Posts tagged: 情報カード

Inspiration-State あるいは情報カードに書けること

IMG_7214

ここ一ヶ月ほど、積極的に情報カードを使っています。着想の書き取り用途です。

その中で、いくつかの状態に気がつきました。着想の状態です。

IMG_7215

まずは完璧に書ききれるもの。「豆論文」と呼べるような一つの集塊性を持った文章がそこに記述されます。これが一番わかりやすく、話が早いです。なにせ、もうそれで完成していますからね。

問題は、そうではない状態です。

IMG_7217

フレーズだけを書きつけたもの。書こうとしているものの「見出し」だけが捉まえられた状態です。完成にはほど遠いので、また時間を置いて、書けるときに記入すればよいでしょう。よって、日付の記入もそのとき用に避けておきます。

以上は、まだ扱い方が決定しやすい方です。ややこしいのは以下です。

IMG_7216

いくつかの、断片的なフレーズだけを書きつけたもの。文章にはなっておらず、かつ見出しだけでもない状態です。

これを書いたときに私の頭に浮かんでいたのは、概念というよりは、概念同士のリンクの線だけであって、それは現段階では文章化できるようなものではありません。かといって、時間が経てば言葉にできるかというと、そうではなく、おそらくこれだけでは意味を成さない着想なのだろう、という予感があります。それはたとえば、釘とかナットのようなもので、何かと何かを結び合わせるときに初めて効果を発揮する類のものです。

ステート別の管理

ごく単純に分類しても、着想メモには以上のような3つのタイプ(あるいは状態)がありえます。

完成した情報カードの管理は楽チンで、まとめて一つのボックスに入れておくか、(もしそれが作れるなら)明示的なカテゴリで分類しておけばよいでしょう。それをときどき「くって」内容を短期記憶に想起するのです。

タイトル(見出し)しかないカードは、少し難しくなります。未完成のカードをだけを集めておくのが良さそうですが、完成したカード群に混ぜておいて、記入を促す動きも考えられます。とりあえず、ここでは未完成のカードだけを別に分けておくやり方を取ったとしましょう。

そうなると、フレーズ群を書きつけたカードの扱いが、さらにやっかいになります。完成でも未完成でもないもの。中途半端な着地をしてしまったもの。そのようなものは、完成に入れても、未完成に入れても収まりは良さそうに思えません。たぶん、これは(悪い意味はいっさいなく)「失敗作」なのでしょう。つまり、しかるべきときがやってくれば、別の概念と結びつけて、新しいカードにリライトされる運命を持っている、ということです。「見出し」だけのカードは、単に追記すれば完成しますが、この状態のカードは、おそらく新しいカードとして転生させなければいけないのでしょう。

そう考えたとき、完成版と見出しだけのカードは、アナログでもデジタルでも状態管理的な視点ではまったく違いがありませんが、「中途半端なメモ」に関しては、デジタルが、それもアウトライナーが圧倒的に向いていることに思い至ります。

しかるべき転生が運命づけられたメモ。言い換えれば、被編集が約束されたメモは、アナログの固定性とは相性が悪いのです。それは、後から編集リライトすることがアプリオリに内在されていて、その置き場所はフローさを担保してくれるところが望ましいのです。

▼こんな一冊も:

Send to Kindle

B6サイズの情報カードを持ち歩くソリューションをDIYで

最近、毎日一枚情報カードを書いています。『断片からの創造』という本に向けた素材集めのカードで、サイズはB6です。

書籍『断片からの創造』のための情報カード

これはこれで一つの新しい試みなのですが、人の習性とは不思議なもので、こうしてカードを書くことを日課にしていると、他のこともノートではなくカードで書きたくなってきます。で、そうしはじめました。

IMG_7198

こうなると、これらのカード束を持ち歩きたくなります。思索は、行動と共にあり、なんて言葉もありますからね(今勝手に作りました)。

しかし、カード束をそのままカバンに突っ込むとバラバラになりますし、クリップや輪ゴムで止めても型崩れが心配です。となると、ケースが欲しくなります。

単に未記入のカードを持ち運ぶだけならば、以下のようなノートカバーが活躍していました。

IMG_7199

片方に新品のカードを入れ、もう片方には記入し終えたカードを入れられます。なかなか便利ではありますが、そこそこまとまった量のカードを持ち運ぶには適していません。せいぜい「ドッグに移すまでの一時的な仮置き場」くらいなものです。

かといって、世の中を見渡しても、B6サイズのカードの束を持ち運ぶのにフィットしたアイテムはなかなかありません。他のサイズならともかく、B6は希少種なのです。

だったらそう、DIYですね。自作するのです。

なんとなくイメージしたのは、固いカバーで、ジャバラタイプのもの。ええ、モレスキンのアレですよ。あれと似たようなもののB6サイズがもっと安価に入手できれば……

といろいろ考えたあげく、百均ストアにいって、名刺やトレーディングカードを保管するためのプラスティックフォルダと、画用紙を購入。それらを切ったり貼ったりして、以下のようなものができあがりました。

]IMG_7200

サイズ感。

IMG_7202

広げると、こんな感じ。

IMG_7201

カードをこのように収納できます。

IMG_7203

持ち運ぶときは、中身が溢れ出るのを防ぐためにゴムバンドを(これも百均で購入したヘアバンドです)。うまくひっかかるように真ん中に小さい切れ目を入れてあるのが、ちょっとしたポイント。

IMG_7204

日常遣いのひらくPCバッグの中央左ポケットにぴったりフィット。Feeling Goodです。

ちなみに作り方は、

  • カードフォルダのページをすべてはぎ取り
  • 画用紙を長方形に切ってジャバラ式に折り込み(二組作る)
  • そのジャバラをカードフォルダーのカバーに貼り付ける

という至極単純なもの。ジャバラの折り込みの適切回数はぜんぜんわからなかったので、至極適当にやりましたが(おおざっぱ)、今のところは良い感じに機能しています。もし、もう少し仕切りが欲しいなら作り直すこともできるでしょう。それがDIYのいいところです。

というわけで、情報カードの束を持ち歩くソリューションをお探しの方は、ぜひお試しを。

Send to Kindle

ツールと脳

ぜんぶ頭に入れるから:Word Piece >>by Tak.:So-netブログ

書こうとする文章が一定以上に長くなると、全体像を頭の中で組み立てることはできなくなる。

たとえば、この文章は、上記のコピペを貼り付けて、「さて」という感じで指をポキポキ鳴らした後(比喩だ)書き始めている。どのように書くか、何を書くかについてのアウトラインは、事前にはいっさい構成していない。もし、この後に続く文章に見出しが出てきたら、それは書きながら、あるいは書き上げた後につけられたものである。後付けの構造化。

事前には、構造はまったく存在しない。そして、書きながら、あるいは書き上げた後にそれを構造化できる。エディタ以外のツールを使うことなくそれができる。それは文章の全体像が頭に入れられるからこそ、できる行為だと言えるだろう。

どこに限界があるのか

一方、本を書くときには章立てを行う。第一章は〜〜について書き、第二章は▼▼について書き、というやつだ。それが5つか6つくらいであれば、これまた脳内で、脳内だけで組み立てることができる。しかしそこまでだ。それぞれの章に具体的にどう項目を立てるとなるとお手上げである。一つの章だけでも難しいが、それが3つも4つも集まったら悲劇的なことになる。

長さ自体よりも、要素間の関係が急速に複雑さを増すことが問題だ。

指摘されている通り、長さが問題なのではない。どれだけ長くても、それが単調で、線形に演算可能であればおそらく脳内だけでもやっていける。が、文章というのはそういうものではない。それが問題なのだ。

第一章第一項で書いたことは、第三章第四項で書いたことよりも「前」に位置している。そこには前後関係があり、文脈がある。説明の粒度があり、口調のテンポがあり、比喩のパターンがある。書く人はそれらをバラバラに書くのかもしれない。しかし、読み手はそれをリニアに摂取する。そのことを念頭に置いて、文章は構成されなければならない。

たとえば、この文章が上の段落から始まったらどうなるだろうか。不自然に決まっている。意味もわからない。そうであることが、私には脳内でわかる。だからこそ、これくらいの文章にはエディタ以外の他のツールは必要ない。しかし、文章量が増えるとこうはいかなくなる。要素同士の関連性が増え、制御しなければならない文脈は無数に増大する。

[問]
A、B、C、D、Eという5つの要素を、一列に並べる並べ方はいくつあるか。

これくらいなら頭の中で数えることができる。ではこれが、20や30であれば? そしてそのうちのたった一つを「これが良い順番だ」と決める場合は?

脳にはお手上げだろう。

ツールの効能とその違い

とりあえず書いてみて、はじめて何をどう書けばいいのがわかる。より正確にいうと、何をどう書けばいいのか考える素材を手に入れることができる。

アウトライナーやカードに書き出すと、二つのことが可能となる。

まず、頭の中の素材を一覧できるようになる。書こうとしていることがマジカルナンバー(7±2)以下ならば、脳内のメモリで処理できる。それ以上であれば、無理だ。外部化__物質への定着化__を行わなければいけない。

ただしそれだけであれば、カードと大きな一枚の紙、エディタとアウトライナーに大きな違いはない。違いを生むのは二つ目の要素、つまりそれぞれの要素の「断片化」であり、そこから導かれる「操作可能性」の付与である。

この要素は、認知的要素(アフォーダンス的要素)と、機能的要素の二つがある。

アウトライナーは、一行ごとに別の要素として扱われる。カードはどれだけ頑張っても書ける文字数は限られている。よって、ユーザーに「これは断片ですよ」という認知を促す。それは「文章」ではないのだ。だからこそ、組み換え・入れ替えようという気持ちが生まれる(あるいは刺激される)。

機能的要素は、たとえばアウトライナーならば下位の要素を隠すことあできるし、カードならひとまとまりのカードを山にまとめることができる。人間の脳にとって目に入る情報は、思考の道行きに大きな影響を与えるのだから、これはかなり実際的な影響を持つ。大きな紙やエディタはこれは不可能である。

前者の要素については、たとえば「紙には鉛筆で書く」(エディタブルにする)や、「エディタで一行ずつ改行していく」などの使い方で、ある程度その要素を似せることができるが、後者は根本的に無理である。物真似できるのは半分まで、ということだ。

さいごに

結局のところ、何が言えるのだろうか。簡単だ。

「ある種の行為に行き詰まったら、ツールを替えてみる」

特にある行為のおいて、脳の負荷の増大を感じるようであれば、何か別のツールを触ってみるのが良い。

マクルーハンは「メディアはマッサージである」と言った。それと同じで、ツールは私たちの脳の働きに影響を与える。いやむしろ、それは脳の働きを規定してしまうとすら言える。ツールは私たちにある種の能力を付与してくれるが、それはまた別の物の見方を制限するということでもある。だからこそ、軽やかにツールを移動するのだ。

逆に言うと、「このツールさえ使えば、すべてがうまくいく」という言説は、だいたいにおいて(それもかなり高い確率で)戯言である。世の中は__というか、私たちとツールの関係は__そんな風にはできていない。

「ツール」は重要ではあるが、個々のツールはそれほど重要ではない。

これは肝に銘じておきたいところである。ツール原理主義は、すぐに行き詰まってしまうだろうから。

Send to Kindle

ブログ、Evernote、情報カード

良い知らせと、悪い知らせがある。


少し前、原稿を書いていた。いつものようにカフェでぱたぱたとキーボードを叩く。そのとき「知的生産の定義」が必要になった。「あたまをはたらかせてうんぬん」というやつだ。残念ながらカバンには『知的生産の技術』は入っていない。でも、心配はない。ググれば見つかる。少なくとも、私自身がブログで何度もその定義を引いているので、ウェブには必ずある。

そこで「知的生産 定義」でググる。当たり前のように(おそらくパーソナライズされているから本当に当たり前なのだろう)、シゴタノ!のいくつかの記事がヒットした。求めていた定義もコピペできた。よかった、よかった。

ふと、ひとつの記事が目に入った。

「知的生産」は最強の武器である | Lifehacking.jp

2014年に書かれた記事。『知的生産の技術とセンス』という本の発売に関係して書かれた記事だろう。確実に読んだことがある記事だが、すっかり忘れて頭から読みふけった。そこで、以下の文章と遭遇する。

残念なことに、この広い概念を表現する言葉は、いまのところないのですね。倉下さん(@rashita2)もブログでこのように書いてます。

私の記事が引用されている。当然、リンク先も読みたくなる。結局、その記事も読んだ。

「知的生産」に代わる言葉を求めて 〜あたらしい知的生産試論(1)〜 | シゴタノ!

2014年の私は、知的生産と「知的」と「生産」に分け、それぞれを「物的」と「消費」とに対比している。今でもよく書いていることだ。が、そのときの私はそこから「浪費」という概念に結びつけ、さらにこんなことも書いている。

また、産業としてだけではなく、工業社会では「ものをつくること」のコストが下がり、DIYが一般的に行われるようになりました。情報社会では、それがセルフパブリッシングという形で表出してくるでしょう。ということは、ホームセンターの知的生産バージョンが一般的になるかもしれません。

DIYとセルフパブリッシングを対応づけ、そこから「ホームセンター」の情報版が出来るのではないかと勇み足ぎみに述べた。

「知的生産」のマトリクスについては、私の脳内にみっちりこびりついている。今でも、必要があればこの構図はぱっと引き出せる。が、浪費への展開とホームセンターの話はすっかり忘れていた。まあ、2年経っているから仕方が無いとも言える。

ともかく言えることは、この二つの過去の私の発想は、2016年の私の着想へとつながった。ちょうど書いていた原稿に膨らみがうまれ、また別の原稿のアイデアともなった。


良い知らせと、悪い知らせがある。

良い知らせは、すでに起きたことだ。つまり、過去の私の発想が、今の私の着想につながった、ということ。

ブログは他者に向けて書かれた文章ではあるが、その他者に「未来の自分」を含めるのなら、一つひとつのブログ記事は、情報カードとしても機能する。着想をちゃんとした言葉で書き留め、それを検索可能な状態にしておくことは、着想の蓄積につながる。アイデア地層というわけだ。

悪い知らせは、その点と関係している。つまり、私はその情報カードをうまく「くれて」いなかった。もし、うまく「くれて」いたならば、そのとき書いている原稿を書き始める前に、つまり構想の段階でその着想に触れられていたはずだ。が、結果は泥縄式になっている。

私がもし、「知的生産の定義」をウェブ頼りではなく、原典を見ながら書き写していたら、この「既知との遭遇」は起こりえなかった。ここにある種の怖さがある。


この状況をどのように捉えればよいだろうか。

「とりあえず見つかったんだからいいでしょ」と言ってしまうのはたやすい。しかし、見過ごしているものも多くありそうだ。

願わくば、ある種の原稿を書こうと思い立ったとき、それに関する自分の過去の着想をきれいに引き出せるような情報環境が欲しい。それは「未使用」と「使用済み」といった単純な切り分けでなく、「使用済みだが展開の余地がある」といったものも含まれている必要がある。

言うまでもないが、現状の情報整理環境でも十分な状態は維持できている。「既知との遭遇」がなくても、原稿は書けていたし、それでクオリティにおいても問題は生じなかった。が、私の知的好奇心は歯がゆい思いをしている。

どうやら、ナレッジマネジメントを次の段階に進める必要が出てきたらしい。

しばらくは指をぽきぽき鳴らしながら、この問題に取り組んでみたい。

▼こんな一冊も:

EVERNOTE「超」知的生産術
EVERNOTE「超」知的生産術

posted with amazlet at 16.05.21
C&R研究所 (2016-04-21)
売り上げランキング: 43,110
Evernote豆技50選 (Espresso Books)
倉下忠憲 (2015-03-29)
売り上げランキング: 929
ズボラな僕がEvernoteで情報の片付け達人になった理由
倉下 忠憲
シーアンドアール研究所 (2016-02-26)
売り上げランキング: 32,848
Send to Kindle

なぜなに知的生産 〜情報カードを無駄遣いする〜

3

2

1

どっか~ん!

なぜなに”知的生産”~!

「お〜いみんな〜、集まれ〜。なぜなに”知的生産”の時間だよ〜!」
「わ〜い! ねえねえ、お姉さん、今日はどんなお話をしてくれるの?」
「今日はね、みんながねうっかり忘れちゃうストックのお話だよ!」
「やった〜〜!」
「じゃあ、さっそく始めましょう」

(シーン切り替え)

情報カード運用の鉄則

情報カードは仰々しいものではありませんが、一つだけ鉄則があります。

それは、「ストックを大量に持っておく」ことです。これを守ることで、安心して・無駄遣いができるようになります。これを「在庫効果」と呼ぶことにしましょう。

では、「在庫効果」についてもう少し詳しくみていきます。

安心して

仮にこんなシチュエーションをイメージしてみましょう。情報カードはあるにはあるのだが、残りの枚数が5枚ほどしかない。Amazonで注文したら、届くのが明後日だという。

こんなシチュエーションでは、心は情報カード書きに躊躇を覚え始めます。なくなったらどうしよう、と。結果、「これはまあ、書かないでいいか」と勝手に着想を判別し始めます。書きながらも、「これにカードを使っても良かっただろうか」などと思い始めます。

こうした事態を避けるためにも、情報カードのストックは十分に余裕をもって確保しておくことが必要です。

無駄遣い

大量にストックがあると、気楽に無駄遣いできるようになります。

たとえば、思いついたことをカードに書き連ねたとして、書き終えた後もっとうまい表現が見つかったとしましょう。そうしたら、新しいカードを書けばいいのです。

あるいは、思いついたことをカードに書き連ねていったら、ごちゃごちゃと複数の要素が混ざってしまったと感じることもあります。そうすれば、3つか4つの新しい情報カードに改めて書けばいいのです。

最初に書いたカードは、結果からふり返ってみれば「無駄」になるのですが、むしろそのカードを書いたからこそ「本番」のカードが生まれたとも言えます。

カードのストックが少ないと、こうした前座のカードを作るのもためらわれてしまうので、なかなかカード作成が進みません。

おわりに

もし情報カードを運用していくならば、少なくとも100枚単位のストックを準備しておきましょう。そうすれば、気楽にどんどん書いていけるようになります。

さらに、

「書き直しを恐れない」

という心持ちも大切です。

ノートであれば書き綴ったものはそこに「残る」わけですが、カードならぽいっとゴミ箱に捨てられます。つまり、カードこそ、何度も書き直すことが許容されている記録ツールなのです。

▼その他の回:

なぜなに”知的生産” 〜情報カードの使い方〜
なぜなに”知的生産” 〜カード・システムとこざね法〜
なぜなに”知的生産” 〜カードのサイズ〜
なぜなに”知的生産” 〜情報カードとカードシステム〜

EVERNOTE「超」知的生産術
EVERNOTE「超」知的生産術

posted with amazlet at 16.05.20
C&R研究所 (2016-04-21)
売り上げランキング: 38,270
Send to Kindle

なぜなに”知的生産” 〜カード・システムとこざね法〜

3

2

1

どっか~ん!

なぜなに”知的生産”~!

「お〜いみんな〜、集まれ〜。なぜなに”知的生産”の時間だよ〜!」
「わ〜い! ねえねえ、お姉さん、今日はどんなお話をしてくれるの?」
「今日はね、カード法とこざね法の違いについてだよ!」
「まってました〜〜!」
「じゃあ、さっそく始めましょう」

(シーン切り替え)

梅棹の二つの手つき

梅棹忠夫の『知的生産の技術』には二つのメソッドが登場します。

一つは、「発見の手帳」をベースとしたカード・システム。もう一つは、アウトライン作りとしての「こざね法」です。

カード・システムは日々の着想を管理するためのものであり、思いついたことを小さくてもまとまった文章として書き残していくことでそれを実現します。いわば日常的実践であり、それは習慣でもあります。

対して「こざね法」は、アウトプットを生み出すための手法です。小さな紙片を使い、構成案を練り込んでいきます。これは原稿を書くときに用いられるものであり、日常的実践というよりもプロジェクト的実践と呼んだ方が近いでしょう。

梅棹はこの二つの手法を用いてアウトプットを生み出しています。

こざね法

カード・システムについては前回簡単に紹介したので、ここでは「こざね法」について触れてみましょう。

こざね法では、紙きれを使います。カード・システムは厚手の紙を使いましたが、こちらはペラペラの紙でまったく問題ありません。ただし、その紙はすべてB8判に切りそろえます。規格化するわけです。

その紙きれを以下のように使うのが「こざね法」です。

  • いまの主題に関係あることがらを、単語、句、または短い文章で、一枚に一項目ずつ、書いていく。
  • おもいつくままに、順序かまわず、どんどん書いていく。
  • すでにたくわえられているカードも、きりぬき資料も、本からの知識も、つかえそうなものはすべて一度、この紙きれに書いてみる。
  • ひととおり、出尽くしたと思ったら、その紙きれを、机の上、またはタタミの上に並べてみる。

こうすることで、その主題について自分の頭の中にある素材のすべてを一覧することができます。
※以上は『知的生産の技術』p.202~203より。いくつかひらがなを漢字に直した。

あとはそうして書き出した紙きれを1枚ずつ見ていきながら、「これとつながりのある紙きれはないか?」を探し回っていきます。もし見つかれば、それをいっしょに並べておきます。ポイントはカードを分類するのではなく、論理的につながりがありそうだと思われるコネクトを自らの手で(もう少し言えば自らの頭で)探していくことです。機械的な部類は、知的生産の要である「自分の頭を働かせて」が抜け落ちてしまうので注意しましょう。

で、何枚か紙きれがまとまったら、論理的にすじが通ると思われる順序に紙きれを並べて、その端を重ねてからホッチキスでとめます。このひとまとまりの紙きれが、鎧を構成する鉄製の短冊状の小さな板(こざね)に似ていることから、この手法は「こざね法」と名付けられています。

screenshot
大鎧 – Wikipediaより、

1000001413
※ウメサオタダオ展で展示されていた「こざね」。

共通点と相違点

カード・システムとこざね法の二つを見比べてみると、共通点と相違点が浮かび上がってきます。

まず共通点ですが、「頭の中の情報を、外のツールに預けること」が一番重要な共通点でしょう。どちらも情報をカードや紙に固着化させ、操作可能な単位を作り出しています。これは人間の脳が、そういうことをあまり得意としていないからです。

また、それを操作する意図があるので、「一枚に一項目」という原則も共通しています。これは目的からくる要請です。この辺りは、他のツールや手法に目を向けても同じことになるでしょう。

では、相違点は何でしょうか。

簡単に言えば、カード・システムは長期記憶を補強するものであり、こざね法は短期記憶(≒作業記憶)を補強するためのものです。メタファーを用いれば、前者は自分だけの辞書を作る、後者は筆算するための大きな紙を準備する、となるでしょう。

私たちは日常的に会話をしていますが、もちろん言葉の意味を忘れることもあります。そのとき辞書は大いに役立ちますね。

また、私たちは暗算だけで簡単な計算を行えますが、4桁の掛け算くらいになると急にスピードが落ちますし、3次方程式とかになってくると暗算ではもうお手上げです。しかし、紙とペンがあればそれが可能になってきます。なぜ可能になるのかと言えば、一つひとつの小さな出力(=計算結果)を記憶に留める必要がなくなるからです。

暗発想としてのカードあるいは紙

「こざね法」でやっていることも、基本的にこれと同じです。私たちは脳内で情報のつながりを見出すことはできます。しかし、10を越える情報単位を同時に扱うのも難しいですし、またひとつのつながりを作ったあと、別のつながりを考えているうちに前のつながりを忘れてしまうこともあります。紙に書けば、これを回避できるわけです。

「暗算」「筆算」に対応させるなら「暗発想」「筆発想」と呼んでもよいでしょう。

ただし、「構成を寝る」作業は、数式を一つひとつ展開していくようなリニアな作業ではなく、さまざまな材料を組み合わせて一つの大きな流れを作るタイプ作業なので、「一枚の大きな紙に書き出す」よりは「一つひとつの要素を一枚の紙に書き出す」方が向いてはいるでしょう。カードではなく付箋で似たような作業を行っている人も多いはずです。

が、一応「記憶の補助」ということを考えれば、大きな紙でもやってやれなくはありません。消しゴムは必要でしょうが。

さいごに

今回は、「カードを使って情報を操作する」の二つのタイプを眺めてみました。

カード・システムの「情報の操作」のスパンは比較的長いものです。自分なりの図書館の蔵書を増やしていくような、そんなイメージがあります。

対するこざね法は、特定のアウトプットに向けた「情報の操作」であり、スパンそのものはそんなに長くはなりません。紙の上での計算と似ようなものです(もちろん数ヶ月かかるようなことは十分ありえるでしょうが)。

この二つの手法の違いについて、今回は「補助する記憶の違い」という補助線を引いてみました。案外すっきりしたのではないかと思います。

さて、前回紹介したカード・システムと今回のこざね法は、使う紙のサイズが違います。片方はB6、もう片方はB8判でした。これはなぜなのでしょうか。

では、次回は「カードのサイズ」をお送りします。お楽しみに!

▼前回:
カードを使って情報を操作する

▼こんな一冊も:

知的生産の技術 (岩波新書)
梅棹 忠夫
岩波書店
売り上げランキング: 8,620
Send to Kindle

なぜなに”知的生産” 〜情報カードとカードシステム〜

3

2

1

どっか~ん!

なぜなに”知的生産”~!

「お〜いみんな〜、集まれ〜。なぜなに”知的生産”の時間だよ〜!」
「わ〜い! ねえねえ、お姉さん、今日はどんなお話をしてくれるの?」
「今日はね、みんながとっても大好きな情報カードのお話だよ!」
「やった〜〜!」
「じゃあ、さっそく始めましょう」

(シーン切り替え)

情報カードとカード・システム

情報カードは、情報を扱うためのカードです。少し厚みのある紙で、100枚入り300円〜400円程度で販売されています(※)。サイズはいろいろありますが、5×3やB6のカードが主流です。
※最近では100円均一ショップのダイソーで100枚入り100円(税別)で発売されているものもあります。

IMG_6760
※左がダイソーの情報カード、右はLIFEのJ857

このような情報カードを使った情報管理の手法として、カード・システム(カード法)が開発・提唱されています。個人が情報を扱うためのシステムです。たとえば梅棹忠夫の『知的生産の技術』、渡部昇一の『知的生活の方法」、板坂元の『考える技術・書く技術』などが参考になるでしょう。

またそれらの知見を踏まえ、さらにデビッド・アレンのGTD(※)の概念を取り込んだ「PoIC」という比較的新しいカードシステムもあります。
※『はじめてのGTD ストレスフリーの整理術』(デビッド・アレン)

このどれもが、個人の知的生産に寄与するシステムであることは発案者の業績をみれば容易に想像がつきます。

ただし、カード・システムは情報カードを使わなくても運用が可能ですし、また情報カードを使うからと言って必ずしもそうしたカード・システムに準拠しなければならないというルールもありません。この点には注意しておきましょう。

カードは何をする?

情報カードは、あなたが何かを書き込むのを待っています。前述の梅棹はカード法について次のように書きました。

カード法は、歴史を現在化する技術であり、時間を物質化する方法である。

カードという物質の上に情報を固着化し、それをストックして並べておく。そうすることで、私たちはもっと容易に情報を扱えるようになります。むしろそうしなければ、私たちは非常に狭いフィールド__短期記憶と連想が及ぶ範囲のみ__で知的活動を行わなければなりません。非常に息苦しいものです。

カードに何かを書き込むことで、そこに一つの「まとまり」が発生し、情報の単位が生まれます。それがノートではなくカードである理由は、その単位を後から操作するからです。組み替えたり、つなぎ合わせたりして新しい情報の生成を促す目的があるからです。だからこそ、それぞれの情報は独立した単位として扱われなければなりません。操作可能な、独立した単位として。

カード・システムの本質

梅棹は次のようにも書きました。

知的生産の技術としてのカード・システムは、さまざまな場面で、さまざまな方法で、つかうことができるだろう。研究の過程も、結果も、着想も、計画も、会合の記録も、講義や講演の草稿も、知人の住所録も、自分の著作目録も、図書や物品の貸出票も、読書の記録も、かきぬきも、全部おなじ型のカードでいける。

カードはこれほどの包容力を持っていますが、だからといってこのすべてを「やるべき」だという話ではありません。やりたければ、できる。それだけのことです。

ただし、以上のすべての使い方の要点は「記録しておいて、後から取り出して使う」にあります。そのためには、

  • まず記録する
  • 記録を同一の場所に集めておく
  • 後から取り出せる形に並べる
  • 後から取り出す

の4つのプロセスを経なければいけません。こうすることで記録が扱えるようになり、そしてそれこそがカード・システムの本質でもあります。

さいごに

カード・システムは、情報を主体的に移動させることが一つの特徴です。操作こそがこの方法を使う目的なわけです。

ただし、カードを使って情報を操作する、という行為にはいくつかの分類が発生します。次回はそのことについて考えてみましょう。

また違う問題として、カードがあまりにも多様な情報を包括できるがゆえに、何をどのように書いてよいのかわかりにくい点もあります。これもカードシステムの導入時に起こりがちな問題です。そこでの鍵は「無駄に使う」ことにあるのですが、それについてはもう少し後の回で探求してみましょう。

では、次回は「カード法とこざね」です。お楽しみに!

▼その他の回:

なぜなに”知的生産” 〜情報カードの使い方〜
R-style » なぜなに”知的生産” 〜情報カードの種類について〜

▼こんな一冊も:

知的生産の技術 (岩波新書)
梅棹 忠夫
岩波書店
売り上げランキング: 9,390
知的生活の方法 (講談社現代新書)
渡部 昇一
講談社
売り上げランキング: 13,377
考える技術・書く技術 (講談社現代新書)
板坂 元
講談社
売り上げランキング: 12,984
EVERNOTE「超」知的生産術
EVERNOTE「超」知的生産術

posted with amazlet at 16.04.11
倉下忠憲
シーアンドアール研究所
売り上げランキング: 78,643
情報カード 図書 5×3 J859
情報カード 図書 5×3 J859

posted with amazlet at 16.04.11
ライフ
売り上げランキング: 61,903
はじめてのGTD ストレスフリーの整理術
デビッド・アレン
二見書房
売り上げランキング: 8,801
Send to Kindle

情報カードを持ち運ぶためのシンプル・バインダー

全国の情報カードファンの皆様お久しぶりです。

今回は、最近私が胸ポケットに入れているツールを紹介しましょう。

IMG_5487

ジャン!

情報カードフォルダーです。なんと手作り。DIYです。

材料は、「文庫本カバー」と「ゴムバンド」。以上です。両方100均で買ったので、材料費は216円。お手軽ですね。あと、本体内部に厚紙を使っていますが、処分する予定のハードカバーの表紙を使ったのでそこは無料でした。

カードをとったところ。

IMG_5488

ゴムの部分。

IMG_5489

これをシャツの胸ポケットに入れて携帯し、何か思いついたらぱぱっと取り出して、しゃしゃっと書き込む。書き終えたカードは最後尾に回しておき、家に帰ったら取り出して、Evernoteに転記するなり、カメラで撮影して保存。シンプルな情報の動線が出来上がっております。

いにしえの姿

もともと、このツールは、発案が私で以下のようなものを手作りしていました。

IMG_5490

プロトタイプは凝ってはいけない、という主義のもと文庫本カバーを雑に切り、段ボールとゴムバンドをホッチキスで留めるという荒技で接合していたのです。

IMG_5491

見た目は極端に悪いですが、これを持ち歩いてみるとすこぶる調子が良い。で、しばらく持ち歩いていたんですが、さすがに妻が見かねたのか「私が縫ってあげる」と手を挙げてくれました。そうです、プロトタイプではなく現行のバージョンは、妻の手縫いなのです。つまり、この記事は文具DIY自慢のように見せかけたのろけなんですね。いやはや恐ろしい。

さいごに

ちなみに、使っているカードは、普段愛用している5×3ではなく一回り大きいB7サイズです。

ゴムバンドの分、記入できる面積が小さくなってしまうので、それを見越して一回り大きいサイズを採用した__というのではなく、間違って買ってしまったB7サイズを5×3だと思い込みながらプロトタイプを作ってしまった、というのが本当のところなのですが、怪我の功名というか一回り大きいサイズにしたことにより、使用感は良くなりました。5×3で同じものを作っていたら、少々手狭に感じたことでしょう。

今回はこのツールを、大特価で皆さんにお届けしたいところですが、残念ながら家内制手工業なので大量生産は望むべくもありません。材料自体はすぐに揃えられるので、ご興味を持った方はぜひDIYしてください。

あるいは、こういうのもあるようです。

5×3情報カードを手軽に携帯&ジョッターのように使うための製品.TOTONOE 『Carry Board』(tadachi-net 出張所)

では、楽しい情報カードライフをお送りください。

Send to Kindle

リヒトラブのスタイリッシュな情報カードケース

小物ネタ。

情報カードは小回りがきいて便利なツールなんですが、一つ問題がありました。

「収納する箱に、あまり良いものがない」

収納するといっても、メインバンクのように大量のカードを保管しておくものと、当面の作業で使うためにカバンの中に忍び込ませるものがあります。

前者ならば、その辺の段ボールを改造してもよいわけですが、後者は少し見た目にこだわりたいところ。

で、この前文房具屋をふらふら歩いていたら、この商品にウィンクされてしまったわけです。

20140628084346

スペック

メーカーサイトは以下。

AQUA DROPs 情報カードケース(製品情報)

新製品情報 情報カードをコンパクトに収納できる!情報カードケース 新発売(新製品情報)

サイズは5×3用。価格は350円(税別)。カラーリングは、透明、赤、黄色、緑、青の5色があるようです。私が買ったのは、(言うまでもなく)青でした。

縦にするとこんな感じ。

20140628084353

識別の用のラベルがあります。

このカードケースに、100枚ほどの情報カード(157g/m2)が収納可能。

20140628084415

普段使いならば、十分な量でしょう。

おまけ

で、この商品の話とはまったく関係なくなるんですが、リヒトラブさんといえば、ツイストリングノートですね。

その連想から、一つアイデアが閃きます。

ツイストリングノート + 情報カード = ?

なかなか面白そうではありませんか。まあ、情報カードの需要自体がどのぐらいあるのかはわからないのですが……。

Send to Kindle

「プライムインデックスカード」を使ってみて、つらつら考えたこと

書店の文具コーナーをフラフラと散策していたら、珍しいものを発見しました。

「Index Card」__いわゆる情報カードですね。

文具店で見かけるのは定番の品揃えばかりなので、新しいアイテムは新鮮です。もちろん購入しました。

20140220160452

「UNITED BEES」から発売されている「プライムインデックスカード」。Primeというネーミングから想像されるように、高級路線のインデックスカードです。

私が購入したL判横罫は25枚入りで168円(税込み)。少しお高いですね。

バリエーションは以下のサイトから確認できます。

プライムインデックスカード(UNITED BEES)

用紙は横罫、タテ型横罫、方眼の三種類で、それぞれ「コンパクトA5」「コンパクトA6」「L判」「名刺サイズ」のサイズがあります。A5サイズなんて、もはやカードとして扱うには戸惑いすら感じるサイズですが、京大式カードもB6なので問題ありません。ノートしてカードを使うには、ある程度のサイズ感が必要です。

私は珍しいL判をセレクトしました。コレクトではありません。セレクトです。5×3よりは少しだけ大きいですね(※)。
※[5×3]125×75㎜,[L判]127×89mm

20140220160530

普段はこの手の商品は方眼を買うのですが、あらかじめ用途を決めていたので今回は横罫を購入。

ペンを走らせてみると、確かに納得感はあります。値段相当の書き心地は間違いなくあるでしょう。が、インデックスカードにそれが必要なのかはちょっとわかりません。そこは好みです。

インデックスカードの用途

別段、忙しくはないのですが、最近頭がうまく働いていないことがありました。

おそらく「自作の電子書籍」がプロジェクトに混入したからでしょう。企画会議というフィルターが存在しないので、手持ちのネタが即座に本になり得ます。あれも、これも実行可能なプロジェクトになるのです。こういう環境はいままでありませんでした。

状況が変われば、タスク管理の手法も変更を迫られます。しかし、それがうまく確立されていない状況だったのです。

そこで一度仕切り直すために、カードにプロジェクトを書き出してみようと思いました。私は、こういう場合アナログツールを使うのを好みます。リーガルパッドにつらつらと書き出したり、カードに書き連ねていったり。そうすることで、何かがわかるのです。別に天啓が降ってくるわけではなく、何かしらの実感が得られるということです。

「触れる」

という言葉があります。前触れ、さわり、感触だけだけ確かめる。これらの表現から窺えるのは、「タンジブルな感覚は、私たちの実感のフロントライン」ということです。

話が逸れました。

ともかく、頭の中にあるプロジェクトを1プロジェクト1カード方式で書き出していきました。ペンを動かすのは、面倒といえば面倒です。が、頭の中がもやもやしている状態が維持されているよりはマシでしょう。全部で24枚のカードに書き出してみると、ずいぶんスッキリした感覚が得られました。

カード式プロジェクト管理

カードに書き出しておくと、たとえば、作業を始める前にカードを取り出し、パソコンの横にでも置いておくことで、いつでも必要なタスクが確認できます。

20140222101557

終了したタスクは赤ペンで消しておくか、チェックマークをつければよいでしょう。

全て終わればカードを処理することで、自分に対して「このプロジェクトが終わったこと」を明示できます。達成感と言い換えてもよいでしょう。あるいは物理的実体の操作を通した心象操作と言い換えることもできます。デジタルのタスク管理ツールも、そういうビジュアル上の表現をもう少し強化したらいいのに、と思わないではありません。制作者に真面目な人が多いのでしょうか。

ノートと違ってカードであれば、広げて全体像を確認することもできます。プロジェクトをくるようにレビューすることもできますし、順番の入れ換えも簡単です。

20140222101702

が、問題がないわけではありません。

一番の問題は数が増えたときのことです。デジタルと違って検索がきかないので、目標とするプロジェクトを見つけるのにものすごい時間がかかります。ルーチンのような再利用もできませんし、またカードの保管場所という問題も持ち上がります。

私は、右端に「何もすることがない」を、左端に「寝る暇がない」を置くと、やや右側に位置する場所で仕事をしているので、カード方式でも問題なく対応できます。なにせ24枚のカードで納まったのですから。が、これが100を越えるようなビジーパーソンなら、さすがにカードは無理でしょう。そこには最適な別の何かがあるはずです。

制約と自由

カードには制約があります。そしてカードには制約がありません。

カードの制約は、そのサイズです。物理的なサイズが決まっているので書き込める量には上限があります。

逆に、「何をどう書くか」はまったく決まっていません。文字だけでなくイラストや図形を書き込むこともできます。横罫ですら、入力形式は書く人の裁量が多分に含まれています。

私が作成した1枚のカードをご覧ください。

20140222105746

「21世紀の知的生産の技術」というプロジェクトの下に、二つのチェックボックスが書き込まれています。

一つは「骨子作り」。これはタスクです。もう一つは「→大学生向けの知的生産の技術」。これは何でしょうか。

私が→で表現したのは、「関連する」という関係性です。「大学生向けの知的生産の技術」は動詞が含まれていません。だからタスクではない。形式で言えば、これは別のプロジェクトになるでしょう。

つまり、

「21世紀の知的生産の技術」
「大学生向けの知的生産の技術」

という二種類のプロジェクトがあり、その下にそれぞれのタスクを設定する。というのが、タスク管理的なやり方です。

しかし。

私の頭の中はそうはなっていません。上記のインデックスカードのような状態が私の頭の中です。タスク管理的な表現を使えば、プロジェクトとサブプロジェクトとなるでしょうか。

もし、自分が使っているデジタルツールに「プロジェクト」と「サブプロジェクト」という概念が無ければ、私の頭の中はストレートには表現できないことになります。もちろん、別の機能を使って置き換えることはできるでしょう。が、そのためには私自身が、私の頭の中がどうなっているのかを一度確認する必要があります。

こうしてカードに書き出してみるまで、私はこの二つのプロジェクトの関係性を理解していませんでした。書いてみて、「あぁ、この二つはそういう関係にあるのか」と納得したのです。この理解の有無は、結構大きいのではないでしょうか。

一度、「頭の中の関係」と「ツール上の関係」を対応させてしまえば、次からはほぼストレートに表現できるようになるでしょう。新しい言語を手に入れたのと同じです。が、その前段階では、ツールの言語に縛られてしまう可能性があります。

さいごに

どれだけとりとめないことを書けるか選手権にチャレンジしているわけではありませんが、とりとめないエントリーになりました。

情報カードは、非常に扱いやすいのです。ただし限界もあります。

ようは、情報カードを使っているときに感じている「扱いやすさ」「心地よさ」を、いかにデジタルツールでのそれに置き換えられるか。そういうことを考え込んでしまったのです。

とにかく、「自分の考えていること」は、自分でもうまく把握できていないものです。それは、何かしらの表現を通して見いだされるものなのでしょう。

Send to Kindle

WordPress Themes