本棚にある『七つの習慣』を眺めながら

今朝がた、『七つの習慣』の著者であるスティーブン・R・コヴィー氏が亡くなった、というツイートを見かけた。

あるいは、こんな記事もある。

Stephen Covey, ‘The 7 Habits’ author, dies(The Salt Lake Tribune)

英語記事はあまり読む気はしないが、タイトルだけでも事実ははっきり伝わってくる。

今回は本棚から『七つの習慣』を引っ張り出して、少しだけ書いてみることにしよう。

ハイ・コスパ

私の手元にある『七つの習慣』は2007年5月30日の「初版第55刷発行」のものだ。55刷!。私みたいな物書きからすれば、スカイツリーみたいな数字である。どのぐらいこの本が読まれているのかがよくわかる。

7つの習慣―成功には原則があった!
7つの習慣―成功には原則があった! スティーブン・R. コヴィー Stephen R. Covey

キングベアー出版 1996-12
売り上げランキング : 42

Amazonで詳しく見る by G-Tools

このぐらい売れている本だと、いろいろな方向からご意見・感想が飛んでくるだろう。とても参考になった、というものから深くこの本に傾倒している、というのもあるにちがいない。逆に、いやいやちょっと・・・・、みたいな意見もあると思う。何にせよこの日本では言論の自由は確立されている。好きなように読んで、好きなように感想を述べ、好きなように活用すればいい。

私自身の感想を述べれば、確かにすごい本だと思う。「人生の書」に位置づけることはないが、本書から学んだことは多い。あるいは、こう言ってもいいだろう。この本を読んだおかげで、自己啓発系の本の大部分を読まずに済むことができた、と。

本書で取り上げられている材料は、姿を変えてさまざまなビジネス本の中で登場している。この本が初登場のものもあれば、その他の本から持ってきているものもあるだろう。そこを私はうまく線引きすることはできないし、別に研究家でもないのでする必要性も感じない。自分にとって使えそうなものを、うまく使ってやればそれで十分満足だ。

エッセンス・キーワード

キーワードはさまざまある。

「パラダイム転換」・「P/PCバランス」・「農場の法則」・「ミッション・ステートメント」・「時間管理のマトリックス」(第一領域〜第四領域)・「Win-WIn」・エトセトラ、エトセトラ…

スタートは「パラダイム転換」だ。本の中でコヴィー氏は次のような疑問を提示している。

しかし、効率を上げることが、本当に問題の根本的な解決になるのだろうか。より少ない時間でより多くのことを成し遂げるだけで、本当に生活が良くなるのだろうか。もしかすると効率を上げることによって、今自分の人生をコントロールしている状況や人に反応する速度が早まるだけではないか。もっと深く根本的に見なければならないことはないだろうか。時間、人生、自分自身についてのパラダイムがこの問題を作り出しているということはないだろうか。

わっかの中でクルクルと回っているネズミがいるとして、彼がそこから脱出するために懸命に速度を上げたとしたらいったいどんな結末が待っているだろうか。ようはそういうことだ。足を止め、「よっこいしょ」とわっかから降りることをしないかぎり、根本的な解決にはならない。

MS

「ミッション・ステートメント」の作成は、それがどのような形であるのかに関わらず、自己の内面と向き合うことを要求する。近頃のテストは、ネットで検索&コピペで簡単に答えられるが、自分自身のミッション・ステートメントを作成するときに、コピペでまあいいか、と済ませてしまう人はいないだろう。
※私の見聞が狭いだけで、そういう人もいるのかもしれないが。

大量の情報__しかもその多くは広告的情報__を浴びている私たちは、自分自身が素朴に求めているものを見失いがちだ。「これ、お得ですよ」「あれは本当に便利です」「これやっとかないと損しますよ」「限定100台限り!」。宣伝的フレーズが矢のように降りかかり、私たちが自分自身と対峙する時間を切り刻んでいく。

気がつけば、意識としての自分と存在としての自分は埋めがたい溝をはさんで向かい合うことになる。その溝があまりにも大きければ、対岸の自分をうまく認識することはできないだろう。そうして、悲しげな目を浮かべた彼はやがて姿を消していく。

もちろんそれだって一つの人生だ。誰にも否定することはできない。ただ、自分自身がそれでいいと思えるかどうか。ただそれだけの話である。

さいごに

『七つの習慣』で紹介されている「七つの習慣」は以下の七つだ。

第一の習慣 主体性を発揮する
第二の習慣 目的を持って始める
第三の習慣 重要事項を優先する
第四の習慣 Win-Winを考える
第五の習慣 理解してから理解される
第六の習慣 相乗効果を発揮する
第七の習慣 刃を研ぐ

で、一番大切なのが「主体性を発揮する」という第一の習慣だ。これが全ての習慣の土台になる。

ガンジーは「世界を変えたければまず自分が変わることだ」と言った。

草薙素子は「世の中に不満があるなら自分を変えろ!!。それが嫌なら、耳と目を閉じ、口をつぐんで孤独に暮らせ!!」と銃口を突きつけた。

表現はなんだっていい。「自分」というのは、主体性から立ち上がってくるものなのだ。

▼こんな一冊も:

攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX DVD-BOX (初回限定生産)
攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX DVD-BOX (初回限定生産) 神山健治

バンダイビジュアル 2007-07-27
売り上げランキング : 10835

Amazonで詳しく見る by G-Tools

Related Posts with Thumbnails
Send to Kindle
Rashita
物書きをやっております。実用書から小説までなんでもござれのハイブリッド物書きです。 ライフハックや仕事術、知的生産などに興味があります。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です