11/28 〜 12/3 今週のまとめ

今週のまとめエントリーです。

  1. 【お知らせ】メルマガ配信元ドメイン変更及び再送ボタンの設置
  2. 【書評】サピエンス全史 -文明の構造と人類の幸福(ユヴァル・ノア・ハラリ)
  3. 日本独立作家同盟さんが「NovelJam」を開催されるとのこと
  4. 東京ライフハック研究会vol.16の動画が公開されております
  5. 静かな場所での対話
  6. 2トラック・プロジェクト管理

というわけで、12月の冒頭時点では『サピエンス全史』は今年のスゴ本認定されております。今月あと読めて5〜6冊でしょうから、それを越えるものが現れるのかいなか。楽しみですね。

今日の一言

今日の一言はこちらでつぶやいております。

11月28日

話を聞かない人間はだいたい暴君です。話を聞いても暴君という場合もありますが、まあ数は少ないでしょう。

11月29日

通常のもので対応できるならそもそも「どうしようもない状況」には追い込まれていないわけで、そうではない何が必要となってきます。

11月30日

倫理って、権威(という名の幻想)がないとたぶん発生しません。権威を壊せば、それだけで世の中ハッピーになるというのは誤った思い込みです。

12月1日

「考えること」って、一度で終わる行為ではありません。それを止めてしまえば、どのような結論であれそれは盲信と大差ないのですから。

12月2日

線形的拡大の誤謬ですし、対処法を間違えると状況を沈静できなくなるだけでなく、むしろ悪化させる、という話でもあります。

12月3日

むろんリスクは後者にあります。

今週のその他エントリー

Honkure

WRM 2016/11/28 第320号
『フランス現代思想史』(岡本裕一朗)
『クローバーズ・リグレット』(渡瀬草一郎)
『ウソはバレる』(イタマール・サイモンソン、エマニュエル・ローゼン)
『「超」手帳法』(野口悠紀雄)
『永き聖戦の後に ストレイ・シープ』(榊一郎)

Project:かーそる

創刊号の紙版が到着しました!
多ストア配信の時差
良い意味のプレッシャー
日本中に散らばるメンバー
「かーそる」のテーマって?

今週触った本

感情化する社会
大塚英志
太田出版 ( 2016-09-30 )
ISBN: 9784778315368

明日のメルマガ告知

毎週月曜日に配信しているメルマガ。来週号の目次はこんな感じです。

○BizArts 3rd 「レビュー・ポイントのまとめ」
○SS 「variable name」
○エッセイ 「welq問題から考える情報社会」

頂いた感想など:

Weekly R-style Magazineは、毎週月曜日の朝7時に配信されているメルマガです。

Weeky R-style Magazine
Weekly R-style Magazine ~プロトタイプ・シンキング~(まぐまぐ)

ブログに書けないテーマ、長期的な連載、日々考えていることなどをお送りしています。

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2トラック・プロジェクト管理

長い間苦しんでいました。

執筆に関わるプロジェクトマネジメントに、です。

数ヶ月といった長いタームを要する、といったこと以外にも、大きな問題がそこにはありました。

性質が変わるのです。

机上のガントチャート

はじめはガントチャート的な構図で管理しようとしていました。

執筆プロジェクトの全体像を、です。

企画着手からはじまり、執筆があり、ゲラチェックがあり、販売促進があり、と一連の流れを一枚のチャートに落とし込もうとしたのです。

もちろん、チャート自体はすぐに書けます。でも、その通りにはいきません。まったくいきません。

すると人は、その手法そのものから離れたくなるものです。私もそうなりました。

工程の切り分け

あるときから、プロジェクトを切り分けるようになりました。

区画整理です。

執筆前の準備段階、執筆そのもの、脱稿後の販売促進活動。それまで得てきた経験からこの3つの区分けぐらいがちょうどよいだろう、と思い至りました。

そこでプロジェクトを「○○○」(本のタイトル)という大きい括りではなく、「○○○-企画準備」「○○○-執筆」「○○○-販売促進」のように3段階に分けたのです。これは少しうまくいくように思えました。また、副産物もありました。

意外な副産物

副産物とは、チェックリストです。

執筆の工程は、それぞれの本によって違うので「魔法の呪文」は存在しないのですが、よくよく考えてみれば、販売促進は__Twitterの固定ツイートを変更する、ブログで告知記事を書く、プレゼント企画を行うなどなど__本が変わっても同じような活動を行います。

プロジェクトの工程を区分けすることで、繰り返し可能な部分が見出され、それをチェックリストに落とし込むことができたのです。

まっすぐには進めない

しかし、問題は残りました。それはやはり執筆工程にあります。なにせ「魔法の呪文」は存在しないのです。

一番厄介だったのは、居座り続けるタスクでした。

執筆がストレートに進むことはまずありません。なにせこの世にこれまで存在しなかった「本」を書こうとしているのです。手本や見本や師匠からの教えはここでは直接的な答えにはなりません。何か新しいものごとを、頭を使って生み出す必要があるのです。でもって、それには時間と試行錯誤が欠かせません。

となると、たとえば、「第二章第一項を書く」という通常ならばうまく機能しそうなブレイクダウンによるタスクが、まったく進捗しないことが起こりえるのです。それこそ、三日も四日も、そのタスクが私の現前に残り続けることになります。それが、あまりにも苦痛であることは、鏡を見るまでもありません。

毎日毎日、デイリータスクリストに「第二章第一項を書く」と書き、プロジェクトノートにはまったく何の進捗も書き込めないのは、苦痛を通り越して拷問とも言えます。人の心は、終わりの見えない行進に長期間耐えられるようにはできていないのです。

そこで私は決めました。自然な決意だったのか、作為による思い込みだったのかはわかりません。ともかく、「これをコントロールするのはやめよう」と決めたわけです。

ここで一つ、大切なことを書いておきましょう。

「タスクリストを見るのが嫌になっているのなら、タスクの管理方法に何か歪みがある」

その歪みがどこから生じているのかはわかりません。現実と理想のギャップなのか、管理の手間の大きさなのか、ツールのUIの不具合なのか、理由はいろいろ考えられます。が、どのような理由であれ、タスクリストを見るのが嫌になっているなら、何かを変えなければいけません。それを「やる気」などといった見えもしない概念のせいにして問題決着を図ろうとすれば、時間を置いて同じ問題が繰り返されるだけです。

ともかく私は、「本を書く」という工程の中心部に位置する「原稿を書く」という工程を、コントロールするのをやめました。それはつまり「タスクリストを作って、上から順に消化していけば、全体が終わる」というような考え方を捨てた、ということです。

もちろん、進捗状況は確認できるようにします。どこまでできているのかがわからないと、それはそれでツライものです。ただ、ガントチャート的進行の信仰はきっぱり捨てました。他の人は違うのかもしれませんが、私にとってそのやり方は苦痛を生むものでしかなかったのです。

2トラック式

では、現状執筆のマネジメントはどうなっているのかと言えば、次のようになっています。

screenshot

まず、「本線」があります。このルートは、通常のタスク管理と同じようにタスクリスト式に進んでいきます。が、途中でトラックの移動が起きます。執筆の工程に入ると、「本線」から外れて「周回トラック」へと移動するのです。

ここでは通常のタスクリスト式の進捗管理は行いません。では、代わりに何をするのかというと、「時間と作業ログ」による進捗確認です。

「企画」の段階では、「メールを送る」というタスクを立て、それを実行すれば消す、というやり方を行います。しかし「執筆」の段階では、「第二章の原稿を1時間書く」とするのです。つまり、あるタスクの項目を成し遂げたかどうかではなく、どのくらいの時間その種の作業をしたのかで進捗を確認するのです。

もちろん、これは成果の直接的なマネジメントにはぜんぜんなりません。1時間作業をして、まるで原稿が進んでいないこともあります。でも、それが現実の姿なのだから仕方がありません。ここが大切なところです。

理想を言えば、1時間作業をしたら、何か一つのタスクが達成されているのが望ましいでしょう。が、その「望ましい状態」をベースにマネジメントを行ってしまうと、辛くなるのは現実の私です。だって、現実の姿は「1時間作業をして、まるで原稿が進まない」のですから。

でもって、私は「本を書く」とは根本的にそういう作業だと認識しています。そして、プロジェクトマネジメントを理想ベースに運用したところで、現実の執筆がその理想に寄るわけではないのです(あと、寄ったら寄ったで嫌ではあります)。

だから、日々のタスクリストには「〜〜の原稿を1時間書く」と書き続け、それを実行します。同じ場所をぐるぐると周り続けるわけです。そして、シンプルながらも作業記録をつけます。その記録の積み重ねは、「自分が何かしらを行っている」という実感の拠り所となってくれます。

これがもしタスクリスト式の管理方法ならば、タスクを一つ消化できないと「何もしていない」ことになるのです。その空虚さは、ほとんど耐え難いものであることは容易に想像できるでしょう。でもって、その空虚さはほかでもない「理想ベースのタスク管理」のせいなのです。

さいごに

執筆作業が終わってしまえば、「周回トラック」を抜け、再び「本線」に戻ってきます。こうなると、タスクリスト式の管理方法でもやっていけます。というか、その方がフィットしています。

というように、私の執筆マネジメントは2つのトラック__2タイプの管理方法__を組み合わせることで実現しています。これは今のところなかなかうまくいっています。

ちなみに、はじめから2トラックという説明を思いついていたわけではなく、たまたまとあるボードゲームを見たときに、「まさに自分がやっているのはこれじゃないか」とひらめいたのがきっかけでした。ラットレースはなかなか悲しいものですが、執筆作業ってまさにそれだと思います。ぐるぐる走り続けるしかないのです。

というわけで、ガントチャート式の方法で「苦しんでいる」人は、こういうやり方を試してみてください。ポイントは「管理方法は一つでなくていいんだ」という発見です。

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静かな場所での対話

雑誌「かーそる」への感想として次の記事を頂きました。

知的生活日記 「かーそる」読書日記⑦ Go fujitaさんの章 子どもの知的生産の技能を,学校,家庭,地域社会で育てる~若干の異論を添えて・・・ | 知的生活ネットワーク

とてもすばらしい記事です。こういう記事の触発になったのだとしたら、雑誌を作った甲斐みたいなものはフル充電されてしまいます。

ちなみに、Goさんからのレスポンス記事も上がっています。

忘れてしまうぼくたちが忘れないために | gofujita notes

そうですよね。こういうのが対話であり、腰の据わった議論(あるいはその萌芽)なのだと感じます。

ひとりスマッシュ

インターネットでよく見かける「議論」の多くは(もちろんすべてではありません)、次のような特徴を備えています。

  • とにかく極端なことを言う
  • あえて攻撃的に書く
  • 安易な断定を多用する
  • 相手の話を聞くつもりはない
  • 内容ではなく相手の人格を攻撃する

こういう書き方のマニュアルが出回っているのか、と疑いたくなるくらいには似たようなスタイルを多く見かけます。(PV的な)パフォーマンスとしては優れているのかもしれませんが、議論としての実りは多くならないでしょう。比喩的に言えば、テニスではなく、それぞれが一人でスマッシュの練習をしているようなものです。

理念や概念についてわちゃわちゃ盛り上がるのはそれはそれで楽しいものですが、現実は複雑で機微に満ちています。単純な「論」をぶつけてそれで解決できるなら、その問題はとうの昔に解決されているでしょう。実際にはいろいろな方面を考慮し、ややこしい力学を織り込んで前に進んでいかなければいけません。乱暴な議論は、そういう現実的適応の前ではだいたい無力です。

もちろん、「無力だっていいじゃない」という考え方もあるでしょうし、私もプロレス的言説を否定したいわけではありません。それは、端から見ている分には楽しいものです。

でも、少し大きいことを言わせてもらえば、市民が構成する社会において、それぞれの市民が開かれた場所において自分の考えを表明し、他者との意見交流を行うことは、民主主義のもっとも基本的な基盤と言えるのではないでしょうか。

まあ、それはある種の理想であり、高望みしすぎなのかもしれません。でも、PV至上主義的な「議論」の煽り方は、短期的な動員のエンジンにはなっても、静かな場所で行われる対話の促進剤にはならないと思います。そして、今僕たちに必要なのはその場所の方でしょう。

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東京ライフハック研究会vol.16の動画が公開されております

以前、以下の記事でスライドを公開しましたが、

R-style » 東京ライフハック研究会vol.16に参加してきました

YouTubeにも動画があがっております。

まったく時間見ないで講演したんですが、大幅なズレはなかったようでちょっと安心しました。

他の方のスライドも以下の再生リストから閲覧できます。

東京ライフハック研究会vol.16 – YouTube

特に私の講演は、佐々木さんの内容と強く呼応しているので、そちらからご覧頂くとよいでしょう。LTもきっと楽しめると思います。

というわけで、おそらく第17回以降もこうした講演動画はアップされると思うので、気になる方は東ラ研のチャンネルをチェック。

東京ライフハック研究会公式チャネル – YouTube

では、では。

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日本独立作家同盟さんが「NovelJam」を開催されるとのこと

2日間で小説を書き上げる日本初の創作イベント・日本独立作家同盟が「NovelJam」を開催!|NPO法人日本独立作家同盟のプレスリリース

「NovelJam」とは、著者と編集者が集まってチームを作り、わずか2日間で小説の完成・販売までを目指す短期集中型の作品制作企画です。ジャムセッション(即興演奏)のように事前にあまり本格的な準備をせず、参加者が互いに刺激を得ながら、その場で作品を創り上げていきます。

詳しい内容については、以下の記事にまとまっています。

電子書籍として販売可能な短編小説を2日間で仕上げる小説創作イベント「NovelJam」、日本独立作家同盟が来年2月に開催 -INTERNET Watch

NPO法人日本独立作家同盟は29日、編集者と作家がタッグを組み、2日間で短編小説を電子書籍として販売可能なEPUBの形にまで仕上げる小説創作イベント「NovelJam」を2017年2月4日・5日に開催することを発表した。参加費は8000円(税込)。

二日間のイベントで、参加者は作家か編集者を選択。作家二人に対して編集者が一人の割合でチームを組み、イベント期間中に一冊の「電子書籍」を完成させるという試みです。

ポイントは完成させるのが「原稿」ではなく、そのまま販売可能な「電子書籍」(EPUB)である、という点。小説のボリュームは3000字以上なので、それくらいなら一日あれば十分でしょうが、「電子書籍」まで持っていくことを考えれば、実際これがギリギリかもしれません。

で、ようは「ハッカソン」の小説版なのですが、荒行的というか乱取り的というか、参加者は結構ハードなものを求められるでしょう。ええ、楽しそうですね。個人的にはすごく参加したい気分です。

「原稿を書く」という行為自体は、ひとりでもできちゃうわけですが、企画案を編集者さんと検討したり、自分の原稿を見てもらったりすることはどうしたってひとりではできません。でもって、そういう「ひとりではできないこと」は、文章力(と呼べるような何か)を底上げしてくれます。これはもうそう言っちゃっていいと思います。

でもって、その場にほかの作家&編集者もいるわけですから、これはもう祭りみたいなものですね。たぶん二日目なんかはヤバいテンションになっちゃってるんじゃないでしょうか。

というわけで、公式のサイトは以下。

NovelJam on Strikingly

興味と(少しばかりの)自信がある人は門を叩いてみるのも面白いかもしれません。

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【書評】サピエンス全史 -文明の構造と人類の幸福(ユヴァル・ノア・ハラリ)

圧倒的である。もうそう言うしかない。率直な感想を尋ねられたら「みんな読もうぜ」となってしまう。

360度を捉えるようなパースで「文明史」を記述し、その先の世界について問題を提示する。まずは目次をご覧いただこう。

  • 第1部 認知革命
    • 第1章 唯一生き延びた人類種
    • 第2章 虚構が協力を可能にした
    • 第3章 狩猟採集民の豊かな暮らし
    • 第4章 史上最も危険な種
  • 第2部 農業革命
    • 第5章 農耕がもたらした繁栄と悲劇
    • 第6章 神話による社会の拡大
    • 第7章 書記体系の発明
    • 第8章 想像上のヒエラルキーと差別
  • 第3部 人類の統一
    • 第9章 統一へ向かう世界
    • 第10章 最強の征服者、貨幣
    • 第11章 グローバル化を進める帝国のビジョン
    • 第12章 宗教という超人間的秩序
    • 第13章 歴史の必然と謎めいた選択
  • 第4部 科学革命
    • 第14章 無知の発見と近代科学の成立
    • 第15章 科学と帝国の融合
    • 第16章 拡大するパイという資本主義のマジック
    • 第17章 産業の推進力
    • 第18章 国家と市場経済がもたらした世界平和
    • 第19章 文明は人間を幸福にしたのか
    • 第20章 超ホモ・サピエンスの時代へ

地球上にまだ複数の「人類」がいたころから話は始まり、そこから「文明」の歩みを辿っていく。上下巻であり、ちょっとボリュームが多いかな、と思われるかもしれないが、話はまるで逆である。よくまあ、この内容を上下巻に収めたな、というのが正直な印象だ。10冊以上の本になってもおかしくない視野の広さが本書にはある。それを一人の著者が書き上げているのだから、もう言葉が出てこない。

考え方を変えれば、ジャンルの違う教養新書を15冊くらいパッケージしたと捉えればいいかもしれない。それが一続きになって読めるのだから、これはもうお得である。なおかつ、本書は読みやすく、面白い。学術的な固さもなければ、博聞強識を誇るようなうんざりする引用の乱発もない。本当に、あっという間に読めてしまう。

そういうもろもろの感情をひと言でまとめると、「みんな読もうぜ」なのだ。

人類とサピエンス

本書のタイトルでは、人類ではなく「サピエンス」という言葉が使われている。これは別にトリッキーさを狙ったものではない。

人類__つまりひとのたぐい__には、本来我々ホモ・サピエンス以外の人類種も含まれている。よって、我々が、自分たちだけを指して「人類」と呼ぶのは、いささか傲慢なのである。その傲慢な呼称には、二つの不都合な事実が隠されていて、その一つは「我々は所詮その他の動物と同じであり、≪兄弟≫もたくさんいたのだが、なぜだか我々だけが今のところ地球上に残り、そして繁栄している」ということだ。我々は別に神の寵愛を受けて生まれたわけではないし、地球の支配者として定められているわけでもない。

本書はその名称をきちんと区分することで、(私たちが一般的に使う意味での)「人類」を相対化する。その上で、なぜそのような生物の一種でしかない存在が、ここまで地球上で猛威を振るうようになったのかを解き明かしていく。それが本書の大半を構成する要素であり、副題の「文明の構造と人類の幸福」の前半でもある。そして、副題の後半は、不都合な事実の二つ目と関わってくる。

本書は、現在(サピエンスの繁栄)を一つの点とし、人類の出発点からそこに至るまでの矢印を伸ばす。となると、次はどうなるか。現時点から未来に向けてその矢印は伸びていくだろう。

それを示すのが、第19章「文明は人間を幸福にしたのか」と続く第20章の「超ホモ・サピエンスの時代へ」である。本書において一番重要なのがこの二つの章でもある。言い換えれば、それまでの章は、「文明は人間を幸福にしたのか?」という問いに向き合うための下準備であると言ってもよい。「我々はこれからどう進めばいいのだろうか?」という問いに取り組むためには、まず「我々とは何か?」について考えなければいけない。本書は、見事にそれを達成している。

さいごに

二つ目の不都合な事実についてはあえて書かないでおく。本書を読んでいれば理解されることだろうし、一つ目の事実から自然と導き出されるものでもある。

その事実は、事実としてぽんと提示されるだけではたいして実感されないだろう。文明史の流れにのせることではじめて質感をもって感じられるようになるのだ。そして、そこで私たちは足を止めて考えることになる。非常に難しい問いについて、きわめて慎重に。

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【お知らせ】メルマガ配信元ドメイン変更及び再送ボタンの設置

Weekly R-style Magazineの配信でお世話になっている「まぐまぐ」さんで、若干のシステム変更があるようです。

大きく二つあり、片方は割とクリティカルなので記事として紹介しておきます。

その1:配信元ドメインの変更

配信元ドメインが変更となります。

現在:mag2.com
変更後:mag2premium.com

もし、配信元によってメールをフィルタリングしている場合は、設定の確認をお願いします。

その2:再送ボタン

まぐまぐさんの「マイページ」に、メルマガの再送ボタンが設置されたようです。

<メルマガ再送方法>
1:マイページにログイン
2:「メルマガを読む」>「登録中メルマガの管理」
3:該当メルマガ横の「再送」ボタンをクリック
4:再送したい号の「再送実行」ボタンをクリック

screenshot
※3

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※4

以上の手順で、メルマガが再送されるようなので、誤って削除した場合などにご利用ください。

さいごに

メルマガをフィルタリングされている場合、ドメイン変更の連絡をメルマガで書いてもまったく届かない可能性があるので、ブログ記事にしておきました。

あと、たま〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜に、配信ミスとかもあるようなので、その場合は「再送ボタン」をご活用くださいませ。

では、では。

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11/21 〜 11/26 今週のまとめ

今週のまとめエントリーです。

  1. 東京ライフハック研究会vol.16に参加してきました
  2. class かーそる < Magazine
  3. 必然性について
  4. a margine
  5. デジタル・チェックボックスの可能性
  6. 不都合な話についての断章

というわけで東ラ研も無事終わりました。しばらくイベントごとはありませんので、粛々と原稿書きが進みそうです。あと、カーソルについては、まだまだ書きたいことがありますので、今後も記事が出てくることでしょう。

今日の一言

今日の一言はこちらでつぶやいております。

11月21日

システム1は、ただ受容するだけです。「私は誰か?」システム2らしい疑問ですね。

11月22日

これはまあ、考えてみれば当たり前の話ですね。一番負荷がかかることが想定され、そして実際にその通りになるのですから。

11月23日

人が笑っているものって、結局その人の中にあるものです。ただ、それがわかりにくいだけで。

11月24日

だから、赤ペンを持ったら赤ペンの仕事をしましょう。アフォーダンスとはちょっと違いますが、ツールを使い分ける重要性はここにあります。

11月25日

「諦めない」って言うだけで、他に何もしていないなら、それは諦めていることと差異がありません。

11月26日

引き継ぐこと。記憶を信頼しすぎないこと。

今週のその他エントリー

Honkure

WRM 2016/11/21 第319号
『Piece shake Love』(Tak.)
『ウンコな議論』(ハリー・G・フランクファート)
『デスマーチはなぜなくならないのか』(宮地弘子)
映画『この世界の片隅に』

Project:かーそる

創刊号に1つ目のカスタマーレビューを頂きました
サイトにTwitterのタイムラインを埋め込む
硬軟織り交ぜて
近況とストア配信状況
不均一と規格

今週触った本

ウンコな議論 (ちくま学芸文庫)
ハリー・G. フランクファート
筑摩書房 ( 2016-11-09 )
ISBN: 9784480097606
消極性デザイン宣言 ―消極的な人よ、声を上げよ。……いや、上げなくてよい。
栗原一貴, 西田健志, 濱崎雅弘, 簗瀬洋平, 渡邊恵太
ビー・エヌ・エヌ新社 ( 2016-10-24 )
ISBN: 9784802510301

明日のメルマガ告知

毎週月曜日に配信しているメルマガ。来週号の目次はこんな感じです。

○BizArts 3rd 「第三章 第六節 定期的なレビュー」
 タスク管理を掘り下げていく企画。

○SS 「MBA」
 ショートショート。若干、先週の続きです。

○ノンマーケーター・マーケティング 「ひらくPCバッグ その3」
 週替わり連載。今回はマーケターでない人向けのマーケティング話。

○Rashitaの本棚 『デスマーチはなぜなくならないのか』(宮地 弘子)
 Rashitaの本棚から一冊紹介するコーナー。新刊あり古本あり。

○物書きエッセイ 「スライドの作り方」
 物を書くことや考えることについてのエッセイです。

頂いた感想など:

Weekly R-style Magazineは、毎週月曜日の朝7時に配信されているメルマガです。

Weeky R-style Magazine
Weekly R-style Magazine ~プロトタイプ・シンキング~(まぐまぐ)

ブログに書けないテーマ、長期的な連載、日々考えていることなどをお送りしています。

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不都合な話についての断章

たとえば、たとえばですよ。

あなたを騙そうとしている人がいるとします。

ええ、単なる想像というか思考実験なので、「私みたいな善良な市民を騙そうとする人なんていない」と思っておられても、ここは我慢して仮説にお付き合いください。とりあえず、そういう人がいたとします。

ではですね、何かのきっかけで、あなたがその人になったと想像してください。ええ、騙す方の人になっちゃったわけです。不快かもしれませんので、そういうシミュレーションだと思って頂ければよいでしょう。思考実験の中にあるシミュレーション。一種のゲームみたいなものです。

で、仮にそのような状況になったとして、あなたは騙そうとしている人にどのような態度を取りますか。つっけんどん? 攻撃的? それとも優しい?

必要なのはなんでしょうか。長期的な信頼? それとも短期間でもいいから鵜呑みにさせる情報?

もっとも効率的にやり遂げるには、どのようなスタンスで臨みますか。


「ほら、このノウハウはたしかに再現性があります。こうして成功している人がいるんですから。それにものすごく人気なんです。もうこの業界にいる人ならみんな知ってますよ」


ちゃんとした薬と、まがいものの薬があったとしましょう。

片方は成果を確認するために数々の実験を行い、きちんと認可も下りている薬です。その分コストもかかっているのですが、なるべく多くの人の手に渡るように価格を目一杯上げることはできません。当然、粗利みたいなものは小さくなります。

一方まがいももの薬は、成分も適当で、当然試験なんかもせず、どうなろうとしったこっちゃないので高い値段をふっかけられます。それはもう目一杯の粗利が稼げるわけです。粉ものなんて目じゃありません。結果的に、バンバン広告が打てますし、有名人に宣伝をお願いできたりもします。それによって実際は効果がないことをうやむやにしちゃうわけです。

で、それがまた新たなる売上げにつながるのです。


実力がないのに、すごい人に見られたい場合の二択。

(1)とにかく現場に赴き、実践と研鑽を重ね、やがては実力を身につけることを目指す
(2)とにかくでかいことを言いまくり、自分がすごい人だと吹聴し、そう思わせる情報を発信し続ける


「効果が出るまで、続けなかったのが悪いんじゃないですかね。だって、このノウハウは再現性があるんです。成功できないのは、あなたが悪いんですよ。ノウハウのせいにしないでください」


諦めない限り、夢は続いていく。

でも、人生はどこかで終わる。


「年利10%で、元本完全保証」
「この株は間違いなく上がります」
「これであなたも今日から人気者」

ほんと?


「知らなきゃ損。時代に置いていかれます」

勝手に追い越してください。


「あなたの人生を取り戻そう!」

取り戻すその主体は、誰なんでしょうか。


「願えば叶う」+「願わなかったことも叶う」+「願っても叶わない」+「願わなかったことは叶わない」=人生


ねえねえ、それって、本当に必要ですか?

優しい顔の人、近くにいませんか?

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デジタル・チェックボックスの可能性

チェックボックスってありますよね。タスク管理の強力なパートナーです。

たとえば紙なんかだと、こんな風に使います。

img_7093

四角マークを一つ作るだけで、進捗状況を表現できるのですから、記号というのはなかなか凄いものです。

でもって、Everntoeなどのデジタルツールにもチェックボックスはあります。

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クリックでオンオフを切り替える、という点を除けば、基本的な動作は紙のチェックボックスと同じ。Evernoteでタスク管理、というなかなか珍しいことをしている私としては、便利に使わせてもらっています。もちろん、他のツールでも同じようにチェックボックスを挿入できるものは多いでしょう。

しかし、ストレートに言わせてもらえば、この方面の進化はここでピタリと止まっています。チェックボックスって、オンかオフしかできないのです。0か1か。「それって、どんなデジタル思考?」と問いかけたくなるのですが、「いや、だってデジタルですし」と返されてしまうのがオチでしょう。

でも、デジタルツールなのだから、もっと様々なバリエーションがあってもよいでしょう。いや、あるべきです。

その辺の機能不全を、たとえば、「チェックボックスを二つ使う」というハックでやりくりする手法もあります。

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タスクに着手したら前者にチェック、タスクを完了した後者にチェック。これでより細かい進捗管理が行える、というわけですが、いささか涙ぐましい努力と言わざるを得ません。デジタルツールの可能性は、こんなものではないでしょう。

というわけで、たとえばこんなアイデアはどうでしょうか。

img_7094

まず、普通のボックス(オフ・オン)があります。でもって、「半分終了した」→つまり、まだ終わっていない状態を表現できるhalf Doneがあります。つまり、着手はしたが完全ではない、を表現できる、ということです。でもって、これを広げると、1/4とか3/4とか、いろいろバリエーションが出てきますね。それを円グラフ的に表現してもいいかもしれません。人間の手でそれを描くのはなかなか面倒ですが、デジタルツールならば簡単です。

でもって、ドット線(あるいは透明度50%ぐらい)のボックスもあってよいでしょう。これは「いまだタスクにあらず」なもので、言い換えれば、「気になること以上、タスク未満」を表現するボックスです。世の中を見渡せば、そういう中間地点にある要素っていっぱいあると思います。それを適切に管理し、さらに表現するツールは絶対必要です。

あとは、赤色のチェックボックスで、重要性を表現したり(逆もありそうです)、紫色のチェックボックスで、そのタスクが事前に設定したものではなく、割り込みで発生したことを明示することもできるでしょう。仮に紫色ばかりであるならば、タスク管理の手法を改めて考え直す、みたいなログとしても使えます。

でもって、これらの要素でタスクをフィルター(検索)できれば、これはもう最高です。

さいごに

今回はチェックボックスの可能性、という視点で管理ツールの進化の道のりを探ってみました。

根本にあるのは、既存のタスク管理ツールが、あまりにも均一的であり、柔軟性に欠ける、ということです。世の中に、「完了前タスク」と「完了済タスク」の二種類しかないならば、それはそれでよいのですが、どうみても世界はそのようにはなっていません。だから、いろいろなものが切り落とされたり、あるいは無理矢理な変換をかまされることになります。

もちろん、ある程度はタグ機能によって柔軟性はサポートされています。しかし、個人的体験からいって、それはUIとしては物足りません。チェックボックスの色・形のように(視覚的)ダイレクトに私たちに訴えかけてくれた方が、より効果的でしょう。

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