リンク駆動式Evernote運用術

前回は、フォルダ的情報管理とそれ以外の可能性について触れた。それ以外の可能性とは、wiki的、あるいはハイパーリンクベースの運用である。

今回は、それを掘り下げる。

もう一つの、新しい方法

Evernoteには、ノートブックとタグという二重の検索軸以外に、恐ろしく強力な(でも、あまり注目されていない)機能がある。それがノートリンクだ。

動作自体は難しくない。ウェブページへのリンクと同じように、他のノートへアクセスできるリンクが作成でき、それを任意のノートに貼りつけられる。これは、ノートからノートへの動線を作れることを意味するし、さらに言えば、私たちのノート利用に新しいスタイルを生み出す萌芽でもある。

しかし、残念ながら、EvernoteのMacクライアントは、ノートブックベースのUIになっており、ノートリンクベースで運用することには最適化されていない。だから、なんとか工夫が必要だ。

ここで一つ大きなことを言っておくと、Evernoteに保存するノート(情報)にはいくつか種類があって、それをたとえば「アクティブ」と「アーカイブ」(ログ)に二分するならば、検索によるアクセスは「アーカイブ」の利用に適している。

逆に、「アクティブ」なノートは、今から述べるノートリンクベースが適している。なぜなら、「アクティブ」では利用するノートが、(一定期間内で)ほぼ固定化されるからだ。

ぐだぐだ述べるのはここまでにして、実践例をお見せしよう。

最近の私のスタイル

私は通常のEvernoteウィンドウとは別に、二つのノートを独立表示させ、それをMacのSpitView機能で横に並べている。

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これまでは、右側に「デイリータスクリスト」(その日のタスクをまとめたノート)、左側に「ウィークリーノート」(その週のおおざっぱな予定とログを書き留めるノート)を置いていたのだが、ある閃きがあって、ここ最近はそれを変更している。具体的には、左側に「デイリータスクリスト」、右側に「作業用ファイル」である。

しかしこれは、暫定的というか刹那的なスナップショットでしかない。これらのノートはいくらでも切り替わる。むしろ逆になることもある。鍵を握るのはノートリンクである。

たとえば、左側の「デイリータスクリスト」は、ノートリンクで「ウィークリーノート」に表示を変えることもできる。その状態で、同時に「デイリータスクリスト」を閲覧したいのなら、右側にそれを表示させればいい。もちろん逆も可能だ。

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※左側を「ウィークリーノート」に。

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※右側を「デイリータスクリスト」に。

リンク・ハブ

鍵を握るのは、「カンバンボード」である。

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※左が「カンバンボード」。

このノートには、各種進行中のプロジェクトノート、予定ノート、連載用のネタ帳、温めているテーマ用のノートへのノートリンクがびっしり詰まっている。これが、「リンク駆動式Evernote運用術」におけるコントロールルームであり、そう言っていいのならばダッシュボードでもある。

この「カンバンボード」から、普段使うノートにはだいたいアクセスできる。また、そうした普段使うノートのいくつかには「カンバンボード」へのノートリンクも貼ってある。つまり、この「カンバンボード」は、ある種のハブである。

ここからさまざまなノートにアクセスでき、またさまざまなノートからこの「カンバンノート」に帰ってくることができる。たったそれだけのことで、左右のノートは、自由自在に変更できるのだ。

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※特に意味は無いが両方同じノートにもできる。

たとえば、左側に「デイリータスクリスト」を置いておき、右側に今作業中のプロジェクトノートを置いておく。左側で作業を確認しながら、右側で作業記録を書き付けていく。簡単だ。

あるいは、左側で情報を共有している「共有ノート」を開き、それを見ながら右側で作業リスト用のノートに必要な作業を書き付けていく、ということもできる。Evernoteの通常のクライアントは、Aのノートを参照しながら、Bのノートに記入する、というのがなかなか面倒なのだが(一度やってみるとわかる)、この方法であれば、非常にスムーズに進む。

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ともかく、このような状態にしておくと、「アクティブ」な情報を扱うときは一切Evernoteのクライアントを触らないで済む。ノートリンクを辿るか、あるいは、「戻る」コマンド(command + ])で行ったり来たりすればいいだけだ。

さいごに

この方法において、一番重要なところは、ハブとなるノート(私の場合であれば、「カンバンボード」)がいくらでも自由にデザインできる、という点である。ある意味で、UIを自分で作れるのだ。

要素の追加・削除といったことだけではない。私はテーブル(表組み)を多用しているが、箇条書きを使うこともできるだろうし、何か別の方法もあるだろう。ハブとなるノートを二つ、三つ作ることもできる。ある意味で、これはwikiのトップページのようなものだ。そこがスタート地点となり、そこからリンクを辿りながら、さまざまな情報にアクセスしていく。たいへん快である。

私がこの方法でEvernoteを使っているときは、完全に「ノートブック」という概念から解放されている。そのノートが(場所的なメタファーとして)「どこにあるのか」を気にすることはない。ただ、「どのノートとつながっているのか」を気にするだけだ。そして、それこそが、インターネット世代の情報感覚ではないだろうか(もちろんGoogleは欠かせないわけだが)。

もう一度述べるが、これはあくまで「アクティブ」な情報の利用法である。「アーカイブ」(ログ)についてはやはり検索ベースが使いやすい。そこではノートブックもまた大切な検索軸となってくれるだろう。

が、それはそれとして、私たちは新しい情報の運用法にも目を向けるべきだろう。

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