Posts tagged: Evernote

Evernoteと大学ノート

私はEvernoteを使っています。
私は大学ノートを使っています。

統一したらいいのに。

でも、できません。

なぜ。

ノートの中の記録

大学ノート(以下ノート)は、書き込むときにページを開きます。

最新のページに辿り着くまでに、過去の記録の存在が知覚されます。内容が目に入ることすらあるかもしれません。あるいは、新規ページに書き込んでいるときに、パラパラと前のページを読み返すこともできます。

連続性の中に、記録が置かれているのです。

Evernoteの中の記録

Evernoteだって、連続性を持っています。タイムスタンプがあり、過去全ての情報にアクセス可能です。

とは言え、ノートにつらつらと記録を書きつけるのと同じような感覚がEvernoteにあるのかというと、やっぱりそれはありません。

なぜか。

inboxです。

inboxは、基本的に常時Zeroであることが推奨されます。でもって、新しく作成されたノートはこのinboxに入ります。このやり方をしている限り、新規作成されるEvernoteのnote(以下note)は、断片的に浮遊した存在となります。別の記録と切り離されているのです。

解決策としてのビュースタイル

もちろん、これは使い方の問題です。

私は気がつきました。inboxをホームにしなければいいんだ。では、どこにする。「すべてのnote」だ。Mac版のEvernoteには、特定のノートブックを表示させることもできますし、ノートブックの区切りなくすべてのnoteを表示させることもできます。

でもって、この「すべてのnote」をデフォルトで使うようにしておくと、ノートを使うときと同じような感覚が得られることがわかりました。

inbox zero体制で新規noteを作れば、そのノートは一人ぼっちの状態に置かれます。しかし、「すべてのnote」状態で新規noteを作れば、それはnoteのタイムラインに位置することになります。過去の記録と今の記録がひと連なりになるのです。

でもって、この使い方は、すべてを一つのアウトラインにまとめるWorkFlowyを触っている感覚と近くなります。実際は違いが多くありますが、「すべてがここにある」という感覚は強まるのです。

集まりすぎる情報

ただ、問題は一つあって、どう考えてもそれは使いにくい、ということです。だって、noteを分類する役割こそがノートブックの存在意義ですからね。「すべてのnote」はその役割をはぎ取ります。

特に私は、多くのものをEvernoteに入れてしまっているので、「すべてのnote」ビューはかなり雑多なものとなります。幕の内弁当とハッピーセットとラーメンライスを合わせたくらいの雑多さです。そのままの状態では使いづらいことこの上ありません。

とはいえ、「すべてのnote」ビューを使いやすくするために保存する記録を減らす、というのは本末転倒間が漂ってくるので避けたいところです。

さいごに

という問題を解消するために出てきたのが、flowboxでした。「すべてのnote」から醸し出される要素をinboxに寄せたのです。

しかし、これを書いていて思ったのですが、inboxはinboxのままにして、なんとかして「すべてのnote」ビューでやっていく、というのも一つの手かもしれません。

noteの数(あるいは増加数)が少ない場合は、試してみる価値はありそうです。

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Evernoteのinboxをflowboxに その5

Evernoteのinboxをflowboxに その4

概要

  • 基本はinbox
  • しかしzeroにはしない
  • かといって入れすぎたりもしない
  • でもって戻すことも

flowboxとは

flowboxはinboxの拡張的概念です。基本は同じ。すべての情報の受け皿となる場所で、そこから振り分けて、適切な場所に情報を移動させます。

ただし、その運用においてはinbox zeroを目指しません。情報が残っていても気にしないのです。むしろ、常に一定量の情報がそこに存在していることを推奨すらします。

ただし、その数が膨大になることは固く戒めます。上限はせいぜい30。それを超えるようであれば、強制力を持ってノートを移動させます。押し出しファイリングと同じです。

flowboxが抱える情報

では、このfowboxに置いておく情報とはどのようなものでしょうか。いくか種類があるのですが、その前にこのflowbox(旧inbox)が私にとってどんな存在であるのかを考えてみます。

まずEvernoteはMac上で常に開きっぱなしです。flowboxは最低でも一日に一回処理しますが、それとは別にflowboxは私にとってのEvernoteのホームでもあります。Evernoteを開いたらまず、flowboxを確認する。どこかのノートブックを参照し終えたら、一旦flowboxに返ってくる。そのような使い方です。サイドバーのショートカットの一番最初に登録してあるので、どこにいても、command + 1のワンアクションでflowboxに帰ってこられます。これがホームということです。

つまり、このflowboxは「私が常に目にする場所」だといってよいでしょう。逆に言えば、このflowboxには「私が常に気を止めておきたい情報」を置く場所として使う、ということでもあります。

ホットなアイデア

何かしら思いついて、メモを書き留めたとき、「あっ、これはちょっと掘り下げたい」と感じることがあります。もうちょっと何か書きたせる気持ちが湧いてくるのです。しかしそれを「アイデアノート」に移動させてしまうと、その他のアイデアと混ざり合い埋没してしまいます。そのとき感じたホットさが失われてしまうのです。

だから、flowboxに置いておくのです。そこに置いておけば、私は常にそれを目にし、機会があれば何かを書き込むことでしょう。しばらく置いて、何も変化がなければ、さっさと「アイデアノート」に移動して構いません。

この一時的な「滞留」を作るのが、flowboxの役割です。

情報の仮留め

あるいは、「一時的にしか参照しないが、直近ではよく参照されるし、わざわざプロジェクトノートを作るまでもない」情報というのがあります。たおえば「ガイノオト 進化素材」なんてノートがそれです(詳細は割愛します)。Googleカレンダーから飛んできた、「確定申告開始」のリマインダーも同様です。

こちらはホットなアイデアを温めていくのではなく、短期限定で参照したいもの、あるいは自分の肝に銘じたいもの(「これをゆめゆめ忘れるではない」)を保存しておく使い方です。パソコンのディスプレイに付箋を貼るようなものだと想像していただければよいでしょう。

熟成

単にホットなだけでなく、「これは時間をかけて、一行一行要素を追加していきたい」と思う企画案があるかもしれません。それもまた、このflowboxに保存しておきます。

このノートは活発に動くことはありませんが、自分が抱えているテーマの覚え書きのような働きをしてくれます。情報が過去に追いやられる状況になれすぎていると、新しいものばかりに視点が向かい、ゆっくりじっくり進めていくものが忘却されがちです。flowboxにそれを留めておくことで、状況の改善が少しは見込めるかもしれません。

さいごに

という使い方をするのがflowboxの運用法です。理屈は難しくありませんが、何をflowboxに置いておくのかの判断は簡単ではありません。一歩間違うと__大量のファイルに埋もれているデスクトップと同様に__何もかもをここに置いておきたくなるからです。

逆に言えば、ここに置いておく・置いておかないの判断を通して、アイデアのジャッジメントを行っていると言えるかもしれません。

一点付け加えるなら、このflowboxには、別の場所に移動したノートが「戻ってくる」こともあります。「ちょっとこれ、温めなおしてみようか」ということもできるのです。この動きもまた、flowboxをflowboxと呼ぶ由縁でもあります。

(おわり)

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Evernoteのinboxをflowboxに その4

前回:Evernoteのinboxをflowboxに その3

概要

  • 私がEvernoteに保存しているもの
  • それぞれの性質について
  • 厄介なアイデアメモ

Evernote内情報環境

すでに6万5000を超えている私のノートですが、その中身は多様です。仕事に使うものに限っても、アイデアメモ、書き終えた原稿、Webスクラップ、読書メモ、テンプレート、チェックリストなどがあります。

それらの情報は、いくつかの切り口を持ちますが、ポイントは使用頻度と使うタイミングです。今動いているプロジェクトで使う、将来のプロジェクトで使いそう、今のところ何の関連づけも行われていない、プロジェクトを問わず使用する、といった違いによって、使う頻度もタイミングも変わってきます。整理もそれに合わせて行うのがよいでしょう。

で、問題はアイデアメモです。

以前以下の記事を書きました。

Inspiration-State あるいは情報カードに書けること

さわりだけ〜完成品まで、着想にもさまざまな状態があります。完成品には(少なくとも素材としては)もはや手を加える必要はありませんが、さわりの状態のものには追加の知的作用が必要でしょう。

その必要性は、『アウトライン・プロセッシング入門』や『アウトライナー実践入門』からもふつふつと感じていました。すべてのアイデアメモを一つのアウトラインに入れ、定期的に読み返したり、手を入れたりして、素片を育てていく。これは完成品のアイデアメモには必要ないかもしれませんが、さわり状態のものには必須です。

再びinbox

inboxの話に戻ります。

inbox zeroは、入ってきたすべての情報に対して「処理」を行い、しかるべき場所へと移動させます。これはタスクに対しては合理的な判断でした。すでにプロジェクトに関連づけられているアイデアですらそうでしょう。では、アイデアの「さわり」はどうでしょうか。その「さわり」は処理できるのでしょうか。

本来それは時間をかけて育むべきものです。しかし、inboxの中で「処理」されてしまうと、どことなく終わった感じがするものです。言い換えれば、「意識的に見返さない限り、見返さない」状態になります。

もちろんそれはそれでよいのです。私が思いつくピンからキリのアイデアは膨大であり、そのすべてを見返している暇はありません。意識的に見返せる分だけを限定して見返す、というやり方は十分機能します。が、それだけで本当によいのか、という疑問も消えません。

アウトライナーを触るように、「それを触るときは、アイデアのさわりにも触る」という状況を作れば、何かが変わるかもしれません。特に、一日二日ではなく、数ヶ月かけて育んでいくようなアイデアについては。

(つづく)

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Evernoteのinboxをflowboxに その3

前回:Evernoteのinboxをflowboxに その2

概要

  • 情報の性質に合わせた管理
  • 「押し出しファイリング」から学ぶ
  • 自分にそれを適用する

情報の性質と整理手法

タスク管理から情報管理に視点を上げると、「情報にもいろいろあるよな」という発見につながります。情報にも種類があり、それぞれ性質は異なります。もし、適切な管理法なるものがあるとすれば、それぞれの性質に合わせた管理手法が含まれるものとなるでしょう。情報整理の道具箱です。

ここで参考にしたいのが、野口悠紀雄氏の「押し出しファイリング」です。詳細は割愛しますが、「更新日順」にファイルを整理していくやり方で、アクティブな作業情報を管理するのに適しています。

で、面白いのが「神様」ファイルの存在です。「神様」ファイルは、名前の通り特別なファイル存在で、野口氏は「論文のコピー、名簿、使用説明書、保証書」などがこのファイルになる可能性が高いと述べられています。使うには使うだろうけれども、頻繁に使うわけではない(≒アクティブではない)情報、ということです。こうしたものは通常使うのとは色を分けた封筒を用いるなどして、すぐにそれとわかるようにしておくと検索効率がアップすることが示唆されていますが、注目したいのはこの点です

。おそらくこの「神様」ファイルは、あまり使用されずに右側に押し込まれていっても、通常のファイルと同様に「押し出される」(≒捨てられる)ことはないでしょう。つまり、情報整理に二つの軸があるのです。

一つは「更新日順」に並び替えられ、使用率の低いものは端に押し出されて、やがては捨てられるフローを持つもの。もう一つは、使用率には注目せず、むしろ重要度に注目して、一つの場所にとどまり続けるもの。この二つです。

物事には周期があります。一日に一回、三ヶ月に一回、数年に一回。アクティブな仕事の情報は使用する周期が非常に短く、完了後は徐々に長くなっていきます。それにあわせて情報環境を整理するのは合理的でしょう。しかし、その物差しでもともと数年に一回しか使わない情報を処理してしまえば、即座に捨てられてしまいます。情報の性質が違うのに、一つの手法で処理しようとすると、どうしても無理がやってくるのです。

となると、私は次のことを考えなければいけません。私がEvernoteに保存している情報にはどんな種類があり、それぞれの性質はどのようなものなのか。

(つづく)

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Evernoteのinboxをflowboxに その2

前回:Evernoteのinboxをflowboxに その1

概要

  • タスク管理は情報整理に内包される
  • Evernoteでは情報整理を行っている
  • Evernoteの管理はタスク管理手法だけでは足りない可能性

タスク管理と情報整理

概念の関係を整理してみましょう。

まず、一番大きな枠組みとして、「情報整理」があります。情報というものを整理する行為です。

その情報には、いくつかの種類があるでしょう。たとえばその一つがタスクです。そのタスクを整理する行為が、タスク管理と言えます。言い換えれば、タスク管理とは情報整理の一分野なのです。

情報には、他にもアイデアと呼ばれるものがあります。それを管理することもまた情報整理です。それがアイデア整理術などと呼ばれるものです。これもまた、情報整理の一分野に位置づけられます。

Evernoteは情報整理

ほんとうにすべてとは言えませんが、私はEvernoteにさまざまなものを保存しています。ライフログ、タスク、アイデア、原稿、取扱説明書……。よって、私がEvernoteで行っていることは、総合的な意味での情報整理です。

当然その中にはタスクも含まれているのですから、タスク管理の技法が役立つ部分はあるでしょう。実際に役にも立っています。ただし、それは全体の中の一部に過ぎません。つまり、タスクに関与する部分だけ、ということです。

Evernoteで行っている情報整理のうち、タスク以外の部分については、タスク管理以外の技法が必要なのではないか。つまり、inbox zero という手法だけでは足りないのではないか。

それが少し前から私が持ち始めた疑問であり、flowboxという概念が生まれた理由でもあります。

(つづく)

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Evernoteのinboxをflowboxに その1

概要

  • inboxは受信箱。情報の最初の着地点
  • inbox zeroは、受信箱に情報を溜めておかないようにするメソッド
  • inbox zeroは、タスク管理における手法
  • Evernoteにもinboxはある
  • Evernoteは、タスク管理ツールだろうか?
  • Evernoteのinboxにinbox zeroを適用すべきだろうか

デフォルトノートブックとinbox

Evernoteには、「デフォルトノートブック」というものがあります。全ノートブック中たった一つだけ指定できるノートブックで、何も指定がない状態でノートが作成されると必ずそのノートブックにノートが到着することになります。Gmailなどのメールソフトにおける「受信箱」(inbox)の位置づけです。

一般的にEvernoteの運用では、まずこのデフォルトノートブックに情報を着地させ、その後処理を行った上で、適切なノートブックに振り分ける、という手法がとられます。私も十年近くEvernoteを使っていますが、まさにこのやり方で運用しています。役割が似ているので、このノートブックに「inbox」と名前をつける方も多いようです。

さて、このデフォルトノートブックの処理法ですが、inboxという名前がついていることから、inbox zeroの手法が用いられることが多いようです。概要は省略しますが、inboxをメールの置き場所にしないという指針を持つ運用法で、入ってきたメールに対して必ず何かしらの処理を行い(あるいは判断をくだし)、メールを片付け、その数をゼロにするという具体的な営みが繰り返されます。

これはまったく合理的な手法です。リストのコンテキストが混乱するのを避けられますし、どうせ避けられない「判断をくだす」という作業が促されるのも魅力的です。世の中には「あとでいいか」と思えるものもたくさんありますが、たいていそれは処理が面倒な案件に対して起こりがちな気持ちで、つまりは体の良い先送りでしかありません。そのときずばっと判断を下した方が、実は精神的にもよかったります。

で、問題はそのinbox zeroという手法がEvernoteのデフォルトノートブックの処理にも適用できるのか、という点です。

(その2につづく)

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「Milanote」は、Evernoteに世代交代をもたらすのか

Evernoteがアイデア保存場所の最強ツールであることは異論を待ちません。

しかし、それだけでいいのか、という疑問(ないしは不満)もあります。Lifehacking.jpさんでもそのことについて言及されていました。

発想を保存するプラットフォームにならなければEvernoteに未来はない | Lifehacking.jp

ところが、単なる情報の集積所というだけでは、そろそろ有用性に限界が生じてきているというのが、以前から危惧していたEvernoteのアキレスの踵です。

集めた情報を有用に使えなくてはいけないのです。それは、機能の高いエディタを実装するといったことではなくて、情報を扱えるようにしなければいけないのです。

たしかにそうかもしれません。

この「なんでもEvernoteに集めちゃうよ」運動を推進中の私ですら、ある種の作業にはWorkFlowyや紙のカードを持ち出します。つまり、そこには欠落した何かがあるということです。

それを埋めようというのが、「Milanote」の野望です。

Milanote: The notes app for creative work.

screenshot

今回からしばらくこの「Milanote」について書いていきますが、まずはこのツールの志向を(ないしは思想を)チェックしてみましょう。

Evernoteにできないこと

「Milanote」のCEOは、Mediumで挑発的な記事を書いています。

Why using Evernote is making you less creative

要約すればこうでしょう。

  • Evernoteには、さまざまな「情報」が一カ所に集まっている
  • 撮影した写真であったり、気になった記事であったり、思いついたアイデアであったり
  • それらは大きな構造物を作る部品(パーツ)のようなものだ
  • そのさまざまなパーツがEverntoeという大きな箱に収まっている
  • Evernoteはそのパーツを検索で見つけ出せる
  • たとえば、「思いついたアイデア」だけを一覧する、というように
  • しかしそれはレゴブロックで「赤い部品だけを見つけ出す」のと変わりない
  • 何かを作る出すためには、さまざまな部品を一つの構造に向けて集合させなければいけない
  • 言い換えれば、部品同士にコネクションを形成させなければいけない
  • そんなことEvernoteにできる? ねえ、できる?

走者一掃の満塁ホームラン並に、ただただ唖然とするくらい見事な理屈です。でもって、実体験としてもその通りなのです。現在のEvernoteは、極めて優れた保存場所ではあるものの、それ以上のことを行う作業場所ではありません。もちろん作業を行うことは可能ですが、快適にそれが行えるとはとても言えません。

言っておきますが、だからといってEvernoteの価値が欠損されることは皆無です。これほど優れた記録ツール、保存ツールは他にはありません。ただ、現在のEvernoteには、それ以上のことができない(あるいは極めてやりにくい)という状況があるのです。

情報を保存し、後から参照することはできる。
でも、集めた情報から新しいクリエイティブを起こすことは厳しい。

だからこそ、多くのユーザーがEvernote+その他のツール、という形でクリエイティブを進めているのでしょう。私だってその一人です。

チラっとMilanote

では、その「Milanote」では何ができるのでしょうか。

screenshot

細かい機能については後の記事で改めて紹介しますが、画面はこのように構成されています。勘の良い方ならば、私が以前作った「Barrett Idea」を思い出されるかもしれません。

screenshot

「Barrett Idea」はWebブラウザを付箋ツールとして使うものでした。短いテキストを入力してそれを貼り付け、ドラッグで移動させて、アイデアを整理する。そういう使い方です。このツールは非常に便利なのですが、素人仕事なので、機能はまったく足りていません。テキストしか貼り付けられませんし、保存も書き出しもできませんし、階層も一つだけです。

「Milanote」は、それらすべてができます。つまり、テキスト・URL・画像の貼り付けが可能で、保存・書き出しにも対応しており、なんと階層も潜っていけるのです。加えて、簡易なリッチテキストも扱えます。つまりチェックボックスなどもあるのです。

screenshot

「Milanote」はアイデアを展開し、位置づけ、関連づけ、階層化できます。それこそまさにEvernoteにはできなかったことです。初期のトップボードには「○○’s workspace」の名前が与えられますが、その名は伊達ではありません。たしかにこのツールは作業場所として機能します。

部品をコレクトするだけではなく、それらをコネクトするための思想が織り込まれているのです。

とは言え

「Milanote」がクリエイティブ作業向きツールであることは同意するにしても、じゃあEvernoteなんて捨てちまえと言ってしまうのは早計でしょう。もともとツールの方向性が異なるのです。

Evernoteは、縦を重視します。時間的蓄積に重きを置き、そこに地層を築いていきます。それによりもたらされる豊かさは、人類が手にしたGoogleと相似ではあるでしょう。どちらかと言えば、脳の長期記憶補佐にフィットしたツールです。

Milanoteは、横を重視します。空間的展開に重きを置き、そこにアイデアを広げていきます。それによりもたらされる広さは、せせこましく混乱しがちな私たちの思考を受け止め、整理するための余白をもたらしてくれるでしょう。どちらかと言えば、脳の短期記憶補佐にフィットしたツールです。

このように考えると、二つのツールは連携するのが望ましいことになります。あるいは競争が働いて、それぞれの良さを内側に取り込むような動きが出てくればいいのかもしれません。

「Milanote」は、Evernoteに世代交代をもたらすのか?

答えはおそらくNoでしょう。なにせ別の志向のツールです。ただ、「Milanote」は細かい点にいろいろ気が利いているので、新しいツールの選択肢として今後存在感を示していくことはありそうです。

というわけで、ざっと紹介してみたので、次回は機能のお話をお送りします。

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新年に向けて、一年のノートを入れ替えました #Evernote

日々のタスク管理のために、デイリータスクリストをEvernote上で作っています。

一日一枚使うので、合計365枚。それを「now-week」というノートブックにまとめています。ついでに月刊カレンダーも12枚あるので、400枚近いノートがそのノートブックに存在します。

年の瀬ということで、そのノートを入れ替えました。

12月30日と31日分だけは除いて、すべてのデイリータスクリストノートを、ごそっと「worklog」ノートブックに移動させ、ついでに1月〜12月の月刊カレンダーノートも移動させておきます。ずいぶんボリュームのあった「now-week」は、すっかり寂しくなりました。

そして、次の年が始まるのです。

移行作業

まず、Evernoteの公式から提供されている2017 月間カレンダーを12枚に分割します。

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続いて、自作のAppleScriptで、各日付をタイトルにした一年分のノートを作成し、そのノートに前後の日付のノートリンクを設置します。もちろん、それもスクリプトのお仕事です。

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スクリプトは、おまけとして、「一年分のデイリータスクリスト」へのノートリンクが集まった年間インデックスも吐き出してくれます。2016年はこのノートをほとんど使いませんでしたが、来年はたとえば読んだ本や観た映画を記録していこうかと考えています。

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こうして新しく作成したノートを、まとめて「now-week」に移動させました。ふたたび400枚近いボリュームが戻ってきます。

このときひどく、「新しい手帳を買って、準備を整えた」感覚に酷似したものが頭を巡りました。一年を入れ替えたような気分がしたのです。事象の認識を補助する媒体の変移による、認識そのものの変移。そういった現象なのでしょう。

知らない間に、私は新しい手帳を手に入れていたのかもしれません。

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EvernoteのノートをUlyssesにインポートする

先日2.7にアップデートしたUlyssesで、Evernoteからのインポート機能が実装されました。

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ボタン一発でインポート、というほど簡単ではなく、少し手間は必要ですが、憶えておくと何かしら役立つかもしれません。簡単に紹介しておきます。

大まかな流れは以下の通り。

  • Evernoteからノートをエクスポートする
  • エクスポートしたノートをUlyssesに取り込む

これだけです。

Evernoteからノートをエクスポート

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エクスポートしたいノートを選択し、「ファイル」メニューから、「ノートをエクスポート」を選択(※)。
※コンテキストメニューにもあります。

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エクスポートの形式は2種類(enex,html)ありますが、enex形式を選択してOKボタン。

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ノートのエクスポートが完了しました。

Ulyssesにインポート

そうして書き出したノートを、そのままUlyssesにドラッグ&ドロップ。

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それだけでインポートが完了します。

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ご覧のように、ちゃんとノートのタイトルが#で装飾されていますね。この辺は若干賢いです。

複数のノートで

もし、複数のノートを移動させたい場合は、Evernoteで複数のノートを選択してからノートをエクスポートしてください。

作成されるノート・ファイルは1つですが、それをUlyssesに取り込めば、きちんと複数のノートが作成されます。

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さいごに

これで、Evernoteにメモを蓄積→Ulyssesで肉付け・構造化、という流れが(ある程度は)簡単に行えますね。

ちなみに、画像込みのノートをインポートしようとすると、Ulyssesが落ちます。理由はちょっとわかりませんが、とりあえず今のところはテキストの取り込み用と考えておけば無難でしょう。

[2016年12月23日追記]

ver2.31で、画像が添付されたノートも問題なくインポートできるようになりました。

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2016年版のEvernoteのデイリータスクリストを共有しておきます

以前の記事で、東ラ研の動画を紹介しました。

スライドでは、Evernoteでのさまざまなノートの使い方を紹介したのですが、その中に出てきたDTL(デイリータスクリスト)を共有してもらえませんか、とコメントをいただいたので、さっそく共有してみます。

実際に使っているものよりは、シンプルになっています。

※実際に使っているもの
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※共有するもの
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もし、ご興味あれば以下からどうぞ。

DTL(デイリータスクリスト)-共有テンプレート

表の背景色は、「表」→「表のプロパティ」から変更できますし、ボーダーの太さを変えたければ、ノートをHTMLでエクスポートして、適当にCSSをいじってから再度インポートすればOKです。

では、皆様も楽しいEvernoteライフを。

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