なぜなに”知的生産” 〜カードのサイズ〜

3

2

1

どっか~ん!

なぜなに”知的生産”~!

「お〜いみんな〜、集まれ〜。なぜなに”知的生産”の時間だよ〜!」
「わ〜い! ねえねえ、お姉さん、今日はどんなお話をしてくれるの?」
「今日はね、みんながこっそり気になっているカードのサイズのお話だよ!」
「やった〜〜!」
「じゃあ、さっそく始めましょう」

(シーン切り替え)

生じた疑問

前回は、「カードを使って情報を操作する」手法としてカード・システムとこざね法を紹介しました。そこで一つの疑問が出てきました。それは、

「なぜ使う紙のサイズが違うのか」

というものです。

梅棹のカード・システムはB6、こざね法はB8が推奨されており、これはもうまったく違うサイズと言ってよいでしょう。なぜ、こうしたサイズの違いが生じるのかと言えば、カードを使った情報操作に違いがあるからです。

カード・システムのカード

梅棹のカード・システムでは、B6サイズのカードの使用が提唱されています。一般的に「カード」と聞いてイメージするものよりはずいぶん大きなサイズです。

梅棹はこのカードを「ノート的」に使っていました。豆論文(=ひとまとまりのしっかりとした文章)を書くための場所なのです。

小さなカードでも、文字を小さくすれば多くの言葉を書き留めますが、後から見返す際には不便となります。ある程度の分量の文章を書き留めて、それで後から活用するためには多少大きめのサイズが必要なのです。

こざね法の紙

では、こざね法はどうでしょうか。

こざね法で行うことは、ある大きなアウトプットに向けた構成案作りです。その作業には、大きく2つの特徴があります。

その1:個々の素材は、詳しく記載されている必要はない
その2:大量に広げる必要がある

まず1からいきましょう。

たとえば、私が本の構成案を考えて、そこで「ソーシャルネットワークは、個人に扱える以上の力を与え、さらにある種の錯覚を生じさせることでやっかいな行動を起こしてしまう。それはイカロスの翼のようなものだ」というトピックを扱おうとしていたとしましょう。

このトピック自体は、たとえばB6サイズの情報カードに記載しておいても良いものです。しかし、構成案を作るときはそのような詳細は必要なく、単に「SNSとイカロスの翼」とだけあれば十分でしょう。

紙片にそう記載されていれば、操作している私はその記述が何を意味するのかを分かっていますし、仮に分からなくなったら対応する情報カードを閲覧すれば済む話です。

このように構成案を考えているときは、具体的な記述はなくてもかまわず、「見出し」に当たるものさえあれば十分に操作できます。

さらに、そのような「見出し」を大量に扱うのが構成案作りでもあります。カードや紙片は物理的なサイズを持ち、それを俯瞰するためには、机の上に並べたり、紙に貼り付けたりする必要があります。簡単に言えば、場所を取るのです。

以上2つの特徴から、こざね法で使う紙のサイズは、カード・システムに比べると小さいものになるのです。

さいごに

この比較からみえてくるものはなんでしょうか。

それは「情報操作の作業においては、どんな情報がどのように必要になるのかを考慮しなければいけない」ということです。

たとえば、すべてをB6のカードに書き留めているならば、それを使って構成案を考えたくなるかもしれません。が、それでは取り回しが悪くなります。作業がしにくいのです。そこで、一度情報を小さいカードに書き写し、「見出し」だけに変換することで、別の作業に適した形にするわけです。

詳細に書かれたB6サイズの情報カードは、時間が経った後(たとえば一ヶ月後、たとえば一年後)に、「そうだ、こういうことを書いていたんだ」と思い出すには最適のツールです。しかし、それはそのまま構成案を作るのに最適なツールとは言えません。

で、これはおそらく視点をデジタルツールに移動しても同じことが言えるでしょう。

というところで、カードとサイズの話はいったん終わります。次回は、「カードに何を・どのように書くのか」についてです。

▼その他の回:

なぜなに”知的生産” 〜情報カードの使い方〜
なぜなに”知的生産” 〜情報カードの種類について〜
なぜなに”知的生産” 〜カード・システムとこざね法〜

Related Posts with Thumbnails
Send to Kindle
Rashita
物書きをやっております。実用書から小説までなんでもござれのハイブリッド物書きです。 ライフハックや仕事術、知的生産などに興味があります。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です