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書評 なぜ、ノウハウ本を実行できないのか(ケン・ブランチャード+ポール・J・メイヤー+ディック・ルー)

ビジネス書、ノウハウ本、自己啓発書・・・いろいろな本がほんとうに多く発売されています。自分を少しでも向上させるために、自分にとって良い習慣を得るために、問題ある現状を改善するために、そういった本を次から次へと読んでいる方も多いでしょう。

そして、大抵の感想はこうです。

「だめだ、このやり方は自分にはあわない」
「こんな方法現実的ではない」
「できる人とっては簡単な方法でも自分には無理」

そして、次から次へと自分に「最適な」方法を探しまわる旅は続きます。その姿はまるで青い鳥を探すチルチルとミチルのようです。

本当に、その本に書かれてあるツールや手法に問題があるのでしょうか。実は原因は別のところにはあるのではないでしょうか。

なぜ、ノウハウ本を実行できないのか―「わかる」を「できる」に変える本
なぜ、ノウハウ本を実行できないのか―「わかる」を「できる」に変える本 門田 美鈴

ダイヤモンド社 2009-12-11
売り上げランキング : 1323

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「なぜ、ノウハウ本を実行できないのか」はまさにそのような状況に置かれている人に適切な一冊と言えます。前書きの中で、著者の一人であるケン・ブランチャードはこう述べています。

p4
体重を落とすには一定の食事、的をしぼった食事をとればいい。同じように本書は知識と行動のギャップを埋め、知識を活かす簡単なツールをもたらし、効果を出すことができると思う。

ノウハウ本にまつわる問題はまさに「知識と行動のギャップ」に原因があるでしょう。あなたが太りたくない、と考えていれば

一日の摂取カロリー<一日の消費カロリー

この式満たしていれば良いわけですが、それを知っている事と実行できることはまた別の話になります。知識と行動は別物で、しかも、その二つの間には超えるべき溝が確かに存在します。

「知識を仕入れる事と、行動を変える事は別の工程」

であることはしっかりと把握しておく必要があると思います。

3つの理由

本書で主張されている、「行動を変える事ができない理由」はたったの3つです。

・情報過多
・ネガティブなフィルター装置
・フォローアップの欠如

これら3つはそれぞれが関連してあなたの足を引っ張っています。

情報過多

情報過多は現代の特徴と言ってもよいでしょう。ノウハウ本は次から次へと発売されます。一つのやり方がうまくいかないと感じたそのときには、別の「斬新」で「効果的」な方法を解説したノウハウ本が発売されています。
心残りな気持ちを持ったまま、新しい方法へと乗り移っていく中では、じっくりと知識についての理解を深めていく作業は行えません。

ネガティブなフィルター装置

そして、その心残りな気持ちつまり自信をすこし喪失した状態で触れる新しい知識はネガティブなフィルターを通して見られます。「この方法は本当に大丈夫だろうか」という疑いの目で見られた知識は、なかば出来ないだろうという逆向きの期待を持って頭の中に入れられます。当然、そんな知識について理解を深めることはできません。

待っている結果は「やっぱりダメだった」。

これが連鎖していく構造を生み出します。だめな気持ちで知識に接する→深められず自分のものにできない→だめな気持ちを感じる→新しい知識が現れる→・・・

こういう状態に陥っているときには、どんな目新しいノウハウ本を読んでもまったく意味をなさないでしょう。行動を変える、習慣を変える、思考を変える、ということがもともと相当に困難な作業です。初めから疑いの目を持って見つめていれば成し遂げることなど不可能でしょう。

フォローアップの欠如

疑いの目を持っていなくても、変化を起こすことは難しいことです。それをサポートするのがフォローアップです。しかし、大抵のノウハウ本にはフォローアップのシステムは付いていませんし、また自分自身でそのシステムを構築できている人もそれほど多くはないでしょう。

ノウハウを吸収するためには実行することが一番手っ取り早いわけですが、問題が一つあります。本を読んで実行する場合、実践しようとしている方法が「正しいものなのかどうか」が読者には分からない、ということです。あるいは初めは正しい方法で始めていたが、徐々に進路を間違えてしまう、ということもありそうです。

ここをフォローするシステムがあって初めて「Know Can Do」を実現することができます。
※本書の原題は「KNOW CAN DO! Put Your Know-How into Action」

ノウハウ本に対する3つのノウハウ

さて、これらの「行動を変える事ができない理由」から実際にノウハウ本に接するときのノウハウを本書より3つまとめてみます。

・大量の情報を一、二度学ぶより、少数の知識を何度も学ぶ
・常に開かれた心で、新しい可能性を探す
・他の人に説明する

まず、そのノウハウが使い物になるかどうか、どのような意図・要請に基づいて作られたノウハウなのか、自分の環境においてどのような適応ができるだろうか、じっくりと考えることです。一つの知識についてじっくり考え、応用することができれば自然とその他の知識についても同様の思考を働かせることができるようになるでしょう。

偏見や先入観をもったままでは、自分にとって役立つ情報も見逃してしまいます。
本を読むときでも、他の人の話を聞くときでも出来る限り「そこには何かの役立つ情報が含まれているかもしれない」という期待を持つことで、変化のきっかけをつかむことができます。

セミナーで講師してくれた人が週1回15分の電話でフォローしてくれるならば何も問題ありませんが、現実的には難しいでしょう。
※最近ではブログ、Twitterで本の著者やセミナーの講師と話す機会を持てる可能性は広がっているので著者や講師の心持ち次第では実現するかもしれません。

そういった場合には、自分が学んだ知識や実行している行動について他の人に説明することを自分の中で義務づけることです。開かれた他者に向けて説明するわけですから、出来る限り正確に理解しようとする気持ちが高まるでしょうし、また他者から勘違いの理解に対する指摘をもらえる場合もあります。

自分のブログを持つことが一番手っ取り早いでしょうし、あるいは勉強会などに参加してみることもできそうです。

まとめ

上で紹介した3つのノウハウを携えて、今まで自分が読んだノウハウ本で一番感銘を受けた物を読み返しましょう。
紹介したこの本も、このブログの記事も一つのノウハウでしかありません。これらも読んで「ふーん」と納得しただけでは何一つ効果がありません。

自分が感銘を受けた本に関して、まず実行してみた後で、紹介したこの本を読んでみるとさらなる発見が待っているかも知れません。

編集後記:
本屋でこの本を最初見たときは、何とも言えない感触がありました。「ノウハウ本」を実行するための「ノウハウ本」ってどうなの?という冷ややかな印象でしたが最初の数ページをめくってみるうちに、ぐぐっと引き込まれました。総じて「濃い」内容とは言い難い本です。しかし印象深い箇所はいくつもあります。それだけでもまあ1200円+税の価値はあるかなと思います。
以前も書きましたが、ビジネス本の著者やセミナー講師の方が「どうすればより理解してもらえるか」を考えるために役立つ一冊かなと思います。
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「残業ゼロの1日1箱仕事術」を読んだ

シゴタノ!でお名前を拝見している佐々木正悟氏の新刊を買って読んでみた。
電車の移動時間中だから大体1時間程度で読み切った。

これは実際に箱を用いる仕事術ではありません。
「一日の仕事を箱に、適切な量だけ入れて、それを減らしていく」というイメージを持つ仕事術のことです。

この説明を読むまでは、箱を用意してそこにどんどん仕事をいれる仕事術なのかと想像していましたがもちろん違いました。
箱というメタファーは「フタができる」ことと「いれられる量に限りがある」という二つの意味で重要なものです。

人は仕事というものに対してかなり衝動的な対応をしがちです。はなから無理な計画を立てたり、あるいは優先順位がまったく考えられず目の前に積み上げられた仕事をこなしていったりと。

そういった仕事の山をとりあえず秩序立てて片付けていく上で「箱」というものをイメージし、そこに自分の一日でこなせるだけの量の仕事を積めていき、あとはそれをこなしていく、というのが効率よい仕事方法だと著者は説明されています。

読んだことのある方ならすぐにぴーんと来るはずですが、これは「マニャーナの法則」にある「クローズド・リスト」という考え方をもとにしいている感じが強くします。
その「クローズド・リスト」というものを仕事術要にさらに磨き込んでできあがったものがこの「1日1箱仕事術」ということになるのかもしれません。
「マニャーナの法則」で語られていることは基本的に時間管理、仕事管理術ですが、この本においては、いかに仕事そのものを早く片付けるかというエッセンスもあります。

仕事がいつまで経っても片付かない。積もりすぎて仕事を見るのもイヤだ、というような状況に陥っている方は一度読んでみてはいかがでしょうか。

残業ゼロの「1日1箱」仕事術
中経出版
発売日:2009-05-30
発送時期:在庫あり。
ランキング:1728

あわせて読みたい

マニャーナの法則 明日できることを今日やるな
ディスカヴァー・トゥエンティワン
青木 高夫(翻訳)
発売日:2007-04-05
発送時期:在庫あり。
ランキング:1745
おすすめ度:5.0
おすすめ度5 生活習慣がすっかり改善されました!
おすすめ度5 やるリストばかりたまってうまくいってないときの新しい発想!
おすすめ度5 タイムマネジメントに挫折した人に
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一日の予定を付箋で「見える化」できるボード

さてさて、ToDo管理というのはいつでも頭を悩ませるもの。手書き管理にしてもメモを使うのか、ポストイットを使うのかなどいろいろな選択肢があるし、PCやiPhoneまで視野に入れると数限りない選択肢が私たちに向けて提供されています。

そんななかのひとつをご紹介。

10min」(テンミニッツ)というこの商品は、簡単に言うと「付箋管理ボード」と呼べるもの。

おおよそ一日の時間軸が縦に取られていて、そこに今日のToDoを付箋に書いて貼り付けていく、というのが主な使い方。ボードには幅の違う付箋が何種類か付いていてそのToDoやスケジュールが使う時間によって付箋を変えていくことで時間管理も同時に行えるというものである。

・_・_・_・_・_・_・_・_・_・_・_・_・_・_・_
私自身似たようなコンセプトの付箋管理によるToDoボードを自作して使っているが、時間帯ごとに貼り付けるというのと、付箋の幅を変えるというアイデアはありませんでした。

今のところ自作のボードとの試行錯誤の真っ最中なのでこれを試すチャンスはありませんが、今のボードに飽きたらぜひ使ってみたいところです。

縦長のサイズで「超」整理手帳とあわせて使うのに便利そうな感じです。スケジュールの「見える化」というのもそれをかなり意識した宣伝文句ですね。
野口氏の「ToDoボード」と「すぐやるリスト」を足して二で割ったような使い方が出来そうです。
かなりフレキシブルな構成なので自分自身のオリジナルな使い方もきっといろいろと見つかることでしょう。

今のところオンラインストアのみの販売となっているようです。送料無料だそうなので気になる方はチェックしてみてはいかがでしょうか?

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「エコバック」型新入社員

以前、草食系新入社員について書いたが、おなじみ「社会経済生産性本部」の命名によると「エコバック型」ということになるらしい。

今春の新入社員は「エコバッグ型」

 社会経済生産性本部は27日(金)、今春の新入社員の特徴を分析した調査結果を発表し、折り目正しく、才能を活かすためには十分な育成が必要だと、新入社員を「エコバッグ型」であると命名した。

まあ時流に乗ったセンスあるネーミングといえるだろう。

エコバッグは、環境問題への関心が高まる中、安価で手軽に携行できるアイテムとして流行している商品。登場以来ブームとなって多くの人が手に入れた様子は、大量採用にもイメージが繋がる。また、採用面接の際に、環境保護や社会貢献といった問題について関心を持っていると話す学生が多く、さらに節約志向で無駄を嫌う傾向もあった。

「草食系」と同じでおとなしそうなイメージがまず出てくる。経済的で環境にも配慮。おそらく空気を読むことに長けていて、自己主張は弱い、ということだろうか。
一昔前の日本であれば重宝された人材かもしれない。あるいは守りに入っている企業では使いやすい人材ともいえるだろう。

エコバック→環境問題という言葉からイメージできるのは、安定的な環境の確保ということである。自分が働ける場所が少しでも長い間存在してほしいという気持ちが強いのかもしれない。

それは「愛社精神」というよりは、「安全地帯」の外にはあまり出たくないという心理なのだろう。自分の安全地帯への配慮というのは行うが、そこが気に食わない場所であったとき、「我慢する」か「やめるか」の二択しかできないような気もする。その環境を大きく変化させるモチベーションは持ち合わせていないような雰囲気を感じる。

もし、いくつかの会社をわたっていかざる得ないような状況に追いやられたときは、なかなかしんどい思いをするのではないかと思う。

何はともあれ、今年の新入社員の皆様方。五月病にも負けずがんばってください。

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「プロフェッショナルたちの脳活用法」を読んだ

プロフェッショナルたちの脳活用法 (生活人新書)
日本放送出版協会
発売日:2009-04
発送時期:在庫あり。
ランキング:603
おすすめ度:4.5
おすすめ度5 プロフェッショナルの理由
おすすめ度4 「プロフェッショナル〜仕事の流儀」の100回記念特別番組の出版化。要約として便利。

ビジネスマン(ビジネスウーマン)として会社で働き、給料を得ている人というんのは皆ある種のプロであるといえる。そしてプロである以上さまざまな基準というのを内外から求められてしまう。
そういった人々がアイデアやモチベーションなど仕事をやり続けていく上で壁にぶつかる場面というのは必ず出てくるだろう。

そんな悩みをプロフェッショナル達の言葉を手がかり脳科学による解決方法を茂木氏が解説するというのがこの本である。同様のテーマで企画されたNHKの特番が基本になっている。
ただ問題解決のための本というのではなく、現場で働くプロフェッショナル達の言葉にたくさん触れられる本でもある。

ただ単なるHowTo本ではなく、社会に生きる先輩達の実例、言葉に触れて自分がそこから何をつかみ取れるのかということが試される本であるような気がする。

NHKの番組を見た人でも見ていない人でもビジネスに関わる人なら楽しめるのではないだろうか。

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草食系新入社員との接し方

前回では、今年の新入社員は草食系であること、そしてそれがどういった特徴があるのかを見てきた。

こういった草食系新入社員に対してどのように接すればよいのだろうか?

【接し方】
・例えば友人関係の様に気安い空気を作ればどうだろうか?
体罰が厳しく禁止され、親たちの目がイヤになるくらい光っている時代、友人感覚のように子どもたちに接している教師もいるようだ。
しかし、教室というやや閉じた空間で、一度でも舐められてしまってはそれでおしまいである。
会社の場合そこまで閉じた空間ではないが、事態は似た様なものだろう。
(あなたの会社で噂話の広まり方のスピードを一度実験してみると良い)

また年齢も1回り~2回り以上離れていることがほとんどだろうし、共通の話題を見つけるのも難しいだろう。年齢差が1回り以下なら使えるかも知れない。

・感情を示さず、事務的に上司役をこなすというのは?
人間関係の距離でいうと極端に距離を置いた関係。まるでコンピューターの様に仕事を与え、そして評価を下す。評価を与える基準は完全に明確化しておき、働いている人間全てが知ることが出来る様にする。
要するに会社というのは「仕事をしに来るところだ」と割り切った考えで接する。

まあ、単純に考えてこれを実行に移せる人は相当な精神力を持っていることだろう。
新入社員は初めこれを心地よいと感じるかも知れないが、あなた自身の存在感が薄くなってしまうおそれが強い。あまりオススメはできない。

・厳しい親(父親)のように接してみる?
新入社員の仕事に逐一目を配らせて、些細なミスでもきっちり怒る。
もちろん、良い仕事をしたら評価するがそれでも評価は厳しく。
プライベートなことにもよく突っ込んで干渉する。
というのがこのアプローチ。

まず、自分が親として厳しいかどうかを自問してみる必要がある。そうでなければこれは実現不可能である。
また自分が自分自身に対して厳しいかどうか考えてみること。答えがNoならただの偉そうなヤツになってしまう。これもオススメできない。

【結局ベストな方法は?】
結論を言ってしまうと「ベストな方法」というものは存在しない。アプローチは相手をきちんと観察して自分なりに対策を立てる必要がある、ということだ。
しかし、これだけは守った方がよいことが4つある。

○相手の話はしっかり聞く
○評価は自分の感情によってぶらさない
○まず自分自身がきちんと仕事をする
○「楽しい職場」というのを自分の頭の中にイメージしておく

この基本を抑えておけば、どのような年齢からも一定の「良い上司」の評価は受けられるであろう。
きちんと怒り、またきちんと誉めることももちろん重要だ。しかしこれが出来ない大人も多い。この辺は自分でトレーニングしてもらわないとどうしようもない。

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今年の新入社員は「草食系」だってさ

毎日新聞の記事によると、シンクタンクから今年の新入社員にとったアンケートの結果がでたらしい。

新入社員:09年度は「草食系男子」 安定志向さらに強く

シンクタンクの三菱UFJリサーチ&コンサルティングが09年度の新入社員を対象に行ったアンケートで、ガツガツと出世を狙わず一つの会社で定年まで穏やかに過ごしたいという社員像が浮かび上がった。背景には雇用不安があるとみられ、担当者は「はやりの言葉で言えば草食系男子」と分析する。

今年の新入社員は「草食系男子」らしい。
草食系って何なの?と疑問を持つ方もおられるかも知れないし、なんとなくイメージできる人もいるだろう。
その特徴をちょっとみていきたい。

【安定志向】
同じ会社で定年まで働きたいという安定志向がかなり強まっているらしい。

「自分に向かない仕事なら転職する」という項目への答えが36%と過去最低であったようだ。※調査は04年から

しかし、それはおそらくだが「愛社精神」とはほど遠い感情ではないだろうか。
不安定な社会に放り出されたくない、という思いが強まっているというだけに過ぎない。

飲みニケーションが復活している、なんて記事も読んだことがあるが、それはただ単にそういった空気を大切にして会社に残っていたいという心理の表れであり、昔の様に自分のアイデンティティーを会社とを結びつけているのではないと思う。

【会社に望むこと】

会社に望むことの1位は「人間関係が良い」。「能力が発揮・向上できる」などが続いた。「地位が上がる」は8項目の選択肢の中で最低だった。また自信があることの項目では「協調性」「忍耐力」が上位を占めた。逆に「創造力」「積極性」は自信のない項目の上位で、ここでも安定志向を裏付ける結果になった。

会社には人間関係が良く、自分の能力が発揮、向上できることを望んでいる。
そして、地位が上がることは特に興味がないあるいは意識的に避けたいとも感じているのかも知れない。

これはどうとらえればよいのだろうか。
ここでの人間関係というのは例えばいじめに合わない、とか上司が嫌なヤツである、とかそういった話なのだろうか。それとも各個人が切磋琢磨して上昇していく様な人間関係を求めているのだろうか。
他の項目から考えてみると、「ほっとかれず」かといって「過度に干渉されず」というくらいだろうなという気がしてくる。そしてそれは大きく外れてはいないだろう。

【自信があること】
自分が自信があることでは「協調性」「忍耐力」が上位。
これは言い換えれば「空気を読む能力」とも言えるかも知れない。
自分を押し殺して周りと強調する、なんとなく今までの日本人像というものに近いイメージを浮かばせる。

逆に自信が無いことは「創造力」と「積極性」。
教育の中でそういったことを育むことが出来なかったと自分で感じているのだ。
積極性というのは上の「協調性」や「忍耐力」とは相反する感じのある力であり、「空気を読んで」行動する上ではあまり必要のない、というか邪魔な能力ともいえる。

【つまりは草食系】
平穏にそのあたりに生えている、そして自分のテリトリーの中にある植物を主食とし、そして外敵の脅威を敏感に察知し、早々に逃げ去る。
なるほど草食系という例えは的を射ている様に思う。

まあそんな単純な話だけなのかはわからないが、とりあえず傾向としてこういった新入社員、人材が多いということだ。

【でもって】
こういった人材はおそらく「守り」のタイミングには向いているのかも知れない。変化を必要とせずただただ現状を維持するという事に関しては「忍耐力」というのは確かに必要だ。

はたして今の日本はそう言った状況なのだろうか。これからの日本は「攻め」なのか「守り」なのか。

もちろん業種によっても違うだろう。これからこの業況を利用して大きく伸びる会社もあるだろう。規模を縮小しなんとか存続を図るしかない会社あるいは業種といったものもあるだろう。
だから一概に、人材だけを見て「使える」「使えない」を判断することはできない。

新入社員の心理から見てもかなり雇っている側が強くなってしまっている時代だ。
しかしそれでもその新入社員が希望するのは心地よい「人間関係」なのだ。
企業の採用担当は選びやすい時代かも知れないが、現場で教育を担当する人間は結構しんどいかもしれない。
上に上りたい気持ちもない。日々平穏に仕事をする、というよりこなす、会社員。
モチベーションも計り知れず、かといって厳しい指導も難しい。
個人の話に入ってこられるのはおそらく嫌われる。
結局、上司と部下の距離ってどんなもんなんだ?と頭を抱える管理職の方もおられるだろう。

次回は社員との接し方について考えてみたいと思う。

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「世渡り力」とは?

Business Media 誠:「世渡り力」のない“エリート”じゃあどうしようもない――岡野工業の岡野雅行社長(中編)

岡野 特効薬なんかないよ。まして日本は少子高齢化や若者の学力低下、犯罪そして新興国の追い上げなど、すべて前例のない問題ばかりで大変だ。しかも模範解答しか知らず、しかも「世渡り力」のない“エリート”じゃあどうしようもないよ。

――「世渡り力」?   

岡野 問題解決のための「人と情報のマネジメント力」ってやつよ。いい例が暗号を解読され、日本軍が壊滅的な損 害を受けたミッドウェー海戦だ。どんなにパイロットが優秀だって、多勢に無勢で待ち伏せ攻撃されたらおしまいだろう。政治や外交なんてのは、どれだけ情報 を集め、把握し、どう活用するかなんだ。そこには国の運命がかかっているんだからな。

岡野氏は世渡り力というものを問題解決のための「人と情報のマネジメント力」と定義している。
これが日本のエリートには存在していないと岡野氏は主張している。
確かに日本の教育、それも有名大学に進学するような教育においては、設定された問題をいかに素早く解決していくかということが重点に置かれている。

それは、問題を与えられ、ただ解くということの反復作業でしかない。

が、実際さまざまな「現場」に立つとそういった反復作業で得られた能力というものはほんの一部分にしか使えないということがわかる。

日本がある意味で鎖国的で、一億総中流といわれ、終身雇用というものがサラリーマンにとって当たり前であった社会においてはその程度の能力でこなせる仕事が多かったのだろう。
新人は同然の様に、多少部下を従える様になっても、必要とされる能力はさほど変わるものではなかったはずだ。
年功序列の意識が強く働いている組織の中では、ただ年を取っていれば上に扱われる。会社というものの恩恵も束縛も強い。
そんな中では例えどのような人間であっても上司というものの発言は強い意味を持ってしまう。

しかし、そういった社会はすでに過去のものだ。

今例え新人社員といっても単純に物事を解決していくだけの能力では足りないと言えるし、それが課長や部長など多くの人をまとめる人間になればなおさらである。

そういった状態に置かれたときに必要なのがまさにこの世渡り力であろう。

人を動かす、人と人をつなげるといった事や。情報を集める、情報を配る、などといったこと。
そして人を情報を関連づけ、新しい情報を生み出す、など課題に対する流動的な解決方法の模索というものがこの世渡り力によって実現できる。

ただ、ではこの世渡り力というものがいかにすれば鍛えられるのかということに関して明確な答えはないと思う。

現場で生きている人間はそこで生き残るのが困難であれば必然的に身につけていくだろう。そういった先人と身近に接することが出来た若者もそういった能力の必要性に気がつくかも知れない。

しかし、社会の中で個人が分断化され、必要以上に自分を見せない風潮が広まっていればそういった伝達はなかなか行われない。
伝達の役割を果たすはずのメディアも機能しているとは言い難い。

「世渡り力」が必要ということがわかっても、ではどうやってそれを手に入れるのか、というより難しい問題に直面してしまう。

とりあえずは、今を生きるビジネスマンは、自分が求めるハードルの高さをどんどん上げていくしかない、としか言えない。

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無趣味のススメを読んだ!

村上龍氏のエッセイである。しかし最近はほとんど小説を書いていないんじゃないか、という気がする小説家である。まあ力のある大作を書いているのだと信じたいところだ。

村上龍のエッセイというと「すべての男は消耗品である」が有名だが、エッセンスはそれに近いこの作品である。

タイトルは無趣味のススメであるが、前編を通していかに無趣味が良いかというのを説いている本ではもちろんない。

一つのくくりで6ページ。タイトルで1ページ使っているので内容は5ページ。しかも上下のマージンがかなり広く取ってある。正直もっと薄くできるだろうし、わざわざハードカバーで発売する必要あるのかという気がしないでもない。それでもついつい買ってしまうのが私の悪いところであり、作家村上龍が持つ力とも言えるかも知れない。

村上龍という作家が持つ視点で、日本社会を眺め、そしてビジネスマンへのアドバイスとぽつぽつと書いているそんなエッセイだ。
書いている内容自体大きく尖っているということはない。しかし語られる文体が力強く、我々も何かしなければいけない、という気持ちになってくる。

今の社会において「いかに生きるべきか」というのはとても大きく複雑な問題だ。すくなくとも万人向けに示せるものなど無いに等しいだろう。個人が自分のベースを意識して将来を必至に構築していく中で、結晶の様に自分の中に残る物。それがいかに生きるべきかという指針になっていくのだと思う。

そう言った意味で、作家村上龍が何を考え何を思いどのような行動を取っているのかというのを知るのは一つの参考になるかもしれない。

作家という職業は組織の中で生きるサラリーマンとはかなりかけ離れた生活を送っているだろう。しかし今後誰かに必要とされるスキルを持つサラリーマン→ビジネスマンはそういった生き方も参考出来るぐらい組織に縛られない力とポジションを持ちうるのかも知れない。

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