名前のないメモ 〜Re:Evernote vol.2〜

歩いていたら、ふとカードゲームのアイデアが思い浮かびました。

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アイデア管理において、困るのはこういうアイデアです。なにせ、名前がありません。

たとえば、こういうメモがあったとしましょう。

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「かーそる」(メモではカタカナになっていますが、深い意味はありません)の「読み飛ばしやすい紙面作り」についてのアイデアメモです。このメモは、名前をつけることが可能ですし、所属も明らかです。「かーそる」(仮)のプロジェクトに突っ込んでおけば問題ありません。

しかし、上のカードゲームのアイデアはそうではないのです。何せ私は、カードゲームのゲームデザイナーではないのですから。

役に立つ/役に立たない

手持ちのプロジェクトにおいて、新しいカードゲームのアイデアが役立ちそうなものはまったくありません。その意味で、このアイデアは「役に立たない」ものです。

しかし、それはそれとして、このカードゲームのアイデアを育ててカードゲームを作り、それを売り出すことは実は現実的な話ではあるのです。それが本当に面白いものであるならば、カードゲーム会社に売り込むことだって可能でしょう。その意味では、このアイデアは「役に立つ」可能性があります。ここが微妙なところです。

また、実際にカードゲームを作らなくても、自分が書く作品の中に登場させるといった使い方は可能でしょう(ハンター×ハンターみたいに)。この場合は、先ほどよりも「役立つ」可能性が高くなります。

どちらにせよ、このアイデアは役に立つかもしれませんし、立たないかもしれません。挙げ句の果てに、どう役に立つのかすらまったく目処が立たないのです。

扱いに困るアイデア

こうした「住所不定」のアイデアは、その扱いに困ることになります。「扱い」とは、「どんな場所に保存しておき、どのようにケアするのか」ということです。

それが進めている執筆プロジェクトに役立つならば、そのプロジェクトに関連づけておいて毎日でも毎週でもチェックすればいいでしょう。それが、新しい企画案になりそうであるならば、月一ぐらいでも見返せば十分です。

が、どう役に立つのかがわからないのです。結果、他のアイデアとどのように関連づけられるのかもわかりません。

こうしたものは、従来の「カード法」(『知的生産の技術』やPoIC)では、対応できないことです。どちらかと言えば、メタ・ノート的ですが、それでも力不足を感じます。

自分の嗜好にフィットした

一つの方向として、「進めているプロジェクトに関係しないのなら、無視してしまう」というやり方があるでしょう。簡単で、わかりやすいアプローチです。そして、人によってはそれが適切な場合もあるのかもしれません。

しかし、私はどちらかというと、多趣味的、器用貧乏的、ジェネラリスト的な嗜好を持ちます(著作リストをご覧ください)。その嗜好に呼応するアイデア管理も、できるだけ多くをカバーするものであって欲しいと願います。もっと言えば、アイデアというのは「何が起こるかわからない」ところが面白いのだとも感じます。自分の持っている枠を、取り壊してしまうような力がそこにはあると信じたいところです。

とは言え、一つひとつの所在不明なアイデアに対して、Evernoteのノートブックを一つひとつ当てていては、すぐに上限がやってきますし、そもそもノートブックリストが扱いづらくて仕方がありません。

だから、新しい方法が必要なわけです。

いくつかのアプローチ

その前に、私は問わなければいけません。「私は、このアイデアをどうしたいのだろうか」と。

もし、本当に作り上げたいと思っているなら、毎日このノートをチェックして、新しいアイデアを追記していくようにすればいいでしょう。とすれば、フローボックス(解説はまた別の回で書きます)に入れておくのが良さそうです。

たまにチェックして、自分がそういうアイデアを思いついていたことを思い出したいならば、incubatorに保存しておくのがよいでしょう。週次レビューや月次レビューで再会できます。

あるいは、「まあ、いいや」と思うのならば、アイデアノートブックにでも入れておき、それなりのキーワードをちりばめておいて、たまたま検索で引っかかることを期待して、蓋をする手もあります。その決断をした時点で、ほとんどお別れを告げたようなものですが、アナログと違って、万が一の検索での邂逅がありえます。それに期待するわけです。

おわりに

名前のないメモの扱い方にもいろいろありえますが、自分がそれをどう扱いたいと考えているかは結構重要なことです。

今回私はフローボックスを選択しましたが、それは私が「そうしたかったから」に過ぎません。客観的な要素はまったくなく、極めて主観的な判断です。でも、自分のアイデアを管理するのですから、それでよいでしょう。

とりあえず、カード法でもなく、ノート法でもない、もう一つのアイデア管理法が、徐々に私のEvernoteの中で育ちつつあることはたしかです。

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Rashita
物書きをやっております。実用書から小説までなんでもござれのハイブリッド物書きです。 ライフハックや仕事術、知的生産などに興味があります。

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