Evernote企画3rd:第四回:ノートブックについての掘り下げ(下)

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Evernote企画3rd:第三回:ノートブックについての掘り下げ(上)
Evernote企画3rd:コラム:ノートブックについての掘り下げ(番外編)

引き続いて、ノートブックについて。今回はノートブックの機能や目的について考えてみます。

問題への解答

まずは、(上)で提出しておいた「問題」から。私が書く前に、引用させていただいた@goryugoさんがご自分のブログで”解答”を書かれておられます。

Evernoteで最近参考になった記事まとめ(goryugo, addicted to Evernote)

答え、っていうか、私がこうしてるのは「タグだと探すのがめんどくさいから」

比較的重要だと思う一覧には出来るだけ手早くアクセスしたいので、タグだと「ノートブックを選んで」「タグを選ぶ」この2クリックがめんどくさい。タグが比較的たくさんある&階層化してあるのでタグを探すのは面倒です。保存された検索を作っておく、という手段もありますが、これもまた一覧の下のほうにあるからそこまで到達するのがめんどくさい。閲覧頻度が高いものは、限りなく簡単にアクセス出来るようにしておきたい。そんな理由です。

引用の最後の部分こそが私の想定していた答えです。「閲覧頻度が高いものは、限りなく簡単にアクセス出来るようにしておきたい」これが重要な理由の一つだと思います。

検索のショートカット

ノートブックを作る目的として考えられるものの一つが「検索のショートカット」です。これには二つの要素が含まれています。

一つは「その要素へのアクセス」。もう一つは「サブ要素へのアクセス」です。

その要素へのアクセス

例えば、「スクラップ」というノートブックに「iPhoneアプリ」というタグを付けたノートが入っているのと、「iPhoneアプリ」というノートブックがあるのとでは、アクセスにかかる手間が1ステップ違います。これが「その要素へのアクセス」。たかだか1ステップと思われるかも知れませんが、積み重なると大きなものになります。

サブ要素へのアクセス

「iPhoneアプリ」の要素が入ったノートには別のタグがついていてもおかしくありません。例えば、「ウェブクリップ」「Twitterクライアント」「開発」「オススメ」「欲しい」というタグが追加的要素としては考えられます。

これらの追加的要素に基づいてノートを探す場合に、iPhoneアプリがノートブック、あるいはタグの場合でどのような違いがうまれるでしょうか。

  • 「iPhoneアプリ」ノートブック選択→「検索したい要素」
  • 「スクラップ」ノートブック選択→「iPhoneアプリ」タグ+「検索したい要素」

これも手順的には1ステップしか違いません。ただ、これらを頻繁に繰り返すならばまとめておいた方が効率的です。

「スクラップノート」ブック選択+「iPhoneアプリ」タグ選択 = 「iPhoneアプリ」ノートブック

という図式が成り立ちます。つまり「ノートブック」の役割の一つは手順のショートカットということです。

これは機能の点からの説明ですが、別の視点からも考えることができます。

先ほど「頻繁に繰り返す」と書きましたが、これがポイントです。これは言い換えればノートを探すときによく入ってくる要素と言えるでしょう。

「ノートを探すときによく入る要素」というのは、言い換えれば「自分の関心事」となります。これは(上)のエントリーで引用した「人生の授業」という考え方に通じるものです。「コミットメント」でも「テーマ」でも言葉はなんでも良いのですが、興味を持っているからこそ情報を集め、また検索してみようと思うわけです。

Evernoteのノートブックの機能の一つは「手順のショートカット」であり、その目的は自分の「コミットメント」へのアクセスを容易化する、ということになります。これを踏まえると興味・関心が強くない事柄は「ノートブック」にしてもあまり意味がないでしょう。

ノートブックの使い方

全てのEvernoteのノートブックを関心を軸に作ればよいか、というとそうでもありません。よく使われるEvernoteの使い方を見てみると、あと二つの要素があります。

  • 状態別
  • 性質別

状態別

一番わかりやすいのが「inbox」でしょうか。これはまだ処理していないノートが入っているノートブックです。まだ処理していないという「状態」がこのノートブックの軸です。もちろん「未処理」というタグを付けて回れば「inbox」と同じ状態にすることはできますが、何かしら矛盾を感じる行為です。

また変化する要素はタグの付け替え(追加、削除)を行う必要があるのでタグよりはノートブックの方が向いている(面倒が少ない)と思います。

性質別

これは「チェックリスト」というノートブックが良い例です。チェックリストは「関心」でも「状態」でもありません。どこに入れようかと考えたときに、なんとなく独自のノートブックを作りたくなります。

考えてみると、チェックリストのは様々な要素のものが入っているはずです。仕事からプライベート、趣味、旅行、買い物、週次レビューにいたるまでいくらでも作ることができます。共通点はチェックリストであること。チェックリストというノートブックを作らずに「仕事」「趣味」というノートブックにそれぞれチェックリストを入れてタグで管理することももちろんできます。ただし、どこにも行き場が無いチェックリストが出てきたときに面倒になるという問題があります。

それよりも重要な事は、記憶の想起に関わることです。「チェックリストを見よう(参照しよう)」と思ったときに、最初に検索キーワードになるのはなんでしょうか。「チェックリスト」ですよね。そのチェックリストがどのカテゴリーにあったのか、という所から思い出そうとするのは非常に面倒です。「チェックリストをみよう」と思い出したのなら、素直に「チェックリスト」から探すことができるのが一番手っ取り早いはずです。

ノートブックのメタファー

追加的に考えておきたいのがノートブックとノートとの関係性です。ノートブックは多層化できませんし、各ノートはどこかのノートブック一つに所属している必要があります。これは「場所」のメタファーと言えるでしょう。つまり、ノートブックを使うことで「ノートはどこかに存在している」という感覚を私たちは覚えることができます。

例えば一冊の本があるとします。その本を読んで後で「あぁ、あれどこだっけな」と興味を持った部分を探す場合にそれが「右のページ」だったか「左のページ」だったかを覚えていることが多くあります。別に読んでいるときはそんなことはまったく気にしていません。人の記憶はそういう感覚や位置情報というものも意識しないで取り込んでいる、ということなのでしょう。

これと全く同じとはいいませんが、ノートブックという重複しない「場所」にノートを入れる事は、私たちの意識の中にあるノートのメタ情報に何らかの情報を付加していくことのような気がします。

ノートブックのアフォーダンス

このアフォーダンスなる言葉が適切なのかどうかはわかりません。しかしノートブックという明示的な塊はそれ自身が私たちに何らかの主張をしてきます。

「inbox」のノート数が0でなければ、「処理しなさい!」というオーラを醸し出します。目下取り組んでいるプロジェクトの名前を冠したノートブックを見る度に「あぁ、やらなきゃな」という気分がでてきます(実際やるかどうかは別として)。感覚的にタグだとこの要素はとても弱いものです。タグはあくまでそのノートのメタ情報であり、自分とは距離があるような感覚があります。

また、ノートブックという明示的な形で示すことによって自分のコミットメントがより明らかになるという利点があるかもしれません。逆にコミットメントしたいと考えていることを先にノートブックとして作ってしまうという手法もあるかもしれません。

まとめ

ノートブックは以下の3つの分類ができると思います。

・関心別
・状態別
・性質別

これらは、ノートブックの以下のような機能と関係しています。

・検索の土台(検索のショートカット) → 関心別
・タグの付けにくいものを管理     → 状態別
・情報の仕切り            → 性質別

また単に機能の面からだけではなく「ノートブック」という存在が私たちに心理的な影響を与えるのではないか、と言うことも追加的に書きました。

かなりの遠回りでしたが、突き詰めて考えたかったのは「なぜノートブックを使うのか」という事です。自由度の高いEvernoteであるがゆえに、そこを明確にしておかないと「自分なりの使い方」を考えにくいのでは、と思います。

もちろん、いろいろな方の使用の具体例を提示して「参考にして下さい」というのもアリだとは思います。今回はそれとは違ったアプローチで「ノートブック」の本質について考えてみました。

次回は、上の3つの分類を踏まえて「これからEvernoteを使い始めるよ」という人がどんなノートブックから作り始めればよいのか、考えてみたいと思います。

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