物書きの戦略図(企画ドリブンからメディアドリブン)

先日、新刊の『「目標」の研究』が無事発売されました。

「目標」の研究
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これにより「月刊くらした」計画の二年目も無事終了したので、じゃあ、次はどうするのか、と新しい行動指針を考えるタイミングがやってきます。ああ、ここでもやはり「目標」が登場していますね。

こういうときに私が良くやるのは、「自分が書きたいこと」を可視化するというもので、一時期はリスト形式で並べていましたし、マインドマップを使うこともありました。ただ、どれもちょっと違うな〜、という印象があったのです。そんなときに出会ったのがDropTask

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ビジュアル系タスク管理ツールで、どうやらチームによるタスク管理に適した機能があるらしいのですが、そんな話はまるっと無視して、企画案を平面的に並べるのにぴったりではないかと思い立ちました。

企画案の一覧

実際やってみたところ、以下のような感じに。

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うむうむ。可視化できると、いかにもコントロールできているぞ、って気がするものですね。でも、ふと思いました。これだけでは次の一歩が決まらないぞ、と。

たしかにこのマップを見れば、自分の書きたいものが一覧できます。ジャンルごとにカテゴライズすらされています。でも、これらをどのように進めていくのかについての感触は得られません。単に積み荷の一覧表があるだけです。配送先もその手順もまったく不明なのです。だったら、ガントチャートかとも思ったのですが、そこはもうひとアイデア欲しいところ。

そこでうんうんと頭をひねって出てきたのが、「戦略図」(展開図)でした。軍事作戦を考えるときに、将校らが地図を広げて、その上に小隊に見立てた駒を置きながら、喧々囂々と議論を進めるあれです。

戦略は静的なものではなく動的なものなはずなので、それを自分のコンテンツクリエーションに応用できないだろうか。そんなことを思い立ちました。

コンテンツの展開図

そこで、いろいろ考えたあげくに辿り着いたのがこれです。

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まず、自分が今持っている「連載先」をノートに記しました。これが「地形」にあたります。そして、先ほどDropTaskで書き起こした一つひとつの企画案を付箋に書き出していきます。このときインデックスタイプの小さい付箋を使うと、いかにも「戦略図」っぽい雰囲気が出るのでオススメです。

本当は五色くらいあればよかったのですが、手持ちの付箋が三色しかなかったので、「現在連載している企画」「企画案の骨子だけある企画」「すでに終了した連載」の三パターンに分け、それぞれの連載先の上に貼り込んでいきました。その上で、「ここではこれとこれを書くだろう。となると、これはここに配置した方がいいか」といったことを考えていきます。

これまでは、上記のような思索を頭の中だけで行っていました。そして、これがまったく進みません。人間の認知能力の限界をはるかに超えているのでしょう。それを地形化し、部隊化することで、容易に進められるようになったわけです。
※おそらく、私が戦略シミュレーションゲーム慣れしている点も影響しているでしょう。他の人には他の人に合った展開図はありそうです。

「企画案」だけをどれだけ並べたとしても、「じゃあ、それらをどこに書くんですか?」という話が解決しないことには、なかなか実行には移せません。「書く場所」に関する決定も必要なのです。

さいごに

一点だけ補足しておくと、このやり方で大切なのは、DropTask→戦略図、という流れです。

どうせ戦略図で展開するんだから、最初から戦略図だけでやっておけばいいと思えますが、そうすると頭の動きがすでにある連載先の状況に縛られてしまいます。「あれを書いてるから、これを書こう」「こういうメディアがあるから、それに向けて書こう」という発想です。そうした思考は日々のルーチンを回していくのには適していますが、大きな流れを考える上では発想の過剰な制約として働きかねません。

大局を見据えれば、これまでのメディアの特徴を大きく変えたり、あるいは新しいメディアの創出にまで思考の射程を伸ばす必要があるでしょう。その意味で、先に戦略図ではなく、「自分が書きたいこと」を棚卸ししておくことは有用だと思います。つまり、まず企画ドリブンで発想を広げ、次にそれをいかに進行するのかについてはメディアドリブンで考える。この思考の区分けが有効なのではないか、ということです。

とは言え、「物書きの戦略図」とたいそうな名前になっておりますが、別にこの「戦略」通りにすべてがうまく進むことはまずありえませんし、想定外の話もたくさん起きるでしょう。ただ、海上を地図もコンパスもなしで漂っているような不安感はいくぶん減退できます。それはそれで大切なことです。

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