Evernote企画3rd:第三回:ノートブックについての掘り下げ(上)

Evernoteが便利な点はいくつも上げることができます。その一つに「自由度の高さ」とい点が入っていることはまず間違いありません。しかし、「自由度が高い」が故に使い方の方向性を見付けにくいという問題も生じています。そしてその問題が一番目立つのが「ノートブック」と「タグ」の使い分けかたでしょう。

このブログでも何度かノートブックとタグについては書いています。

一つ言えることは「絶対的な形」というものは存在しない、と言うことです。一冊のノートの使い方が自由であるようにEvernoteのノートとタグもいろいろな使い方が考えられますし、またそれのどれが正しくて間違っているかというような判断は下せません。

ノートブックとタグの機能的な差については「Evernote企画:第四回:ノートブックとタグについて」このエントリーを参照してください。

今回は、どんな風にノートブックを使えばよいのか、そもそもノートブックとは、という点について掘り下げたいと思います。

※以下転調

達人にきく

スタートとして、Evernoteハンドブックの著者3人の使い方を引用することから始めよう。

人生の授業

Evernote ユーザーの誰もがぶつかる、ノートブックとタグの使い分け(シゴタノ!)

つまりノートブックをつくるコツは、「人生」という学校でどんな授業を受けているのかを意識するという点にあります。たとえば私は「ブログ」「読書」「ワイン」に関して専用のノートブックを作って情報を蓄積していますが、その一方で「雑誌切抜き」「名刺」といったノートブックはなるべくつくらないようにしています。「名刺」という授業が私にはないからです。

Evernoteにさまざな情報を詰め込む場合はこれを意識するのが一番良いだろう。「人生」でどんな授業を受けているかというのは、表現を変えれば何にコミットメントを持っているのか、という事になるだろう。

GTDならば「Responsibilities」に近いものだろう。これに対してノートブックを一つ当てるということだ。

プロジェクト単位

Evernoteをさらに使いこなすのだ (3/4)(ITmedia BizID)

そういう目的ですと私のやりかたが参考になるかもしれません。実はプロジェクト単位でEvernoteの「ノートブック」にまとめるようなやり方に切り替えました。プロジェクトAというノートブックを作り、関連資料はそのノートに集中し、タグは必要に応じて付けています。

 例えば少し前ですと、本の執筆にかかわるすべての資料を「19時」という「ノートブック」に集中させていました。企画案、セミナーでしゃべるであろうメモ、表紙案、大事なメールのやりとりなどを、このノートに集中し、「未処理」「方針」「ネタ」といったタグを、資料に付けていきます。この方法ですと、プロジェクト名さえ分かれば見つかるはずなのです。

この場合は、「Responsibilities」を「project」に落とし込んだと言える。基本的に粒度(あるいは視点の高度)が違うだけだ。ノートブックに含まれるノートの数や参照の頻度によってプロジェクト単位の方がよい場合もある。

SVOC

<メモの極意>大橋悦夫さんに聞く「Evernoteの"ノート"について理解する」(マイコミジャーナル)

英語の第5文型(SVOC)に当てはめるとわかりやすいと思います。

自分を主語(S)とすると、ノートブックは動詞(V)、ノートは目的語(O)、タグは目的語の意味をおぎなう補語(C)の位置づけになります。

僕は連絡先を書いたノートを「参照する」というノートブックに入れているのですが、

僕=(S)は

「参照する」という名のノートブックに格納する=(V)

山田さんの連絡先情報を記したノートを=(O)

(そのノートには)Aプロジェクトというタグがついている=(C)

この場合はどうだろうか。これは上の二つとは多少違う。ノートブックは含まれるノートブックが「どう使われるのか」という視点で構築されている。「参照する」は「project」でもなければ「Responsibilities」でもない。

ノートブックの役割

さて、上の3つを紹介したところで何かしらの結論は得られただろうか。それともよけに混乱してしまっただろうか。どの使い方もそれぞれ「理」がある。どれも正解だ。

そもそもなぜノートブックを使うのだろうか。少し思考実験をしてみよう。

ノートブック・ワン

ノートの検索は全てタグか全文検索、あるいは属性のみでノートブックはデフォルトノートのみ。こういったスタイルはどのような感じになるだろうか。

まずノートを作る。WEBクリップでも、メールからでも、クライアントソフトから新規ノート作成を選んでもOKだ。そしてタグ付け。普段ノートブックに設定している要素もタグとして付ける(授業名でも、プロジェクト名でも、動詞でもよい)。それで終わり。ノートブックの移動をする必要はない。

検索するときは、複数のタグを選択するか、それらを条件にして検索をかける。

何も問題ないように思える。そして実際問題はないだろう。断言しても良いがEvernoteの「タグ」と「ノートブック」どちらが無くなったら困るかといえば、間違いなく「タグ」の方だ。「タグ」と全文検索がきくならば、ノートブックは無くても致命的な事にはならない。そういう意味で言うと「ノートブック」は「補助的」な存在と言える。だからこそ使う人ごとによってさまざまなノートブックのスタイルが生まれ、しかもそれぞれで活用できているという事態が生まれるわけだ。

問題は「何を補助しているのか」という点にある。もう少しだけ思考実験を進めてみる

ノート=ノートブック

非常に馬鹿げた考えで非現実的だが、一つのノートに対して一つのノートブックを作ったとする。それを100なり、1000なりのノートに対しても行う。むろんこれは馬鹿げたやり方だ。では、これの何が馬鹿げているのだろうか。

まず、機能が重複している。ノートを見付けるためにはノートブックを見付ければよい。ノートブックを見付ければノートが見つかる。同じ物を二つ作る必要はまったくない。あと、あきらかに面倒だ。

では、すこし形を変えてみよう。例えば10個のノートに対して1つのノートブックを「時系列」に与えていくことはどうだろう。つまり「ノートNo1~10」、「ノートNo11~20」という風にノートブックを作る、ということだ。考えるまでもなく、これもあまり意味がない。Evernoteはもともとノートブックを時系列に保存している。機能の二重化だ。

少なくとも上に挙げた二つのノートブックの使い方は「機能的」とは言い難いし、オススメもしない。すくなくともこの方面を補助するためにノートブックがあるわけではないことは確かだ。

ノートブックの形

極端な思考実験から現実的な話に舞い戻ろう。ノートブックは実際にどんな作り方をされるのか、というのを見てみたい。

「おれのノートブックを見てくれ!」と公開しているBlogは少ないのだが、Evernote関係で人気のBloggerが公開されているので参照にさせていただく事にしよう。

本気でEvernoteを使って、本気で全てを記憶する」(goryugo, addicted to Evernote)

記事中では画像で公開されているが、テキストでいくつか引用してみる。
※ノート頭の数字は省略した。

・inbox
・これは何か
・いつか
・次にやる
・進行中
・参考資料
・ライフログ
・チェックリスト
・すぐ見たい
・Wait
・一人暮らし
・iPhoneアプリ
・パソコン知識
・山登り

これを見ると「ノートブック」の使い分け方が見えてくる。「inbox」から「参考資料」まではGTD式のタスク管理に使われている。これは「状態」別の管理とも言えそうだ。それ以外のノートブックの大半は「ジャンル」分けである。それ以外として「性質」別のノートブック(ライフログなど)もある。

少し考えてみたいのが「iPhoneアプリ」というような「ジャンル」のノートブックの存在だ。なぜこれが「タグ」ではないのか。なぜ「ノートブック」でないといけないのか。例えば「一人暮らし」「iPhoneアプリ」「パソコン知識」「山登り」を「気になる情報」というノートブックに統一し、それぞれタグ付けにした場合と何が違うのか。

つづく

というところで、今回のエントリーは終了です。この上に書いた「問題」の答えは今回は書きません。ちょっと考えておいて下さい。

とりあえず、「機能的でないノートブックの使い方」と「ノートブックは何かを補助するためのもの」という結論は得られたと思います。その結論と今回の問題を踏まえて、次回もノートブックについて考えてみたいと思います。

Related Posts with Thumbnails
Send to Kindle
Rashita
物書きをやっております。実用書から小説までなんでもござれのハイブリッド物書きです。 ライフハックや仕事術、知的生産などに興味があります。

1件のコメント

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です