ワンアウトラインの思想 その1

新たな問い

以前WorkFlowyを整理した。できるだけシンプルになるように、たった二つの大項目に絞り込んだ。

制作中の企画に関するアウトライン(WorkSpace)と、断片的なアイデアを放り込むアウトライン(incubator)。この二つだ。

しかし、よくよく考えてみれば、その分別すら不要である。やろうと思えば、WorkSpaceの中身を、incubatorに移し替えてもぜんぜん機能する。むしろ、その方が「たった一つのアウトライン」というWorkFlowyの思想にフィットしているのではないか。

とは言え、疑問は出る。移し替えるにしても、どのような形がよいだろうか。ダイレクトに中身の項目を移動させる? それともWorkSpaceという項目ごと移動する?

※どっち?

ここで新たな問いに直面する。そのような判断は、どんな基準で行われるべきだろうか。

すべてをフラットから始める

前提として、まずすべての着想を一つの大きなアウトラインに並べるとしよう。

そこにはアイデアやらタスクやらと、いろいろなものが並ぶことになる。その中には、はじめから下位に項目(内容)を持つものもあれば、1フレーズだけのものもあるだろう。下位項目を持つものは、その通りにアウトラインを作ってやればいい。問題は、1フレーズだけのものだ。

その1フレーズ項目は、基本的に断片的なものである。そして、断片的なものである、ということは、いずれ他の項目と関連性を持つ可能性を秘めている、ということだ。

WorkFlowyにおいて、他の項目との関連性を明示するには、三つの方法がある。一つは、項目を移動させ、近しい項目を近くに並べる方法。もう一つは、階層を作ること。最後の一つは、ハッシュタグである。前者二つはかなり似ているので、とりあえず同一のものとして扱うとして、階層化とハッシュタグ付けの差異について考えてみたい。

たとえば、すべてがフラットに並んだアウトラインにおいて、飛び飛びに離れた場所に共通と思える項目が見つかったとしよう。アイデアを育てていくためには、この「共通と思える」という感覚をアイデア管理ツールに反映する必要があるわけだが、それらの項目を集めて階層を作ることと、それぞれに同一のハッシュタグを付けることには、どのような違いがあるだろうか。

少なくとも、「後からそれらの項目を一緒に閲覧したい」という欲求に対しては、機能的な差異は見られない。どちらも、関連づけした項目は一覧できる。では、前処理はどうだろうか。階層化するためには項目の移動が必要であり、膨大な量の項目を扱うワンアウトラインの手法では、これはなかなか手間である。ハッシュタグを付けて回るのは、それに比べればそう手間ではない。

では、差異はそれだけだろうか。だったら、階層を作らずにハッシュタグを付けて回るのが、アウトラインの思想にフィットしたやり方なのだろうか。無論、そうではない。

アウトライナーを使う理由

階層化して項目をまとめることには、一つの大きなメリットがある。そのメリットは、「アウトライナーの機能」と大きく関係している。アウトライナーの機能は大きく三つだ。

  • アウトライン表示の機能
  • アウトラインを折りたたむ機能
  • アウトラインを入れ替える機能

アウトライナーは、アウトラインを折りたたむことができる。折りたたむとは何か? 見えなくすることだ。この点が、ハッシュタグとの違いとなる。

ハッシュタグを付けて関連性を明示した項目は、フラットなアウトラインに残ることになる。しかし、階層を作り、その下位に位置づけた項目は、表示を折りたためば見えなくなる。言い換えれば、目に触れなくなる。認知的に消失する、ということだ。

しかし、完全に消えて無くなるわけではもちろんない。項目の折りたたみを解除すれば(=展開すれば)表示される。それはどういうことだろうか。「この項目については、このテーマについて考えるときだけ思い出せばいいですよ」という風に断片を扱うことである。

ワンアウトラインの思想では、すべてを一つのアウトラインに入れる。そして、それを常時触ることになる。そこにある項目は常に目に触れることになる。しかし、そのすべてを本当に目に通したいかというと、そういうわけではない。中には「この項目については、このテーマについて考えるときだけ思い出せばいい」と思えるものもあるだろう。そういうものはハッシュタグで関連性を明示するのではなく、階層化して〈遮断〉してしまうのがよい。でもってこれは脳の記憶におけるチャンクに近い。

よって、冒頭の疑問には一つの答えが出る。ダイレクトに中身の項目を移動させるのか、それともWorkSpaceという項目ごと移動するか? 普段からそれぞれの企画について考えたいならダイレクトに移動させて #Working というハッシュタグを付ければいいだろう。企画について考えよう、というときにだけ考えたいならWorkSpaceという項目ごと移動させて、普段は折りたたんでおけばいい。

これでワンアウトラインの思想における階層化とハッシュタグの使い分けが見えてきた。次回は断片的なアイデアの扱いについて、もう少し踏み込んでみよう

次回:ワンアウトラインの思想 その2

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Rashita
物書きをやっております。実用書から小説までなんでもござれのハイブリッド物書きです。 ライフハックや仕事術、知的生産などに興味があります。

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