WorkFlowyを使った「閃きメモ執筆法」

立花隆さんの『「知」のソフトウェア』に、「閃きメモ」というものが登場します。

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立花氏は、執筆の前にコンテ(概略、アウトラインのようなもの)は一切作らず、最初に書き出した一行から流れに沿って文章を紡いでいくそうです。その時、執筆の補助になるのが「閃きメモ」です。

さて、とはいうものの、まるで何もなしで書くというのは、私の場合、普通ではない。普通は簡単なメモを事前に作る。メモには二つの目的がある。一つは手持ちの材料の心覚え。もう一つは、閃きの心覚えである。前者は事前に作り、後者は随時書きとめる。

私も、この手法はよく使います。

実際例は、以下の記事でも紹介しました。

アウトライナー嫌いだった僕が、今ではそれを愛用しているワケ(上)(R-style)

この「閃きメモ」を使った執筆法をデジタルで行う場合、WorkFlowyならやりやすいんじゃないか、というのが本稿のテーマです。

閃きメモ執筆法

まず、何かトピックを作り、そこにフォーカスを移動させます。

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そして、つらつらと「手持ちの材料」を書き込んでいきます。材料一つにつき、一項目です。

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一通り「手持ちの材料」を書き終えたら、本文の執筆に入ります。トップのノードに移動して、shift + return。つまり、noteに本文を書いていきます。

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ある程度書いていくと、「あっ、そうだ。あの情報を入れておこう」と閃くことがあります。そうしたときは、本文(つまりnote内)ではなく、アウトラインの項目として追加しておきます。

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こうして、メモ(アウトラインの項目)を見つつ、本文(note)を書き進めていくのです。

消せるし、残る

一見回りくどいやり方ですが__全部noteに書いていけばいいじゃないか__こうすることのメリットが実はあります。

それは、使い終えた「手持ちの材料」をCompleteすることで、視界から消すことができるのです。

※使用済みのメモを消したところ
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使用済みの「手持ちの材料」を次々と消していき、無くなったら文章は終了に向かう。わかりやすい構図です。もちろん、CompleteをHiddenではなく、Visibleにすれば、消した材料を拾い出すことも可能です。

通常のテキストエディタだと、この切り替えがなかなかできません。常に表示しておくか、あるいは消去してしまうかの二択なのです。WorkFlowy(を代表とするいくつかのアウトライナー)では、「視界から消すけど、実は残っている」が簡単に実現できるのです。

そして、これが「閃きメモ」の管理方法としては実に最適です。

使い終わった「手持ちの材料」や「閃き」は、それ以降の執筆には必要ありません。だから消しておきたい。しかし、今回は使わないでおこうとジャッジメントした情報は、扱いが難しくなります。見えなくしたいけど完全には消したくない。そういう気持ち__「後になって使うかもしれない」という損失回避の心理__が湧いてくるのです。

また、情報のアーカイブとしてみたとき、「本文」と「閃きメモ」が同一の枠内に保存されている状況の方が自然でしょう。「本文」だけが残り、「閃きメモ」はゴミ箱にある、では情報の関連性は消失してしまいます。しかしながら、「本文」の中に「閃きメモ」が残っているのも不自然なものです。

あるけど、見えない。この状態が良いわけです。

さいごに

この執筆法は__非コンテ派にとっては__なかなか強力なのですが、一つだけ問題があります。それは、マウスのストレートなワンクリックで、項目をCompleteできない点です。

現状は、

カーソルを行頭の●に合わせる→メニューが表示される→Completeを押す

という手順が必要です。タスク管理ソフトのチェックボックスにチェックを入れる感覚よりは、半テンポぐらい遅れてしまうのです。たくさんの「手持ち材料」を消していきたいときには、この操作感は若干引っかかります(もちろん、WorkFlowyに落ち度がないことは言うまでもありません)。

その点にさえ引っかからなければ、なかなか使い勝手のよい手法です。ぜひ__非コンテ派の人は__試してみてください。

個人的には、こうした「閃きメモ」の管理が手軽にできるエディタがあれば、物書きとしてのエディタと言えるんじゃないかな、と思う今日この頃でもあります。

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Rashita
物書きをやっております。実用書から小説までなんでもござれのハイブリッド物書きです。 ライフハックや仕事術、知的生産などに興味があります。

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