「仕事術」の体系を俯瞰してみたい

「GTDは何のために行うのか?」というエントリーにいただいたコメントがずっと気になっていた。「このまま一生β版」の@Moyoriさんからいただいたもので、気になった部分を下に引用する。

最初に「なぜ、GTDが日本で流行らないか?」という記事に対する私の考えですが、そもそも「これは一般的な仕事術で、誰でも知っている」と言えるものはあるのか?という疑問です。仕事術というキーワードで検索しても、引っかかるのは仕事を進める上での、かなり限られた部分におけるテクニックがほとんどです。(現時点ではあまり思いつきません) 実は、GTDが流行っていないのではなく、そもそも仕事の進め方を根底から見直すような提案をしているもので、定まった呼び名がある仕事術自体が無いのでは?

話の中心はGTDの日本普及についてなのだが、それよりも私が気になったのは「仕事術」そのものについてだ。

「仕事術」と簡単に言っているが、それが何を指し示すものなのかという明確なイメージが存在しないのではないか。仕事術でもライフハックでもそこで提示されるのは「ノウハウ」や「テクニック」であることが多い。

そもそも仕事術とは何であるか。

ということが真剣に問われてきたのかどうか、それが気になった。それと共にこれから自分の「仕事力」を改善していきたいと思う人たちに一定の理解を与えるような「教科書」があってもよいのではないか、とそういう思いが浮かび上がってきた。

今まで提示されてきたさまざまなノウハウやテクニックを一度バラバラに分解し、中心となる要素だけを抽出し、再構成する。つまり体系だった「仕事術」の構築。それが今必要になっているのではないだろうか。「ノマドワーキング」や「ギルド社会」といった形で新しい働き方を望む人たちだけではなく、普通にオフィスで働くビジネスパーソンも含めて、実際に運用するための助けになるような教科書。

それは心躍るような応用編ではなく、本当に基礎の基礎を体系立てて説明するもの。目新しさはないが普遍性を持つ物。そういう物を提示する必要があるのではないだろうか。

例えば新社会人が面白そうな「仕事術系Blog」を見付けたとする。そのBlogが1年間続いていたとして、その新社会人が「仕事術」のスタートラインに立つために、どのくらいのバックナンバーを漁る必要があるだろうか。想像するだけでちょっとぞっとしてくる。

実地検証

ちょっと、実際に仕事術でぐぐってみた。

検索結果トップに来るのが

ストレスフリーのサクサク仕事術*

というサイトである。このサイトのアクセス数はわからない。グーグルリーダーでチェックしたらフィード登録数が200を少し超える程度だった。このBlogですら1000を超えているし、検索結果二番目の誠 Biz.IDで4000越えである。

優れたSEOの手法のお手本ではあるが、「仕事術」を知るためのサイトとして評価されているとは言い難い。

ちなみに検索結果の「他のキーワード」として提示されるのは

「仕組み仕事術」
「デッドライン仕事術」
「脳を活かす仕事術」
「見える化仕事術」
「情報ダイエット仕事術」

である。全てビジネス書のタイトルであり、それぞれが「仕組み」か「考え方」の提示に留まっている。もちろんそれぞれのビジネス書に有用性が無いというわけではない。悩みを抱えるビジネスマンには参考になる情報が盛り込まれているだろう。

ただ、これらが体系立っているかというと少々疑問が残る。

「仕事力」が持つ重み

仕事をしていく上で、それらをサポートする基本的な「技術」。それが一応「仕事術」の私なりの定義だ。それらは「技術」である分、視点はかなり「現場より」だ。現場より、臨床よりなので実践的であるが、その分全体を見通すことは難しくなる。

むしろ、そこから一歩引いてみて、全体を俯瞰し、組み立て直す。枝葉の情報に繋がるための幹のような存在。そういうのが一つくらいはあってもよいのではないかと思う。

これからの時代ますます「仕事」の重要性は増してくる。会社の中で仕事をするのでも、フリーとして仕事をするのでも、純粋に成果としての「仕事」が評価されるようになる。

仕事術を使って仕事力を上げることは、可能性という選択肢を増やすことに繋がっていく。

不安定で不確かな社会の中で、「仕事力」はよりよく生きていくために必要なものだろう。

仕事以外の興味の時間を確保するためにも、さらなる仕事を求めることでも、会社に依存しない仕事を作り出すためでも、使い方はその人次第だ。ただ、「仕事力を上げる」こととそれを支える「仕事術」について知っておくことは、ビジネスメールの書き方や電話の応答の仕方ぐらいに基本的なものとして扱われてよいのではないだろうか。

決意表明というのではないけども

今のところおぼろげながらだが、私の頭の中にそのイメージは存在する。それをどのような形でまとめていくのかについて考えを巡らせている所だ。一冊の本なのか、一つのウェブサイトなのか、コミュニティーブックや成長する本を意識した電子ブックなのか、それはまだ見えてこない。たぶんそこには正解というものはなく、最適解に近づくための試行錯誤が存在しているだけなのだろうと思う。

もしかしたら、誰もそんなものを必要としていないんじゃないか、という思いもある。そこで提示されるものは、既存のものでしかない。ごくごく簡単に表現すれば入門者向けのまとめでしかない。

しかし、現段階でそんなことをいちいち考えていても仕方がない。

私が「仕事術」という存在を初めて知ったときに「読みたかった」コンテンツというのを作ってみたい。バカみたいにビジネス書を読みあさるのでもなく、ひたすら過去のページをクリックして回るのでもなく、「概要」や「体系」を知ることのできるコンテンツ。

EvernoteやGTDについてなど掘り下げていきたい事はいくらでもあるのだが、自分の中の一つの区切りとしてまずこれを当面の目標としてみたい。

Related Posts with Thumbnails
Send to Kindle
Rashita
物書きをやっております。実用書から小説までなんでもござれのハイブリッド物書きです。 ライフハックや仕事術、知的生産などに興味があります。

2件のコメント

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です