「Things 3」の面白いところ

Mac,iOSで使えるタスク管理ツール「Things」が新しくなったらしい。

The all-new Things. Your to-do list for Mac & iOS

Things 3
カテゴリ: 仕事効率化, ビジネス

私はEvernoteでタスク管理という、カリフォルニア人もびっくりなことをやっているので、そろそろ他のタスク管理ツールへの興味は減退しているのだが、なぜだかこのThingsは気になってしまった。Mac版には15日間のトライアルがあるらしく、試しにそれをダウンロードしてみると、なかなか心地がよい。デイリータスクリストとして運用していけそうな気がする。

Thingsの面白いところ

基本的には、以下のような2ペイン型の画面である。左がリストのリストで、右がメインリスト。左の方は必要に応じて隠すこともできる(command+/)。

※サイドバーを消したところ

中心となるリストは、「今日」のリストだろう。ここに一日分のタスクを集めていくことが、わかりやすい使い方になる。

その他の機能についても、少しずつ見ていこう。

タスクとチェックリスト

まず面白いな、と思ったのがチェックリストである。タスクの中に、チェックリストが設定できるのだ。役割的には、タスクに対するサブ・タスクのような位置づけであろうが、細かすぎるものをタスクにしない、という意味合いが大きい。たとえば、以下のような行動があった場合、

これらをすべてタスクとして登録してしまうと、「今日」のリストが長大になってしまう。その上でアプリのバッチで表示される残りタスクの数も莫大となる。一つひとつの行動が1分や2分しかかからないのであれば、それらをまとめてしまった方がリスト的には扱いやすい。もちろん、このチェックリストにもチェックマークは付けられるので(当然である)、進捗管理自体はできる。

基本はタスクベースで管理しながらも、粒度の細かすぎるものは少し大きめにまとめる。これはこれで、──別の問題を抱えているにはせよ──なかなか使い勝手が良い。

プロジェクトとエリア

Thingsでは、タスクは二つの所属先を持ち得る。一つは、プロジェクト。もう一つがエリアである。この二つは、実に実感に即している。たとえば、私は毎日のように何かしらの原稿を書いているわけだが、たとえばそれは「来月発売される本」の原稿であることもあるし、今こうして書いているブログの原稿であることもある。

※上がプロジェクトスペース、下がエリアスペース

もし、管理先がプロジェクトしかないならば、「ブログ」や「R-style」という〈プロジェクト〉を作って、そこにタスクを配置することになるだろう。が、実はこれは大きな違和感である。片方は明確な終わりがある企画なのに対して、もう片方はそれとは違った実体的在り方をしている。期限や終わりというものが明示的にはない。しかし、「今日のブログを更新する」というタスクは、紛れもなく私の心の中ではどこかに属しているのだ。

プロジェクトとエリアという切り分けは、それをうまく捌いてくれる。明確な終わりのあるものはプロジェクトに、そうでないが所属は持つものはエリアにすればいい。私の場合は、〈日課〉と〈Blog〉がエリアとなっている。この二つはどう考えてもプロジェクトとは言えないだろう。しかし、私のタスク概念を構成するものであることは間違いない。

プロジェクトと見出し

プロジェクトには、見出しが設定できる。

上の画面で言えば、「本文制作」「第一章」「第二章」という青字が見出しである。この見出しの下にタスクを配置できるわけだが、もちろん見出しの下に置かないタスクも設定できる。見出しの順番はドラッグで簡単に移動できるし、タスクの移動も同様である。

この見出しは、暫定的なタスクの切り分け区画を作ってくれるが、それ以上でも、それ以下でもない。たとえば、プロジェクトで「第二章」という見出しの下にタスクが配置されていても、「今日」のリストで、その見出し情報が反映されるわけではない。これがプロジェクトに対するサブプロジェクトとの違いだろう。

もしそれがサブプロジェクトであるならば、「月くら計画ZZ 二冊目作成:第二章:○○○○」という風に「今日」のリストに表示されるはずである。それの何が問題なのかというと、先ほどの例ではわかりにくいのだが、たとえば、サブプロジェクト名が長すぎると、「今日」のリストが非常にうっとうしい事になるのは想像できるだろう。よって「第二章の制作一回目」というような表現ではなく「第二章」というコンパクトな表現にしたくなるはずだ。

つまり、見出し的情報であるにもかかわらず、それが表示されてしまうが故に、情報量を落とさなければならない事態になるのだ。これは端的に言って本末転倒であろう。

もし、「今日」のリストにおいて、見出し情報を表示しなければ、そのタスクがなんのこっちゃわからない、という状況であるならば、それはプロジェクトの切り分け方が大きすぎる可能性がある。つまり、その見出しとなっているものを本来はプロジェクトとして扱った方がよい、ということである。

ログブック

細かいながら、よくわかっているな、と感じるのがこのログブックである。

一般的にタスク管理ツールでは、終了後のタスクの扱いは二種類ある。すぐさまそのリストから消えるか、表示スタイルが変わって(フォント、カラー、打ち消し線など)そのまま残り続けるかだ。机の上の書類を片付けていくような爽快感を楽しむ人ならば前者の方式が、何かを積み上げていくような進捗感が必要な人ならば後者の方式が喜ばれるだろう。Thingsでは、タスクをログブックというタスクログに移動させる方式を「今すぐ」「毎日」「手動」の3パターンから設定できる。これは、本当に細かい機能ながら、実に気の利いた設定である。まさに、そういう細かいところがタスク管理ツールの使い心地に影響を与えるからだ。

まったく個人的な意見になるが、ひたすらにタスクを実行し、チェックマークが付いたタスクを猛烈に増やしていった後で、ログブックの「今すぐログ」ボタンを押して、「今日」のリストから実行済みタスクを一掃するのは、なかなか快感である。紙でデイリータスクリストを管理しているかのような感覚が味わえるのだ。

さいごに

以上を振り返ってみると、Thingsは、細かい使い勝手に機微がありながらも、粒度管理についてはツール側からの要請が入っていることがわかる。

タスク→チェックリスト、プロジェクト→見出し、というやり方は、これまでのタスク管理ツールであれば、まったく存在しないか、存在するにしても単純な階層化によって実現されていた。その場合、どちらであっても、粒度については利用者の完全なる自由となる。前者は1分のタスクと1時間の作業を同じ一項目に並べられるし、後者はそれぞれのタスクが適切になるように複雑な細分化が進められる。サブ・サブ・サブ・サブ・サブ・プロジェクト、のように。

タスクについてはチェックリストしか、プロジェクトについては見出ししか設定できないThingsは、タスクやプロジェクトの粒度を、ある程度限定してくる。たとえば私は毎日複数のブログを更新しているが、かといって「ブログを更新する」というタスクを作り、その下にそれぞれのブログ名をチェックリスト的に入れようとは思わない。さすがにそれは大雑把にすぎるだろう。しかしながら、5分程度で更新できるブログが複数あるなら、「サブ・ブログの更新」というタスクを作り、そのチェックリストに入れるのは良さそうに思える。

もちろんこれは、必ずそのように使わなければいけない、というルールではない。すべてを一項目にした長大なリストや、ややこしい構造を持った巨大プロジェクトを作ることだってできる。ただ、そういう使い方ならば、あえてこのツールを使わなくても良いかな、という気分にはなる。

ということを踏まえた上で、次回はThingsの使い方について考えてみるとしよう。

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Rashita
物書きをやっております。実用書から小説までなんでもござれのハイブリッド物書きです。 ライフハックや仕事術、知的生産などに興味があります。

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