどうかだけは常に気にしておいた方がよいだろう。

▼合わせて読みたい:

7つの習慣―成功には原則があった!
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書評 「プレゼンテーションZEN デザイン」(ガー・レイノルズ)

前回のエントリーで「うまいプレゼンの3つのポイント」を紹介た。それはプレゼン全体像の組み立て方に関するコツと言える。全体の構成ができれば、次に必要になるのはスライドの作成作業だろう。

プレゼンテーション Zen デザイン
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star複雑なプレゼンこそ、シンプルに!
star続編はデザイン中心。前作と合わせて読むのがオススメ
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新しいプレゼンのスタイルを提唱した、「プレゼンテーションZEN」の著者が、どのような点に気をつけてスライドを作ればいいのかを解説したのがこの一冊だ。

プレゼンテーションZENとは?

プレゼンテーション Zen
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「プレゼンテーションZEN」の中心的なメッセージは非常にシンプルだ。

「誰も見ていないスライドなんか、もういらない」

世の中には、パワーポイントの「高機能」に振り回されてごてごてしたスライドを作りすぎている人が多いようだ。

著者はこの本で「望ましいプレゼンの形」を現状からの変化の形で提示している。

長い→短い
退屈→シンプル
最悪なスライド→読みやすい
中身がない→魅力的

私なりに「プレゼンテーションZEN」のコンセプトをまとめれば次のような感じになる。

  • 最も伝えたいメッセージを考え、それを中心にする
  • 一枚のスライドにはあまり要素を詰め込みすぎない
  • プレゼンの主役はあなたであってスライドではない

本書を読むに当たっては、まずこの「プレゼンZEN」の考え方を理解しておく必要がある。

デザインの基礎知識

本書は大きく分けて3つの要素から成り立っている。

構成要素(コンポーネント)

  • タイポグラフィの活用
  • 色彩によるコミュニケーション
  • 写真や動画でストーリーを語る
  • データを簡素化する

デザインの原則

  • スペースを活用する
  • 狙いをはっきりさせ、焦点を絞る
  • 調和を生み出す

プレゼンテーション向上への道

  • スライドサンプル
  • 旅は続く

構成要素(コンポーネント)

これは、「スライドに何を配置するか」についての解説だ。
タイポグラフィつまり文字要素について、色の使い方、写真や動画をどう活用するか、表やグラフのシンプルな見せ方。これらが解説されている。スライドを作ったことがある人ならば、どれも馴染みのものだろう。

デザインの原則

これは、「スライドにどのように配置するか」についての解説だ。
基本的には詰め込みすぎない、の一点に尽きる。詰め込みすぎないためには配置する構成要素について絞り込む必要がある。絞り込むためには「何がもっとも大切なのか」を自らが熟知しておかなければならない。

一枚のスライドごとにポイントを絞り込み、どうすればそれの主張が生きるかを考えて、要素を配置していく必要がある。また、単に配置するだけではスライドを見る人に強い印象を与えない。強調と調和。この二つの意識する必要がある。

プレゼンテーション向上への道

実際のスライドのお手本とデザイン力をどのようにして向上させるかのヒントが詰まっている。デザイン力の向上に関しては、「カイゼン」という日本でおなじみの概念が用いられている。

カイゼンの興味深い点は、大進歩や急激な改革は必要ではないということだ。むしろ、重要なのは向上の足掛かりとなるアイデアを(どんなに小さなものであれ)常に探し続けることである。

デザイナーの視点を持って身の回りを見つめれば、至る所に「デザイン」を見つけることができるだろう。

まとめ

書かれてあるように、この本はプレゼンの技法を学ぶビジネスパーソン向けの一冊だ。デザイナーを志す人ならば一通り知っているはずの知識が大半である。

普通のビジネスパーソンはなかなかデザインの教科書に手を伸ばすのは敷居が高いだろうから、まず身近なプレゼンというものを題材にしてデザインを勉強してみるのもよいだろう。ここで紹介されているデザインの基本は、基本であるがゆえに他のデザインにも使える。

デザインはあるメッセージを伝えるための補助的な装置である。デザインが先にあるわけではない。まずは中心となるメッセージを見つけることが大切だ。「プレゼンテーションZEN」を読めばその重要性が理解できる。続いて、本書を読めば実際のデザインを行うための手がかりがつかめる。本書の効用の一つがこれだ。

効用はもう一つある。
デザインの知識があれば、他人のプレゼンを見たときに、どのような主張をどのような手法を用いて伝えようとしているのか、ということも分析できるようになる。デザインを見れば、そこから逆算的に「こういうデザインを使っているということは、これをこんな風に伝えたいのだな」ということが理解できる。これは、簡単に本質に迫れるための有効な思考方法の一つである。

どのような効用を目的とするかは自由だが、デザインのやり方についてまったく知らない人が基礎知識を一通り学ぶ上で、有用な一冊と言えるだろう。

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書評 <わかりやすさ>の勉強法(池上彰)

前回は、ソーシャルメディアとセルフブランディングについて紹介しました。話すのが得意な人は動画やユーストなどを活用できるでしょうし、Blogなどを使って文章や図解を使ってコンテンツを提供することも可能でしょう。どのようなコンテンツを選択しても、共通している重要なポイントは「わかりやすさ」です。

<わかりやすさ>の勉強法 (講談社現代新書)
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本の帯には「わかりやすさは武器だ!」と力強く書かれています。さて、「わかりやすさ」とは何でしょうか。

わかりやすさとは?

わかりやすさとは、コミュニケーションを前提にしている。情報を伝達する人がいて、それを受け取る人がいる。受け取る人にとって「理解しやすいかたち」。それが「わかりやすさ」であろう。

自分の頭の中に以前から存在していた断片的な知識がひとつにつながったとき。
断片的な知識が、あるルールのもとにきれいに並べられたとき。
断片的な知識が、いくつかのグループに分けられたとき。
こんなときに、「そうか、わかったぞ!」と叫びたくなるのではないでしょうか。

「わかりやすさ」というのは、あくまで相手の頭の中で起こる現象です。自分勝手な説明では、いつまでたってもわかりやすい説明をすることなど不可能です。相手がどんな風に理解をするのか、物事を捉えているのか。つまり理解のルートを把握した上で、そのルートを通りやすい説明のやり方、解釈の仕方というものを選択するのが「わかりやすい選択」ということです。つまり、受け取る人の知識水準や、教養あるいは精神的状態によっても「わかりやすさ」の基準というのは変わってきます。

交通事故にあって慌てながら警察あるいは消防署に電話をかけている人と、商品への苦情をメーカーに訴えかけようとしている人、あるいは同じ情報を共有する研究者同士の電話、このそれぞれにおいて必要とされる「わかりやすさ」の程度は変化します。

まずは、情報を受け取る人のバックボーンを想定することがスタートになるのではないでしょうか。当然不特定多数の人間を相手にするならば、まったく情報を持たない人を想定して説明する必要があります。池上彰氏の説明が非常に「わかりやすい」と言われているのも、「新聞を日頃から読まない人」を想定して説明を組み立てているからでしょう。

うまいプレゼンの3つのポイント

本書はまず「プレゼン」をテーマにして話が進められています。実際にどうプレゼンするかよりも、事前の組み立て方、説明の方法が「わかりやすく」解説されています。まだ、どうすれば「わかりやすい」説明ができるようになるのか、という日頃の心がけにも触れられています。

本書より、うまいプレゼンの3つのポイントを紹介しておきましょう。

  • 予習をする
  • 話をうまく一般論にして、いいキーワードを思いつけるかどうか
  • 焦点の合わせ方がうまいかどうか

この3つ。あなたが自分で行うプレゼンはこのポイントを満たしているでしょうか。あるいは、あなたが今まで見てきたプレゼンはどうでしょうか。自分が深く感銘を受けた、あるいは時間が経っても内容が頭に残っているようなプレゼンはどうでしたでしょうか。

このポイントを踏まえて、振り返ってみることをオススメします。

本書の第一章から第三章までは、池上流の発想法、視点の持ち方がメインのテーマです。

池上流知的生産術

第四章は新聞やネットといった情報の扱い方、第五章は情報整理の方法。第六章は本の読み方。第七章はノート、メモの取り方。第八章は「わかりやすい」文章術・第九章は話の聞き方。第十章は時間活用術。

つまり、情報のインプット→整理→アウトプットまでの方法論。そして、時間の活用法。

総じて見ると第四章から第十章までは池上流の知的生産術の紹介になっています。

「わかりやすさ」について興味がない人でも、あれほどのアウトプットをこなす池上氏の手法の興味がある人も多いかも知れません。その手法を除いてみると、予想通りというかなんとういうか、アナログ的手法が多く見受けられます。

例えば、

  • 紙の資料をホチキスで綴じずに机の上に並べていくことで一覧性を確保する
  • 多くの紙の新聞に目を通す
  • スクラップを作る
  • 情報整理はA4のクリアファイルを使う
  • 電子手帳やスマートフォンは使わない

といった感じです。アナログ手法にこだわりたいと言う方は一読してみても良いかも知れません。

まとめ

「わかりやすさ」は相手の頭の中で起きるものだ、と書きました。これは「パーソナルブランディング」の書評のエントリーで書いたブランディングとまったく同じ現象です。

基本的に提示する情報は誰かに理解されて始めて用をなします。いくらあなたが説明しても、ブランド情報を盛り込んでも、相手の頭にその情報が入り、それが理解されなければ、脳のすばらしい浄化機能で簡単に忘れ去られていきます。

コンテンツそのものが、一つの商品だとしましょう。そこに詰められている情報が商品の中身そのものです。もちろん、そこには質が求められます。しかしそれと同じくらい包装するパッケージも重要なものです。「わかりやすさ」は、まさに情報を包み込むパッケージのようなもの。

誰かに知ってもらいたいと思う情報であればあるほど、「わかりやすさ」にこだわる必要があるのではないでしょうか。

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書評 ゲイリーの稼ぎ方(ゲイリー・ヴェイナチャック)

前回はパーソナルブランディングについて紹介した。現在ではブランディングのメインストリームはソーシャルメディアにある。そのソーシャルメディアを徹底的に活用した男がゲイリー・ヴェイナチャックだ。

~Twitter、Ustream.TV、Facebookなど、ソーシャルメディアで世界一成功した男~ゲイリーの稼ぎ方(ソーシャルメディア時代の生き方・考え方)
~Twitter、Ustream.TV、Facebookなど、ソーシャルメディアで世界一成功した男~ゲイリーの稼ぎ方(ソーシャルメディア時代の生き方・考え方) ゲイリー・ヴェイナチャック 岩元貴久

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ソーシャルメディアとは

ソーシャルメディアとは、簡単に言えば、ポストマスメディアである。

その性質自体は、驚くほど単純だ。つまり「フラット」「口コミ」「ラピッド」この3点だ。

今の日本では、ソーシャルメディアの中核は「Twitter」だろう。Facebookも徐々に認知度を上げつつある。そういった「つながり」を生み出すツールに、Blog、Youtube、Padcast、といったコンテンツを提供するツールが組み合わさっている。その全体像が「ソーシャルメディア」だ。

フラット

それはとても「フラット」な構造だ。まず参入障壁がほぼゼロだ。すくなくとも開始するための金額面でのコストはパソコンとネットワーク環境への投資だけですむ。つまり現代では追加投資などほぼ必要ない、ということだ。フラットな構造は、参入の容易さだけではない。既存のマスメディアでの有名人と、そのへんの一般人との扱いもフラットである。

もちろん、有名人の方が多くの人間にフォローしてもらえる確率は高い。というか、現実をみればそうなっている。しかし、タイムライン上ではその有名人の発言と、そのへんの一般人の発言はまったく同質に扱える。勝○さんや○江さんのアイコンやつぶやきが他の人よりも10倍や20倍のサイズで表示される、ということはない。

また、有名人と一般人がかんたんにつながれるというフラットさも、ソーシャルメディアの中にはある。誰しもが、有名人が持つ伝播力の大きさによって有名人に引き上げられるという可能性がソーシャルメディアには眠っている。

口コミ

既存のマスメディアは、いわば中央集権的な情報伝達の構造である。対してソーシャルメディアは個々のつながりによって情報が伝達されていく。

こういった世界では、情報の「受信者」と「発信者」に明確な区別はない。めまぐるしく攻守が入れ替わるサッカーのようなものだ。もちろんひたすらゴールを守るキーパーのような存在、あるいは決して守備をしないFWのような存在はいるだろう。しかし、フィールドプレーヤーの大半は攻守を切り替えながら動き回る。ソーシャルメディアもまったく同質の構造を持っている。

ある人が何かのサイトを見て面白いと思ったとする。Twitterで「このサイト面白かった」とURL付きでつぶやきを流す。その瞬間「受信者」が「発信者」に変わる。発信者は別に何かをクリエイトしなければならない、ということではない。そういった簡単なコメントでも一つの付加価値と言える。あるいはフィルタリングとも。

「口コミ」というのは、そういった性質を持つ。アップル製品を使う人は経済学からみれば消費者であるが、その行動をじっくりと観察すれば、大抵はアップルの営業マン(営業ウーマン)であることが多い。

ソーシャルメディアでは、情報の伝わり方がマスメディアとは根本的に異なっている。興味が近い人同士がつながっているので、コアな情報が凄い勢いを持って広がっていく。もちろん、それはマスからみれば局地的な量かもしれないが、マーケティングとしてみれば「見込み客」率は圧倒的に高いだろう。

はやさ

既存のマスメディアに比べて、ソーシャルメディアでは情報の伝達が恐ろしく早い。もちろん、そこから導き出されるのは、廃れるのも早い、という現実だ。

はやい、と言うことの問題は検証されないまま情報が広がる可能性がある、ということだ。もちろん「情報はしっかり検証しましょうね」とお題目を立てるのは簡単だ。しかし、基本的にソーシャルメディアは一度広がれば簡単に収拾できるものではない、という認識を持っておく必要がある。もちろん、それは時間が経てば勝手に廃れていく。3日前の話題を引きずるというような事はTwitterにおいてはほぼ見受けられない。炎上するのは、その瞬間だけか、あるいは場所をブログに移して、ということになる。

もう一点「廃れるのが早い」というのはコンテンツ提供者にとっては大きな問題だ。これがあるが故にTwitterだけでブランディングするのはかなり難しい。「流れてくる」「流れてゆく」のがTwitterの面白さである。従って、有益なコンテンツはしっかりと残る形で出していく必要がある。現在ではBlogや電子書籍ということになるだろう。

必要なものは、情熱

さて、ゲイリーはソーシャルメディアを使って成功するための秘訣をなんと言っているだろうか。

  1. 家族を大切にする
  2. 鬼のように働く
  3. やりたいことをやる!

この3点だ。ちょっと拍子抜けした方もおられるかも知れない。これは彼なりの「成功」の表現なのだろう。つまり

やりたいことを鬼のようにやって、残りの時間は家族を大切にする。

という人生を送ることがゲイリーの人生における「成功の形」なのだろう。

だから、もし「ちょちょっとTwitterを使って有名になってやるぜ」という方がこの本を読んでも何一つ得るものはない。

むしろ、この本はソーシャルメディアが一般化する社会でどのように生きるのかという一つの人生哲学の本である。共感できない人も(今の日本では)多くいるだろう。それはそれでかまわない。

要するにゲイリーはこういっているのだ。

「人生が短いことを知っているのに、なんで自分の大切な事のために時間を使わないんだい?」

と。

まとめ

本書はゲイリーの生い立ちから成功までの流れであり、彼なりの思想を表現した本だ。
前回紹介した「パーソナルブランディング」では鍵は「熱心な取り組み」にあると語られていた。本書もほとんど同様のことが語られている。

伝達のスピードが速く、誰でもが発信者になれるソーシャルメディアにおいて、際立った存在になるためには「情熱」を土台にブランドを組み立てて行くしかない。一体誰が、中途半端なやる気しか持たない人間に興味を持つだろうか。世の中は本当にたくさんの人がいて、そのたくさんの人とつながれる世界にいるのだ。「特別な人」になるためには、相当の積み重ねが必要になってくる。

もし本の内容やゲイリーについて興味がある方は、
http://crushit.rocknoble.com/
をチェックしてみるとよいだろう。動画を見れば彼がどのような「情熱」が伝わってくると思う。

▼方向性の近い本など:

Me2.0 ネットであなたも仕事も変わる「自分ブランド術」
Me2.0 ネットであなたも仕事も変わる「自分ブランド術」 ダン・ショーベル 土井英司

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starなんでこんなに騒がれるんだ?
star覚悟必至!これはかなり時間のかかる本。
starパーソナルブランディングが一般人にどれだけ浸透するのか?

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