リストのコンテキストを保つためのタスク・ポケット

私は普段、以下のようなデイリータスクリストを使って一日を回しています。

※タスクを書き込んだ状態

「その日に実行するタスク」だけを書き込み、実行したものを消す。簡単ですね。ポイントは、その日に実行するタスク以外は書き込まないこと。リストの純度を保つために最低限必要なことです。

リストよサラバ

さて、先週一週間は妻が寝込んでいたので、ほとんど仕事が手に付きませんでした。病院やら看病の時間が大量に必要なので、「いつも通り」の仕事をこなすことはほとんど不可能です。いつなんどき妻からレスキューの声がかかるかも予測できないので、戦略的に時間を使うこともできません。

だから、その一週間はデイリータスクリストをまるっと手放しました。こういうときには、「時間や作業を管理しよう」という発想はむしろ邪魔です。なにせ非日常がそこにやってきているのです。ここで「あるべき状態」を優先させてしまったら、妻へのケアが足かせに感じられてしまうかもしれません。実におぞましいことです。しかし、そういうタスクリストを作ってしまうと、私の認知がそちらに引きずられてしまうことは十分ありえるのです。注意したいところです。

というわけで、リストによる管理は放棄して、ぎりぎり最低限のタスクだけはこなそうと思いました。そのタスクはせいぜい一日2〜3個なので(しかも毎日同じなので)別にリストを使うまでもありません。ちょこっと空いた時間を見計らって、一気に原稿を書く。その戦略でなんとか先週もR-styleの更新とメルマガの発行を続けることができました。その代わり、それ以外の作業はほとんどまったくやっていません。これはまあどうしようもないことです。「あれ」と「これ」を両方手にすることはできません。

一時的にポケットに入れる

で、なんとか妻の調子が戻ってきたのですが、かといってまだ本調子というわけでもない、という状態が次なるポイントです。

この状態では、タスクリストは使いたい。しかし、これまでの日常と同じタスク量をこなすことは難しい。それに、確率は低いもののケアの必要性が出てくることもありうる。

こういう状態で、どのようにタスクリストを運用しようか、と考えました。私の直感として、「いつもと同じタスクリスト」を作るとダメだなと感じられたのです。たぶん、こなせないタスクがかなり出てきて、それによってデイリータスクリストを見るのが嫌になる可能性が僅かにあり。それはタスク管理破綻の足音を意味します。

そこで、考えました。「そうだ、ポケットを作ろう」と。

実際にやることは簡単です。普段使っているデイリータスクリストの下に1×1のシンプルな表組みを付け足しただけです。

※ポケットにタスクを収納する

そこに、「その日やろうと思っていること」をざくざくと書き込んでいきます。これでとりあえず忘れることは防げました。あとは、実行あるのみです。

上のデイリータスクリストには、とりあえず今見えている空き時間──たとえば1時間や2時間──で実際にできることを書き込みます。そして、実行して、チェックボックスにマークを付ける。で、改めて時間ができたら、下の表組みから次に取りかかる作業を選んで、上に転記します。後はそれの繰り返しです。

こんな面倒なことをせずに、すべてデイリータスクリストに書き込んだらいいじゃないか、と思われるかもしれません。が、そうするとリストが持っている「その日に実行するタスク」だけを書き込む、というコンテキストが乱れるのです。このコンテキストは、実行する≒実行できるという感覚を伴っているからこそ、タスク着手の動機付けを持ちます。そこに書いてあることは、できるはずのことなのです。

しかし、ひとたび「実行したいタスク」がそのリストになだれ込んでしまうと、そのコンテキストが乱れ、リストは単なる備忘録になってしまいます。私はそれを避けたいと強く願います。自分にかけた魔法を解きたくないのです。

さいごに

ちょこっと思いついた、この「タスク・ポケット」ですが、なかなかうまく運用できました。今のところ、タスクリストを嫌いになることもなく、自分にかけた魔法が解かれていることもありません。

で、このタスク・ポケットは普通にデイリータスクリストを運用する場合でも使えると思います。使用可能時間の量が完全に読み切れない場合は、まず読み切れる量だけで「必ずやること」だけをリストに書き込み、それ以外の、時間が空いたら「やりたい」と考えていることはタスク・ポケットに書き込んでおく。

こうすることで、「今日もチェックマークつけられないタスクがいっぱい残った」みたいな奇妙な罪悪感から開放されるのではないでしょうか。そういうひとつひとつの小さな罪悪感が、タスク管理することそのものに嫌気をもたらすので、うまく切り分けて運用したいところです。

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Rashita
物書きをやっております。実用書から小説までなんでもござれのハイブリッド物書きです。 ライフハックや仕事術、知的生産などに興味があります。

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