新入社員へのおすすめ本 2017

昨日のエントリーの続き。

もし、新入社員にすすめる本があるとすれば、どんな本になるだろうか。「読書好きの先輩」シリーズでも似たようなことを書いているが、改めて考えてみたい。

もちろん説教じみた長々しい言説はできるだけ避けよう。

本を読もう!

まず最初に言っておきたいのは、本は読んだ方が良いね、ということ。人が生きる上で本を読む必要はぜんぜんないけれども、社会人として仕事をしていくなら、身につけたいスキルや知識はごまんとあるからね。いや、ごまんはいいすぎかな。でもにひゃくぐらいはあると思うよ、きっと。

で、何かを学ぶんなら、本を読むことはGood choiceだ。安価だし、どこでもできるし、自分のペースで進められる。もちろん今だと動画なんかもいろいろあるし、それはそれで選択肢の一つなんだけど、逆に言えば本という選択肢をあえて外す必要はないんじゃないかと思う。

あと、なんにしろ文章を読む力──つまり読解力だね──みたいなものは、社会生活の上でひっきりなしに登場してくるので、その筋肉を衰えさせないためにも、筋道通った文章を定期的に読むというのは悪くないと思う。そうしておけば、自分で筋道が通った考えを生み出すときにも役に立つしね。その力ばかりはいくら楽しい動画を見ていても学ぶことはできないから注意が必要だ。

でもね。本を読めばそれでOKというものでもないんだ、これが。そこは極端になっちゃいけない。読書バカというのかな。いや、ちょっと違うな。得た知識がすべてだと思ってしまうこと、そこに誤りが含まれていないと考えてしまうこと、難しい言葉で言えば、自己についての無謬性に陥ってしまうと、やっかいなことになる。現実の事象を軽視してしまうわけだ。

だから割合はともかくとして、知識の吸収と実践はそれなりにバランスを保っておいた方がいい。現実だけがすべてだと思うと世界が狭まるし、本だけが世界だとすると現実から置き去りにされる。両輪を回すのさ。

基礎スキル 1

その上で、じゃあ、何から読めばいいのかって話になるんだけど、さっきの話のからみでいうと文章の書き方を学ぶのはなかなか良いスタートじゃないかなと思う。そういうのって、あんまり学生生活で身に付いていないことも多いしね。にも関わらず、生涯付き合っていくスキルでもある。

もちろん君はこれからたくさんの仕事の文章を書いていくわけだから──その大部分がテンプレートの流用で済むにしても──仕事の文章で何が必要なのかはきちんと押さえておいた方がいい。つまり、読書感想文とかそういうのじゃない文章ってことだよ。そういう文章の書き方については、たぶん『理科系の作文技術』が役に立つだろうね。

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タイトルからすると理系向けの本みたいに思えるけど、文系の人だってきちんと役に立つ。一応論文めいた話が登場するけども、そこは気にしなくていい。実務的な文章を書くのなら、知っておきたいことがわんさか書かれているからそのうちいくつかでも身につけておくと、いろいろ後から楽ができると思うよ。その辺に興味を持って、さらにわかりやすい文章を書きたくなったら、『数学文章作法』(基礎編、推敲編)あたりも読んでみるといいよ。

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基礎スキル 2

もう一つ、基礎的なスキルと言えるのが、頭の使い方だね。発想法や思考法と呼ばれるやつだ。これまたごまんと本が出ていて、その良し悪しを見分けるのは難しい。たぶん、相性みたいなものもあるからね。でも、まあ、これだったら外さないかな、というのだったら、『思考の整理学』『アイデアのつくり方』『知的生産の技術』の三冊だね。

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なにしろこの三冊は読みやすい。それでいてエッセンスはきっちり書かれている。入門としては最適だね。たぶん、頭を使うことや発想を生み出すことが一体どのような行為なのかは、この辺を読めばざらっと理解できると思うよ。もしさらに突っ込んだ話が気になったら『アイデア大全』に手を伸ばせばいい。この本自体も実践的だし、それに他の本に接続するハブでもあるから次の一歩としては最適だよ。

基礎スキル 3

他にも、社会人としてのマナーとかエクセルの使い方とか、いろいろ覚えた方がいいことはいっぱいあるけど、それはまあ私は得意ではないから別の人にパスさせてもらうとして、代わりに、セルフマネジメントを押さえておいた方がいいと主張させてもらおう。

『図解 ミスが少ない人は必ずやっている[書類・手帳・ノート]の整理術』は基礎的な話が良くまとまっているし、

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『クラウド時代のハイブリッド手帳術』は、セルフマネジメントに関する情報をどのように扱えばいいのかが考察されている。

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この二冊だけでも、エッセンスは十分つかめると思うよ。もし、デジタル情報の管理に興味があるのならば、『ズボラな僕がEvernoteで情報の片付け達人になった理由』を手にとってもいいね。まさしく新人さん向けに書かれた本だ。

ズボラな僕がEvernoteで情報の片付け達人になった理由
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その他、この分野もたくさん本が書かれているけども、数冊読めば、まあだいたい同じことが書かれてあることに気がつくと思う。まあ、そりゃそうだよね。日常的に必要なことなんだから、そんなに特異なことを次々と打ち出すのは難しい。基礎は、普遍的だから基礎とも言えるからね。

その他知識

あとはそうだね。遅かれはやかれ学んでおきたいのは、統計に関する知識だ。いや、統計学的なものの考え方、というべきかな。教養としてだけではなく、実際的にもきちんと意味がある知識だ。ただ、これはまあ後回しでもいいと思う。自分の仕事が一段落して、ちゃんと腰を据えるべきポイントを見つけたら取り組むことかな。

同じように経済学やマーケティングの話も学んでおきたい。難しい話も多いけれども、基本的に仕事というのは社会に組み込まれた経済活動なんだから、その知識を得るのは有用だろう。ジャングルで狩りをするなら、ジャングルの気候について知っておく。それと同じさ。

ついでに言っておくと、仕事が社会に組み込まれた経済活動であるならば、社会について知っておくことも大切だね。いくらマーケティングの知識があっても、社会の動向についてまったく知らないなら、その知識は活かせない。逆に言えばね、知識と知識は噛み合うんだ。だからこそ、知識を仕入れるのは楽しいんだよ。

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コトラーのマーケティング思考法
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とまあ、すすめたい本は大量にあるわけだが、それらすべてを書こうとすると、ネバーエンディングエントリーになってしまうので、本当にぎりぎり最低限にしておこう。

あと、かなり宣伝ではあるが、以下のメルマガもおすすめしたい。「考える」力の筋トレみたいなメルマガである。

Weekly R-style Magazine

さて、皆さんのおすすめ本はどうだろうか。5冊くらいに絞って紹介すると喜ばれるかもしれない。

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Rashita
物書きをやっております。実用書から小説までなんでもござれのハイブリッド物書きです。 ライフハックや仕事術、知的生産などに興味があります。

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