メモの緊急性

前回:R-style » メモとノートの定義

前回は、メモとノートの定義を確認した。今回はメモについて考察を深めたい。


メモは多様だが、ここでは「緊急性かつ一時性のある情報」を書き留めるためのメモに限定して話を進めよう。

まず「緊急性」だが、これはメモ生成装置の要件を規定する。

緊急的なものは、事前に発生タイミングを予測できない(だから、緊急となる)。つまり、このタイプのメモはいつ書かれるのかわからない。そのため、メモ生成装置には携帯性が求められる。「いつでもどこでも取れる」ことが必要になるわけだ。ポケットに入るミニノートや携帯電話(スマートフォン)がメモ生成装置として重宝され、かさばる大判のノートやタブレットが回避されるのはこのためだ。

また、それは緊急であるため、早い起動性を有していることも重要だ。ポケットの中には入っているが、メモを書き始めるためにブラウン管が暖まるまで待つ必要があるメモ生成装置など使いものにならないだろう。「閃き」という語感からもわかるとおり、着想は刹那である。一瞬でやってきて、一瞬で消え去る。今そのときに書き留めなければならない。
※以上は、『ハイブリッド発想術』でも論じてある。

簡単にまとめると、「いつでも、どこでも、すぐに」書き留められる機能がメモ生成装置には求められる。


しかし、「いつでも、どこでも、すぐに」を完璧に満たすのは難しい。脳内にマイクロチップがインプラントとして埋め込まれていれば(もちろん通信機能付きだ)それも可能となるが、今のところの技術では、コンビニに行って小さいノートを買ってくるような気軽さはそこにはない。

私たちは、「超知的生産生命体」を作ろうとしているわけではなく、日常の知的生産(知的生活)に僅かながらでも改善を加えようとしているだけである。視線は日常にキープしておきたい。

そこで、考え方を変える。メモ生成装置を単一に捉えるのではなく、装置群の系(システム)と捉えるのだ。

(つづく)

次回予告:なぜ「いつでも、どこでも、すぐに」の完璧な達成が難しいのか?

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Rashita
物書きをやっております。実用書から小説までなんでもござれのハイブリッド物書きです。 ライフハックや仕事術、知的生産などに興味があります。

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