Category: 政治・社会

2010年7月参院選雑感

2010年7月11日に、第22回参議院選挙の投票が行われました。民主党苦戦の前評判がちらほらと流れていましたが、苦戦どころの騒ぎではありません。

【参院選】民主44、自民51 参院選で全当選議席が確定(産経新聞)

 第22回参院選は12日朝、改選121議席(選挙区73、比例代表48)の当選者がすべて確定した。民主党は選挙区28、比例16の44議席で、改選54から大きく後退した。民主党大敗の結果、非改選を含めた与党系議席は参院過半数122を12議席も割り込んだ。菅直人首相は続投を表明したが、与党内にも首相、執行部への批判がくすぶる。「衆参ねじれ」が生じる中で、厳しい政権運営を強いられることは必至だ。

結局、与党で過半数を維持することが出来ず、「ねじれ」の構造を生むことになってしまいました。逼迫した日本の状況を踏まえて、管内閣がいかにスピード感を出していけるのか、というのは注目したいところです。

今回は選挙やその結果について考えたことを書いておきたいと思います。

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新しい物々交換社会

現在の音楽業界の状況や、これからやってくる電子書籍がもたらす物が、社会にどのような変化を与えるのか、ということをぽつぽつと考えている。

それは、もしかしたらドラスティックな変化ではないのかも知れない。経済学者やマーケティング担当者があれこれいじり回す砂場ではなく、もっと現実的で卑近で日常的な変化、なのかもしれない。

産業構造の変化

産業は第一次、第二次、第三次というような分類のされ方をする。いちいち文献をあたるのも面倒なので、さくっとウィキペディアから引用すると

第一次産業 - 農業、林業、水産業など、狩猟、採集。
第二次産業 - 製造業、建設業など、工業生産、加工業。電気・ガス・水道業
第三次産業 - 情報通信業、金融業、運輸業、小売業、サービス業など、非物質的な生産業、配分業。

こういう分け方だ。これをレイヤー構造として見ることもできる。つまり土台が第一次産業でその上に二次、三次という層がのっかっている、という形だ。食料品が、農業→加工業→小売業というルートをたどることを考えれば、これを理解することはたやすいだろう。しかし、これはピラミッド型であるとは単純に言い切ることはできない。現状の世界を見回しても、動いている金額が一番大きいのは第三次産業であろう。特に金融業は相当の規模のお金が動いている。その理由についてはいろいろな理屈を引っ張り上げることはできるだろうが、極端なことを言えばこれらの産業を接続しているのがお金だからだろう。

物々交換の仲立ち

例えば第一次産業だけに焦点を絞って考えると、農業をやっている人は自分の手で何かを生産している。まあ機械を使うかも知れないが、自分で作っていると表現しても差し障りはないだろう。もちろん農業をしている人は自分で作った物を自分で食べる(自給自足)でやっていけるかも知れないが、時には魚が食べたくなるかもしれない。あるいは家の中を暖める薪が必要かも知れない。そう言うときには、自分が作った物を差し出して、相手が作った物と交換してもらうことができる。もちろん両者がその交換に納得すれば、という前提条件が付くが。これが原始的な経済活動だ。

ただ、作られる物の種類が増えてきたり、あるいは「保存性」の観点から交換できる物に有利不利が出てきたり、とさまざまな理由から、間を取り持つ物の必要性がでてきた。それが「お金」である。小難しく言えば貨幣だ。まあどっちでもいい。とりあえず、押さえておきたいのは「お金」というのは約束事でしかない、と言うことだ。本来のお金というのは「物と物が交換される前の中立的な形態」でしかない。だから限りなく極端に誤解を恐れず言えば、「お金(というシステム)は無くてもよい」と言える。それと同時に「あったら便利」であることも間違いない事実だ。

社会的動物とマーケティング

さて、話はぐぐっとかわる。人間という存在についてだ。人間というのは「~的動物」という表現をされる。「~」に入る言葉がたくさんあるが、「社会的動物」という言い方はかなりしっくり来るものだ。
※人間以外にも社会的動物というのは存在する。

人間は社会をつくって、その中に住む。そういった行為を好む。ポイントは「社会」というのが大きな単一の物ではない、ということだ。その中には細分化された社会_小社会_が多数存在し、人はいくつかの社会を抱え込みながら生きている。例えば「役割」という言葉に置き換えればわかりやすいかも知れない。いろいろな局面でいろいろな役割を担い、それをこなしながら生活していく。人間はただ人間であるだけではすまないのだ。

現実社会を見れば、人間が多くの役割を抱えている、という事実はすぐにわかる。しかし、それに相反する行為がある。それが「マーケティング」だ。特に近年のマーケティングは、「より細分化された個人像」を追い求めてきたような気がする。年齢、性別、住んでいる地域、趣味、収入、家族構成、エトセトラ、エトセトラ。

これらのデータは実際の人の生き方からではなく、その商品はどういった人に売れるのか、という視点から逆にセッティングされている。データをわかりやすく、かつ理論的に見せるために人が持つ多義性というのは切り取られてしまう。

もちろん、これらの手法は効果を上げていた。それはマスが機能していたからだ。マスが機能しているとは、つまり「モデル」が成立するということだ。25歳の都会に住む会社員で一人暮らしの男性はこういうスーツを着なさい、こういう腕時計をしなさい、こういう車に乗りなさい。だって、みんなそうしていますから。というわけだ。マーケティングがモデルを作り上げ、それに追従する流れを生むことで商品が売れる、という時代が確かに存在していたのだろう。しかし今はマスがあまり機能しない。マスが機能しないとモデルもまた機能しない。今までのマーケティング手法が通用しないとするならば、それは当然のことだろう。

「綿密」なマーケティングがもたらす問題はそれだけではない。とある属性(年齢、性別、エトセトラ)を持つ人向けて提供される商品というのは、違う属性の人と共有することがかなり難しくなる。一人の子持ちのお父さん向けに開発された商品は、それが適切であればあるほどお母さんや子どもとは共有できないものになってしまう。結局個人で楽しむか、同じ属性を共有する人たちで楽しむか、という選択になる。これは異種間での人と人とのつながりが失われてしまう可能性を秘めている。

個人がもつデータを細かく取れば取るほど「マス」は消え去る。そしてその切り取ったデータに基づいた商品を提供することで属性が同じ人たちがタコツボ化する。前者は個人の多義性をつみ取り、後者は人間の関係性の多義性を削る。

結局「国民全員が共有できる」とか「日本の男性ならこれはもっとけ」みたいな商品は姿を消す。例えば昔は車を持つことがステータスだった。だから車にまったく興味が無くても「とりあえず」車に関する知識を仕入れる必要があった。別にマニアにならなくても、ある程度車について知っておかなければならなかったわけだ。しかし、今では違う。「車には興味がありません」といえばそれで終了。それが良いのか悪いのか、私には判断できない。しかし、マーケティングという格子状で区切られた檻の中に入ってしまい兼ねない状況を生み出していることは間違いない。

その中で一番の問題は、その檻がどんな豪華で立派な形をしていても「消費者」というネームプレートだけは決して外れない、ということだ。

まとめ

なかなか回りくどい話だったが、ようするに「高度経済成長期」の日本では大半の人が「消費者」として生きてきた、ということだ。少なくとも企業からはそうやって見られていた。しかし、それが変化する時代が来たのではないか、という思いがある。誰しもが「消費者」でありながら「生産者」である時代。消費者として切り取られた存在ではなく、消費者と生産者が同居するようなあり方。そういうものが生まれてくるのではないかと思う。おそらく今後の企業のマーケティングもそういった人の多義性を前提とした組み立て方をする必要があるだろう。

電子書籍や音楽業界に限ったものではなく、ブログ、Twitter、Facebookというようなネット上の活動は「消費」と「生産」を同時に含んだ物だ。「生産」に関わる割合が多い人もいれば、少ない人もいるだろう。しかし、何かしらの形で「生産」とは切っても切れない社会が今後やってくるような気がする。

今だって近しいことはいくらでもある。例えばここでこうしてブログを書いている私に「献本」がやってくる。それは「その本」と「その本を紹介する」という行為が物々交換されているといっても良いだろう。私がひとまとまりのエッセイを書けば、それをどこかのミュージシャンが「自分の作った楽曲と交換して下さい」というような話もあるかもしれない。少なくともそういう可能性はいつでも眠っている。これは新しい形の物々交換社会の一部分を「フォーカス」したものと言えるだろう。

これから生まれようとしているものは、第一次から第三次までの産業構造の中にあるものではなく、その外に広がる「お金を介さない」報酬や恩恵というものが当たり前にやりとりされる社会の形なのかもしれない。

参考ウィキペディア:
産業:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%A3%E6%A5%AD
社会的動物:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A4%BE%E4%BC%9A%E7%9A%84%E5%8B%95%E7%89%A9

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「激震 マスメディア ~テレビ・新聞の未来~」の雑感

2010年3月22日午後10時から放送された NHKの放送記念日特集「激震 マスメディア ~テレビ・新聞の未来~」は非常に興味深い内容であった。

有識者を集めた討論を行う、ということでテーマは以下のようなものだ。

今後、マスメディアはどう変革していくべきなのか。変革するためには何が必要なのか。そして、それは私たちの暮らしにどんな影響を及ぼすのか。世界のメディアの最新状況を伝えるVTR取材と、有識者によるスタジオでの討論をもとに、ネット時代のマスメディアのあり方について考える。

ちなみに、有識者は以下のメンバー。番組中でも座り位置で明確だったが番組側が想定していた対立軸がはっきりとわかるメンバー構成だ。

<ゲスト>
●日本新聞協会会長   内山斉 (読売新聞グループ本社代表取締役社長) 
●日本民間放送連盟会長 広瀬道貞(テレビ朝日顧問) 
●ドワンゴ会長     川上量生 
●ITジャーナリスト  佐々木俊尚
●学習院大学教授    遠藤薫  
●NHK副会長     今井義典 

マスメディアとネット。この対立軸からネット時代のマスメディアのあり方を模索するというのが試みであったのだろう。

また、それに関連した動きとしてUSTで番組にツッコミを入れるという企画も動いていた。
視聴された方も多いかも知れないし、あるいは存在だけは知っているという方も相当数おられるだろう。

切込隊長さんの「NHKハッシュタグ問題に関する私見(告知あり)」を見れば大体わかるが、

“革命的Ustream放送”「激笑 裏マスメディア~テレビ・新聞の過去~」の裏側 (1/2)(ITMedia)

も参考になるだろう。私自身はNHKの放送とUSTを同時に視聴し、その後しばらくはUSTも追いかけていたが、途中で断念した。ITMediaの記事を見ると30分ほど中継が途絶えていたそうだが、そのタイミングで「あぁもう寝なきゃ」ということで眠りについた。

というわけで、この裏USTについてはあまり言うべきことを持たない。強いて言えば、
・飲み会の中継(それはそれで面白い)
・特定の人飲み過ぎ(エビス美味しそう)
・毒舌家二人は多すぎた?(誰とは言うまい)

程度の感想があるばかりだ。試みとしては面白かったし、技術的な問題点も今回の事例で明らかになっただろうから、今後の展開にはますます期待ができると思う。

以下は雑感ながら「激震 マスメディア ~テレビ・新聞の未来~」の番組内で語られていた事を考えてみたいと思う。
※長文注意

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日本経済新聞電子版についての雑感

2010年3月23日、「NIKKEI NET」が「日本経済新聞電子版」に移行した。それに伴ってドメインもドットコムに移行している。

以前の「NIKKEI NET」はネットで利用に重きは置いていない、というスタイルだった。フィードも無かったし、個別記事のページタイトルも記事の内容ではなく統一のものが使われていた。例えば企業ニュースであれば以下の通りだ。

「NIKKEI NET(日経ネット):企業ニュース-企業の事業戦略、合併や提携から決算や人事まで速報」

どの記事でもカテゴリー以下のタイトルはこうなる。引用する場合に多少不便さはあった。もちろん、そんな使い方はしてほしくない、という一種の意思表示だったのだろう。
※ちなみに、日経新聞電子版でもフィード配信はしていない様子。それは類似のサービスを有料版で提供しているからだろう。

今回の大幅な刷新は、そこからの転換を期待していた。いくらなんでもそのままではこれから結構きついよね、という認識は新聞業界では共通のものだろうと思う。もちろん新聞社として収益を上げられる構造を作るのは当然で、じゃあどのような仕組みで収益を作っていくのかという視点で「実験例」としては注目度が高かったのではないだろうか。

今回は日経新聞のサイト「ご利用ガイド」のページをいろいろ見て回ての感想等をかいてみたい。
日本経済新聞「ご利用ガイド」
※現時点でまだ「準備中」のコンテンツがいくつかある。

まず目につくのは、この一文だ。

電子版の全ての記事をご覧いただくには有料会員登録が必要です。

お金払ってくれないと、すべての文章見せないよ、ということ。これは理解できる。
無料と有料のコンテンツを分けるのは戦略としては当然のことだろう。さわりだけ無料で本格的な内容は有料、ということなのだろう。

以前はサイト上に書かれてある「NIKKEINETとの違い」を引用したもの。

日本経済新聞 電子版は情報量も機能もNIKKEI NETから大幅にパワーアップ。日経の確かな情報を、これまで以上に「速く・詳しく・深く」お届けします。

日本経済新聞 電子版は、無料でご覧いただけるニュースもこれまで以上に速く、詳しくお伝えします。さらに有料会員にご登録いただくと、「より深く、より高機能のサービ ス」をすべてご利用いただけます。また登録会員(無料)も有料会員向け記事を一定件数までご覧いただけるほか、多くのサービスをご利用いただくことができ ます。この機会にぜひ日本経済新聞 電子版へご登録ください。

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読者ひとりひとりの目的に応じて「日本経済新聞 電子版」をより有効にご活用いただくためのパーソナライズ機能が加わりました。パソコンと携帯電話の連携はもちろん、オリジナルのガジェット作成機能など により、自宅で、オフィスで、そして通勤中や外出中にも最新の情報にアクセスできます。

日本経済新聞 電子版では読者のニーズに応える充実の検索機能でビジネスを強力サポート。 記事検索は日経テレコンの機能を電子版読者向けに提供します。有料会員は過去5年分の記事を一定本数までは基本料金内で利用可能です。会員の方には日経テ レコンの人事情報データベース「日経WHO’S WHO」※もご利用いただけます。(※別途料金がかかります)

有料会員限定サービスとして携帯電話向けサービスを提供します。いつでもどこでも携帯電話で朝刊、夕刊や最新ニュースを読めます

まず気になるところが、「有料会員」だ。無料と有料の違いやその料金というところがサービスを使う上でもっともチェックしたいところだろう。

4つの読者層

日経新聞電子版を読む人は4つのパターンから選べるようになっている。

・未登録読者
・電子版会員登録(無料) 4/30まで?
・電子版月ぎめプラン(4000円)
・日経Wプラン(5383円、4568円)→宅配+電子版
 ※料金の違いは住んでいる地域で発生する

それぞれ提供されているサービスは異なる。
詳しい違いはサイトを見てもらうとして、ざっくりと見ていくとする。

未登録読者は、ほとんど何もできない。記事の検索すらできないというから驚きだ。

無料の会員登録をすると、記事の見出し部分だけ検索ができるようになる。しかし、検索結果の本文は有料会員でないと読めない、という形になっている。あとは月に20本の特ダネ記事が読める。問題は「特ダネ」の判断が日経側にあるということだろうか。

有料版になると当然料金が月々に発生する。最低で月4000円。ちょっと理解できないくらい高額な料金だ。

無料版の会員との違いは、特ダネ記事の上限がなくなり、朝刊、夕刊が画面で読める、おすすめ記事が届く、検索した結果の記事本文が読めるようになる(上限があるようだ)、世界の市況データを見る事ができ、携帯でも記事を確認できる、とかなり機能アップが見られる。

ただし検索まわりの上限は月に25本。その上限以降記事の検索が一件ごとに175円。一体全体どのような算出方法でこの料金がでてきたのかはまったく不明である。

一応お試しとして4/30までは有料会員登録しても料金は発生しないキャンペーンを行っているようだ。もちろん、ありがちに

<無料利用期間について>
日本経済新聞 電子版の有料会員向けサービスは、キャンペーン期間中に有料会員(電子版月ぎめプラン、日経Wプラン)の登録をおこなうと創刊記念として2010年3月 23日~4月30日まで無料でご利用いただけます。
 ただし、2010年4月30日までに電子版の解約をおこなわなかった場合はサービスの課金対象となりますので、ご注意ください。
2010年5月1日以降も引き続き登録会員(無料)としてご利用をご希望の方は一度電子版 有料会員をご解約の上、再度登録会員(無料)の手続きをお願いします。

となっている。この辺の「無料→知らない間に有料」というのは「行動経済学」を使った手法としてはありふれている。最近ではアマゾンプライムのお試しも同様の手法を使っていた。
※参考文献参照

まず、無料会員では情報の「アーカイブ」としては何の役にも立たないし、有料会員でも、一日に一つ以上記事を検索すれば追加の料金が発生する、ということになる。まず、正直な感想だが、月額の料金の高さの割に検索の上限が低すぎる。

さらに謎なのが、有料会員のハイグレード「宅配+」版の存在である。これは後述する。

オフの情報

続いて「豊富な専門情報でONもOFFも完全サポート」というページを見てみる。
以下は該当ページよりの引用だ。

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果たして、ネットを使っているユーザーがこのようなオフの情報を必要としているだろうか。そんな情報はどこでも(しかも無料で)手に入る。ネット化するならば、徹底的に日経新聞ならではの記事に特化し。その他のコンテンツは切り捨て、全体のコストダウンを図るべきではないだろうか。必要ない情報を提供するために、あの月額4000円を提示されたとして納得して払う人がどの程度いるだろうか。

携帯向けサービスについて

詳しく解説するのも面倒なので、以下のページをご覧いただきたい。当然かのようにすっぽりとスマートフォンへの言及はない。
http://www.nikkei.com/guide/mobile/index.html

果たしてこれでよいのだろうか。そもそもこのサービスはどの辺りの「客層」を狙ったものなのだろうか。若い世代はテレビも新聞も見ないし、パソコンもあまり触らない。依存度でいうと携帯が一番高い気がする。もっと絞り込んだサービスで携帯のみの課金サービスがあってもよいのではないだろうか。

理不尽な宅配サービス

一番疑問なのは、有料会員の最上位版である「宅配と電子版のサービスの提供」である。一体全体これに何の意味があるのだろうか。誰が得するのだろうか。もし有料会員によって提供されるサービスが月額4000円支払う価値があるならば紙の新聞など必要無いはずだ。パソコンで読めるんだし、検索もできるし、印刷だってできるだろう。あきらかに「紙の新聞」ありきの発想のこのサービスとその料金には納得ができない。

すこし考えてもらいたいのだが、紙の新聞はその広告料で収益を得ているはずだ、でもってそれは発行部数で担保されるものだろう。電子版を読みたい人は、日経新聞が求めるそのビジネスモデルからは外れている人だ。そのような人から課金したいからこその法外とも呼べる月額の料金であり、上限を超えた分の検索料金であろう。

そのモデルのみの課金では成り立たない不安があるから、紙の新聞で利益を出そうとしているのかもしれない。しかしながら、発想はまったく逆ではないだろうか。むしろ、電子版を申し込みながらも紙の新聞つまり利用者から見れば、鍋の敷紙か、広告にしか意味が無い物を受け取ってもらうならば、「値引きする」という方法をとるべきではないだろうか。そうであれば、多くの人が宅配ありを選び、その結果形だけの発行部数を維持する事ができるはずだ。

もちろん、広告を出す側が、そのような広告に魅力を覚えるかどうは不明であり、しかもそれで収益が成り立つのかも不明である。しかしながら、今の日経新聞電子版は有料会員になる人はかなり限られてしまうだろうことは予想に難くない。

フリーミアムのビジネスモデルは基本的に低コストで運用できるからこそ、多くの無料会員と、一部の有料会員という構図が成り立つ。日経新聞ははなしてそんな事ができるのだろうか。どうみても、これによってコストを抑えようという発想はみえてこない。

むしろ、既存のビジネスモデルをいかに延命させようかという発想しかないと思う。

まとめ

私は紙の日経新聞はとっていない。Ⅰ面の見出しをみて気になるときは買うという程度だ。そんな買い方だから140円が160円になっても別に気にならない。多分200円でも買う・買わないの判断は変わらないだろう。

しかしながら、現状で月4000円の料金を支払いたいとはちっとも思わない。本格的に情報収集をしようと思えば、そんな金額では足りない事が目に見ている。今の20代ならば「別にいいや」という私と同じ発想に至るだろう。

他の新聞社も同様の手法をとるならば、新聞と若い世代の距離はますます開くばかりだろう。もちろん、それはそれで良い、読みたい人だけがお金を払って読んでくれれば、という姿勢ならば、一つの企業戦略であり外部の人間がとやかく言う事ではないだろう。しかしながら、これで「新しいマスメディア」を標榜する気ならば、いささか拍子抜けである。先も述べたが、これは既存のビジネスモデルの延命処置でしか無く、しかもそれ自体が失敗する恐れの方が強い。

「日本経済新聞電子版」を見て強く感じる事は、「あぁ、もうだめだ」ということではなく、国民と新聞(ジャーナリズム)の間にあるギャップこそが、新しい何かを生み出すコアになるのだろう、という予感だ。現状にイライラを感じている人はすくならからずいるだろうし、その不満が新しいものを生み出す原動力になると思う。すくなくとも、私はそうなることを願うばかりだ。

参考文献:

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09年総選挙、終わり。

2009年8月30日の衆院選挙が終わった。
大きなテーマとして打ち出されていた「政権選択」は民主党が勝ち取った形となった。

民主党は308という圧倒的な議席を確保した。これにより衆参のねじれ関係も解消し、国会の運営スピードは上がっていくだろう。
今まで政権を担当したことのない党がその椅子に座る、というのは日本国内ではかなり特異なイベントである。しかし民主党には大きな浮かれもあまり無いようだ。

今後、こうやって二大政党が時折与党と野党の立場を変える、というあるべき姿に近づいていくのだろう。その中で党ごとのはっきりとした対立軸も生まれてくるかも知れない。

しかしながら、その二大政党が自民党・民主党の構図になるか、というと必ずしもそうは言えないと思う。

大きく議員数ののばした民主党は、さらに寄せ集め所帯の趣が強くなるのだろう。
若手の議員が増えたことにより、古株の議員との対立が起こることも考えられる。
大きくなったがゆえに、内部に分裂が起こる可能性は十分あるのではないだろうか。
自民党内部もまとまっていないことから考えて、何かをキッカケに政界再編が起こると考えてもよいのではないだろうか。

むしろ、そういった再編があって、本当に主張を同じくする者同士が政党を作る場面が生まれれば、本来の民主主義の構図にようやく立ち返ることができるのではないだろうか。

さすがにこれほどの圧勝をした民主党が自民党などの揺さぶりで解散に追い込まれるとは考えにくい。しかし内部からの圧力は1年程度経てば大きくなってくるだろうし、間違いなくその時には国民は民主党にすでに「飽きている」はずである。

今回の解散総選挙は大きな変化の一歩であった。しかしそれはまだ流れの一端でしかない。
民主党が大きく日本を良い方向に変えていける力を持っているとは期待しにくい。

しかし、国民が「我々の手で政権を選んだ」という感覚を持つことができれば、投票と政治のフィードバックがうまく働き、何も出来ない政党は徐々に身動きが取れなくなってくるのではないだろうか。

そのとき、もし日本国民が愚民ならばこの国はとんでもない方向に進むだろうし、すくなくともまともな見識のある人間が多数を占めるならば、明るい兆しの見える国になっていくだろう。

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民主党修正版マニフェストを発表

民主党の政権公約の修正版が出たようだ。以前のものは修正されると明言されていたので、「ブレ」たような感じは受けない。

そしてこれが時期的に見て「正式版」ということで問題ないだろう。

読売新聞の記事より修正点を見る。

民主マニフェスト5か所修正…要望や反発受け(読売新聞)

◆民主党マニフェストの主な修正部分◆

▽特定扶養控除、老人扶養控除などは存続。配偶者控除廃止後も年金受給者の税負担は軽減

▽国と地方の協議の場を法律に基づいて設置

▽「日本経済の成長戦略」として、子ども手当などで消費を拡大。農林水産業、医療・介護分野で雇用を創出

▽「米国との間で自由貿易協定(FTA)を締結」との表現を「FTAの交渉を促進」と変更。「食の安全・安定供給、食料自給率の向上、国内農業・農村の振興などを損なうことは行わない」と追加

地方分権については、協議の場を設けるとなっているが、明確に「道州制」を確立するという表現には至っていない。しかし、名前だけの道州制を作ることになるよりは、じっくり競技する場をもった方がよいのかもしれない。改革は実施される内容とスピードがともに重要だ。どちらか片方に比重を置きすぎると意味のない、あるいは有害な改革になってしまうことは、「郵政民営化」が明確に示しているだろう。

農林水産業、医療・介護分野で雇用を創出とあるが、現状この分野で働いている人々の労働環境についてまず改善する必要があるのだではないかと思う。今の状況で単に雇用を増やすような政策を無理に行っては弊害は現場で働く人にでてきてしまうだろう。

FTAに関して発言が弱くなり、農業関係者に配慮したことがよく見えるのだが、今の民主党の農業政策では自給率も農家の問題もまったく解決しないだろうと思う。

税金や年金の問題は制度全体から考えて細部を調整していくものであって、今の制度そのものに関していろいろやっても特に意味はないと思う。

結局、修正といってもそれほど大きなものは出てこなかった。マニフェスト発表から今までで出てきた反発の声を鎮めるものだった、という印象しかもてないものだ。

今回の選挙では本当に政策が論点にはならないだろう。それが果たしてまともな政治なのかどうか、というのは民主党が政権を取ってから再び考える必要がでてくるのだと思う。

民主マニフェスト5か所修正…要望や反発受け

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若者を政治の場に引き込みたい

明確な結論があるわけではないが、一応覚え書きということで書いておくことにする。

まずキッカケになった記事を紹介する。

大学生、マニフェスト「読まない」理由は…(読売新聞)

選挙に関心はあるが、積極的に政権公約(マニフェスト)を読むまでの熱意は薄い――。30日投開票の衆院選に向け、室蘭工大の永松俊雄教授(公共政策論)らが、20歳以上の学生230人を対象に行った調査で、学生たちのこんな意識が浮かびあがった。

対象が230人の学生ということで、一般的な学生像までこのアンケートの結果を広げて考える事はなかなか難しいだろう。しかし私の周りの大学生などとも絡めて考えれば少しは一般的な要素をもつかもしれない。私の周りの大学生も「興味はあるがよくわからない」から「興味はない」というレベルまでさまざまいるが、「興味があって、かつよく分かっている」という層は非常に少ない、というかいない。

興味がない学生に対して興味を持ってもらうのはかなり労力を要する。しかしもともと興味はあるのだが、敷居の高さを感じている若者になんとか訴えかけることができれば、一つの流れを作り出すきっかけになるのではないだろうか。

初めはごく少数でもネットワークにおいて力を持つ、コネクターなどを巻き込むことができれば若者全体へと波及していく可能性も秘めている。

日本の政治の大きな欠落はこの若者の参加ではないかと最近強く思う。二大政党が大きな政策の対立軸を持たないのも、日本国のなかで「既得権益高齢者層」と「何も持たない若者層」という本来あってしかるべきの二つの層を代表する政党が存在していないからではないだろうか。

さて、若者に訴えるためにはどのような方法があるだろうか。
実際に政党で行われているのは「ニコ動」「Youtube」「Twitter」あたりへの参加あるいは呼びかけだろう。
確かに、若い人が参加する可能性は普通の新聞メディアやテレビメディアに比べれば高いだろう。ただ若干の私の感想では「実際に行動を起こす人」の割合はそれほど多くないのではないだろうか。

「リア充」ではないが、現実に行動を起こせるような人間を巻き込んでいく必要がある。ネットはそのために有効に使われるべきツールである。ただネットに情報を蒔けばそれで良いわけではない。

最初に述べたが私はこれに関する解決策を持っているわけではない。ただ、じれったさを感じているだけである。この「興味があるが、敷居が高い」と感じている層を巻き込めば新しい政治の流れが出来上がるのではないかという予感はなかなか消えない。
アメリカでオバマ大統領が一つの風を起こしたように、日本でも変革の風が起こるとすれば、似たり寄ったりの二つの政党のどちらかではなく、まったく新しい、そして今まで政治の場で注目されてこなかった層を代表する政党がその役割を担うことになるだろう。

それを実現させるためには、ほんのちょっとのキッカケで良いのだと思うのだが、既存のやり方ではダメなはずでなかなか答えは見つからない。

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これからの日本で生きる個人と企業

最近読んだ3冊の本が微妙にリンクして、私の頭の中でミックスジュースになっている。

ちょっと整理する意味でも短めにまとめてみたい。

モノづくり幻想が日本経済をダメにする―変わる世界、変わらない日本
ダイヤモンド社
発売日:2007-10-27
発送時期:在庫あり。
ランキング:36769
おすすめ度:3.0
おすすめ度5 化石化する日本の製造業への警鐘
おすすめ度1 今となってはお笑い本
おすすめ度1 あまりに偏った意見
おすすめ度4 ないものを見る力
おすすめ度5 日本経済界へのカンフル剤となるか?

「モノづくり幻想~」では「日本の産業構造を根本的に改革する必要性」が主張されている。

2007年あたりに書かれた本だが、2009年の今でも日本経済そして産業に明るい兆しは見えてこない。日経平均は回復しつつあるがそれは循環的なものでしかない。
今後、大きな成長を望むならばそれに見合うだけの変化が必要だろう。そしてそれは過去の「古き良き日本」に戻る、という事では決してないはずだ。

「モノづくり幻想~」の中で日本の電子政府がいかに進んでいないか、ということがアメリカの場合と比較されている。もちろんその現状を笑うのは簡単だが、単に政府周りの仕事が簡略化するということだけがIT革命がもたらしたものではない。

それは個人の仕事のあり方さえも変えてしまう可能性がある。

通信コストが激減したことにより、企業はさまざまな仕事をアウトソーシングしている。そしてそれがグローバルに賃金を平衡化していく流れは今後もとどまることは無いだろう。

多くの日本企業が停滞していく場合でも、リストラクチャリングから個人が引き受けられる仕事が出てくる可能性がある。あるいは海外の企業のアウトソースもある。
会社は多くの人員を抱えなくても、仕事を引き受けるフリーランスがいればプロジェクトを動かして行くことができる。会社に必要なのは本当にコアな部分に携わる人間だけでよいのだ。

仕事するのにオフィスはいらない (光文社新書)
光文社
発売日:2009-07-16
発送時期:在庫あり。
ランキング:118
おすすめ度:5.0
おすすめ度5 仕事するのにオフィスはいります。。
おすすめ度5 新時代の働き方指南(WEB編)として最良著
おすすめ度4 今後のワークスタイルを「見える化」した好著
おすすめ度5 クラウド利用で仕事を進める人に有益な知識が満載

仕事をする個人の視点に立てば「仕事するのにオフィスはいらない」で紹介されているようなノマドワーキングスタイルというものが必要になってくる可能性がある。
というよりも、そういった仕事のやり方ができれば、少なくとも一つの選択肢を持つことができる。
一体誰が沈没する船に最後まで乗っていたいだろうか?

信頼の構造―こころと社会の進化ゲーム
東京大学出版会
発売日:1998-05
発送時期:在庫あり。
ランキング:94653
おすすめ度:4.0
おすすめ度5
おすすめ度2 信頼VS安心なのか?
おすすめ度5 現代社会の構造がわかる。

そしてそのノマド的な仕事スタイルをこなす人間にとっても、外資に開かれた市場でビジネスを行う企業にとっても「信頼の解き放ち理論」は重要な意味を持ってくる。

「信頼の構造」で主張されているメッセージは「集団主義社会は安心を生み出すが信頼を破壊する」ということだ。

今までの日本は極端な安心社会であった。それは企業でも個人でも同じである。

海外企業との競合を気にすることなく、政府の管理下に置かれた銀行とそのバックアップを受ける大企業。零細企業は大企業の系列に入り一定の仕事量はもらえた。

個人は終身雇用ということで一つの企業に「骨を埋める」覚悟で働く。年齢を重ねるたびにあがる給料とボーナス、そして退職金。完全に設計通りに進んでいく会社人生によって、安心して大きな住宅ローンを組むこともできたし、子どもを大学にいかせることもできた

単に賃金が安定してもらえるだけでなく、会社の肩書きを背負うことで社会の一員の証を手に入れることができるというおまけ付き。

これは「安心社会」の理想的な体現であっただろう。

しかし、今の日本において企業の場合でも、個人の場合でもそのような安心は存在しない。
一部の企業においては、あるいは既得権益に属する個人の場合は、まだその様な安心の果実にありつける人もいるかもしれない。しかし逃げ切れる人はどんどん少なくなってきている。

長らく安心社会に生きてきた日本人の多くは、安心と信頼の違いも分からなければ、信頼と信頼性の違いも分からない。

「どのように人を信頼するか」「どのようにして人に信頼されるか」というのは不確実性が高く、機会コストが多き社会においては重要な意味を持つ。そしてこれからの日本社会は確実にそういった社会に向けて進んでいくだろう。

信頼を上手く使いこなし、閉じたコミットメントの外側へと関係性を広げていける存在が大きなチャンスを手にすることができる。そしてそれが出来ない存在はタイタニック号を例えに持ち出すしかなくなる。

おそらく日本という国家、その中にある企業、そしてそこに生きる個人が抱える問題というのはフラクタルな構造をしているのだろう。
これからの社会について考えることと平行して個人がどのように生きていくのか、ということも真剣に考えなければいけない。

それを考える上でも先に挙げた3冊は何らかのヒントを与えてくれるのではないかと思う。

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自民党の政策提言を見て雑感

自民党のマニフェスト(のようなもの)が発表された。本物のマニフェストは選挙告示日以降ということなのだが、大体の方向性はこれで示されていると思って良いだろう。
いくつかの分野について政策が提示されているが、いくつか見ていくとする。
自民党の政策「みなさんとの約束」

景気・経済

「3年間は積極的な財政出動を行い、日本経済と地方経済を立て直す」

〈1〉2010年度後半に年率2%の経済成長を実現する
〈2〉家計の可処分所得を10年間で100万円増やす
〈3〉1人当たりの国民所得を10年で世界トップクラスに引き上げる

2%の経済成長、可処分所得100万円アップ。そして国民所得が世界でトップクラスを目指す。この3点。いかにも自民党らしい政策である。「安心」ある国=世界トップクラスの国民所得、という認識なのだろう。そうして国民にお金が回っていれば政治家は成功ということであろう。例え自殺者が3万人を毎年超える様な国でも。
確かに経済の問題は大きい。日本国が抱えている借金、しかも構造的に赤字が出てしまう状態は早急に改善されるべきだろう。しかし2,や3の政策でそのまま国民が幸せを手に入れられるとはとても思えないし、その道筋もまったくわからない。
「積極的な財政出動」=後々の増税ということは、もちろん一国民として認識しておくべきことだろう。

外交

外交、特に日米関係に関しては既存の路線を続行ということでいいだろう。

自衛隊を国際平和協力活動に派遣するための恒久法(一般法)制定はあるが、そもそもの自衛隊の違憲的存在についてはどうなのだろうか。

国会議員・地方分権

次々回の衆院選から衆院議員定数(480)の1割以上を削減。
10年後には衆参両院議員定数(計722)の3割以上削減を目指す。

道州制に関し、内閣に検討機関を設置して早期に基本法を制定した後、2017年までに移行する

〈1〉地方分権について国と地方の代表が話し合う協議機関の設置を法制化する
〈2〉国の公共事業費の一定割合を都道府県や政令市が支払う国直轄事業負担金のうち、維持管理費分を10年度に廃止する
〈3〉国の出先機関を廃止・縮小する

国会議員の数を減らす。そして地方分権について「議論」する。となっている2017年までに移行するとなっているが、具体的な道州制の形というのは現段階ではまったくわからない。

ただ単に国会議員の数を減らすだけでは特に意味はなく、道州制への移行とともに、「国会議員」の仕事の役割を変えていく必要があるだろう。消費税や社会保障の問題もこれと絡めていかないと、いつまでたっても「大きな政府」のままである。

なぜ議員の数を減らすのか?ということの問いの意味すなわち小さな政府への移行ということをどれだけ自民党は目指しているのかというのはこの政策からでは見えてこない。
ちなみに民主党からはこれ以上に見えてこない。

消費税

「経済状況の好転後、遅滞なく実施する」

景気が回復したら上げちゃうよ、ということ。民主党政権ができあがってもあれだけのバラマキを実行するとなれば、当然あとからの増税が必要に迫られてあがってくるだろうし、その中に消費税というのは含まれざる得ないだろう。
消費税の増税に関しては単なる税率のアップだけではなく、生活必需品と嗜好品に関して税率を分けるということも議論されて欲しいし、また地方分権にからめて税源の移譲ということもあってしかるべきだが、そのあたりもあまり視野には入っていないようだ。

年金

年金改革については、具体策というのが見えてこない。厚生年金と共済年金の統合はよいが、国民年金に関しては放置といっていいだろう。雇用というものが画一的で無くなるシチュエーションが増えれば増えるほど、この国民年金だけと厚生年金が分かれているシステムは実情にどんどん合わなくなっていく。

まとめ

という感じである。告示日以降にここで上げられた政策に変更が生じる可能性もまああるわけだが、一つの足跡として残しておくことにする。

全体として民主党との争点となる点は多くない気がする。ただ日米外交については民主党政権が出来上がれば日米同盟の形というのは変化していく可能性はある。消費税に関してはどちらもあがることが見えているし、またそれが悪いとも云いきれない。地方分権に関しても自民、民主とも大きく国から地方へ財源が委譲される流れは見えてこない。
年金の問題は、自民党はとりあえず既存のシステムを存続させる方向だし、民主党は新しいシステムへの移行をはかるというものだが、それがどのくらい現実的か、というのはまったく見えてこない。やってみるだけの価値、真剣に議論してみるだけの価値はあると思う。

現状、民主党が提示した政策集もまだ完全版とはいえないので、もうすこし状況をみてまとめてみたいなと思う。

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民主党の政策集の要旨をチェックしてみた

さて、衆院選を控え、各党がマニフェストがどのような物になるのか、というのは一応期待感はある。
選挙自体は当然「政権交代おあのっと」という形で進められるのだろうが、仮に民主党が政権を取ったときにどんなことを実行しようとしているのかを知り、また何が実行できなかったのか、を後に検証することはその次の選挙において有益なものになると思う。

現状ではまだ政策の要旨ということだが、大体の方向性は提示されているし、まずはそれを見ていきたい。


民主党政策集の要旨…マニフェストの基
(読売新聞)

記事本文中には、内閣、子ども・男女共同参画、行政改革、分権改革など19の大きなトピックスごとに政策の大まかな方向性が書かれている。

・靖国神社の首相公式参拝は問題。国立追悼施設を設置
あまり意味はない。対外的なメッセージということだろうか。
・在日米軍による沖縄負担を軽減
日米同盟は堅守、とういことでよいのだろうか
・月額2万6000円の子ども手当支給
・55万円の出産助成金支給
・高校授業料を無償化
・高速道路を原則無料化
財源が気になるところ。
・独立行政法人などは原則廃止
こんなところまではまず踏み込めないと思う、何かしらの逃げ道が設定されるだろう。
・基礎的自治体(市町村)を強化
・補助金を一括交付金化
まったく切り込めていない。これが地方分権の姿なんだろうか。
・企業・団体献金を3年後に廃止
・政治家の世襲制限
・衆院比例定数を80削減

このあたりの判断は難しいところ。献金は結局いつも抜け道が問題になるし、パー券とかもどうなのよ?という感じがしないではないが、そこまでは突っ込まないようす。
世襲制限も範囲の設定および、職業選択の自由の問題もある。世襲の大きな問題は「3バン」を持っているということだが、それを受け継げなくなる様な制限がうまくできればよいのだが、なかなか難しい。同一選挙区での立候補を禁止であればかなり制限はできるだろう。
多くの有権者が立候補者の政策提言をチェックして投票する、という理想郷ができれば世襲制限なんてする必要はないのだが。
衆院の80議席というのは強い数字ではないが、割合思い切った感はある。まあ現状の半分ぐらいでもOKだとは思うが、それは期待しすぎというもの。議員の定数が減るという前例が作れれば十分。
・終身刑の導入検討
検討というのは弱い。積極的に導入すべきものだと思う。
・基礎的財政収支を黒字化
世迷いごとにしか見えない。道筋もまったく不明。
・政治家主導で予算編成
ある程度の分野ではそれが可能かも知れないが、すべての分野において予算を編成する能力が政治家にあるのかどうか、疑問。選挙においてはそんな能力ははかられていない思うのだが。
消費税5%を維持し全額年金財源化。将来は最低保障年金、医療費などセーフティーネット(安全網)のための財源化。税率は社会保障制度抜本改革を前提に、引き上げ幅や使途を明らかにし、国民の審判を受けて具体化
このなかで一番長い文章。制度そのものは良い方向だが消費税%を維持なんて縛りを付ける必要は全くないと思う。実際の場面で動きにくくなるだけ。この文章にひかれて投票して欲しいと思っているならば、それは形を変えたバラマキでしかない。
・最低賃金平均1000円
非正規雇用者を多く使う業種にいる人間にとっては泣けてくる。
・農家への戸別所得補償導入
バラマキ、ですよね。
・改正は慎重かつ積極的に検討
つまり何もしない、ということか。

全体的にみると、やはりお金の出所がきになりつつ、バラマキ感がちらほらする政策の方向性が多い。あるいは理想が先走りすぎているものも見受けられる。
あと、自民党時代にごちゃごちゃしてさわれなかった部分は、当然の様に民主党でもあまり突っ込んだ物になっていない。
もし実現されれば評価できるのは、衆議院の定数の削減、ということだろう。
これだけでも政界に与えるインパクトというのは非常に強いと考えられる。

単独政権が取れなかった場合に、その政策群のなかでもどれを優先して実行していくのか、というのも気になるところではある。

自民党からもどうようのものがあがればまた見ていきたい。

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