なぜ雑誌「かーそる」を作ったのか?

面白そうだったから。

以上。

というのも何なので、ちょっと断片的に書いてみます。

群雛不在

インディーズ作家を応援する雑誌「月刊群雛」が休刊となりました。休刊とはなりましたが、それでもあの雑誌は、あるいはあの雑誌が目指そうとしていた場所は面白かったわけです。

幸い二回ほどゲスト寄稿で参加させていただいたこともあり、「どんな感じで作っているのか」の雰囲気もわかっていたので、「これならば、まあ、自分でもできるかもしれないな」と思っていました。

フォロワー

「ちょっと作ったら面白いかもですね〜」みたいなことをちらっと書いたら、「倉下さんが編集長なら、興味あります」という反響がいくつか返ってきました。

木を登るには十分な材料です。

「雑誌」というメディアへの興味

いくつかの本を読んで__具体的には『これからのエリック・ホッファーのために』『行為と妄想』『カール・クラウス』の三冊__、「雑誌」というメディアが持つ力が気になっていました。

近頃の私は、雑誌をほとんど読まなくなって、まったく関心外だったのですが、雑誌という形態のメディアだからこそできること、発生する力があるのではないかと感じ始めました。その力を嚆矢として示していたのが月刊群雛だったのかな、という直感も生じます。

あとはまあ、自分で確かめるしかありません。

ブログ界の行き詰まり

つまんないブログ増えたよね〜、と書くとたぶん老害扱いされるので、面白いブログが見つかりにくくなったと書いておきましょう。でも、まあ、それは仕方がないのかもしれません。

ブログを書いていたら、本を出版できたという話は一時期ものすごく盛んでしたが、今では急激にしぼんでいます。まあ、出版業界も厳しくなっているのと、「アルファブロガー」と呼べるような人が、もうほとんどいない(新しく生まれていない)ということも関係しているのでしょう。だから、面白い記事を書くことよりも、手っ取り早くお金になる記事に主眼が置かれるわけです。でもってそこでは多様性が失われて、似たようなブログが増えていきます。

でも、それはそれとして、そんなこととはまったく無関係にブログを書いている人たちはいます。でもって、そのようなブログは(少なくとも私にとって)面白いわけです。

で、この(少なくとも私にとって)というのが重要で、もしかしたらその面白さは日本に存在するどこの出版社さんとも共有されないかもしれません。

だったらまあ、自分が木に登ればいいわけです。面白がっている当の本人が。

旗あるいは釣り針

私はどうあがいても、ブログを書いていれば儲かりますよ、みたいなことは言えません。だって、自分がそうなっていないから。

だからまあ、自分は自分で淡々とブログを書き続けてきました。大きなことを言わず、淡々と。せいぜい『ブログを10年続けて、僕が考えたこと』を書いたくらいで、あの本でも「さあ、今日からあなたもブログを始めましょう」というアジテーションにはまったくなっていません。

で、これはスタンスとしては楽なのですが、もしかしたらそれはちょっと力不足というか手抜きなのかもしれないな、と感じ始めています。

私はかなり身勝手なので、自分が面白いと思えるブログが一つでも増えたらいいなと願っています。世界平和のためではなく単なる自己満足の達成のためです。でも、どうやら世の情勢はそちらには向かっていないようです。それを知りつつ、ただ指をくわえて眺めているだけなのは、中庸というよりは、むしろ日和見なのかもしれません。

だから、旗を立てることにしました。

正直に言って、「かーそる」に掲載されている原稿は日本中の皆さんに楽しんでもらえるものではないでしょう。どちらかと言えば、ニッチな属性になりそうです。偏った趣向とまでは言わないものの、ある領域に関心を持つ人々向けのコンテンツです。だからこそ、旗が必要なわけです。なにせ、ニッチはそれだけでは目立ちませんので。

でもってそれが、先ほど書いた「雑誌メディアならではの力」と呼応してきます。あるいはしてくるはずです。

なので、この雑誌を読んだ方__知的生産者であろうとする人__が、

「ああ、そうか、こういうのもありなんだ」

と感じ、その人が書く文章が(あるいは運営するブログが)、そちら方向にシフトする、あるいはそうシフトすることにクルミほどの自信を持ってもらえたら、私としてはGotcha! なわけです。

さいごに

もちろん、以上のような考えは、あくまで断片に過ぎません。他にも(いちおう編集長なりに)いろいろ考えて雑誌作りを行っています。その辺も、機会があれば書いてみたいと思います。

ちなみに現状の参加メンバーは、関東〜中部〜関西に広がっており、年齢層もかなり広いです。でもって、リアルでの「会議」は、(一度だけの例外を除けば)ありませんでした。こういうのは、田舎に住む人間としてはありがたいわけです。

でもって、その「多様性」と「ローカルでもできること」は、これからの日本でも重要な意味を持ってくるでしょう。もう一つ、「多様なコミットメント」の話もありますが、また長くなりそうなのでここで止めておきます。

▼こんな記事も:
R-style » 季刊誌「かーそる」の創刊号が発売となりました #かーそる

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