Evernote企画:第一回:Evernoteとは何なのか?

全てを記録する

「Remember everything」
この言葉がEvernoteのサイトのトップページに掲げられている。
http://www.evernote.com/

そしてその下にはこのEvernoteについての簡単な説明がある。

Welcome to your notable world. Use Evernote to save your ideas, things you see, and things you like. Then find them all on any computer or device you use. For free.

意訳:ようこそメモれる世界へ。Evernoteを使ってあなたのアイデアやら見たモノやら好きなモノまで、とにかく何でも保存しましょう。どんなコンピューターを使っていてもそれらを見つけ出せます。しかも、無料。

現在Evernoteというクラウドサービスは、ウェブ、Windowsクライアント、Macクライアント、iPhone(iPod Touch)アプリ、BlackBerryアプリ、などがありPalm Pre、やWindows Mobile版も提供されている。(2009/11/17現在)

つまり先ほどの説明のように、ほとんどの環境においてEvernoteを使うことができるということだ。最近では日本語化に向けた動きも出てきているようで今後ユーザーも増えていくことが予想される。
参考サイト→Evernote ついに日本語対応へ。始めるならば今!(Lifehacking.jp)

さて、このEvernoteというサービスは一体どのようなサービスなのか。どんなことが実現できるのか。

問1:あなたが誰かから「Evernoteってどんなものなんですか?」と聞かれたらどのように答えますか?

さて、あなたならなんと答えるだろうか。日本でもかなりメジャーになってきているのでサービスの名前だけ知っている人は多いと思う。意外とそういった人の方が簡潔に説明できる可能性が高い。

実際に使っている人は自分がどのように使っているかを説明して、その雰囲気を伝えるだけにとどめるかもしれない。ひと言でこのクラウドを適切に現す言葉が見つかりにくいのだ。

私も今回は自分の使用例を中心にして「Evernote」の考察を行うことにする。構成は以下の通り。日曜日までで毎日一つ更新していくのが目標であるが、できない可能性もあるので、あしからず。

1:Evernoteとは何なのか? →イマココ
2:Evernoteの機能、プラスαの機能
3:知的生産におけるメモの重要性
4:ノートとタグについて
5:現状の私の運用方法について
6:まとめ

Evernoteの定義

さて、先ほどの問1の答えだが、以下にEvernoteの簡単な定義をウェブ、書籍から引っ張ってきておいたのでこれらを参考にして自分なりに見つけ出して欲しい。

脳をバックアップしてくれるツール『EverNote』

EverNoteは、ユーザーが1日のうちに収集するあらゆるデジタルデータを、重要なものから取るに足らないものまで何でも、中枢のライブラリーに格納してくれるソフトウェア。必要なときにはいつでも瞬時にライブラリーにアクセスできる。

Google世代の整理術「デジタル情報整理ハックス」

この連載で何度も紹介してきているEVERNOTEですが、これは基本的に、メモやウェブクリップを保存し、データベース化することで、あらゆる糸口から再利用できるようにするツールです。つまり、大変多機能ながら、本質的にはメモ管理ツールと考えて差し支えないわけです。

シゴトハッカーズ:Evernoteの基本的な使い方【チュートリアル編】

Evernoteは、自分のメモ管理専用のメールソフトと考えるといいでしょう。いわゆる「3ペイン」のメールソフトです。「ノートブック」や「タグ」が並ぶのは、「受信トレイ」や「送信ボックス」の並ぶスペース。Creation Date、Title、Tagsなどの項目が上部に表示されて、その下にノートがリストアップされている様子はメールそのものですし、そのノートを選択すると、プレビューが表示されるのも基本的なメールソフトと同じ構造です。

Webサービス図鑑/オンラインノート:Evernote

Evernoteは、画像やリンクなどもクリップできるオンラインメモサービス。Webアプリケーションとして閲覧や書き込みができるだけでなく、 Windows版やMac OS版、Windows Mobile版、iPhone版などのクライアントソフトも用意されており、どんなデバイスでメモを取っても自動的に同期されるのが特徴です。

iPhone情報整理術:p236

多くのメディア形式に対応したオンラインノート

仕事脳を強化する記憶HACKS!:p117

EVERNOTEというツールは、まだ十分には知られてはいませんが、ひとことで言うなら「デジタル記憶整理ソフト」です。

情報力(橋本大也):p42

電子スクラップ帳

仕事するのにオフィスはいらない(佐々木俊尚):p91

何でもメモしたり、ウェブを保存したりできるクラウドです。

これらを見ると、大まかに三つの路線が見えてくる。以下に列挙すると
・メモ管理ソフト
・ノート
・電子スクラップ
となる。

これらのどれか一つが正解、というわけではない。それぞれの視点での使い方があり、Evernoteはそれを許容できる力を持っている、ということだ。

ただ、私は上にあげた3つとは違った認識を持ってEvernoteを使っている。

発想の転換

Evernoteというのが便利だよという話をどこかのブログで見かけてすぐさまインストールした直後はイマイチ使い切れていなかった。確かにiPhoneで取ったメモがPCと連携させられるのは便利だが、別にGmailでもほとんど同じような事ができるではないかと、ちょっと考えていた。そんなわけだから、あまりノートの数も増えていなかった。

Evernoteに対しての認識が衝撃的に変わったのは「知的生産の技術」という本を読み返していたときのことだ。この本ではノートよりもカードの方が使いやすいということが説明されている。著者の梅棹氏はノートはまったく使わず全てカードに書き込んでいるという。いわゆる「京大式カード」である。

p38
ノートをやめて、すべてカードにかくことにしているというと、たいていの人は、なにかひじょうにかわった方法を実行しているような印象をもたれるらしい。ほんとうは、なにも特別なことなどはありはしない。カードというのは、じつは一種のノートにほかならないのだ。とじていないというだけで、実質的にはノートとおなじなのである。

梅棹氏はルーズリーフなどもカードの一種だと、このあとに続けて説明しておられる。
そう確かにそうなのだ。
カードも一種のノートだ。ということは、ノートも一種のカードということになる。

そして私は一つの結論を得た。
Evernoteのnoteはノートではなく情報カード

今までEvernoteという名前に印象づけられてまったく発想が出てこなかったのだが、Evernoteの一つ一つのノートは一枚のルーズリーフというよりもカード的に使うことができる。

情報カードに書くべき項目は日付、見出し、内容、引用や要約ならば原典だ。
Evernoteのノートに標準的に備わっている項目である。

ノートブックによる分類もできるし、タグによるジャンル付けもできる。これによって自分の使いたい情報をためておき、使うタイミングきたら一気に引きだす。

まさにカードシステムそのものだ。カードシステムにはあこがれを感じていたのだが、明らかに手間がかかりすぎるのと、カードを置く場所という物理的な制約が発生するので二の足を踏んでいた。しかしながら、Evernoteを使えばその問題は一挙に解決する。

Evernoteというクラウドサービスはカードシステムそのものに置き換えることができる、という発見は、いかにこのサービスを使うのかということに大きな指針を与えてくれた。

この発見をして以来、私はEvernoteをブログのネタ帳から知的生産のホームベースにすることに決め、日々それを実行・改良している。

詳しい事例はまた後の機会に述べるが、ノートと思うかカードと思うかの運用上の最大の違いは「見出し」であろう。カードシステムについて解説してある本は皆この「見出し」の重要性を説いている。
※ノートだと大体テーマ別でまとめられているので見出しの重要性は低い。逆に一冊のノートになんでもかんでも書いている場合は重要度が高くなる。結局一冊のノートに情報を集約させる場合も、ノート1ページが情報カード1枚に相当することになる。ただしこの場合PCで牽引を作らないと使いものにならない。

後で使用することが前提のもので、かつそれを短時間で見直すためには、インデックスは欠かせない存在だ。見出しを付け、タグを付ける作業を行うことによって、私は個々の情報に対して「これは何なのか?」という問いかけをせざる得なくなった。何に使うのか、この情報は何を意味しているのか、そういった問いかけをすることで後々の自分が有効に使える情報だけを残していくことができる。

そういった意識もなくただクリップしているだけだと、ノートの数が増えてきたときに確実に使い物にならなくなる。それはEvernoteの日本語検索の弱さ、ということではなく使い物にならないものばかりを集めていた、ということが原因だ。

この辺りについては「5:現状の私の運用方法について」で詳しく書きたいと思う。

使い方の可能性

もちろん、先ほどから何度も述べているがEvernoteの使い方は限定されたものではない。
先ほどの3つの使い方+1をもう一度書くと

・メモ管理ソフト
・ノート
・電子スクラップ
・情報カードシステム

となる。
ノートでは日記帳として使えるだろう。電子スクラップとしてはブログのネタを集めるに最適なツールだろう。「マインドハックス勉強法」という本では勉強専用デジタルノートとしての使い方が提案されている。おそらく家計簿を付けることもできるし、タスクリストとして機能させることもできるはずだ。ノートブックを共有すれば掲示板のような使い方もできるだろう。

ユビキタスなキャプチャー、異なるPCでも使える環境、ノートブックと階層式タグ、これらをうまく使い、自由な発想を持てばいろいろな目的でEvernoteを運用することができる。

あまり手を広げても収集がつかなくなるし、だいたい使用したことのない用例を解説することもできないので、今回の企画では「知的生産」における使用方法を中心に考えていくことにする。

編集後記

 こちらもどうぞ→Evernote企画:はじめに

参考文献

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32件のコメント

  • By 虹の父, 2009 年 11 月 18 日 @ 11:16 AM

    こちらでは、初めまして!お待ちしていました!
    私も、情報カードという捉え方で、今まさに、どんどんメモを入れているところです。そして、情報が増えていけばいくほど、便利になりそうな予感を感じ始めているところです。
    記事、楽しみにしています。ついったー:@nijinochichi です。

  • By rashita, 2009 年 11 月 18 日 @ 1:03 PM

    >虹の父さん
    どうも、初めまして(こちらではw)。
    情報カード的な使い方だと、同じようなカテゴリーで一定量のノートが集まると、大きなインプットにつなげやすくなるな、という感覚は私もあります。
    ご期待に添えるか分かりませんが、続きの記事もがんばって書いていきたいと思います。

  • By computer networking austin, 2011 年 6 月 2 日 @ 6:38 AM

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  • By Arletta Artrip, 2011 年 11 月 1 日 @ 11:43 AM

    Nice first part!

    There’s some of the stuff I don’t agree with, but I’m totally biased (being an Umbraco fan boy and everything) 😛
    I’ll comment on this once all the parts are posted.

    One thing though: It seems like Sitecore is trying hard to be/include more that one thing: Being a CMS, Marketing Platform and Analytics package. Umbraco will never do this (according to the founder), but only do one thing (good): Being a CMS and a content framework.

    So with these two totally different approaches, one will always have more stuff/features than the other. And in my experience, that’s not necessarily a good thing.

    But keep up the good work! Looking very much forward to the next parts, hoping they are equally well written

  • By ottawa nightlife, 2012 年 2 月 29 日 @ 11:43 PM

    Sweet. So what’s next?

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