書評というほどのものではありませんが『EVERNOTE情報整理術』を読んでみて

今、朝のマクドナルドでこの文章をタイピングしながら、2010年の8月18日に何をしていたのかな、と思いを巡らせてみた。8月18日というと、私の『Evernote「超」仕事術』が一般書店で発売になった日である。

なぜ、そんな事を急に思ったのかというと__察しの良い人はお気づきだろうが__今日が@beck1240さんこと北真也さんの本の発売日だからだ。

8月18日を呼び覚ます

自分の本の発売日にも関わらず、8月18日に何をしていたのかはまったく思い出せなかった。正直言って発売日も、「8月・・・」と曖昧で、Googleカレンダーを参照したほどだ。その時、どれほど鮮やかな感覚を覚えても、人の記憶というのは砂漠の砂のように手のひらからさらさらと流れて落ちてしまう。とにもかくにも8月18日。

日付さえわかってしまえば、あとは簡単だ。Evernoteに切り替えて「属性→作成→以前→クリックして日付を入力→2010/8/18」とすればOK。ノートを眺めると「ほぼ日手帳発表会整理券」のログが出てきた。

このログをみた瞬間、その日の風景が脳内で再生されはじめる。

そうそう、その日は京都ロフトでほぼ日手帳2011の発表会があって、京都市内に向かい、自分の本が本棚に並んでいるかチェックしながら、沢山のTwitterの「おめでとうございます!」のリプライに「ありがとうございます!」とツイート返していたのを思い出した。

その時は、本屋に自分の本が並んでいること以上に、たくさんの「おめでとうりリプライ」の方が嬉しかったのを覚えている。正直なことを言えば、今でもBlogのサイドバーに私の本の紹介を置いてもらっているのを見るとじんわりと暖かい気持ちが湧いてくる。世の中にはサイドバーに置いておけば、私の本なんかよりも売れる本はたくさんあるだろう。スペースの活用という意味では費用対効果はきっと悪い。だからそれは、純粋に「応援」の気持ちなんだろうな、と思う。そして他の人の応援ほどMPを回復させてくれるものはない。

そんな事を考えながら、近くの日付のノートを漁る。その辺にはEvernote企画のBlogエントリーのアーカイブが入っている。確か本の発売に合わせてEvernote術を募集して、自分でもつらつらとEvernoteについて連日書いていたのだ。そういう事すら忘れている。さらにさかのぼると、「Evernoteオフの感想と、「常識外」の力」この記事のアーカイブが見つかった。

そうそう、 8月14日に名古屋(というか尾張一宮)でオフがあったのだ。そこで@beck1240さん、@goryugoさん、@Sayobsさんと集まってEvernoteについてわいわいと語り合ったんだった。あの時間はかなり濃密だった。そして頭にタオルまいてMacBookProを素で持ち歩く@goryugoさんと、何が入っているかよくわからないぐらいでかいカバンを持った@beck1240さんと、ツイートの印象よりはずっとしっかりしておられた@Sayobsさんの三人の姿がふっと思い浮かぶ。

そう、『EVERNOTE情報整理術』の「Everonte達人インタビュー」はこの時に収録されたものなのだ。

大人の事情をふまえて

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この本について、冷静な書評を書くなんてことは、まあ無理な話である。理由としては、第一に「献本でいただいている」。第二に「自分がインタビューされている」(うえに、p188にはこのBlogのキャプチャすらある)。第三に「私は個人的に@beck1240さんを応援している」。第四に「私も近々Evernoteについての本を出す」。

この複雑な状況下の中で、「べた褒めでもなく、かつ批判的すぎない」みたいな書評はなかなか書きにくい。というわけで、改まった書評は書かないことにする__いまのところは。

率直な自分なりの感想を書けば、「いっぱい詰まってるよ」という所になる。この詰まってる具合が好きな人にはとことん受け入れられるだろうし、そうでなければ敷居が高く感じられるかもしれない。まあ、私が本を書くアプローチとは全然別の方向から書かれている本である、ということは間違いない。

一応これでもEvernoteの本を書いている人間なので、紹介されている機能・使い方で珍しいものはなかったが、p162の「自作リフィルノート」はなかなか面白かった。実は最近、こういうEvernoteで使う用のテンプレ作りにはまっているのだが、「人生ピラミッド」のテンプレは参考になった。

過去の自分と対峙する

一番面白かったのは、なんといっても「達人インタビュー」だ。その中の自分のインタビューを読むのが面白かった__といっても別に、私がすごい事をしゃべっているというのではなく、単に今の自分と2010年8月14日時点の私の「差」が見えてくる点が面白いというだけだ。

この時点でノートの数が8000と言っている。今は15031だ。

その時はEvernoteを「何でもノート」と表現している。この表現はある意味では変わっていないが、「ノート」という言葉が持つ意味合いが私の中で変化した。ノートというのは、それがアナログであろうと自分の記憶あるいは思考の流れを外部化する装置である。そういう意味合いでの「何でもノート」だ。

その時は、使い方の分類を「スクラップファイル」「バックアップファイル」「アーカイブファイル」「ライフログ」と述べているが、今はそれに新しい使い方が加わっている。

タスク管理の基本的な方針は今でも変わっていない。Evernoteは「タスクの保存庫」である。これはToDoリストとは違う。

このときEvernoteに希望していることとして、クライアントの軽量化(WInで見事に実現)、エディタとして洗練(いまだに)、共有ノートブックの強化(ビバ!)、ノート間の連携(いまだに)、がある。こういうのを振り返ってみるのも楽しい。

さいごに

というわけで、本当に書評ではない感想めいた感想を書くだけにしておく。ちゃんとした書評は私の本が__できればベック本の隣で__本屋に並んでからにしておく。まあ、同じ題材でこれぐらい違う切り口で書けるんだな、というのはなかなか面白い発見でもある。

このエントリーを通して言いたいのは、人は大切な記憶の多くを失ってはいない。ただ、その記憶につながる「手がかり」が雑多な記憶に紛れて見えにくくなるだけだ、ということ。

Evernoteにさまざまな情報を蓄積していけば、こんな感じで過去の自分と遭遇することもできる。常に刹那の中でしか生きられない「私」という存在に厚みを与えられるものがあるとするならば、それはやっぱりこういう「ログ」なんだろうな、と思う。Evernoteにせよ、手帳にせよ。

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Rashita
物書きをやっております。実用書から小説までなんでもござれのハイブリッド物書きです。 ライフハックや仕事術、知的生産などに興味があります。

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