【レビュー】Evernote仕事術(佐々木正悟)

ちょこっと登場しているので、ちょこっと紹介。

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Evernote仕事術
Evernote仕事術 佐々木 正悟

東洋経済新報社 2015-01-30
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※献本ありがとうございます。

概要

拙著と若干タイトルが似ていますが、「超」が入っていません。ある意味で、Evernoteが普通のツールになった、ということなのでしょう。

構成は大きく3つ。chapter1が「達人の活用術」、chapter2が「Evernoteをもっと便利に使う」、最後のchapter3が「Evernoteを使いこなすために最低限知っておきたいこと」。

私が登場しているのは、chapter1です。しかも、なぜか冒頭に登場しています。もしかしたら、ノート総数の多い順に並んでいる……ということはないでしょうから、何かしら編集的意図があるのでしょう。

ちなみに登場している達人は以下の9名。

  • 倉下忠憲さん
  • 濱中省吾さん
  • 五藤隆介さん
  • 海老名久美さん
  • 中島紳さん
  • 宮さやかさん
  • 横井菜穂美さん
  • とゆさん
  • 大橋悦夫さん

見知った名前もちらほらありますね。十人十色というか、皆さん違った方向性でEvernoteを利用されている点が面白いです。

chapter2では、「Evernote活用10の原則」が、chapter3では、もう少し踏み込んだノウハウが紹介されています。

さいごに

感触としては、Evernoteの入門書ではなく、「ある程度Evernoteを使ってみたけど……」な方向けの本という印象でした。わりと目立つ表紙なので、書店で見かけたらチラチラ中身を覗いてみてください。

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電子書籍新刊発売&無料キャンペーン実施のお知らせ

毎月一冊電子書籍を発売する計画の2015年1月版。

マシュマロを、もう一つ: セルフ・マネジメントのヒント集 R-style Selection
マシュマロを、もう一つ: セルフ・マネジメントのヒント集 R-style Selection 倉下忠憲

R-style 2015-01-27
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今回は、セルフ・マネジメントがテーマです。

概要

このR-styleで書いてきた、セルフ・マネジメントに関わる100以上の記事から、34記事を厳選。さらに、5つの書き下ろしミニ・エッセイも追加。

セルフ・マネジメントの方法を体系的にまとめた内容ではありませんが、何かしら考えるヒントにはなる一冊です。一直線にゴールに向かうのではなく、自分が座る位置を決める画家のようにぐるぐるとセルフ・マネジメントについて観察してみる本と言えるかもしれません。

目次や試し読みは、以下のランディングページからどうぞ。

マシュマロを、もう一つ

無料キャンペーン

新刊発売を記念して、R-style Selectionの第一弾である『真ん中の歩き方』の無料キャンペーン(¥280→0)を実施します。期間は2月1日(日)まで。

真ん中の歩き方: R-style selection
真ん中の歩き方: R-style selection 倉下忠憲

R-style 2014-08-28
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これまた直接的にはほとんど何も説明していない本ですが、その分自分の価値観みたいなものに潜り込める一冊です。よろしければ、ご覧くださいませ。

以上よろしくお願いいたします。

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社会の変転と、成功の定義[今日の情報カードより]

Scannable

高度経済成長に一段落がつき、社会で生きる人の可能性・価値観は多様化してきた。むしろ、高度経済成長をなし遂げるために、(いささか無理矢理ぎみに)集中させてきた力が、ようやくほどけはじめた、ということかもしれない。

具体的には、働き方の変化がある。

高校から大学、新卒で入社、そして定年までといったルートはもはや幻想である。つまり、さまざまな職業が選べるだけでなく、働き方も変化してきている。キャリアを転々とする人もいれば、途中で休憩する人、フリーになってまた会社員になる人、同時に複数の仕事をする人、さまざまだ。それに関連して、結婚に関する考え方も昔とは随分違ってきている。

個人の可能性を活かせる、という意味では優れた変化と言えるだろう。

しかし、そうした変化の中で、従来機能していた「成功」の定義が、機能不全に陥りつつある。人生設計のデザイン空間が限られているのなら、「成功」は狭いものであっても構わない。むしろ、狭いものであったからこそ、日本のビジョンは支えられてきた。具体的には、いかに働き、いかに消費するのかのモデルを作っていた。企業にとってはやりやすい環境だっただろう。

しかし、今から・これからは違う。

それには良い面と悪い面がある。良い面は、誰かが勝手に決めた「成功」の型に自分を押し込めなくても良いことだ。仮に100人中99人がその型にすっぽりはまることができても、残りの一人はまったく嵌らない、なんてことがある。「成功」の機能不全は、そうしたアウトサイダーにしてみれば心地よい変化と言えるだろう。

しかし、もともとそこにあったものが失われるということは、何か別のものを持ってこなければいけない、ということだ。共同幻想が崩れた今、新しい幻想を個人で立ち上げなければならない。言わば、自分なりの「成功」を定義づけなければならない。そんな”重荷”を背負うのが現代の生き方の特徴である。

言い換えれば、それは生きるという行為にコミットメントするということでもある。

それを避けたければ、すでに機能不全になっている従来の「成功」を引っ張り続けるか、あるいは自分の代わりに誰かが与えてくれる「成功」にしがみつくしか無い。前者は、(うまくいかない)社会を憎むようになるだろうし、後者は壺を買わされることになる。どちらも、あまり心躍るものではない。

「世間から見れば、僕は成功者とはとても言えないけど、納得して生きています」

ということが(酸っぱいブドウではなく)、自然に言えるかどうか。自分なりの納得感をいかにして立ち上げていくか。その辺が鍵となるのだろう。

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知的生産の技術の三階層[今日の情報カードより]

Scannable

「知的生産の技術」と呼びうるものは、大きく3つの階層に分類できる。

仮にその階層を、大きい方から順にA、B、Cと名付けよう。イメージ的な比喩を用いるなら、Aが国民年金、Bが厚生年金、Cが厚生年金基金、といったもの。三階建ての建物が想像できたのなら、それで結構。

Aは、「知的生産」という行為に汎用的に適用できる技術。一般的な本の読み方、一般的な文の書き方、メモの取り方など。「知的生産」を行うものであるならば、最終的な成果物がなんであれ身につけておいて損はないもの。これは、高度情報化社会におけるリベラル・アーツにも位置づけられるだろう。

Bは、その人の職業・職種・業種・職場といったものに限定される技術。新聞記者のライティング技術や、取材の方法などがこれにあたる。求められているフォーマットがあり、それにフィックスされた技術がある。新聞記事を書く文体で、コラムはかけない。そういうもの。

Cは、その人特有・固有の技術。作家の文体はまちがいなくこれにあたる。あるいは本棚の作り方もこうしたものに入るかもしれない。属人的な要素。汎用性は限りなく低い。

この3つの組み合わせで、一人の人の「知的生産の技術」は成り立っている。

パブリックに議論されるべきは、もちろんAだろう。Bは、ある種のグループやクラスタで検討されるのがよい。Cの技術に関しては公開・共有されるのはかまわないが、基本的には直接的転用は効かないと考えておくのがよい。そこは一般的な__つまり、皆が等しく使える__知識にはなりえない。

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贈与論と時間[本日の情報カードより]

Scannable

“贈与経済”の中では、「与える・与えられる(返ってくる)」の関係性に時差がある。つまり、時間がかかる。

しかし、物々交換、または貨幣経済の中では、その時差は消えている。与え・与えられという関係性は即座に終結してしまう。

それぞれの経済体制が本質的に同じものを有しているにしても、見えなくなった(消えてしまった)時間の影響はどこかしらに出てくるのではないか。それはマクルーハンの視点を借り、貨幣をメディアとして捉えればよりはっきりしてくるだろう。

さらに市場ー資本主義経済の中では、労働者は時給・月給という形で時間を企業に提供し、お金を得ている。ここでもまた登場するのは時間である。あるいは、贈与経済から資本主義経済に移行する中で消えてしまった時間が、別の形で立ち現れていると言えるのかもしれない。

少なくとも、贈与経済と最近の経済に何かしらの差異があるとするならば、この「時間に対する感じ方」や「扱い方」にあるのではないだろうか。今のところ強引さはあるが、そうした視点を持つことだけはできそうだ。

加えて、より先の社会、つまり情報化社会における、情報消費の上限もやはり時間的制約によって生じてしまう点も見逃せない論点となるだろう。

これらの要素をどのような視点で整理すればよいのかは、まだわからない。ただし、キーワードは時間になりそうだ。

▼こんな一冊も:

贈与論 (ちくま学芸文庫)
贈与論 (ちくま学芸文庫) マルセル モース Marcel Mauss

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今こそ読みたいマクルーハン (マイナビ新書)
今こそ読みたいマクルーハン (マイナビ新書) 小林 啓倫

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1/19 〜 1/24 今週のまとめ

今週のまとめエントリーです。

  1. スタイリッシュにマージするEvernote用のAppleScript
  2. 春樹さんへの質問、文章を書くということ
  3. 本との出会いについての断章
  4. でんでんコンバーターでスタイルを変更する方法3(アルテさんと僕)
  5. 最近のテーマとしての、「行ったり、来たり」
  6. タスク管理システムの概要を一枚にまとめてみたよ

今週は、意図的にエントリーの方向性を散らばせてみました。いろいろ模索中です。

今日の一言

今日の一言はこちらでつぶやいております。

1月19日

だから、同一化がどんどん進みます。意識しておかないと。

1月20日

1月21日

「人生が変わる」というのは、たぶんこういうことからです。

「それって当たり前だよね」ということが、案外徹底されていなかったりします。

1月22日

いろいろな変え方があります。実験してみましょう。

1月23日

たぶん、それはわざわざ生きることが持つ意味に通じるかもしれません。

1月24日

その信念が、本当に確からしいのか、という検証を欠いてしまうと、「信じたいがために信じる」という感じになります。

今週のその他エントリー

R – Medialibrary

『俺の考え』(本田宗一郎)-0051

『地球幼年期の終わり』(アーサー・C・クラーク)-0052

『ポモドーロテクニック入門』(Staffan Nöteberg)-0053

明日のメルマガ告知

毎週月曜日に配信しているメルマガ。来週号の目次はこんな感じです。

○Evernote四方山話vol.15 「知的生産の裾野を広げる」
○BNS #35
○BizArts 2nd #12 「Section7:各種メソッド・ワークフロー」
○Rashitaの本棚 2014年11月、12月の購入本リスト
○知的生産エッセイ 「建築現場と文章書き」

→メルマガの過去分エッセイは「Facebookページ」にて読めます。

頂いた感想など:

Weekly R-style Magazineは、毎週月曜日の朝7時に配信されているメルマガです。

Weeky R-style Magazine
Weekly R-style Magazine ~プロトタイプ・シンキング~(まぐまぐ)

ブログに書けないテーマ、長期的な連載、日々考えていることなどをお送りしています。

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タスク管理システムの概要を一枚にまとめてみたよ

ぱっと思いついて、手元にあるゲラの裏面に書きましたので、裏写りしていますが気にしないでください。

scan55

もちろん、これは「モデル」ですので、抽象度が少し上がっている点にご留意ください。

in 作業時間

中心になるのは、DTL(デイリータスクリスト)です。その日実行すると決めたタスクを集めたリスト。

作業時間中は、そこから何か一つ選び出し、実行する。その際に、タイマーを起動させて、時間を計る。25分なら25分この作業をやるんだ、と決めるわけです。で、終われば、DTLにチェックマークをつけて、別のタスクを取り出す。これを繰り返して一日を進めていきます。

もし、作業時間中に(電話やらメールやらで)新しいタスクが発生した場合(外部割り込みと呼びましょう)は、そのまま直接DTLに加えることはせず、一時保管場(buffer)にメモするか、緊急性が低いものはinboxにほうり込みます。ウェイトをかけるわけです。

さらにもし、bufferに入っているものとDTLを見比べて、「うん、これは今日やろう」と決意するならば、DTLにそのタスクを追加(append)します。そのように「やる」と決めたもの以外が、安易にDTLに入り込まないようにしておくのがポイントになります。

そうして作業時間を終えたら、DTLを見返すなどして、その日の振り返りを行います。マインドマップを描いてもよいでしょうし、日誌みたいなものを書く手もあります。

これが作業時間中の大まかな流れ。

Planning

じゃあ、そのDTLはどうやって作成するのかですが、そこでActivity Stockerが活躍します。マスタータスクリストと呼んでもかまいません。ともかく、「タスクの在庫」が入ったリストです。

その在庫を眺め、「うむ、今日はこれをしよう」と思うものをDTLに移していきます。注意したいのは、「これができたらいいな」と思うものではなく、「これをする」という(ある程度)強いコミットメントを持てるものだけを移すことです。でないと、タスクリストは単なる覚え書きに堕します。

じゃあ、そのActivity Stockerはどうやって作るんだ、ということですが、一番最初は「頭の棚卸し」をすることになるでしょう。「やるべきこと」をどこかに書き出していき、それを整理して、Activity Stockerを作成します。その後、何か新しいタスクが発生したら、そこにどんどん追加していくわけです。

ただし、「全ての気になること」が「全てのやるべきこと」とは限りません。私が「45歳で直木賞を取る」(ジョーダンです)という「気になること」を抱えていたとしても、今の私に具体的に取れるアクションはありません。そういうのをActivity Stockerに加えても仕方がないのです。

逆に言えば、Activity Stockerには加えないようなものを管理するリストが必要です。ですので、そういうリストも作っておきましょう。「いつかやる」とか、そういう感じのリストですね。

でもって、そうしたリストの振り分け作業を行うために、inboxというものを設置しておきます。郵便受けのように、「気になること」が集約する場所を作るわけです。そこから、一つ一つ取り上げて、「これはActivity Stocker。これはsomeday list」という感じで、行き場を振り分けていくわけです。ここで、ミニコミットメントが発生している点は重要でしょうが、マニアックな話になるので避けておきます。

実行中に発生した外部割り込みも、一度inboxに置いてから、「これはActivity Stockerか or not?」という思考を加えて、どこかのリストに振り分けます。よく考えてみると、そんなにたいしたことの作業でも、発生した瞬間には気になる指数が跳ね上がるものです。それに流されていると、重要度の高い案件から手が遠ざかります。そういうのを避けるための工夫です。

一週間に一度ぐらいは、Activity Stockerやらその他のリストを見返して、「これでよいのかどうか」を確認します。それによって、コミットメントの同期を行うわけです。これもマニアックなので、詳細は割愛します。

さいごに

もう一度書きますが、これは抽象度を上げた「モデル」です。複数の「仕事術」からエッセンスを抽出し、作り上げたタスク管理システムのモデルです。

inboxは書類受けとは限りませんし、外部割り込みが電話によって発生するとも限りません。タスクの実行中にタイマーなんて使えない、という人もいるでしょう。別にそれはそれで構いません。ここでは、あくまでタスクの移動の経路が示されているだけです。

逆に問いたいのは、そういうタスクの経路があるのか、そしてそれは滞っていないのか、という疑問です。まったく滞っていないのなら、現状のまま続ければよいでしょう。そうでなければ、全体像を見返してみることです。どこかに、「故障箇所」があるのかもしれません。

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最近のテーマとしての、「行ったり、来たり」

最近、似たようなフレーズに何度も遭遇する経験がありました。同じような言葉が頻繁に目にとまるのです。

まったく異なる時代や作者における経験だったので、ようするにたまたまなのでしょう。むしろ、私の意識の方に、その言葉を拾い上げるアンテナが機能していたのかもしれません。

つまり、それが私の近頃の(無意識下の)テーマなのでしょう。

そのフレーズを、つまり最近の私のテーマを、できるだけ短くまとてみると、

「行ったり、来たりする」

となります。

行ったり、来たりする。うん、いいですね。

そこにある意味

行ったり、来たりするというのは、

  • 何度もしつこくチャレンジすることであり
  • 短期的に決めないということであり
  • 場所を変え、視点を変え、手段を変え、といったことであり
  • 元いた場所に帰ってくる

ということでもあります。

たとえば本を書いているときなんかは、今まさに書き進めている文章に集中しながら、その作業が終われば全体のアウトラインを確認するという作業を行ったり来たりするわけです。

つまり、異なるものを共存させる在り方であり、ハイブリッドとか中庸という言い方もできるんでしょうが、「行ったり、来たり」の方が親しみやすく、現実的な響きがあります。

たとえば、何かの思考を進める場合でも、まず自分でその論拠を組み立てながら(行ったり)、それが一通り済めば今度はそれを論破する視点で自分の論拠に攻撃を加える(来たり)、ということを行って徐々に強度を高めていきます。

おそらくごく単純になるようにデザインされた世界以外では、この「行ったり、来たり」のアプローチは、現実的で、実質的で、実際的で、有効で、汎用性がある手法なのではないでしょうか。

もちろん、「一直線に行きっぱなし」に比べると時間もかかりますし、手間もかかりますし、迫力みたいなものも落ち込むのかもしれません。が、そういうのはそういうのが得意な人たちに任せておくことにして、私は私なりに「行ったり、来たり」したいと感じます。

そう言えば、「行ったり、来たり」って英語でどう表現するんでしょうね。ちょっと気になりました。ちなみに、いったん日本語で考えて、さらに英語で考えてみてから、また日本語で考え直す、というのも「行ったり、来たり」ですね。

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でんでんコンバーターでスタイルを変更する方法3(アルテさんと僕)

その1:でんでんコンバーターでスタイルを変更する方法(アルテさんと僕)
その2:でんでんコンバーターでスタイルを変更する方法2(アルテさんと僕)


「さて、前回のお話は覚えているかしら?」
「アルテさんの寝相がすごく悪い、という所まででしたね」
「どうやら脳がハッキングされているみたいね。はやく電源を落とさないと!」
「ちょっ、それで殴られた重傷じゃすみませんよ」
いったいどこから出てきたのか人の身長ほどある万年筆を振りかぶるアルテさん。「君がしょーもないこと言うからじゃないの」
「ジョークですよ。ジョーク。アイスブレイクとしてのジョーク」
はははっと乾いた笑い声をあげる僕。アルテさんの視線は、空気中の窒素すら凍てつかせる直前だ。
「とにかく本題に戻りましょう。前回紹介したように、スタイルの変更は全体に影響を与えます。でも、特定の部分だけ変えたいときもありますね」
「はい」
「そういう場合には、2つ方法があります。1つは、classかidをあてること。もう1つは、直にスタイルを書くこと」
「……なんか一気に難しそうになりましたね」
「そうでもないんだけど、CSSを知らないと難しく聞こえるかもしれないわね。じゃあ、classとidについては後回しにしましょう。今回は直にスタイルを書く方法に限定するわ」
「それだと簡単なんですか?」
「簡単というか、シンプルね。たとえば一箇所だけ見出しの文字を大きくしたい場所があったとしましょう。でんでんマークダウンだと、次のように書けば三段階目の見出しになるわね」

screenshot

「はい。そうなります」
「これは実際の所、次のように書くHTMLと同値なの」

screenshot

「というか、###で囲った部分がこのように変換されるということね。だから、変換後の形をそのまま書いても問題ないわけ。ここまではOK?」
「なんとか、大丈夫です」
「よろしい。この形で記述すると、タグの中に直接スタイルを書くことができます」
「タグというのは<h3>ですね」
「そう。つまり、こうなります」

screenshot

「こうすると、他の見出しのスタイルはそのままに、この箇所だけ表示を変更できます。この場合だと、文字サイズの変更ね」
「ふむふむ。つまり、CSSファイルの中に書くことを、ここに直接書いちゃうわけですね」
「そうです。そして、CSSファイルに同じ要素に関する指定があっても、直に書いた方が優先されます」
「優先?」
「たとえば、CSSファイルでh3にfont-size:1.1em;のスタイルが設定されていても、直にfont-size:1.3em;と書けば、そうして書いた部分だけは1.3emになる、ということ」
「指定が上書きされる、ということですね」
「まあ、そんなところね」
「でも、CSSファイルだと複数のスタイル指定ができましたよね。直に書く場合はどうなるんですか」
「改行を入れずに、そのまま連続して書けばOK。可読性はあまりよくないけど、ちょっとぐらいの変更なら気にならないと思うわ」

screenshot

「なるほど。把握しました。なんとか、これで細かい変更もできそうです」
「まあ、これはあまりスマートな方法じゃないんだけど、小さい問題ならいけるでしょう。後は、どんなスタイル指定ができるかをマスターするだけね。それは<練習問題>でやってみましょう」
「わかりました」
「じゃあ、今回の講義はこれまでです」
「ありがとうございます」

(でんでんコンバーターでスタイルを変更する方法編 終)

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本との出会いについての断章

あまりにもまとまっていないので、思っていることを脈絡なく並べます。

本との出会い

読書好きが抱える3つの制約

という記事を書いたのだけれども、読書好きは制約と共に欲望も抱えています。その一つが「あたらしい本との出会い」です。

家には未読の本が山ほど合って、さらに再読したい本もマウンテンのようにあるのに、ついつい書店に行ってしまう。どん欲です。

もちろん、その「あたらしい本」は、イコール新刊というわけではなく、単に自分が読んだことがない本、という意味。で、その読んだことがない本も、詳しく見ると、「自分の文脈内にある本」と「自分の文脈外にある本」の二種類に分けられそうです。

前者は好きな作家の本とか自分の専門分野、後者は新しい作家の出会い、といったカテゴライズになります。

さて、本の出会いの場所なのですが、これは言い換えれば、本の情報と遭遇する場所ということです。代表例は書店ですが、そればかりではありません。それに書店にもいろいろあります。

  • 書店(大型・小型・専門店・ウェブを含む)
  • 中古書店(チェーンタイプ・小型・専門店・ウェブを含む)
  • 書評・本を紹介するメディア(ブログ・アプリを含む)
  • 他人のオススメ(読書会・ビブリオバトル含む)
  • 他人の本棚(ウェブ本棚を含む)
  • 図書館(私設・公設)・ライブラリがあるカフェなど

大ざっぱに考えると、だいたいこんな感じでしょうか。で、それぞれ少しずつ異なった性質を持っています。自分の文脈外の本とどれだけ出会えるのか、出会った本がどれだけ自分に向けて訴えかけてくるのか。そういった違いです。

ちなみに、書店はメディアである、という言葉がありますが、たぶんその文脈で言えば、他人の目に晒される本棚もまたメディアと言えそうです。最近スタートさせた「1000冊の本の紹介」なんかをやっていても、それは感じます。

さて、書店や新聞の書評記事では、基本的に「新しい本」が紹介されます。当然、それは買いやすいわけです。品切れ、ということはあるにせよ、まあ買えます。

ただ、他人の本棚で見かけた本はなかなかそうはいきません。2000年ぐらいの本でも、Amazonで検索すると中古しかない、みたいなことがありえます。34円とかで出品されていたりするわけです。つまり、在庫がない。出版社にも卸にもない。ようは、売り切り商売です。コンビニのソフトドリンクみたいですね。

でも、それは仕方がありません。こんなに出版点数が多いのだから、その全ての在庫なんて抱えられているわけがありません。金銭的はともかく物理的な限界はやっぱりあります。だから、世の中には新品で買えない本がやまほどできてくるわけです。

で、私が他の人の本棚を覗いて、面白そうだな〜と思った本をAmazonで検索して、そこに中古しかないとちょっと残念な気持ちがしてしまうわけです。そして、このSNS時代においては、「他人の本棚」に触れる機会が増えてきています。この変化は、実はかなり大きいのではないでしょうか。

別に私は中古で本を買うのが嫌なわけではありません。私は書籍平等主義者なので、新品でも中古でも紙でもデジタルでも分け隔て無く受け入れます。残念な気持ちがするのは、売り手としての視点です。

つまり、今このとき電子書籍で400~800円ぐらいで販売されていたら即座に買うという人間がここにいるにも関わらず、市場(Amazonですね)には、それがない。この感覚は、コンビニに行ったときに、人気商品が陳列されている棚がまるまる空っぽになっていて、仕方なく別の商品を買って帰るときの気持ちに似ています。簡単に言えば、機会損失です。ロングテールが形成されていないのです。

お断りしておきますが、新品が入手できないことに文句を言っているわけではありません。そうではなくて、作れたはずの売り上げが、作れていないという状況に構造的問題があるのではないか、と考えているわけです。

もちろん、この話は「なんでも電子書籍化しておけば、ロングテールが作れる」ということを意味してはいません。まったく意味してはいません。全然売れない本が1万冊集まっても、やっぱり売り上げは0なのです。ただ、一年間で一冊売れる本が一万冊集まれば、一万冊の売り上げになります。この1の差は、唖然とするほど大きいものです。

それはつまり、本の質、が問われるということです。この問題は避けては通れません。

さいごに

書いてみて、少しばかり脳内の整理はできましたが、結論みたいなものは(まだ)ありません。

とりあえず、売り手側は、(読者の)本との出会いというものを、多面的に捉えることが必要なのではないかと感じます。書店の一番良いスペース、というのはもちろん大切なわけですが、それだけもないでしょう。あと読者にも、ものすごく本好きの読者と、それほどではない読者と、ぜんぜん本好きではない読者がいます。どこに、どうリーチするのかによって、戦略みたいなものも変わってくるでしょう。

今後、消費が個人化し、個々人が専門化していくならば、「ベストセラー」的なものはどんどん生まれにくくなってくるはずです。そうした環境の中で、本との出会いをどうデザインするのかは、きっと大きな問題(及びビジネス的機会)となってくるのかもしれません。

ちなみに、「本を紹介する」ことについても書きたかったのですが、また回を改めましょう。

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