Evernoteのノートブックとタグについて考える前に考えたいこと

Evernoteを使う上で肝になるのがノートブックとタグの使い方だと思います。私も使い始めからさまざまな試行錯誤を繰り返してきましたし、今も続けています。最適解は人それぞれ違うでしょう。ただ、試行錯誤を繰り返しているうちに一つだけ気がついた事があります。
それは

「ノートブックとタグの使い分けについて考えることは「整理」という行為の本質に迫ることとほぼ同義」

という事です。「整理」がどういう事か理解しないまま、「整理」することなど不可能ではないでしょうか。ノートブックやタグの使い方について考える前に、まず「整理」とは何かについて真剣に考える必要があるでしょう。

機能する整理法

以下は「グーグル時代の情報整理術」よりの引用です。

p175
 目標は、完璧な整理術を築くことではない。それは不可能だからだ。重要なのは、その方法の限界を把握し、それをうまくくぐり抜ける方法を見つけ出すことだ。
 ここで、案内役になるのは「目的」だ。目的は、情報の保存方法や整理方法を決める助けになる。私は、利用するツールを決めるとき、情報の目的に関して次のように自問している。なぜその情報は必要なのか?いつ、どこで、どのように使う可能性があるのか?いつまで保存しておけばよいか?私以外にその情報を利用する人は?

情報を扱う上で重要なのは、その「目的」を把握することです。ここが明確でないと「整理」は行えません。

・その情報はいつ使うのか(すぐ、あとで、不明)
・その情報は何に使うのか(ある期間保存、特定のプロジェクト、使う予定はない)
・その情報はどのように使うのか(いつでも参照したい、たまに見返す、検索で引っかかればよし)

まず、一つ一つの情報についてこれをじっくりと自問する必要があります。そして出てきた答えに合わせてノートブックやタグを作っていくというのが「機能する整理法」を生み出すための要件になります。

「機能する」というのは、見たい情報を探し出せるという意味以外に、整理に時間がかからないという意味も込められています。完璧にいつでも望む情報が手に入る環境を作るのに、一日の多くの時間を使ってしまうというのは進むべき進路を間違えた船のような状況に陥っています。

もしあなたが情報を適切に仕分けすることが目的ならば、一つ一つのノートに関して細かくタグ付けしていくことが求められるでしょう。では、その情報を活用して生産を行いたいと思う場合ならばどうでしょうか。必要なのは何でしょうか?

先の引用にもありましたが、普通のビジネスパーソンの目標は完璧な整理術を築くことではないでしょう。必要な時に必要な情報が取り出せればそれで良いわけです。

そのためにはどうすればよいでしょうか。まったく整理環境ができていない状況ならば、まずEvernoteに情報を集めることがスタートになると思います。

そして、集まった情報一つ一つに対して、上にあげた「自問」を重ねていくことです。そしてそのためにどのような環境(ノートブック・タグ)を作れば良いのかを考えることです。はっきり言ってその段階では「機能する整理法」にはたどり着けません。特に今まで整理に困っていた人が、急に整理できるようになったりするはずはありません。整理できないというのは「目的」がよく分かっていなかった、という事なのですから当然です。

ただ、一つ一つの情報に対して自問をぶつけていく内に、次第に「優先順位」が見えてくるようになってきます。そうしたら、それに合わせてノートブックとタグを変えていけばOKです。これこそが「整理」という行為の本質ではないでしょうか。

脳の補完関係を目指す

何度も書いている事ですが、「誰かがやっている整理法をそのまま真似すればOK」というのは全く持って不合理です。価値観や仕事環境などによって扱う情報も違っていれば、その「目的」も異なってくるはずです。最大の問題は、人の整理法のモノマネでは「自問」する必要が無い、と言うことです。

一番めんどくさい部分を他の人がやってくれているのですから、導入は一見楽ですが、それではいつまで経っても「機能する整理法」には近づけないでしょう。逆に言えば自分が情報をどのような目的で使うのかさえ理解できていれば、他の人の整理法の良い部分だけを利用することはできると思います。

「不断の警戒は自由の代償」という言葉がありますが、それを借りれば「不断の自問は整理の代償」と言い換えられるかも知れません。ある程度形ができた後でも、整理システム全体について見直す必要はいつでもあります。

こうして考えてみると、整理というのは結構しんどい事だということが分かります。だからこそ、Evernoteのような便利なツールを使うことが重要になってきます。自分が考える必要の無いこと、覚える必要のないことはEvernoteに任せておけば良いのです。そして、「思考」が必要な事に徹底的に脳の資源を割り当てていく。それが人の脳とデジタル脳の効果的な補完関係ということになるのでしょう。

まとめ

今回はノートブックとタグの前段階について書きました。これこそが真に重要な部分だと思います。これを踏まえた上で、次回は私なりのノートブックとタグの使い方について紹介と思います。

こうしたことを積み重ねていく中で、最終的にノートブックとタグの使い方についての「原則」を提示したいと考えています。それは実際例という葉を生み出すための幹に似た存在になるでしょう。

しかし、そこにたどり着くためにはまだまだたくさんの試行錯誤の屍を乗り越えていく必要がありそうです。

参考文献:

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