Posts tagged: セルフパブリッシング

セルパブ実用書部会、ゆっくりとスタートしました

以前「セルパブ実用書部会」の構想(あるいは妄想)について書きました。

R-style » 「セルパブ実用書部会」の野望

ともあれ、現状は構想の段階というよりも妄想の段階ですが、そうした活動をサポートするための「何か」を作ってみたいと考えています。技術的な問題をサポートしあったり、内容や章立てについて相談したり、レビューを交換したり、進捗報告をしたり、といった集まりです。もちろん、オンラインの集まりとなるでしょう。

いろいろ考えたあげく、とりあえずFacebookグループでそれを始めてみようと思います。

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セルパブ実用書部会

技術的な質問、アイデアの検討(ブレスト)、こまごまとした問題点、お互いの原稿チェックなどを投稿していくためのグループです。定期的に進捗報告するなどすれば、モチベーション維持にも役立つかもしれません。

狙いとしては情報交換ですが、もう一つ、「知見の蓄積」もあります。質問とその答え、課題と改善点などがこのページに溜まっていけば、新しく参加される方にとっても有益でしょう。それが一定量蓄積したら、別にウェブサイトを立ち上げてまとめてみる、なんてこともちょっと考えております。

で、この有料サロン的な「セルパブ実用書部会」ですが、入会金・月額ともに無料。いや〜お得ですね。ただし、ほんのわずかでも実際に本を作るつもりがある方に限定させていただきます。あんまり拡げてしまうと、自由な意見が集まりにくいかと思いますので。なので、どこかの段階で定員を切ることも一応想定しております(※)。まあ、そんなに集まらないとは思いますが。
※以前の記事に反応してくださった方は優先します。

一応「実用書部会」と銘打っておりますが、文芸畑の方を門前払いしているわけではありません。文芸的質問をされても、答えられないよ、というくらいのニュアンスです。そのあたり、了承していただければと思います。

ちなみに、現在のメンバーは私と先日新刊を発売されたLyustyleさんの二人です。

25年前からのパソコン通信: 1990年代初頭のシドニーから
Lyustyle Books (2016-09-24)
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まあ、焦らず気負わず、じっくり進んでいきましょう。

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『ブログを10年続けて、僕が考えたこと』のScrivenerのファイル構成およびcompileの設定と使用したCSSファイルについて

先日発売した以下の新刊ですが、

ブログを10年続けて、僕が考えたこと
ブログを10年続けて、僕が考えたこと 倉下忠憲

倉下忠憲 2015-05-28
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あいかわらず作成に使ったツールは同じです。

Scrivenerでテキストを構成し、.txtに出力。それをでんでんコンバーター変換して、KDPにアップロードという流れ。

でんでんコンバーターで少し凝ったデザイン(組版的な意味で)を行う場合は、作成後のepubファイルをzipにして開くことが必要だったりするわけですが、今回の本はでんでんコンバーターからの出力一発となっております。

それはあらかじめ「仕込んである」からなんですが、その辺も含めて今回は中身の方を紹介してみましょう。

Scrivener
カテゴリ: 仕事効率化, 教育

ファイル・フォルダ構成

まずはScrivenerの中身から。

ファイル&フォルダ構成はこのようになっています。

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まず「原稿」という大きなフォルダがあり、その下に本の素材となるファイルとフォルダが並んでいます。フォルダは章ごとに1つあり、その下にそれぞれの章の本文となるファイルが並んでいます。ただし、「扉」というファイルは「原稿」フォルダの直下に置いてある点に注意してください。後ほどのcompileでこの配置が効いてきます。

続いて、本文の中身。

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上の画像は、第一章のフォルダの中身です。第一章のテキストを収めたファイルがここにすべて含まれているわけですが、冒頭の数行に関しては、フォルダの中にあるファイルではなく、フォルダに直接書き込んである内容です。いちおう書いておきますと、Scrivenerのフォルダは、直下にファイルやフォルダを配置するだけのものではなく、そこに直接テキストを書き込むこともできます。
※テキストを入力すると、アイコンの表示が変わります。

こちらは「扉」のテキスト。

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ご覧の通り、マークダウンではなくがっつりHTMLが使われています。ここが組版的デザインのポイントで、でんでんマークダウンだけだとclassの指定ができないので、「じゃあ、もう直接HTML入れとくか」のノリで、それが記入されています。もちろん、対応するCSSもCSSファイル内に書き込んであるわけですが、それはまた後ほど。

separateの設定

separateの設定は次のようになっています。

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ほかはすべてシングルリターンですが、ファイル→フォルダの境界だけカスタム設定として「===」が入ります。「===」は、でんでんマークダウンで「(ファイル分割によって)改ページせよ」として機能します。先ほどのファイル構成をもう一度ご覧ください。

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ファイル→フォルダの境界となるのは(ファイルの次にフォルダが出てくるのは)、

「扉ファイル」→「第一章のフォルダ」
「第一章のラストファイル」→「第二章のフォルダ」
「第二章のラストファイル」→「第三章のフォルダ」
「第三章のラストファイル」→「第四章のフォルダ」
「第四章のラストファイル」→「第五章のフォルダ」
「第五章のラストファイル」→「おわりにのフォルダ」

の6つです。これはつまり、章と章の境目です。ここに改ページが入るようになっています。

このseparateの設定を使わず、本文に直接「===」を記入していっても、できあがるepubは同じです。ただし、こうした設定をしておくと、「記入し忘れる」というミスを防ぐことができます。また、校正作業でファイルの順番を入れ換えても、いちいち「===」の場所を移動させる必要がありません。

formattingの設定

formattingは、3つのパターンを使用しています。「第二階層のフォルダ」「第二階層のファイル」「第三階層のファイル」の3つです。
※第一階層のフォルダは、「原稿」という一番上のフォルダなので使用しません。またその階層にはファイルはありません。

一番簡単なのは、「第三階層のファイル」です。

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ここには本文が入っています。そこで、titleとtextを選択し、titleの接頭辞として、「### 」を指定します。

ここでのtitleはファイルやフォルダの名前ですので、たとえば「ブログの流れは絶えずして」というファイルならば、

### ブログの流れは絶えずして

ここから本文

といった感じでcompileされるわけです。
※###はでんでんコンバーターにおけるH3の指定。

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続いて「第二階層のファイル」。

ここに位置するのは、「扉」というファイルだけです。で、名前の通りこのページは扉ページなのですが、一行だけの言葉が置いてあります。このページを「第三階層のファイル」と同じにしてしまうと、少し問題が発生します。

### 扉

あなたのブログが、良き読者と共にあらんことを。

このように、でかでかと(h3で)「扉」と表示されることになるのです。さすがにそれはダサいです(あと、表示上の問題もあるのですが、それは後ほど)。

そこで、第二階層のファイルは、textは選択するものの、titleは選択していません。

というか話はまったく逆で、このファイルだけtitleを選択したくないので階層を分けているのです。

章の扉ページ

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一番ややこしいのが「第二階層のフォルダ」です。章のトップページに位置する要素です。

ここで使用するのはtitleとtext。そこまでは普通なのですが、接頭辞と接尾辞が込み入っています。

接頭辞と接尾辞は、簡単に言えば、

[○○ title △△]

の○○(接頭辞)と△△(接尾辞)を指定するものです。「第三階層のファイル」ではこの接頭辞を使用しました。で、この○○と△△にはなんでも入力できます。たとえば、○○に<h2>を、△△に</h2>を指定すれば、compile時には、

<h2>title</h2>

となるわけです。そして、接頭語・接尾語には複数行を入力することも可能です。ということは、

<section class=”titlepage”>

<div class=”titlepage-container”>

<div class=”titlepage-collectiontitle-placeholder”></div>
<h2 class=”titlepage-maintitle”>

を接頭辞に、

</h2>
<div class=”titlepage-subtitle-placeholder”></div>
<hr style=”border-top: 2px solid #bbb;” />
<p class=”titlepage-creator”></p>
</div>
</section>

を接尾辞に指定することも可能ということです。

そしてこれは、でんでんコンバーターが自動的に作成してくれる扉ページHTML(titlepage.xhtml)のほぼそのままのパクリでもあります(ある程度はカスタマイズしてあります)。

スタイルシート

が、単にこうしたコードを埋め込んでも、CSSが指定されていなければデザイン上の意味はありません。でんでんコンバーターが作成するtitlepage.xhtmlは、template.cssという特別のスタイルシートが当たっており、本文中に適用されるstyle.cssとは隔離されているのです。

だったら、混ぜてしまいましょう。

でんでんコンバーターの標準のスタイルシートに、epubをzip解体して中身を覗いたtemplate.cssを上乗せしてあります。これで、titlepage.xhtmlで使われているclass指定がそのまま使えます。

その他、標準のスタイルシートから変更を加えている点は、

  • blockquote,ulのフォントサイズをやや小さく
  • h3のmargin-bottomを少し広く
  • エピグラフ用のCSSを追加(フォント小さく、右寄せ)
  • h3のpage-break-beforeを常に

あたりです。

最後の「h3のpage-break-before」はページ制御で、h3の手前で改ページが入るようになっています。見出しごとにページの区切りがあるわけです。

しかし、この指定では、本の一番最初のページがh3で始まっていると、特に意味のない空白ページが生まれてしまいます。本の一番最初の要素がh3→その手間に改ページを入れなければならない→しかし、その手間には何の要素もない→空白のページが誕生、こういう流れです。

そこで、扉ページだけ第一階層に切り分けてtitleを入れないようにしているわけです。こうしておけばh3が入ることはありません。つまり、ここだけ手間に改ページを入れることを避けられるわけです。

この切り分けの強力さは、たぶん実際にcompileを体験してみないと理解しにくいかと思いますが、相当に便利な手法であることをここに宣言しておきます。

さいごに

以上のような、一見ややこしく、その実やっぱりややこしいことをいろいろやっております。

ただ、仕組みを理解するとすごく楽であることは間違いありません。構成を整えていると、文章の順番は結構な頻度で変わります。そのたびごとに、ページ構造を意識してコードを書き換えるのはわりと面倒なのです。

というわけで、上記の設定を確認しながら、実際に本の中身もチェックしてみるとより一層理解が進むかもしれません。宣伝です。

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「月くら」計画2周目に入りました

先日発売した以下の新刊ですが、

ブログを10年続けて、僕が考えたこと
ブログを10年続けて、僕が考えたこと 倉下忠憲

倉下忠憲 2015-05-28
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実は「月くら」計画の二周目第一弾です。「月くら」計画とは、一年間、毎月一冊の電子書籍を発売するというわりあい無茶な計画で、

一年間の「月くら」計画、無事達成しました

今年の3月でとりあえずの達成をとげられました。もちろん、それで終わるはずがありません。

二周目となる今年は、「二ヶ月に一冊、電子書籍の新刊を発売する」という目標を掲げております。つまり、5月、7月、9月、11月、1月、3月にそれぞれ一冊ずつ、合計6冊の本を発売するわけですね。

一周目の「月くら」計画では、ハイペースで出版したために、一冊の本作りにかけられる時間は実質一ヶ月もありませんでした。二周目となるこの計画では、もう少し余裕を持って編集・構成作業に取り組もうと企んでおります。より柄の大きい本作りにチャレンジするのです。

といっても、どんどんボリュームが増えるというわけではなく、単に時間をかけて本作りを行うということです。今回の新刊も、それぞれの章の扉ページにエピグラフを置くなど、本文以外のところでちょっと凝ったりしております。二周目となるこの計画では、そういうところもいろいろ「実験」していきたいな、と。

それはそれとして、いちいち「一周目の計画」とか「二周目の計画」とか呼ぶのは面倒なので、それぞれに名称が欲しいところですね。

………
……

というわけで、二周目となるこの計画は〈「月くら」Ζ計画〉と名付けることにしました。Z(ゼット)ではなく、Ζ(ゼータ)ですのでご注意ください。略して、Ζ計画と呼んでもらってもOKですよ。そうすると、次がΖΖで、その次がνで、と次々にネーミングが浮かんできますね。楽チンです。

では、では次は7月の新刊をお楽しみに。

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自分で作った12冊(+α)の電子書籍の振り返り

前の記事:一年間の「月くら」計画、無事達成しました

今回は、それぞれの本について振り返ってみます。

「月くら」計画以前

赤魔導師の白魔法レベルぐらいまでは WRM エッセイ集
倉下忠憲
B00ESDIAHU

こちらは一番最初に作った電子書籍。「月くら」計画ではありません。

初めての電子書籍だったので試作品みたいな感じです。内容は有料メルマガで連載していたエッセイをまとめたもの。

とにかく作ってみた一冊。2万字ほど。

一〜三弾

BizArts: 仕事を前に進める23の技術
倉下忠憲
B00JYDQ1SY

「月くら」計画の第一弾。

仕事術がテーマです。超初心者向けのタスク管理の技術について解説した本。

コンテンツそのものはメルマガの連載がベースですが、電子書籍を意識して、表現をそうとうシャープ切り詰めています。あと、章と章の間に、「間」を設けるために画像を入れました。


遠くて近い場所、近くて遠い場所 WRM エッセイ集
倉下忠憲
B00KNMMATO

「月くら」第二弾で、エッセイ集第二弾。

メルマガで連載していたエッセイをまとめたもの、という体裁は『赤魔導師〜』と同じですが、分量が多くなっています。6万字ほど。また、それぞれのエッセイを時系列ではなく、テーマごとに「分別」してあります。画像は一切なし。

表紙はエッセイ集第一弾のカラーバリエーション。手抜きと言えば手抜きです。

280円でしたが、(昨日)250円に値下げしました。


Category Allegory
倉下忠憲
B00L9UYH7W

ブログに掲載したショートショートを詰め合わせたもの。書き下ろし2編も追加。

タイトルのAllegoryは「寓話」という意味。韻を踏んでいます。

なんだかよくわからない本に仕上がったので、表紙もなんだかよくわからないイメージにしました。画像は一切なし。2万5千字ほど。

100円ですが、値上げする予定です。

四〜六弾

まるで未来からやってきたかのような WRM エッセイ集
倉下忠憲
B00M9F4DR0

エッセイ集第三弾。メルマガエッセイのまとめ。

8万5千字オーバーで、さらにテーマ別ではなく、時系列でエッセイが並んでいます。画像は一切なし。

300円でしたが、(昨日)250円に値下げしました。


真ん中の歩き方: R-style selection
倉下忠憲
B00N4E5L1C

R-styleの記事セレクション。厳選集ではありますが、「生き方・考え方」に関する記事がピックアップされています。

5万字オーバーで、記事内で使った画像をそのまま使っています。あと、常体・敬体の統一がありません。ブログ記事の雰囲気をそのまま残すために、あえて統一しない選択をしました。

また、テーマごとに記事を分類していませんが、かといって時系列でもありません。著者の意図がある配列、ぐらいの雰囲気でしょうか。

今後、表紙を変える予定です。


コンビニ店長のオシゴト: 〜個性的なお店の作り方〜
倉下忠憲
B00O0H7SGS

はじめてのコンビニ系。ご存じない方に言っておきますと、私の前職はコンビニ店長です。

明確なノウハウ集でもなし、エッセイ集でもなし、という取り扱いの難しい本です。たてつけが悪いとも言います。トータルで4万5千字ほど。章と章の間に「コラム」を設けました。画像は売り場の実例で少しだけ使っています。

メルマガの連載が元原稿ですが、構成はずいぶんいじりました。

もしかしたら、値上げするかもしれません。

七〜九弾

Fount of Word -α-
倉下忠憲
B00OW20IWC

おそらく一番実験的要素が強かった一冊。

私が毎日のようにTwitterでつぶやいている「今日の一言」をまとめた本。名言集の体裁なので、文章がほとんどありません。それでもトータルで3万字ほどあります。

ポイントは各セクションに、別のセクションのリンクをつけたこと。それも複数のリンクをつけたこと。これによって、関連する「今日の一言」をぐるぐると回遊する読書体験が得られます。雰囲気としては、名言集+ゲームブック、みたいなものをイメージしてもらうと良いかも。もちろん、頭から最後まで読んでいくことも可能です。

エッセイ集を作ったときに、コンテンツの順番はどのように決めればよいのだろうか、という問題意識を抱えていました。明確に著者の主張を強く出すのか、あるいは時系列で自然に読んだもらうのか。『真ん中の歩き方』は、その名の通り中間を選択したわけですが、この本では一つの本の中に複数の「読み方」を準備することで、別の答えを用意しました。

100円ですが、値上げする予定です。


ドラッカーに学ぶブログ・マネジメント
倉下忠憲
B00QAO0WOY

ブログの運営に関するノウハウ集。ノウハウ集というか、「考え方・姿勢」を紹介した本です。

コンテンツは、メルマガの連載から。トータルで3万字ほど。画像は一切なし。

本書は、二つの部(主+おまけ)から成り立っています。これがはじめての試みでした。あと、これまでの本に比べると、タイトルにキャッチーさが漂いますね。

値上げするかもしれません。


「本」を読むことについて
倉下忠憲
B00RLOJOTG

「本」を読むことについて[増補版]
倉下忠憲
B00RLTCW3G

「知的生産」をテーマにした一冊。というか二冊。

エッセンス部分だけの通常版と、おまけ文章を付けた増補版の二種類を同時リリースしました。電子書籍なら、こうしたことは簡単にできます。通常版は2万字ほど、増補版は10万字ほどとなっています。値段も5倍程度。ちなみに、動きは増補版の方が良いです。

コンテンツは、メルマガとブログ(R-style、シゴタノ)から。違うメディアに掲載した文章を、再構成するのは非常に手間がかかる、ということを学びました。あと、当初本の構成に不備もあったので、反省の多い一冊です。

十〜十二弾

マシュマロを、もう一つ: セルフ・マネジメントのヒント集 R-style Selection
倉下忠憲
B00SUDGMTM

R-styleの記事集第二弾。仕事術やセルフマネジメントに関係するエントリーを集めました。

『真ん中の歩き方』と違い、五つのsectionを設けてありますが、そのsectionにタイトルを振っていないのがポイントです。やわらかいカテゴライズ、といったところでしょうか。せっかくsectionを作ったので、section間に、コラム的な文章を書き下ろしました。

トータルで8万字で、ブログで使った画像を載せています。

値上げするかもしれません。


BlogArts: 書評記事の書き方
倉下忠憲
B00U1M1H90

ブログのノウハウ本。わりと、ストレートなノウハウ本です。

トータルで5万字ほど。第一部・第二部の二部構成となっています。こちらは『ドラッカーに学ぶブログ・マネジメント』の「主・おまけ」とは違い、両方が「主」となっています。第一部はメルマガから、第二部はブログからです。画像はわずかに使いました。

いずれ値上げするかもしれません。

B00VEEJ9XU Evernote豆技50選 (Espresso Books)
倉下忠憲
倉下忠憲 2015-03-29

by G-Tools

Evernoteのテクニック集。これまた純度の高いノウハウ集です。

トータルで3万字ほど。大量に画像を使っています。あと、これまでと違い完全な書き下ろしです。

私が確認したところでは、Amazonランキング22位まで行っており、発売して5日ぐらいしか経っていませんが、これまで発売したどの本よりも売れています。一ヶ月平均の売り上げではなく、トータルの冊数でナンバーワンです。

さいごに

以上、12冊(13種類)が「月くら計画」のすべてです。

自分の中で感触はあったけど、さほど動いていない本もありますし、まさかこんな……みたいな動きをしてくれる本もありました。

基本的には、時間が経てば経つほど(冊数が増えれば増えるほど)、本の売れやすさがアップしてきたような感覚はあります。個人的造語ではありますが、それを「ロングテールの外部性」と呼んでいます。

とりあえず、いろいろな本を作ってきましたし、今後もいろいろな本を作っていこうと思っていますが、ベースとなる方針は

  • 紙では作れない本
  • 出版社さんが作らない本

の二つです。

電子書籍が、紙では実現できない本を作り、紙の本が、電子書籍にはない要素を充実させる。

セルフパブリッシャーが、商業出版に乗らないような本を作り、商業出版は、セルフパブリッシャーに真似できないような本を作る。

この状態が維持されていれば、「あれか、これか」的二者択一ではなく、両方の本が共存していけるのではないでしょうか。個人的には、その可能性を探ってみたいところです。

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「BWインディーズ」の散策

「BWインディーズ」なるものが始まりました。

電子書籍販売プラットフォームの「BOOK☆WALKER」でインディーズ作品を発売できるようになったのです。

と、何か新しいものが始まったような書き方をしましたが、実は以前から販売は可能でした。BCCKSというサービスを経由すれば、「BOOK☆WALKER」にて自分の作った本を販売できていたのです。今回は、そのルートが正式採用された、という形ですね。

以下の公式ページによると、

BWインディーズはじまる!!

  • ストア配本には1回500円かかる
  • 印税率は50%
  • 配本を行ってからBOOK☆WALKERの店頭に並ぶまでに5営業日程度かかる
  • 内容によっては、BOOK☆WALKERで販売できない場合もある

とあります。

ざっくり計算すると、200円の本で手にできる印税は100円。ということは5冊売れたらストア配信にかかるコストがペイできることになります。もちろん、1000円の本なら一冊でペイですが、なかなか難しいでしょう。逆に100円の本なら10冊で収支がトントンです。

もちろん、BWインディーズ以外にも自作の電子書籍を販売できるプラットフォームがあるので、値段の付け方はその辺との兼ね合い(特にKindleストアとの兼ね合い)になるわけですが、その辺りのお話は別の記事に回すとして、今回は「BWインディーズ」のプラットフォームを散策してみましょう。

コンビニでもお店を建てる立地をつぶさに観察するのはとても大切です。電子書籍でも、プラットフォームのUIを確認しておくことはわりと重要です。

トップページ

まず、トップページ。

BWインディーズトップ

私の探し方が悪かったのかもしれませんが、BOOK☆WALKERのトップページから、この「BWインディーズトップ」にたどり着くリンクが見つかりませんでした。逆のリンクならいくらでもあるんですが。まあ、私の探し方が悪かったんですね。

というわけで、Googleで「BWインディーズ」で検索して、ようやくトップページにアクセス。

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トップページには新着作品がずらりと並べられています。3×8=24作品が表紙カバー画像付きで紹介され、「電子書籍新着作品を更に読み込む」ボタンを押すと、追加で24作品が表示されます。ボタンはもう一回だけ押せて、それ以上押すと「検索結果」の画面に飛ばされます。

つまり、Maxで24×3=72作品までがトップページで表示される計算です。

タグとロングセラー

画面をスクロールしていくと、「BWインディーズ関連タグ」が登場します。私が閲覧した段階では「マイクロコンテンツ」タグが23個でトップ。あとは、まばらな感じです。これもTopページにある重要な動線です。

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で、さらにスクロールを進めると「BWインディーズのロングセラーランキング」がドドンと登場。今のところ1位〜11位までを「月刊群雛」が占拠しています。おっと、1位は2014年07号ですね。ありがとうございます。

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ここに入ったらかなり強力な動線を確保したことになりますが、宣伝費を使えるわけではないセルフパブリッシャーは「意図的」にランキングを操作するのは難しいので、打席に立ち続けてホームランが出るのを期待するしかありません。

さらにその下には「ピックアップ」なるものがあります。何を基準で、誰がピックしているのかはまったく不明ですが、下の方にあるとは言え、ここも動線としては無視できません。今のところ、絵本「星形ストロー」という作品がピックアップのトップにきています。

ちなみに、画面の右にはお馴染みの「ランキング」があり、(おそらく)週間販売数の1位〜10位の作品がやや小さめの表紙画像と共に陳列されています。こちらは、まあ、いろいろ努力すればランクインは可能かもしれません。

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ちなみに、ランキングの下にある「ランキングをもっとみる」を押すと、「1号館週間ランキング」というまったく期待していないページにジャンプします。いや、見たいのはそれじゃないんだよ、というツッコミが盛りだくさんですが、たぶんまだ準備中なのでしょう。たぶん。

個別ページ

さて、個別のページを覗いてみましょう。

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「BWインディーズのロングセラーランキング」の1位だった、「月刊群雛2014年07号」ですね。ありがとうございます。

表紙画像と内容紹介というよくあるレイアウトです。その下にTwitterロゴと見覚えのあるアイコンが配置されています。クリックすると。紹介のツイートがモーダル表示。「フォローする」のボタンも配置されています。この辺の配慮はいいですね。逆に言うと、Twitterアカウントぐらいは持っておきましょう、という感じでもあります。

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その下には、「月刊群雛シリーズ」(全11巻)の表示が。単巻の本では表示されていなかったので、シリーズもの限定の表示なのでしょう。こういうのは結構>かなり>相当大切です。右側のバーにも「シリーズ」へのリンク(最新刊及び全巻をカートに入れる)があります。

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さらにその下には「これもおすすめ!」があり、Amazonで言うところの「この本を買った人は」的な本が並べられています。この欄はBWインディーズに限定されるものではないようです。

さいごに

というわけで、BWインディーズのページを散策してみました。

  • 新刊
  • 週間で売れている本
  • 長く売れている本
  • よく使われるタグ

というのが発見してもらいやすくなるための要素となりそうです。あと「作家」というカテゴリがあり、作品数順に並べられるので、多作な人はわりと有利です。

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ただ、一体何人がこの「BWインディーズ」のトップページを見るのだろうか、という疑問はあります。まあ、動線の一つとして認識しておくぐらいでしょうか。

もちろん、「BOOK☆WALKER」のトップページからキーワードで検索をかければ、各インディーズ作品にはたどり着けますので、そちら側を意識するのも必要でしょう。

▼その他リンク:
【BWインディーズはじまる!! キャンペーン規約】

▼寄稿作品:

月刊群雛 (GunSu) 2014年 07月号 ~ インディーズ作家を応援するマガジン ~
月刊群雛 (GunSu) 2014年 07月号 ~ インディーズ作家を応援するマガジン ~ 米田淳一 雪音詩織 竹島八百富 東杜来 しんいち 澤俊之 Yuki TANABE 盛実果子 加藤圭一郎 鷹野凌

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セルフパブリッシングについての雑記

セルフパブリッシングには、コストが安いとか、スピーディーだとか、編集会議を通さなくてよいとか、いろいろな要素があります。

で、その結果として「これまでの(商業)出版には乗らなかったコンテンツ」というものが「本」として出てきます。

なぜ、それらのコンテンツが(商業)出版には乗らなかったのかというと、

  • コストが回収できないと判断された(あまり売れない企画)
  • コンテンツのボリューム不足(あるいはボリューム過多)
  • 面白いと評価する人に出会えていない(発掘されていない)

みたいなことがあろうかと思います。ニッチすぎたり(あるいは最先端すぎたり)、内容に厚みがなかったり(あるいは厚すぎたり)、出版に関わる人が目を付けていない分野だったり、といったことです。

そういうコンテンツが「本」として世に出てくるようになる。

もちろん、多くの人にとっては、玉石混淆の石の率が高まる結果になるのかもしれませんが、ごくたまに信じられないほどの玉と出会える可能性も出てくるでしょう。フィルターというのは、良し悪しなのです。

セルフパブリッシングの使われ方

別の視点からセルフパブリッシングを眺めてみると、いくつかの「使われ方」が想定されます。

  1. 作家・ライター・物書きの別ルート
  2. 商業出版を志す人の登竜門
  3. 広い意味での趣味

1は、本を出すことはできるが出版社がGoサインをくれない企画案を持っている作家(エトセトラ)が、それを世に問うために使う、というもの。

2は、「〜〜新人賞」に応募する代わりにセルフパブリッシングしてみたり、ビジネス作家を目指す人がセルフパブリッシングしてみたり、といったもの。

3は、ブログあるいは同人誌の延長線上で(あるいは同心円内で)電子書籍を作って売る、というもの。

行為、あるいはメディアの形式としてみればどれも「セルフパブリッシング」です。が、その実体はいろいろでしょうし、目的も違います。その違いは、ある程度踏まえておく必要があるのかな、と最近感じます。

ちなみに雑記ついでに書いておきますが、たとえ1でも、商業出版とおなじレベルの「本」が出てくるとは限りません。特に、作家オンリーで作られた「本」に関してはその傾向が強まります。やっぱり(プロの)編集者の存在というのは大きいのです。あと、マーケティングの発想を持っていないと__よほどの知名度がない限りは__なかなか売れないでしょう。

2に関しては、もう頑張ってください、としか言えません。とにかく書くことが始まりですね。

3は気負わず楽しみましょう、という感じ。まあ、私が言わなくても楽しんでおられるでしょうが。

さいごに

とくに結論めいたものはありませんが、金額ベースで影響があるのが1(とやや2)であり、「本」という文化__もっと言えば私たちの情報生活__に広く影響があるのが3(とやや1)なのではないか、と考える今日この頃です。

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