5/23 〜 5/28 今週のまとめ

今週のまとめエントリーです。

  1. UlyssesをEvernoteのマークダウン用エディタとして
  2. 記事の4要素と3特性
  3. find the lightのススメ
  4. GTDで高いレベルを管理するには?
  5. しかるべき書き方を見つけるための練習
  6. Evernote、Git化構想(妄想)

いや〜、今週は良い記事がいっぱいありましたね(自分でいう)。Evernoteでの新しいナレッジマネジメントのスタイルは、今後も考えていきたいと思います。たぶん「ひろげる」と「まとめる」の二つの逆向きの力を以下にコントロールするのか、というのが鍵なのでしょう。

今日の一言

今日の一言はこちらでつぶやいております。

5月23日

自信が弱いとスタートを切れません。でも、自信が強すぎると反省が発生しないのでそれはそれでやっぱり問題なわけです。

5月24日

最高に効率が良いのは、何も考えないことです。だから、知的であろうとする以上、そこには効率性の拒絶があります。だからこそ、それを補助するものは効率的であって欲しいのです。

5月27日

何かが持続しているのならば、その後ろには力が働いているのだと見て良いでしょう。

5月28日

それが良いことなのかどうかはわかりません。息苦しさから解放されるかもしれませんが、自分が誰だか分からなくなってしまう可能性もあります。

今週のその他エントリー

Honkure

WRM 2016/05/23 第293号
今期のアニメについていくつか
電子化したときの変化
「ああ、そういうこともあるよな」
セルフパブリッシングのための校正術(大西寿男)
テクノロジーと不快なもの
あふれる「わたくしごと」
響 ~小説家になる方法~ (柳本光晴)
『自分の仕事をつくる』(西村佳哲)
Lifehacking Newsletter 2016 #21 〜「それでも」の姿勢〜
『惑わない星』(1) (石川雅之)
『魔法使いの嫁』(5) (ヤマザキコレ)

今週触った本

考えるヒント2
小林 秀雄
文藝春秋 ( 1975-06-25 )
考えるヒント3
小林 秀雄
文藝春秋 ( 1976-06-25 )
帳簿の世界史 (文春e-book)
ジェイコブ・ソール
文藝春秋 ( 2015-04-10 )

明日のメルマガ告知

毎週月曜日に配信しているメルマガ。来週号の目次はこんな感じです。

○BizArts3rd 「罪悪感と屈辱感」
○SSS タイトル未定
○「本」を巡る冒険 「パッケージング」
○巴読み 「ノートについて」
○物書きエッセイ 「文の長さと句読点」

→メルマガの過去分エッセイは「Facebookページ」にて読めます。

頂いた感想など:

Weekly R-style Magazineは、毎週月曜日の朝7時に配信されているメルマガです。

Weeky R-style Magazine
Weekly R-style Magazine ~プロトタイプ・シンキング~(まぐまぐ)

ブログに書けないテーマ、長期的な連載、日々考えていることなどをお送りしています。

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Evernote、Git化構想(妄想)

以下の記事を読んだ。

まとまらない考えでもとにかくEvernoteに入れておく | シゴタノ!

文章を書いているその時々は常に「完成品」を目指してはいるのですが、後から振り返るとそれはその後に作られるより大きな、あるいはより複雑な文章の「部品」であったことに気づかされる。

とはいえ、「確かに、ここにあのときの文章が部品として組み込まれている!」と実感できることはまれで、多くの場合、「よく分からないけどとにかく今、この文章が書けた」という認識に留まるでしょう。

関連する次の記事も読んだ。

自分が書いた文章のリポジトリ化構想(妄想) | シゴタノ!

ここまで来て思うのは、さらにもう一歩という野望です。それは、自分が過去に書いたあらゆる文章を同じように検索できるようにならないか、というもの。コンピュータから見れば、自分が書いたものだろうと他人が書いたものだろうと同じテキストには違いがないため、一緒くたにされてしまいますが、もし自分が書いた文章だけは特定のラベルを付けて分けてくれるような機能があるとしたら、上記の野望は現実になります。

これらも絡めて、以前書いた「R-style » ブログ、Evernote、情報カード」に関する話を書く。

リポジトリ

まず「リポジトリ」という発想はすごい。

私も、近い発想はあった。複数人で作る電子マガジンを構想していたときのことだ。その原稿管理をGitでやれば、複数人の手が入ってもスムーズに進められるのではないか、と考えたのだ。しかし、そもそもGitの導入自体に敷居があるので、とりあえずは諦めた。ただ、そういう形の原稿管理には期待を持ち続けている。

が、それをアイデア管理にまでは広げられなかった。いや「アイデア管理」というのは少し違うだろう。「素材管理」だろうか。これも視点が違う気がする。むしろ「アイデアプロジェクト管理」というのが近いだろうか。とりあえず、面倒なので「イデア管理」と呼んでおこう。

私の場合、「イデア管理」の発想のベクトルは二つの方向に向かった。一つは「大学ノート」、もう一つは「wiki」だ。どちらも基本的には同じものだし、wikiはGit(リポジトリ)に近い。

まずは「大学ノート」からいこう。

私は「新しい知的生産の技術」というノートを一冊作っている。40枚ぐらいの普通の大学ノートだ。そこにちょこちょこ思いついたことを書いている。とは言え、「発想の全て」ではない。無論書いた原稿もない。それをEvernote的に応用すればどうなるだろうか。

つまり、Evernoteに「新しい知的生産の技術」というノートブックを作り、そこに関連するものをすべて突っ込んでいくわけだ。

似たようなことは、現状もやっているのだが、違う部分もある。一番大きいのは書き終えた原稿の扱いで、それらはすべて(つまり、どのような種類の原稿であろうと)アーカイブ用のノートブック「象の墓場」に突っ込まれている。それをやめて、「新しい知的生産の技術」に関連する原稿は専用のノートブックに入れてしまう手がある。

これはそれなりにうまくいくだろう。しかし、問題が一つある。それは、一つの原稿が二つのアイデアプロジェクトに所属する可能性があるという点だ。その場合、ノートを複製しないとうまくいかない。まあ、複製コストはほぼゼロなので、手間を気にしなければ問題とはならない。

他にもいろいろバリエーションが考えられるのだが、それはいったん後回しにして、次のことを考えよう。

wikiはどうか?

どう考えても、wikiのシステムは素晴らしい。ナレッジマネジメントの卓越したスタイルだ。

がEvernoteはwikiではないし、擬似的にwiki風に運用することすら難しい(あるいは相当な手間だ)。

だったら、ローカルにwiki環境を導入すればいいのでは? とも考えるが、クラウド運用が難しいしinboxの扱いも厄介だ。その辺りの外周部は圧倒的にEvernoteなのだ。そして、継続的に使う場合外周部の使いやすさがものを言う。かといって、Evernoteに入れた情報を、わざわざwikiで再編集するのはあまりにもばかばかしい。

同様に自分のアイデア管理のためにGitを導入するのも難しい。inboxからシームレスに(あるいは手間無く)管理できないと、おそらくは続かないだろう。とりあえず、このルートは閉じておいてよい。

再びリポジトリ

さて、リポジトリに戻ってくる。

リポジトリ的に運用する場合、最初にリポジトリを立てなければならない。当たり前のようだが、これが難しい。

私が思いつくものの中には、「新しい知的生産の技術」のように大きなテーマを持つものもあれば、そうでないものもある。また境界線にあるものもある。挙げ句の果てに、後からテーマ的なものが生まれるものすらある。リポジトリ的管理では、はぐれものをどう扱うかが問題となる。その点、Evernoteでのゆるゆる管理はすべてを許容する。この間をどのように埋めるのか。一つの課題だろう。

もう一つは、そこに何を含めるのかだ。

「アイデア」「書きかけの原稿」「書き終えた原稿」「参考資料」などが思い浮かぶ。これらを雑多に放り込んでうまくいくだろうか。

Gitで管理するのはファイルであり、そこには一定の秩序がある。何をどのように利用すればいいのかも、フォルダ名やファイル名からある程度理解できる。雑多に放り込むことでそれと同じ環境が維持できるようには思えない。ということは、何かしらの操作が必要になってきそうだ。これがもう一つの課題である。

多すぎる結果と表記の揺れ

ブログ、Evernote、情報カード」で紹介した、「他の人のブログで発見した記事」については、もちろん私のEvernoteにも入っている。

しかし、私のEvernoteにはありとあらゆるアイデアと原稿が入っているので、「知的生産」というキーワードで検索しても、結果が多すぎて上記の記事が発見される可能性はそれほど高くない。
※実際にやってみたが、5000以上の検索結果が返ってきた。

それを「新しい時代の知的生産」とすれば、検索結果は大幅に絞り込める。39件となった。が、問題は「あたらしい時代の知的生産」で検索をかけると、また別のノートが13枚ほど見つかったことにある。表記の揺れ問題が顔を出してくるわけだ。となれば、解決策はやはりテーマノートブックを作るか、あるいはタグか、だ。

タグはなかなか良さそうなのだが、問題もある。自分が抱えるテーマの数が多くなると、そもそものタグを覚えていない可能性が出てくる。今は、一つのテーマの話だけをしているし、それだとタグはうまくいきそうなのだが、数が増えてくると途端に回らなくなる。大きなテーマが10か20くらいであれば、タグの接頭語をコントロールすることで記憶の補助ができるが、それ以上となるとタグを探し回る必要(すべてのタグを目視していく必要)が出てくる。これはあまりうまいやり方には思えないが、あるいは許容すべきコストなのかもしれない。この辺りの判断は難しい。

同様にテーマノートブックも、テーマの数が少ないうちは機能するだろうが、私みたいにあちらこちらに興味を振りまいて生きているような人間ではなかなか難しそうだ。

となれば、テーマノートという発想が出てくる。ノートを作り、関連するノートのノートリンクをすべてそこに貼り付けるのだ。これはwiki的な運用と言えるだろう。なにせノートは上限数を(あまり)気にせず作れる。wiki的に自由に項目を増やしていける。ノートにはノートリンクも追加できるし、もちろんファイルや普通のテキストを混ぜることもできる。

フレキシブルなこのやり方の問題は、圧倒的に面倒なことだ。書き終えた原稿をEvernoteに保存し、それが終わったらノートリンクを取得して、特定のノートに追加する。あるいはinboxに入ってきたアイデアが、あるテーマに関係しそうなものであれば、そのノートリンクを取得して、特定のノートリンクに追加する。

発狂寸前だ。

いや、案外それも楽しいかもしれないという思いはぐっとこらえよう。続けられそうな気はしない。

さいごに

結局袋小路である。それはそうだ。なにせ妄想なのだ。

ただし、問題は理解している。ようは、粒度の違うものを同じ手法で片付けようとしているところに無理があるのだ。そこを切り分けて考えないと、運用上の問題がかならず顔を出す。

たぶんこの原稿は続く。ただし、一ヶ月後ぐらいになりそうだが。

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しかるべき書き方を見つけるための練習

僕たちは、文章の書き方は知っている。


僕たちは、新しいことを言おうとするとき、それを表現するにふさわしい新しい文章を書こうとする。

僕たちは、文章の書き方は知っているが、そうした新しい文章の書き方は知らない。
なぜなら、その文章は未だかつて誰にも書かれたことがないからだ。

僕たちは自転車に乗る。
でも、すぐに運転できるようにはならない。
ぎくしゃくとハンドルをキープしたり、ときどきひどく転けたりしながら、自転車の扱い方を学んでいく。
運転しながら(運転しようとしながら)、その技術を学んでいく。

文書の書き方も、同じだ。
文章は書きながら、書き方を覚える。

新しい文章の書き方も、同じだ。
新しい文章の書き方は、書きながら覚えていく。
たった一度だけしか使えない、書き方を。


完成に向かって文章を書いているとき、何度も書き直すことがある。
細かい表現だけではなく、大きな構成をいじったりもする。

書き直すことは、何度も何度も発生する。

それは、そう、自転車で転けるようなものなのだ。

その執筆は、実践であり練習でもある。しかるべき書き方を見つけ出すための練習。

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GTDで高いレベルを管理するには?

GTDで用いるツールを確認してみよう。

  • inbox
  • プロジェクトリスト/プロジェクトの参考情報
  • 連絡待ちリスト
  • 次にとるべき行動リスト
  • カレンダー
  • 資料ホルダ
  • 備忘録ファイル
  • いつかやる/多分やるリスト
  • ゴミ箱

どうだろうか。これですべてだろうか。

では、GTDの六つのレベルを確認しておこう。

  • Horizon レベル5 人生の目的とその在り方
  • Horizon レベル4 長期的な構想
  • Horizon レベル3 1〜2年後の目標
  • Horizon レベル2 重点的に取り組む分野、責任分野
  • Horizon レベル1 現在のプロジェクト
  • 地面レベル    現在の行動

地面レベルは、「次にとるべき行動リスト」が対応している。Horizon レベル1は「プロジェクトリスト」だ。これらを作成、レビューすれば順風満帆に進んでいける。

では、それより上のレベルはどうだろうか。

あるリスト

もちろんデビッド・アレンが見過ごすようなことはない。『全面改訂版 はじめてのGTD ストレスフリーの整理術』にもきちんと記載されている。しかし、その記載は重要性に比べて意外なほどあっさりだ。

全面改訂版 はじめてのGTD ストレスフリーの整理術
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こうして書き出したアイデアの中には、いますぐ具体的な行動をとる必要はないが、普段から意識しておきたい、漠然とした目標のようなものもある。「ベストコンディションを保つ」「健康管理」などがそうだろう。こうした日々の作業よりも高いレベルでの目標やアイデアも、チェックリストに入れておいて定期的にレビューするといいだろう。こうした高いレベルの目標を意識し、それがどういった意味をもつかを考えることは、日々の生活において、今、何をするべきかの選択を助けてくれるはずだ。

チェックリストを作成するようなものとして、アレンは次のようなものを挙げている。

  • キャリアにおける目標
  • 奉仕活動
  • 家族
  • 人間関係
  • コミュニティ
  • 健康、気力
  • 資金
  • 表現、創作

なるほど。たしかにこれは「現在の行動」でもないし「現在のプロジェクト」でもない。アレンは続けてこう書く。

もう一つ下のレベルに降りると、仕事で責任を負っている分野、長期的な構想について考えることになる。

わかるだろうか。「もう一つ下のレベルに降りる」と「長期的な構想」になる。つまりHorizonレベルにあてはめれば、上に挙げたリスト項目は「人生の目的とその在り方」に関連づけられることになる。

どうも『全面改訂版 はじめてのGTD ストレスフリーの整理術』ではその対応関係が明らかではない。主軸は「現在の行動」と「現在のプロジェクト」に置かれていて、上記のようなことは補佐的な要素としか扱われていない。これはGTDがボトムアップ指向で、日々の行動決定からストレスを取り除くことにフォーカスを置いているからなのだろう。

チェックリストや整理システムでの管理がどの程度必要かは、その責任分野にどれほど不慣れかということに関係してくるだろう。長い間その分野に携わっており、少々の変化が起きても大丈夫という自信があれば、整理システムでの管理は最小限でいいはずだ。いつ何をどのようにすればよいのかを心得ているからだ。だが、そうはいかない場面も多々ある。

アレンはここをもっと強調すべきだった。なぜなら、誰だって自分の人生には不慣れなのだから。言い換えれば、予想外のこと・初めてなことがたびたび起こるのが人生なのである。

おそらく三ヶ月という時間のスパンがあったとき、その95%で必要なのが「現在の行動」と「現在のプロジェクト」の管理であろう。だから主軸をここに置くのはまったく間違っていない。しかし、5%では上記のようなものの管理が必要となってくる。そして、その影響は95%をひっくり返すぐらいに大きいのだ。

この頻度と影響力のアンバランスさは、何かを体系的に伝えようとする人間にとってはやっかいな問題であることはわかる。あまりに5%を強調しすぎてしまうと、肝心の95%の意味が薄まってしまう。大きな目標さえしっかり管理していればタスクが進むと思われたら本末転倒だ。しかし、5%が持つ意味合いの大きさはしっかり指摘しておきたい。

アレンはこう書いている。

個人的にも、コントロールが保てていると自信がもてるまで、いくつかのリストを作らなければなかった経験がある。

何かを新しく始めたときは、コントロールが保てている自信など持てないだろう。だからリストを作らなければいけない。そして、現代では変化はいつだって起こりうる。すると、リストの出番は頻繁にある。

重要なのは「ん? 自分はうまくコントロールを保てている感触が持てないな」と気がついたとき、即座にその対象についてリストを作ることだ。習慣といってもいい。私がGTDのコンテンツを再編するなら、それを基軸にするだろう。結局その他の要素だってそれを敷衍しただけなのだから。

my life synopses

で、上記のことを見事に実践しているのが以下の記事である。

生活のアウトラインをリライティングする | gofujita notes

そして「my life synopses (生活のアウトライン)」という項目にまとめておいたリストを眺める。このリストは、以前、自分の生活のことを意識しながらフリーライティングした文章を、要約したセンテンスのリスト。この要約センテンスの下には本文が折りたたまれている。リストを眺めながら、気になった要約センテンスがあれば、その項目を開いて (ブーレットをクリックして) の中身を読む。

この「my life synopses (生活のアウトライン)」に入っている要素は、アレンがチェックリストで管理せよと述べた対象と重なるだろう。

面白いのが、このリストには文章が収納されている点だ。どのくらいの長さはわからないが、ある程度整えられたシュっとした文章であるような気はする。そういう文章は自分の心に働きかける作用を持つ。

とは言え、本文は折りたたまれていて、目に入るのは要約したセンテンスのリストである。その意味では、普通のチェックリストに近いとは言える。ちょっとしたハーフというわけだ。

何と何の?

チェックリストとミッション・ステートメントの、だ。

『7つの習慣』に登場するミッション・ステートメントは、「自分の憲法」などと訳されているが、その実体はGTDにおけるHorizonレベル5と同じ対象である。それを文章で記述しているのがミッション・ステートメントなのだが、国家の憲法がそうであるように個人のミッション・ステートメントも一朝一夕では完成しない。何度も何度も書き直し「自分がしっくりくる表現」を求める。

7つの習慣-成功には原則があった!
スティーブン・R. コヴィー
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おわかりだろうか。

それはレビューをする、ということなのだ。

一度書き出したものを、時間を置いて読み返し、新しい表現を求める。なんてことはない。これこそが「レビュー」ではないか。

ようは二つの本は、重要な部分では同じことを言っているわけだ。

さいごに

たとえば、私は通常のプロジェクトリストとは別に、下記のようなEvernoteのノートを作っている。

screenshot

ひとつ上の階層からプロジェクトを眺めるためのノートだ。でも、もしかしたら文章で書き、文章で書き直すやり方がいいのかもしれないな、とグラグラとmy life synopsesに傾きつつある(なにせすごく魅力的に見える)。

ともかくリストを作ることだ。それが始まりなのだ。

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find the lightのススメ

どこから話を始めるのかちょっと難しいね。

昨今のウェブとも関係あるし、ある意味では生き方みたいなものとも関係している。薪割りみたいにすぱっと切り出せそうにはない。でも、あんまり肩肘張らずに始めてみよう。

「ふぁいんど・ざ・らいと」

記事

以下の記事を読んだ。

23-seconds blog: 懐古の海鮮和食定食

何と言いますか、どんなものでも、おいしそうなら、おいしそうで、全然構わないのです。自分で気づいて、自分で表現します。生きることのすべてです。

少しだけ誇張を許してもらえるなら、ピリピリ震えがくる記事だ。

記事には、いくつか別の記事が紹介されている。

シャープソーンのマリオ | gofujita notes

ぼくは、たとえば横浜のきどったお店で何だか知ったかぶりしたニイさんに、「今日、厚岸から入った牡蠣は、はっきり言ってオススメですよ。食べないと損ですよ」なんて言われると、絶対別のものを注文するくらいにはヒネクレている。けれど、なぜだかマリオの解説は、食べている料理への安心感を高めてくれたし、ジャージー牛を誇りをもって育てているキャベンディッシュさんの顔を浮かべながらその乳でつくったバターを味わうのは、やはり生きる活動の醍醐味というものだ。

はやくなるのがはやい:Word Piece >>by Tak.:So-netブログ

おそらくこの男の子は電車が好きで、ふだんから電車の走りに注意を向けているので、加速性能の差に気がつき、それを「はやくなるのがはやい」と表現したのだ。そう考えれば、語彙の範囲内で実に的確な表現をしていると思う。

もし、時間があるならこれらの記事も頭から読んでみたっていい。時間がないなら、そうだな。まあ、そもそもこの記事を読むのを後に回した方がいいかもしれない。それぐらい、ちょっと込み入った話になるんだ。

さて、準備はいいかい。話を続けよう。

もうちょっと別のブログの記事を紹介してみよう。

ほどほどの不自由がココロの自由 – 日々の食卓から

それなのに、あの頃よりも。
制服を着て、学校に通っていたころより。

もしかして、ワックスで髪をがちがちにかためて慇懃無礼に接客してた頃より。
 
いまの不自由な生活のほうが、ココロが自由だ。 

葛藤 – 仮庵

いままでとは何か違うな? と気づく前はなんとか食べさせない方向で説得してきたが「ストレスか?ストレス食いなのか? ふふふ。いいよ、食べな。1個ね。食べたら歯みがけよ」と言ったらニヤニヤして、ちゃんと歯も磨いて安心したように寝た。
そうしたらその日から、起きてこなくなった。
またあるかもしれないが、その時はその時だ。

「ぬか~つくるとこ~」(倉敷市)の自由に衝撃をうける: 鷹の爪団の吉田くんはなぜいつもおこったような顔をしているのか

自由をくちにするのはかんたんだけど、
「ぬか」ほどすきなことだけ すればいい場所を
わたしは はじめてみた。
すきなことをしていいよと、ほうりだすのではなく、
スタッフがこまかなところまで 目くばりをおこたらないからこそ、
ぬかびとたちは、すきで得意な活動に、安心して没頭できる。
スタッフがぬかびとたちのちからを じょうずにひきだしている。

まだまだあるけど、きりがないのでやめておこう。

これらの記事からは、共通するある種の要素を感じる。簡単に言えば好感触なのだけど、それではあまりに曖昧だ。それがいったい何なのかずっとずっと気になっていた。読書好きとか、そんな単純なことじゃない。もっともっと深く広く根を下ろした何かだ。で、その何かに僕の心は反応してしまう。引きつけられてしまう。

「ふぁいんど・ざ・らいと」

いんたーねっつ

インターネットの話をしよう。

「注目」の力学に支えられたインターネットは、刺激的な発信が増加する傾向を持つ。結構なことだ。なんたって人は刺激的なものが大好きなんだから。でも、それはコントラストを強めすぎた写真のような歪さも持ってしまう。良いものにせよ、悪いものにせよ、極端なものばかりが注目され、ほどほどのもの、ちょっとしたものは見過ごされていく。

不思議なことだ。

だって、僕たちの日常は「ほどほどのもの」や「ちょっとしたもの」で満たされているはずなのに。一体僕たちはほんとうのところ何を目にしているんだろうか。

そういう意味で、上記の記事たちは「ちょっとしたもの」に目を向けている。それが僕の心を引きつける「何か」なんだろうか。どうにも違う気がする。それだけではない気がする。

「ふぁいんど・ざ・らいと」

いい話

あるとき、気がついた。そこには「発見」があるのだ、と。

自分の目で人生を眺め、自分の頭で考える。そしてキラリと光る何かを発見する。どの記事にもその発見がきちんと息づいている。それらは、まあたしかに「ちょっとしたもの」でしかないし、世界を変えるような力は持ち合わせていないかもしれない。でも、人生に寄り添っているが故に決して空疎にはならない。思考実験はあるかもしれないが、実体が常に存在している。

だから奇っ怪なことにはならない。むしろ地に足がついた、そしてそこから暖かさが伝わってくるような感触がある。

たぶん、そういう記事には「ちょっとしたいい話」が含まれていることだろう。でも、それはバイラルメディアで流れてくるようなわかりやすい(そして真偽が怪しい)「イイ話」とは違う。そういう話は単に事実を伝達しているだけで、発見はどこにもない。その記事をいいね!してシェアしている人も共振材となっているだけで、何も自分では発見していない。

つまり、僕が言いたいのはこういうことだ。

「イイ話」をいくらストックしても、自分の人生が良くなったりはしない。むしろ、なんでもない日常に目を向け、そこから自分で何かを発見していくことが必要だ。キラリと光る何かを。

「ふぁいんど・ざ・らいと」

さいごに

日常に目を向けることも大切だが、それは土台の片一方でしかない。

大切なのは、考えることだ。発見するということは、考えるということなのだ。思うだけでなく、考える。それが鍵だ。

でもって、それを記事にしたため、ウェブの大海原に送り出すことは、ウェブ全体の情報流通にとってすごくすごく良いことじゃないかなって、僕は思う。少なくとも、僕はとても楽しい気分になれる。それにちょっとレジスタンスっぽい気分を味わえるしね。

まあ、そんなたいそうなものじゃないにせよ、誰かの日常をちょっと変えるだけの力はあるかもしれない。

「ふぁいんど・ざ・らいと」

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記事の4要素と3特性

のきばトークの第三回が放送された。

少し、話し言葉だけでは厳しい部分もあったかと思うので記事で補足しておく。

『読まれるブログを書きなさい』(仮)

まず、ブログ記事の人気獲得は3つのアプローチがある。

  1. Buzz戦略
  2. 検索流入戦略
  3. リピーター戦略

トークでは、一つ目の戦略にだけ触れた。残りの二つはまた別の手法が必要になってくる。

ともかく、それぞれの戦略によって、誰に・どう読まれるかが大きく変わってくる。言い換えれば、メディアとしての意義・機能が変わってくる。その点を踏まえておかないと、「自分がやりたかったのはこういうことではなかった……」と後悔に苛まれる可能性もあるので注意が必要だ。

記事の4要素

戦略について考える前に、まず記事が持つ特性について考えてみる。

記事には以下の4つの要素がある。

blog.001

タイトルは、記事のタイトル。その記事の一番大きな見出しであり、SNSでの看板でもある。

コンテンツ-メッセージとは、ようは本文のことであり、そこに何が書かれているか、ということだ。

コンテンツ-デザインは、体裁のことであり、どのように書かれているか、ということを意味する。文字数の多さ、画像の使用、アイキャッチ画像の選択、ページ分割といった要素がここに位置する。

所属は、誰が書いているのか、どこに掲載されているのかを意味する。

これら4つの要素が、記事を構成している。そして、記事が伝わる媒体によって、それぞれの影響力は変わってくる。

SNSの拡散においては、タイトルが重要になり、所属は軽んじられる傾向にある(ただし拡散ではなく、日常的に読むかどうかは所属が影響する)。RSSリーダーで読む人はコンテンツのデザインはあまり気にしないが、ニュースピックアップ系のアプリではアイキャッチ画像がクリックを左右したりする。

記事というと、コンテンツ-メッセージだけが影響力を持つようなイメージがあるかもしれないが、実はそれ以外の3つの要素も「いかに読まれるか」では重要になってくる。

記事の3特性

では、コンテンツ-メッセージについて、もう少し掘り下げてみよう。メッセージはBuzzという観点から見ると、以下の3つの特性を持つ。

blog.002

反応容易性

反応容易性とは、どれだけ簡単に反応できるか、ということだ。コメントの付けやすさと言ってもいい。

「ツッコミどころ」がある方がリアクションがもらえやすいというのは周知の事実だが、これはもっと広範囲である。たとえば、何か良い出来事があれば「おめでとうございます!」と反応できる。でも、「長年不仲だった配偶者と無事離婚できたが、子どもと会えなくなってしまった」みたいな出来事であればどうだろうか。反応しにくいのではないだろうか。

複雑なこと、深刻なこと、2時間も3時間も考え込んでしまうようなこと。そのようなコンテンツはリツイートされにくいし、リツイートされてもコメントが付かないことが多い。自分の体験をふり返ってみても、コメントがないタイトルだけのツイートよりは、コメントがあるツイートをクリックしたくなる傾向がある。

以上を考えると、反応容易性の高低は拡散に影響を持つ。

感情誘発強度

感情誘発強度とは、どれだけ人の心を動かすか、ということだ。

反応が容易なコンテンツであっても、反応する心の動きが発生しないなら当然反応は起きない。逆に、感情誘発強度がすさまじく高ければ、反応容易性が低くても反応が出てくることはある。

動かされるその感情は何だって構わない。「怒り」でも「喜び」でも「悲しみ」でもいい。ただし、人間の心理的傾向からいって、「怒り」や「恐れ」を引き出す方が簡単である。

反応容易性と感情誘発強度を考慮すると、「単純な内容でつっこみどころがあり、人の心を逆撫でするコンテンツ」がBuzzを誘発させやすいことはわかる。さらにおそらくその方が書き手としても楽に書ける。もちろん言うまでもないが、それは記事の面白さを何も担保しない。単にBuzzを誘発させやすいというだけの話だ。

心理的距離

心理的距離とは、読み手の心の距離と近いかどうかである。近い方が、関心を持たれやすいのは言うまでもない。

私なら関西で起きているコンビニ強盗事件は非常に気になるが、ヨーロッパの水力発電所が止まっていてもあまり気にならない。あるいは、ヨガをものすごくうまくやるテクニックは読む気にもならないが、使うことはおそらくないであろうVimのテクニックの記事はクリックする可能性が高い。

自分に関係がある、あるいは自分ができそうな気がする。そういうコンテンツが関心を持たれやすい。「便利」系の記事がよく読まれるのは、このためだ。

批判の文脈ならば、高度な政治的課題ではなく、「日常」に近い話題を出した方が心理的距離を縮められるだろう。たとえば「サラリーマン」を攻撃したり「ベビーカー」を攻撃したりといったことだ。これらの話題は、多くの読者と心理的距離が近く、関心を持ってもらいやすい。あとは、そこに「単純な内容でつっこみどころがあり、人の心を逆撫でするコンテンツ」を載せれば、いっちょありだ。何が? 何だろう。

さいごに

最後にもう一度書くが、これは別に「面白い記事」の特性ではない。あくまでBuzzという視点から見ているにすぎない。

個人的には、2時間もその話題について考えてしまい、感情よりは思考が刺激され、むしろ自分が全然知らない世界に引っ張っていってくれるコンテンツの方が「面白い」と感じる。

が、それはBuzzらない。あるいは極めてBuzzりにくい。

さてさて、本記事はどうだろうか。まあ、Buzzりそうもない。

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UlyssesをEvernoteのマークダウン用エディタとして

話はシンプルです。Ulyssesで書き、Evernoteで保存。以上。


Evernoteのエディタは一応リッチテキストを扱えるんですが、スタイルの統一的な設定は簡単ではありません。

「これは大見出しだからフォントサイズを18にして太字っと、あとこれは中見出しだからフォントサイズが16で太字、でもって……」みたいなことを一行ごとにやっていく必要があります。で、だいたい「あれっ、中見出しってフォントサイズいくつにしてたっけな……」みたいなトラブルも起きます。

個人的希望は、「見出し1」「見出し2」「見出し3」といったスタイルの設定ができることなんですが、ないものを嘆いていても人生は前には進みません。というわけで、別のエディタで書いてEvernoteに保存します。

で、一つの選択肢としてUlyssesの出番です。

Ulysses
カテゴリ: 仕事効率化, ライフスタイル


Ulyssesで、こんな感じで書きます。

screenshot

で、それを「クイック書き出し」。「HTML」を選びます。スタイルはお好みで。あとはAマークからEvernoteを選択すれば、そのままEvernoteに保存されます。簡単簡単。

screenshot

screenshot
※作成されたノート。

きちんとマークダウンが変換されていますね。

で、ここが重要なんですが、HTMLをインポートした格好になっているので、これらは単純に太字表示されているだけでなく、きちんと見出しの階層構造を持っています。具体的に言えば、Hタグを使って記述されています。

screenshot

であれば、他に利用するときにも使えますね。たとえば、そう、電子書籍用ファイル(EPUB)の作成とかにも。


他にもEvernoteに書き出せるマークダウンエディタは結構いろいろあるかと思います。Ulyssesが特別優れているかどうかはわかりませんが、Mediumなんかにも書き出せるので個人的には重宝しております。

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5/16 〜 5/21 今週のまとめ

今週のまとめエントリーです。

  1. 【書評】アリエリー教授の人生相談室(ダン・アリエリー)
  2. Amazonって、星いらなくないかな
  3. もし、ノートの本を書くとしたら……
  4. 仮置くしかない着想
  5. なぜなに知的生産 〜情報カードを無駄遣いする〜
  6. ブログ、Evernote、情報カード

Amazonから星が消える未来はあまり想像できませんが、別のプラットフォームなら新しい形のレビューのスタイルも作れるのではないかな、なんて想像します。

今日の一言

今日の一言はこちらでつぶやいております。

5月16日

問題は、それをどうやって埋めるのか、ですね。妄想か別の場所にある事実か。

5月17日

振動があり、余韻があります。

5月18日

どのような移動をしても、そこには常に「私」が伴います。

5月19日

これを忘れると、腐り始めます。

5月20日

適切な距離感をキープすること。

5月21日

当たり前の事なんですが、なかなか難しくもあり。

今週のその他エントリー

Honkure

WRM 2016/05/16 第292号
Fate/strange Fake (3)(成田良悟)
行為と妄想(梅棹忠夫)
レオ・アッティール伝 (4) (杉原智則)
原稿の手応に潜む問題とその対策
High Free Spirits(TrySail)
逆転! 強敵や逆境に勝てる秘密(マルコム・グラッドウェル)
Lifehacking Newsletter 2016 #20 〜対話と冒険〜
それをお金で買いますか(マイケル・サンデル)
承認欲求と他者
黄昏街の殺さない暗殺者(寺田海月)

今週触った本

現代思想史入門 (ちくま新書)
船木 亨
筑摩書房 ( 2016-04-05 )
ISBN: 9784480068828
考える道具(ツール)
ニコラス ファーン
角川書店 ( 2003-03-18 )
身ぶりと言葉 (ちくま学芸文庫)
アンドレ ルロワ=グーラン
筑摩書房 ( 2012-01 )
ISBN: 9784480094308

明日のメルマガ告知

毎週月曜日に配信しているメルマガ。来週号の目次はこんな感じです。

○BizArts 3rd 「モラル・ライセンシング」
○SSS 「タイトル未定」
○ノンマーケータ−・マーケティング 「Gene Mapper その1」
○今週の一冊「もうすぐ絶滅するという紙の書物について」
○物書きエッセイ 「ひらがなで書く」

→メルマガの過去分エッセイは「Facebookページ」にて読めます。

頂いた感想など:

Weekly R-style Magazineは、毎週月曜日の朝7時に配信されているメルマガです。

Weeky R-style Magazine
Weekly R-style Magazine ~プロトタイプ・シンキング~(まぐまぐ)

ブログに書けないテーマ、長期的な連載、日々考えていることなどをお送りしています。

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ブログ、Evernote、情報カード

良い知らせと、悪い知らせがある。


少し前、原稿を書いていた。いつものようにカフェでぱたぱたとキーボードを叩く。そのとき「知的生産の定義」が必要になった。「あたまをはたらかせてうんぬん」というやつだ。残念ながらカバンには『知的生産の技術』は入っていない。でも、心配はない。ググれば見つかる。少なくとも、私自身がブログで何度もその定義を引いているので、ウェブには必ずある。

そこで「知的生産 定義」でググる。当たり前のように(おそらくパーソナライズされているから本当に当たり前なのだろう)、シゴタノ!のいくつかの記事がヒットした。求めていた定義もコピペできた。よかった、よかった。

ふと、ひとつの記事が目に入った。

「知的生産」は最強の武器である | Lifehacking.jp

2014年に書かれた記事。『知的生産の技術とセンス』という本の発売に関係して書かれた記事だろう。確実に読んだことがある記事だが、すっかり忘れて頭から読みふけった。そこで、以下の文章と遭遇する。

残念なことに、この広い概念を表現する言葉は、いまのところないのですね。倉下さん(@rashita2)もブログでこのように書いてます。

私の記事が引用されている。当然、リンク先も読みたくなる。結局、その記事も読んだ。

「知的生産」に代わる言葉を求めて 〜あたらしい知的生産試論(1)〜 | シゴタノ!

2014年の私は、知的生産と「知的」と「生産」に分け、それぞれを「物的」と「消費」とに対比している。今でもよく書いていることだ。が、そのときの私はそこから「浪費」という概念に結びつけ、さらにこんなことも書いている。

また、産業としてだけではなく、工業社会では「ものをつくること」のコストが下がり、DIYが一般的に行われるようになりました。情報社会では、それがセルフパブリッシングという形で表出してくるでしょう。ということは、ホームセンターの知的生産バージョンが一般的になるかもしれません。

DIYとセルフパブリッシングを対応づけ、そこから「ホームセンター」の情報版が出来るのではないかと勇み足ぎみに述べた。

「知的生産」のマトリクスについては、私の脳内にみっちりこびりついている。今でも、必要があればこの構図はぱっと引き出せる。が、浪費への展開とホームセンターの話はすっかり忘れていた。まあ、2年経っているから仕方が無いとも言える。

ともかく言えることは、この二つの過去の私の発想は、2016年の私の着想へとつながった。ちょうど書いていた原稿に膨らみがうまれ、また別の原稿のアイデアともなった。


良い知らせと、悪い知らせがある。

良い知らせは、すでに起きたことだ。つまり、過去の私の発想が、今の私の着想につながった、ということ。

ブログは他者に向けて書かれた文章ではあるが、その他者に「未来の自分」を含めるのなら、一つひとつのブログ記事は、情報カードとしても機能する。着想をちゃんとした言葉で書き留め、それを検索可能な状態にしておくことは、着想の蓄積につながる。アイデア地層というわけだ。

悪い知らせは、その点と関係している。つまり、私はその情報カードをうまく「くれて」いなかった。もし、うまく「くれて」いたならば、そのとき書いている原稿を書き始める前に、つまり構想の段階でその着想に触れられていたはずだ。が、結果は泥縄式になっている。

私がもし、「知的生産の定義」をウェブ頼りではなく、原典を見ながら書き写していたら、この「既知との遭遇」は起こりえなかった。ここにある種の怖さがある。


この状況をどのように捉えればよいだろうか。

「とりあえず見つかったんだからいいでしょ」と言ってしまうのはたやすい。しかし、見過ごしているものも多くありそうだ。

願わくば、ある種の原稿を書こうと思い立ったとき、それに関する自分の過去の着想をきれいに引き出せるような情報環境が欲しい。それは「未使用」と「使用済み」といった単純な切り分けでなく、「使用済みだが展開の余地がある」といったものも含まれている必要がある。

言うまでもないが、現状の情報整理環境でも十分な状態は維持できている。「既知との遭遇」がなくても、原稿は書けていたし、それでクオリティにおいても問題は生じなかった。が、私の知的好奇心は歯がゆい思いをしている。

どうやら、ナレッジマネジメントを次の段階に進める必要が出てきたらしい。

しばらくは指をぽきぽき鳴らしながら、この問題に取り組んでみたい。

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なぜなに知的生産 〜情報カードを無駄遣いする〜

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1

どっか~ん!

なぜなに”知的生産”~!

「お〜いみんな〜、集まれ〜。なぜなに”知的生産”の時間だよ〜!」
「わ〜い! ねえねえ、お姉さん、今日はどんなお話をしてくれるの?」
「今日はね、みんながねうっかり忘れちゃうストックのお話だよ!」
「やった〜〜!」
「じゃあ、さっそく始めましょう」

(シーン切り替え)

情報カード運用の鉄則

情報カードは仰々しいものではありませんが、一つだけ鉄則があります。

それは、「ストックを大量に持っておく」ことです。これを守ることで、安心して・無駄遣いができるようになります。これを「在庫効果」と呼ぶことにしましょう。

では、「在庫効果」についてもう少し詳しくみていきます。

安心して

仮にこんなシチュエーションをイメージしてみましょう。情報カードはあるにはあるのだが、残りの枚数が5枚ほどしかない。Amazonで注文したら、届くのが明後日だという。

こんなシチュエーションでは、心は情報カード書きに躊躇を覚え始めます。なくなったらどうしよう、と。結果、「これはまあ、書かないでいいか」と勝手に着想を判別し始めます。書きながらも、「これにカードを使っても良かっただろうか」などと思い始めます。

こうした事態を避けるためにも、情報カードのストックは十分に余裕をもって確保しておくことが必要です。

無駄遣い

大量にストックがあると、気楽に無駄遣いできるようになります。

たとえば、思いついたことをカードに書き連ねたとして、書き終えた後もっとうまい表現が見つかったとしましょう。そうしたら、新しいカードを書けばいいのです。

あるいは、思いついたことをカードに書き連ねていったら、ごちゃごちゃと複数の要素が混ざってしまったと感じることもあります。そうすれば、3つか4つの新しい情報カードに改めて書けばいいのです。

最初に書いたカードは、結果からふり返ってみれば「無駄」になるのですが、むしろそのカードを書いたからこそ「本番」のカードが生まれたとも言えます。

カードのストックが少ないと、こうした前座のカードを作るのもためらわれてしまうので、なかなかカード作成が進みません。

おわりに

もし情報カードを運用していくならば、少なくとも100枚単位のストックを準備しておきましょう。そうすれば、気楽にどんどん書いていけるようになります。

さらに、

「書き直しを恐れない」

という心持ちも大切です。

ノートであれば書き綴ったものはそこに「残る」わけですが、カードならぽいっとゴミ箱に捨てられます。つまり、カードこそ、何度も書き直すことが許容されている記録ツールなのです。

▼その他の回:

なぜなに”知的生産” 〜情報カードの使い方〜
なぜなに”知的生産” 〜カード・システムとこざね法〜
なぜなに”知的生産” 〜カードのサイズ〜
なぜなに”知的生産” 〜情報カードとカードシステム〜

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