タスクの管理 [タスク管理概論]

基本的な話をしてみる。

タスク管理とは何か。タスクを管理することだ。タスクリストの作成などが、その代表的行動だろう。

では、それで十分だろうか。言い換えれば、タスクリストさえ作成すれば、仕事は円滑に進むだろうか。

もちろんそんなはずはない。たとえば、「いつそのタスクを実行するのか」について考えなければならない。「どのくらいの時間」でもいい。つまり、タスクだけでなく、時間についても管理しないとうまくいかない。

では、タスクと時間を管理すればOKだろうか。そうである場合もあるし、そうでない場合もある。

目の前にあるタスクが、「やるべきこと」であればそれでいい。しかし、そうでないとしたらどうだろう。いや、この表現は曖昧を含むし、各自の解釈に大いに委ねられてしまうので、もう少し引き締めよう。

何か成し遂げたいことがあり、そのために必要な行動があるとして、今自分の目の前にあるタスクが、その必要な行動に合致するかどうかを気にする必要があるだろう。それは、狭義の「タスク管理」ではない。実行のためのリストを作るだけでは十分ではない。もう少し、高い視点、広い視野での検討が必要だ。

仮にその視点を、タスクマネジメントと呼ぶことにしよう。ドラッカー風に言えば、タスクをして何かを成し遂げること。それがタスクマネジメントである。これは、管理とマネジメントが一見似ていながらも、基本的には別の意味を所有することを「悪用」した言葉遊びに過ぎない。それでも、二つの概念の区別だけはつけておきたい。そこにあるタスクを、いかにうまく処理するのかを考えることと、そもそも何をタスクをするのかを決めることだ。

概念的に整理すれば、タスクマネジメントは、タスク管理の上位に位置するだろう。

タスクマネジメント
・タスク管理

ざっくりまとめてしまえば、時間管理(スケジュール管理)もそこに混ぜてしまえる。

タスクマネジメント
・タスク管理
・スケジュール管理

人によっては、スケジュールを上位に置くこともありえる。その場合は、こうなる。

スケジュールマネジメント
・タスク管理
・スケジュール管理

作業をベースに思考するのか、時間をベースに思考するのかによって、この構図は変わってくるだろう。意味付け、重要度が変わってくる、ということだ。が、構成する要素は同一である。

では、このタスクマネジメント(スケジュールマネジメント)があればそれでいいだろうか。もちろん、そんなはずはない。どれだけ綿密なタスクリストが組み上がり、緻密なスケジュールが設定されていても、二日酔いではまるで作業は手につかない。体調を代表とする、ボディ資源の管理は必須である。

タスクマネジメント
・タスク管理
・スケジュール管理
ボディマネジメント
・体調管理
・メンタルヘルス管理

要素が並列に並んだ。「一つ上の階層」について考える契機だ。しかるべき名前を与えるならば、当然こうなるだろう。

セルフマネジメント
・タスクマネジメント
 ・タスク管理
 ・スケジュール管理
・ボディマネジメント
 ・体調管理
 ・メンタルヘルス管理

こうなると欲が出てくる。要素が二つあるなら、収まりよく三つ目はないだろうかと考えてしまう。「タスクマネジメント」は、何をするのか・どうするのかについての関与だ、ボディマネジメントはその行為主体についての関与だ。主体と客体が揃った。では、他には? 場だ。環境と言い換えてもいい。私たちが存在するためには、かならず場が必要である。主体と客体だけ、というのはあくまで概念上のモデルでしかない。実存には、場が必要なのだ。

セルフマネジメント
・タスクマネジメント
 ・タスク管理
 ・スケジュール管理
・ボディマネジメント
 ・体調管理
 ・メンタルヘルス管理
・フィールドマネジメント
 ・作業場管理
 ・環境管理

「作業場管理」は、作業に直接関係がある要素についての管理だ。資料の保存、エディタの設定などがここに含まれる。「環境管理」は、それ以外の自分を取り囲む要素を指す。たとえば流れるBGMや周りの人々の声、突然かかってくる電話などだ。これらの制御は、いわゆる「集中力」に影響を与える。これも作業のためにはかかせない。

さて、要素は揃った。じっくり階層を眺める。上から下まで舐めるように。「もう一つ、階層は下げられないか」。自然な発想だ。たとえば、こうなるだろう。

セルフマネジメント
・タスクマネジメント
 ・タスク管理
  ・実行制御
 ・スケジュール管理
  ・アポイントメント制御
・ボディマネジメント
 ・体調管理
  ・飲食制御
  ・睡眠制御
  ・運動制御
 ・メンタルヘルス管理
・フィールドマネジメント
 ・作業場管理
  ・デスクトップ制御
 ・環境管理

新しい階層として「制御」が加わった。これは管理を実行するための述語とも言える。これで、縦と横は一揃いしたと考えてもよいだろう。少なくとも、次に進むための道具は整った。

とは言え、検討課題も多い。タスク・ボディ・フィールド以外のマネジメント対象はないのか。制御以外の述語は存在しないのか。そして、そもそもこのツリー図ですべてを網羅できているのか。いや、これはマッチョな思想に染まっている。言い換えよう。すべてを網羅してわかった気になっていいのか、だ。この問題は軽んじてはいけない。でないと、タスク管理が抱えている問題を超克できない。

今回は、ここまでにしておこう。

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Rashita
物書きをやっております。実用書から小説までなんでもござれのハイブリッド物書きです。 ライフハックや仕事術、知的生産などに興味があります。

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