Category: ライフデザイン

「これからの働き方」を考えるための質問、から考えてみた

イケダハヤトさんの『旗を立てて生きる』を読んでいたら、「これからの働き方」を考えるための10の質問、というのが紹介されていた。いろいろ考えさせられる質問だ。

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質問は以下の10個だ。

質問1・来月から給料が振り込まれないとしたら、あなたはどうしますか?
質問2・社外のプロフェッショナルとのつながりはありますか?
質問3・「下積み3年」なんて価値観を持っていませんか?
質問4・「会社を辞める」という逃げ道を確保していますか?
質問5・最低限の生活コストはいくらですか?
質問6・「働き方のロールモデル」はいますか?
質問7・「死ぬまで定収入」でも働けますか?
質問8・仕事を通して解決したい問題はありますか?
質問9・「会社が目指すこと」と「自分が目指すこと」は一致していますか?
質問10・人生のプライオリティは明確ですか?

いくつかピックして考えてみよう。

来月から給料が振り込まれないとしたら、あなたはどうしますか?

率直に言えば、困る、とかオロオロする、という答えになるだろう。もちろん、この質問はそういうことを問うているわけではない。

むしろ、この質問は

「来月から給料が振り込まれないことになりました。あなたは今から何をしますか?」

と書き換えた方がよいかもしれない。そうしたほうが、より行動的な思考が促されるような気がする。

それはさておき、現状私はフリーランスなので、今のところ「給料」はもらっていない。しかしながら、30歳になるまではそれを頂いていた。で、二つの環境に身を置いて痛切に感じることだが、給料というのは実にありがたい存在である。

『ブラック・スワン』のタレブは、

中毒になったら一番ひどいことになるもの三つ。ヘロイン、炭水化物、そして月給。

なんて痛烈な皮肉を書いているが、この表現はある部分ではたしかに理解できる。

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給料を毎月もらえるというのは、単純に経済的な効果だけではなく、安心感と呼べるようなものも付いてくるのだ。損失回避などの人の脳の働きから考えると、それに強く惹かれる気持ちが湧いてくることも十分に理解できる。

でも、毎月給料が振り込まれなくても、なんとか生きていくことはできる。というか、今のところはそれが出来ている。といっても、左うちわをあおぎながら昼間からシャンパンをかっくらう、なんてことはもちろんできない。ただ、生活できているというレベルだ。

この辺は、価値観による選択の問題だ。どのように生きるのか、ということをベースにして自分でチョイスしなければいけない。ただ、「そういう選択肢もあるんだな」ということは頭の片隅にでも置いておいたほうがよいだろう。

最低限の生活コストはいくらですか?

私は、自分で家計簿の管理をしているので、これに答えることができる。

答えることが出来れば、「この程度の収入があれば死なない」ということはわかる。そうすると、仕事をえり好み・・・はあまりしなけれども、可能である。

さらにいえば、我が家は徹底して生活のランニングコストを抑えるようにしている。一時的な出費はいい。ただ恒常的な出費についてはシビアに考えるようにしている。たとえば家のローンとか。あるいは田舎住まいを続けている理由の一端もここにある。

いささか貧乏くさい発想だが、生活のランニングコストを抑えていると、仕事に関する自由度はあがる。何が何でもお金を得なければ、とはならないからだ。これはもちろん、我が夫婦に子どもがいないことも大いに関係している。

漠然としたものと対峙するのは、恐ろしい。

衣食住を最低限満たすためには、どのぐらいのお金が必要なのか。一度きっちりしっておくことも良いだろう。

しかし、このことは逆に言えば、ランニングコストがすでに高く、かつ下げられない状態の人は仕事に関する選択肢が狭い、ということになる。こればかりはどうしようもない。

「働き方のロールモデル」はいますか?

前を見ても、横を見ても、特にはいない。

なんとなく、生い茂った獣道を小さなハサミを持って突き進んでいる印象がある。

が、それはそれとして、人生のさまざまな場面において「先輩」には恵まれてきた。よき「上司」にたくさん出会えた。

フリーランス、というか物書きになった現在でも先輩方には(直接ではないにせよ)教えてもらえることは多い。そうしたことが価値観を醸成し、それが何かを決める際の軸になる。私にとってはそれで十分だ。あとは環境と巡り合わせにあわせて、何かしらを選択したり、自分で作り上げればいい。

次の質問を関連するのだが、「働き方」そのものは副次的なものでしかないように思える。

人生のプライオリティは明確ですか?

「自分にとって、何が一番大切か」

実にクリティカルな質問だ。

たぶん、そういうことは普通に生きている時には考えたりはしない。たいていは、それで問題なく生きていける。が、大きな決断に迫られたとき、それが明確でないと迷うことになる。あるいは、感情の高ぶりに任せて選択してしまい、後悔を腹に抱え込むことになる。

私にとっては、家族と(というか妻と)一緒に過ごす時間が大切だし、友人と遊ぶ時間も同じぐらいに重要だ。当然のように、読書する時間は何がなんでも確保したい。仮に収入が30%ダウンしたとしても__もちろん、それで生計が成り立っている必要があるが__本を読む時間が無くなるのは避けたい。

あと自分が考える時間も余力も確保したいので、雑多なメディア情報はおおよそカットしている。周りの話題に一切ついて行けなくなるが、プライオリティがはっきりしているのでどうということはない。

このブログだってそうだ。

情報を「消費」されやすいように提供すれば、アクセス数はきっと伸びることだろう。が、そんなことに私は何の価値も感じない。100人中99人のブロガーが、そういうスタイルでも、R-styleは別物なのだ。私自身は、それでまったくもって納得できているので、望遠鏡や顕微鏡を使っても問題は見当たらない。

正直言って、「自分にとって、何が一番大切か」を考えるのは、簡単ではない。今日考えたところで、それがすぐに見いだせるわけでもない。『七つの習慣』でミッション・ステートメントは何度も書き直す必要がある、とコヴィーが説いていたのと同じことだ。

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たぶん、「いつもと同じ状況」に身を置いているだけではなかなか見つからないだろう。さまざまな環境に実際的、あるいは仮説的に身を置くことで、自分自身の価値観に光を当てることができる。だからこそ、小説は偉大なのだ。

さいごに

「人生のプライオリティ」は、まるで光り輝く銀の弾丸のように思えるかもしれない。でも、実際はそうではないのだ。

何かに光を当てれば、影が生まれる。それは避けようもない。

自分の心にある気がつかなかった方が良かったものを見てしまうかもしれないし、プライオリティに忠実であろうとするばかりに軋轢を生んでしまうこともあるだろう。

何もかも良いことを、というわけには行かないのだ。

でもきっと、人生をデザインする、というのはそういうことなのだろうと思う。

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