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新年に向けて、一年のノートを入れ替えました #Evernote

日々のタスク管理のために、デイリータスクリストをEvernote上で作っています。

一日一枚使うので、合計365枚。それを「now-week」というノートブックにまとめています。ついでに月刊カレンダーも12枚あるので、400枚近いノートがそのノートブックに存在します。

年の瀬ということで、そのノートを入れ替えました。

12月30日と31日分だけは除いて、すべてのデイリータスクリストノートを、ごそっと「worklog」ノートブックに移動させ、ついでに1月〜12月の月刊カレンダーノートも移動させておきます。ずいぶんボリュームのあった「now-week」は、すっかり寂しくなりました。

そして、次の年が始まるのです。

移行作業

まず、Evernoteの公式から提供されている2017 月間カレンダーを12枚に分割します。

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続いて、自作のAppleScriptで、各日付をタイトルにした一年分のノートを作成し、そのノートに前後の日付のノートリンクを設置します。もちろん、それもスクリプトのお仕事です。

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スクリプトは、おまけとして、「一年分のデイリータスクリスト」へのノートリンクが集まった年間インデックスも吐き出してくれます。2016年はこのノートをほとんど使いませんでしたが、来年はたとえば読んだ本や観た映画を記録していこうかと考えています。

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こうして新しく作成したノートを、まとめて「now-week」に移動させました。ふたたび400枚近いボリュームが戻ってきます。

このときひどく、「新しい手帳を買って、準備を整えた」感覚に酷似したものが頭を巡りました。一年を入れ替えたような気分がしたのです。事象の認識を補助する媒体の変移による、認識そのものの変移。そういった現象なのでしょう。

知らない間に、私は新しい手帳を手に入れていたのかもしれません。

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EvernoteのノートをUlyssesにインポートする

先日2.7にアップデートしたUlyssesで、Evernoteからのインポート機能が実装されました。

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ボタン一発でインポート、というほど簡単ではなく、少し手間は必要ですが、憶えておくと何かしら役立つかもしれません。簡単に紹介しておきます。

大まかな流れは以下の通り。

  • Evernoteからノートをエクスポートする
  • エクスポートしたノートをUlyssesに取り込む

これだけです。

Evernoteからノートをエクスポート

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エクスポートしたいノートを選択し、「ファイル」メニューから、「ノートをエクスポート」を選択(※)。
※コンテキストメニューにもあります。

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エクスポートの形式は2種類(enex,html)ありますが、enex形式を選択してOKボタン。

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ノートのエクスポートが完了しました。

Ulyssesにインポート

そうして書き出したノートを、そのままUlyssesにドラッグ&ドロップ。

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それだけでインポートが完了します。

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ご覧のように、ちゃんとノートのタイトルが#で装飾されていますね。この辺は若干賢いです。

複数のノートで

もし、複数のノートを移動させたい場合は、Evernoteで複数のノートを選択してからノートをエクスポートしてください。

作成されるノート・ファイルは1つですが、それをUlyssesに取り込めば、きちんと複数のノートが作成されます。

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さいごに

これで、Evernoteにメモを蓄積→Ulyssesで肉付け・構造化、という流れが(ある程度は)簡単に行えますね。

ちなみに、画像込みのノートをインポートしようとすると、Ulyssesが落ちます。理由はちょっとわかりませんが、とりあえず今のところはテキストの取り込み用と考えておけば無難でしょう。

[2016年12月23日追記]

ver2.31で、画像が添付されたノートも問題なくインポートできるようになりました。

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2016年版のEvernoteのデイリータスクリストを共有しておきます

以前の記事で、東ラ研の動画を紹介しました。

スライドでは、Evernoteでのさまざまなノートの使い方を紹介したのですが、その中に出てきたDTL(デイリータスクリスト)を共有してもらえませんか、とコメントをいただいたので、さっそく共有してみます。

実際に使っているものよりは、シンプルになっています。

※実際に使っているもの
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※共有するもの
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もし、ご興味あれば以下からどうぞ。

DTL(デイリータスクリスト)-共有テンプレート

表の背景色は、「表」→「表のプロパティ」から変更できますし、ボーダーの太さを変えたければ、ノートをHTMLでエクスポートして、適当にCSSをいじってから再度インポートすればOKです。

では、皆様も楽しいEvernoteライフを。

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リンク駆動式Evernote運用術におけるノートのネットワーク図

前回、「リンク駆動式Evernote運用術」をご紹介したが、もしかしたら、ノート同士のリンク関係が少しわかりにくかったかもしれない。

今回はそれを補足してみる。

概略図

ごちゃごちゃ細かいことは象捨して、エッセンスだけを図に記す。

evernotetech-001

ハブとなるのは「カンバンノート」だ。ここにはノートリンクが複数掲載されている。それを大きく3つに分けると、「Weekly」「Project」「メモ」となる。そして、リンク先のノートにもノートリンクがあり、それぞれ別のノートとつながっている。「Weekly」は「Daily」、「project」は「ref.」(Reference)だ。

図において、矢印がリンクの存在を示している。矢印が「行って帰って」いるのは、そのどちらにもノートリンクがある(相互ノートリンクと呼ぼう)という状態で、片方しかないのは行くだけである。では、どうやって元のノートに帰るのかというと、「戻る」のショートカットキー(command + })である。このショートカットーは、ノートリンクを多用する人間にとって非常に便利なので覚えておくといい。

さて、それぞれのルートを少し詳しくみていこう。

Weekly→Daily

カンバンノートからは、一週間の予定を簡単に書き留めたノート(Weekly)へリンクできる。そのWeeklyには一週間分の「デイリータスクリスト」(Daily)へのノートリンクが載っているので、必要な日付にすぐにジャンプ可能だ。

もちろん、Weeklyにはカンバンノートへのリンクがあるし、またそれぞれのDailyにも同じリンクがあり、そこからダイレクトにカンバンノートに帰ることができる。

また、Weeklyは前後週の、Dailyは前後日のノートリンクが貼ってある。これで縦横無尽に日付が移動できるわけだ。で、それこそがわざわざカンバンノートへのリンクを貼っている理由なのだが、これはまた後で述べることにしよう。

Project→Ref.

カンバンノートから、進行中プロジェクトの情報をまとめたノートにジャンプできる。また、それぞれのノートに付随する情報があるならば、さらにノートリンクでその情報へもアクセスできる。

ただし、こちらの構造はWeekly→Dailyのようなリンクの編み目にはなっていない。なぜか。それは「プロジェクトAの情報を閲覧しているときに、プロジェクトBの情報やその資料を参照したくなること」がほとんど無いからだ。100%無いとは言わないが、かなり稀有なことである。

しかし、Dailyは違う。昨日や一昨日の情報が欲しくなることは頻繁にある。そうすると、どうなるか。ノートリンクを踏み続けて日付を行ったり来たりしている間にカンバンボードへの距離(「戻る」ボタンを押す回数)がものすごく増えるのだ。これは困るので、それぞれのDailyにもカンバンボードへのノートリンクを付けることで、簡単にホームポジションに戻ってこれるようにしてある。

その点、プロジェクト情報は、せいぜい2階層であり、横の移動がほとんどないから、最高でも「戻る」を2回行えばホームポジションに戻ってこれる。であれば、わざわざ全プロジェクトノートやその資料にカンバンノートへのノートリンクを貼る必要はない(貼って害があるわけではない。手間の問題だ)。

メモ

これが一番シンプルである。

メモは、たとえば「R-styleネタ帳」とかそういうもので、単にカンバンノートからそこに飛び、記入が終われば戻ってくればいい。コマンド一回で済むので、カンバンノートへのノートリンクは必要ない(あっても別に構わない)。

さいごに

ご覧のように、重要なのは「その情報をどのように使うのか」である。この「使う」は、知的生産の材料として使用する、という意味ではなく、どのようなシチュエーションで参照するのか、ということで、それを文脈的__ある情報を使っているとき、他にどんなことをしているのか__に捉えなければ運用における実際性は著しく減少してしまう。

ちなみに私はこれまでこの3つをバラバラに運用していたのだが、それらを統一してリンク駆動式Evernote運用術に辿り着いたときは、ちょっと感動したものである。新しい思考のOSができたような感触があった。

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リンク駆動式Evernote運用術

前回は、フォルダ的情報管理とそれ以外の可能性について触れた。それ以外の可能性とは、wiki的、あるいはハイパーリンクベースの運用である。

今回は、それを掘り下げる。

もう一つの、新しい方法

Evernoteには、ノートブックとタグという二重の検索軸以外に、恐ろしく強力な(でも、あまり注目されていない)機能がある。それがノートリンクだ。

動作自体は難しくない。ウェブページへのリンクと同じように、他のノートへアクセスできるリンクが作成でき、それを任意のノートに貼りつけられる。これは、ノートからノートへの動線を作れることを意味するし、さらに言えば、私たちのノート利用に新しいスタイルを生み出す萌芽でもある。

しかし、残念ながら、EvernoteのMacクライアントは、ノートブックベースのUIになっており、ノートリンクベースで運用することには最適化されていない。だから、なんとか工夫が必要だ。

ここで一つ大きなことを言っておくと、Evernoteに保存するノート(情報)にはいくつか種類があって、それをたとえば「アクティブ」と「アーカイブ」(ログ)に二分するならば、検索によるアクセスは「アーカイブ」の利用に適している。

逆に、「アクティブ」なノートは、今から述べるノートリンクベースが適している。なぜなら、「アクティブ」では利用するノートが、(一定期間内で)ほぼ固定化されるからだ。

ぐだぐだ述べるのはここまでにして、実践例をお見せしよう。

最近の私のスタイル

私は通常のEvernoteウィンドウとは別に、二つのノートを独立表示させ、それをMacのSpitView機能で横に並べている。

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これまでは、右側に「デイリータスクリスト」(その日のタスクをまとめたノート)、左側に「ウィークリーノート」(その週のおおざっぱな予定とログを書き留めるノート)を置いていたのだが、ある閃きがあって、ここ最近はそれを変更している。具体的には、左側に「デイリータスクリスト」、右側に「作業用ファイル」である。

しかしこれは、暫定的というか刹那的なスナップショットでしかない。これらのノートはいくらでも切り替わる。むしろ逆になることもある。鍵を握るのはノートリンクである。

たとえば、左側の「デイリータスクリスト」は、ノートリンクで「ウィークリーノート」に表示を変えることもできる。その状態で、同時に「デイリータスクリスト」を閲覧したいのなら、右側にそれを表示させればいい。もちろん逆も可能だ。

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※左側を「ウィークリーノート」に。

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※右側を「デイリータスクリスト」に。

リンク・ハブ

鍵を握るのは、「カンバンボード」である。

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※左が「カンバンボード」。

このノートには、各種進行中のプロジェクトノート、予定ノート、連載用のネタ帳、温めているテーマ用のノートへのノートリンクがびっしり詰まっている。これが、「リンク駆動式Evernote運用術」におけるコントロールルームであり、そう言っていいのならばダッシュボードでもある。

この「カンバンボード」から、普段使うノートにはだいたいアクセスできる。また、そうした普段使うノートのいくつかには「カンバンボード」へのノートリンクも貼ってある。つまり、この「カンバンボード」は、ある種のハブである。

ここからさまざまなノートにアクセスでき、またさまざまなノートからこの「カンバンノート」に帰ってくることができる。たったそれだけのことで、左右のノートは、自由自在に変更できるのだ。

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※特に意味は無いが両方同じノートにもできる。

たとえば、左側に「デイリータスクリスト」を置いておき、右側に今作業中のプロジェクトノートを置いておく。左側で作業を確認しながら、右側で作業記録を書き付けていく。簡単だ。

あるいは、左側で情報を共有している「共有ノート」を開き、それを見ながら右側で作業リスト用のノートに必要な作業を書き付けていく、ということもできる。Evernoteの通常のクライアントは、Aのノートを参照しながら、Bのノートに記入する、というのがなかなか面倒なのだが(一度やってみるとわかる)、この方法であれば、非常にスムーズに進む。

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ともかく、このような状態にしておくと、「アクティブ」な情報を扱うときは一切Evernoteのクライアントを触らないで済む。ノートリンクを辿るか、あるいは、「戻る」コマンド(command + ])で行ったり来たりすればいいだけだ。

さいごに

この方法において、一番重要なところは、ハブとなるノート(私の場合であれば、「カンバンボード」)がいくらでも自由にデザインできる、という点である。ある意味で、UIを自分で作れるのだ。

要素の追加・削除といったことだけではない。私はテーブル(表組み)を多用しているが、箇条書きを使うこともできるだろうし、何か別の方法もあるだろう。ハブとなるノートを二つ、三つ作ることもできる。ある意味で、これはwikiのトップページのようなものだ。そこがスタート地点となり、そこからリンクを辿りながら、さまざまな情報にアクセスしていく。たいへん快である。

私がこの方法でEvernoteを使っているときは、完全に「ノートブック」という概念から解放されている。そのノートが(場所的なメタファーとして)「どこにあるのか」を気にすることはない。ただ、「どのノートとつながっているのか」を気にするだけだ。そして、それこそが、インターネット世代の情報感覚ではないだろうか(もちろんGoogleは欠かせないわけだが)。

もう一度述べるが、これはあくまで「アクティブ」な情報の利用法である。「アーカイブ」(ログ)についてはやはり検索ベースが使いやすい。そこではノートブックもまた大切な検索軸となってくれるだろう。

が、それはそれとして、私たちは新しい情報の運用法にも目を向けるべきだろう。

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フォルダ的情報管理とEvernote

Evernoteについて書きたいことが二つある。少し長くなりそうなので、わけて書くことにする。

まずは、フォルダ的な情報管理について。

情報の性質と関係ない要件

WindowsでもMacOSでも、情報は「ファイル」という単位で管理される。さらにそのファイルは「フォルダ」という単位で管理され、フォルダには別のフォルダを入れることが可能だ。つまりこれは、入れ子状であって、さらにツリー状である。

難しいことは何もない。

project/project_a/企画案.txt

このフォルダ構造(ファイル構造)は、情報を「分類」していて、なおかつファイルに「一つの場所」を与えている。イノセントに考えれば、情報管理においてそれらの要素は必要ないはずである。分類をまったく行わなかったり、一つの情報が同時に複数の場所に存在していても構わないだろう。

が、そうはなっていない。

もしかしたら、の理由

「一つの場所」は、おそらく二つの要因から発生したのだろう。

一つは物理的な要素だ。情報はメモリなりハードディスクなり書き込まれる。その0と1の羅列は、具体的な一つの場所を占めることになる。本来情報はその羅列とは直接関係ないはずである。しかし、概念を運用する上では、その制約はメタファー的に効いてくる。

もう一つは、私たちの脳の事情である。私たちの脳は、すでに「場所」を認知し、概念操作するニューロンを備えている(幼児からなのか、自我が芽生えてからなのかはわからないが)。よって、情報というつかみ所のないものを扱う場合に、「場所」という慣れた概念を適用することはなんらおかしいことではない。

とびっきりの暗記術として知られる「記憶の宮殿」も、結局「場所」という概念装置を用いて記憶(つまり情報)を管理している。全文化において普遍的に見られる傾向であるかはわからないが、すでに獲得している脳の機能の流用は珍しい話ではない。

あるいは、こういう言い方ができるかもしれない。

フォルダ管理的なものをミームとして捉える。そして、そこに自然淘汰を持ち込む。つまり、「もし、パソコンなるものが生まれたときに、それがフォルダ的な情報管理方法に準拠していなければ、ここまでパソコンが一般的になることはなかったのではないか」。

とまあ、こうなった理由はいろいろ考えられるだろうが、ともかく今のパソコンはすでに「そうなってしまっている」ことだけはたしかだ。

新しい世代と、新しいUI

しかし、これをそのまま継承していかなければいけない理由はないだろう。そもそもとして、情報は別に「一つの場所」に縛りつける必要はないし、あらかじめproject/project_a/企画案.txtに分類する必要もない。そうした行為は、システム側からの要請であって、情報からの要請ではないのだ。

それに私たちの脳も、もうすっかり慣れてしまった。何に?

インターネットとスマートフォンにだ。

今の若い世代は、「フォルダなにそれ?」な感じで、スマートフォンやタブレットを操作し、インターネットを駆け巡る。もうパーソナルなコンピューティングシステムと仲良くなるために、「既存の概念」を流用する必要はなくなりつつある。Yahoo!のディレクトリ型(電話帳的システム)からGoogleの検索型への移行は、はっきりそれを支援している。Googleが後ろでどれだけフォルダ的管理を行っているのかはわからないが、それを使う私たちにとってはたいした意味がない。

同じことはクラウドにも言える。「保存する」という概念すら消失しつつある中、情報と「一つの場所」の感覚は明らかに遠ざかっている。

そしてEvernote

そこでEvernoteである。

Evernoteは、データベースシステムである。一つひとつの情報は「ノート」という形で管理される。ノートにはタグをつけたり、付けなかったりできるので、情報をまったく分類しないこともできるし、複数に分類したりもできる。後からの変更も可能だ。

しかし、である。

Evernoteは、ノートブックを持つ。これは何か? 機能的には__ノートが持つメタ情報の一つという意味では__タグと同じなのだが、タグと違って「1つ」オンリーである。Evernoteのノートは、複数のノートブックに所属することはできないし、また、どこのノートブックに属さない、という選択もできない。

これは何か?

「場所」である。Evernoteのノートブックは、ノートの「場所」を管理するための手法であり、その意味ではフォルダ的思想に基づいている。ああ、Evernoteよ。お前もか。

と大げさに嘆いてみたところで、実際このノートブックが使いにくいわけではない。タグとは別の管理単位を作ることで、二軸による情報検索が行える。これは一つの発明と言っていいだろう。

が、それでも私は思ってしまう。もっと別の形はないのだろうか、と。Evernoteが裏側でノートブックやタグを持つのは良いとして、UIとして「ノートブック」を土台としたもの__言い換えれば、フォルダ的思想を土台としたもの__とは別の形にはなりえないのか、と。

たとえば、そう、Wikiシステムのようなハイパーリンクベースの。

さいごに

ということを考えながら、最近Evernoteの使い方(実際的な運用法)をアレンジしている。

まだ完全に固まっているわけではないが、個人的に面白い形になりつつある。それについては次回書こう。

次回:R-style » リンク駆動式Evernote運用術

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名前のないメモ 〜Re:Evernote vol.2〜

歩いていたら、ふとカードゲームのアイデアが思い浮かびました。

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アイデア管理において、困るのはこういうアイデアです。なにせ、名前がありません。

たとえば、こういうメモがあったとしましょう。

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「かーそる」(メモではカタカナになっていますが、深い意味はありません)の「読み飛ばしやすい紙面作り」についてのアイデアメモです。このメモは、名前をつけることが可能ですし、所属も明らかです。「かーそる」(仮)のプロジェクトに突っ込んでおけば問題ありません。

しかし、上のカードゲームのアイデアはそうではないのです。何せ私は、カードゲームのゲームデザイナーではないのですから。

役に立つ/役に立たない

手持ちのプロジェクトにおいて、新しいカードゲームのアイデアが役立ちそうなものはまったくありません。その意味で、このアイデアは「役に立たない」ものです。

しかし、それはそれとして、このカードゲームのアイデアを育ててカードゲームを作り、それを売り出すことは実は現実的な話ではあるのです。それが本当に面白いものであるならば、カードゲーム会社に売り込むことだって可能でしょう。その意味では、このアイデアは「役に立つ」可能性があります。ここが微妙なところです。

また、実際にカードゲームを作らなくても、自分が書く作品の中に登場させるといった使い方は可能でしょう(ハンター×ハンターみたいに)。この場合は、先ほどよりも「役立つ」可能性が高くなります。

どちらにせよ、このアイデアは役に立つかもしれませんし、立たないかもしれません。挙げ句の果てに、どう役に立つのかすらまったく目処が立たないのです。

扱いに困るアイデア

こうした「住所不定」のアイデアは、その扱いに困ることになります。「扱い」とは、「どんな場所に保存しておき、どのようにケアするのか」ということです。

それが進めている執筆プロジェクトに役立つならば、そのプロジェクトに関連づけておいて毎日でも毎週でもチェックすればいいでしょう。それが、新しい企画案になりそうであるならば、月一ぐらいでも見返せば十分です。

が、どう役に立つのかがわからないのです。結果、他のアイデアとどのように関連づけられるのかもわかりません。

こうしたものは、従来の「カード法」(『知的生産の技術』やPoIC)では、対応できないことです。どちらかと言えば、メタ・ノート的ですが、それでも力不足を感じます。

自分の嗜好にフィットした

一つの方向として、「進めているプロジェクトに関係しないのなら、無視してしまう」というやり方があるでしょう。簡単で、わかりやすいアプローチです。そして、人によってはそれが適切な場合もあるのかもしれません。

しかし、私はどちらかというと、多趣味的、器用貧乏的、ジェネラリスト的な嗜好を持ちます(著作リストをご覧ください)。その嗜好に呼応するアイデア管理も、できるだけ多くをカバーするものであって欲しいと願います。もっと言えば、アイデアというのは「何が起こるかわからない」ところが面白いのだとも感じます。自分の持っている枠を、取り壊してしまうような力がそこにはあると信じたいところです。

とは言え、一つひとつの所在不明なアイデアに対して、Evernoteのノートブックを一つひとつ当てていては、すぐに上限がやってきますし、そもそもノートブックリストが扱いづらくて仕方がありません。

だから、新しい方法が必要なわけです。

いくつかのアプローチ

その前に、私は問わなければいけません。「私は、このアイデアをどうしたいのだろうか」と。

もし、本当に作り上げたいと思っているなら、毎日このノートをチェックして、新しいアイデアを追記していくようにすればいいでしょう。とすれば、フローボックス(解説はまた別の回で書きます)に入れておくのが良さそうです。

たまにチェックして、自分がそういうアイデアを思いついていたことを思い出したいならば、incubatorに保存しておくのがよいでしょう。週次レビューや月次レビューで再会できます。

あるいは、「まあ、いいや」と思うのならば、アイデアノートブックにでも入れておき、それなりのキーワードをちりばめておいて、たまたま検索で引っかかることを期待して、蓋をする手もあります。その決断をした時点で、ほとんどお別れを告げたようなものですが、アナログと違って、万が一の検索での邂逅がありえます。それに期待するわけです。

おわりに

名前のないメモの扱い方にもいろいろありえますが、自分がそれをどう扱いたいと考えているかは結構重要なことです。

今回私はフローボックスを選択しましたが、それは私が「そうしたかったから」に過ぎません。客観的な要素はまったくなく、極めて主観的な判断です。でも、自分のアイデアを管理するのですから、それでよいでしょう。

とりあえず、カード法でもなく、ノート法でもない、もう一つのアイデア管理法が、徐々に私のEvernoteの中で育ちつつあることはたしかです。

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Re:Evernote vol.1

Evernoteの使い方を変えてみようと思い、

R-style » Evernote、Git化構想(妄想)
R-style » ブログ、Evernote、情報カード

かなりの時間が経った。

最初はちょっとした原稿管理ぐらいのつもりだったのだが、細かい部分をいじっているうちに、上の階層にまで影響が出てきた。今ではかなり大がかりな仕事になっている。そして、着地点はいまだ固まっていない。

だからそう、ちょっと考えてみよう。Evernoteの、いやEvernoteという概念の再構築だ。

認識の出発点

そもそもの私の認識は、「Evernoteは情報カードである」という地点からスタートした。正確には「Evernoteは情報カード的に使える」ということだが、話を始めるにはある程度具体的に絞り込むのがよい。そして、それはうまく機能した。

情報カードによるカード法を参照しつつ、Evernoteと「知的生産の技術」とのリンクは確立された。悪くない一歩だ。そしてそこから線を延ばし、「Evernoteは、パーソナル・ライブラリツールだ」という認識に至った。これは、「1ずつ加算していけば、いつかは10になりますよ」くらい至極もっともな帰結なのだが、もちろんそこには飛躍がある。

つまり、カード法はパーソナル・ライブラリツールの一部を為すのだが、その全体とイコールではない。この点の認識が甘かったことはたしかだ。『知的生産の技術』の著者である梅棹氏は、「すべてカードでやっている(ノートは使っていない)」と書かれていたが、しかしそれでは全貌は見えてこない。そして、パーソナル・ライブラリツールの埋められていない部分もそこにある。

だからそう、考え直す必要がある。部分の改修ではなく、むしろ階層を上がるような視点が必要だ。

認識の階層を上がる

基本的な考え方は、カード法のそれで良い。断片的に漂う着想や情報をキャッチし、それを蓄積していく。そして、それを知的生産へと役立てていく。ここは揺るぎようがない。「でも、それだけで十分なのだろうか」__必要な問いはこれだ。

Evernoteはカードである、という土台は固めた。だったら、当初は放置してきた、Evernoteはノート(ノートブック)である、を掘り下げるべきときがやってきたのではないか。なんといっても私は、長年ノートユーザーであり手帳ユーザーなのだ。その部分がEvernoteに十分落とし込めているのかというと、これは否と言わざるを得ない。あくまで私はEvernoteをカード的に使ってきたのだ。

しかし、Evernoteは、着想をストックしていく場所には留まらない。なんならそこで原稿が書けてしまう。情報カードだけでは土台無理な作業だ。そしてそれが、「Evernoteは、パーソナル・ライブラリツールだ」ということの意味合いでもある。ライブラリは、複数の部品から成り立っているのだ。

図式化してみよう。これまでの考え方はこうなる。

・Evernoteでカード法=Evernoteはパーソナル・ライブラリツール

階層を上がった考え方は、こうだ。

・Evernoteはパーソナル・ライブラリツール
 ・Evernoteでカード法
 ・Evernoteでノート法

当然のように、このように階層化すれば、「では、他の法は?」という思考も促される。そしてそれが、今後私が取り組みたいことでもある。

具体的な変化

たとえば私は、「inbox zero」という概念を最近放棄している。

もちろんinboxというノートブックはある。ただそれを「必ずゼロにしなければいけない」とは考えていないのだ。Gmailのinboxは毎日ゼロにするように努めているが、Evernoteのそれはゼロでなくてもいいと思っている。いや、ゼロでない方がいいかもしれないとすら思っている。

なぜなら、「inbox zero」の考え方は、タスク管理の文脈で成立したものだからだ。それがアイデア管理でも通じるとは限らない。たまたま同一の名前、似たような機能を持っているから、比喩的に同様のノウハウが通用すると考えてしまっていたが、そこは改めて検討する必要があるだろう。

これは見かけとしては小さい変化である。inboxノートブックがゼロになっているか、なっていないかでしかない。しかしそれは、もっと根本的なレベルにおいて、「アイデアはどのように管理されるべきなのか」という問いに接続している。その問いは、その他のノートブックの使い方をも変えてしまう。少なくとも、そういう可能性は持っている。

さいごに

と、大風呂敷を広げてみたが(得意技である)、具体的な戦略があるわけでもなく、着地点も見えていない。ただ、何やらモヤモヤしたものがあるので、考える土台を固めてみただけだ。ここから足場を組み上げ、実際に構築していかなければいけない。

とりあえず、約束された結論は「Evernoteはパーソナル・ライブラリツール」だ。これはもう刑事コロンボ的に決まっている。問題は、「パーソナル・ライブラリツールとは何なのか?」が分かっていないことだ。だからこの言説は、ほとんど何も(あるいはせいぜい20%程度しか)説明していない。

さらに難しいのは、現代の環境においてEvernoteだけでツールが完結することはあり得ない、という点だ。となると、最終的な絵は相当に大きいものになるだろう。考えただけで頭がクラクラしてくる。

でもまあ、Evernoteとノートの関係あたりから考えてみようと思う。たぶんそれは「ノート論」とも関わってくる気もするが、これもまた大風呂敷になりそうな点が厄介である。

(vol.2に続く予定)

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ブレスト用途の100マスEvernote

Evernoteのノートエディタは、ごく普通のエディタです。

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ご覧のように、上から下に記述していくリニアな流れを持っています。

でも、一工夫すれば、こんな自由配置も可能です。

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上下だけではなく、左右にも言葉を置けるのです。ブレスト的な使い方には最適ですね。

で、一工夫と言っても、別にたいしたことをしているわけではなく、ようはこういうわけです。

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この表組みの枠線を白に指定すれば、あたかも自由配置しているように見える、というだけですね。

作り方

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エディタ上部のテーブル挿入ボタンから、表のプロパティを選択し、

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行列をそれぞれ10に設定。最初は枠線の色を付けておいた方がよいかもしれません。

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完成です。

これらのセルの中身をドラッグで自由に移動できれば最高なのですが、まあ、そこまでの高望みは止めておきましょう。

これだけでも、普段とは少し違ったEvernoteの使い方ができるかもしれません。なにせ昔のHTMLはこのテーブル機能でレイアウトを作っていたわけですから。

では、皆様も楽しいEvernoteライフを。

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MacのEvernoteで、ノートの見出しマークダウンをhタグに変換するスクリプト

Evernoteのノートエディタは、リッチテキストを扱えるのですが、ワープロアプリのような見出しの設定ができません。

かといって、いちいち文字サイズを大きくして、太字に設定して、みたいなのは面倒なわけです。

そういうとき、たとえばUlyssesでマークダウン式で書き、Evernoteにエクスポートすればうまい具合に見出しが整った文章が作成できるわけですが、同じことがEvernote単独で完結すればそれはもう素晴らしいわけです。

というわけで、簡単なスクリプトを書きました。

サンプル

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このように書いた後、スクリプトを走らせると、以下のようになります。

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完璧です。

ちなみに、変換は不可逆で後戻りできませんので、その点にはご注意を。

スクリプトの中味

ちなみに、このスクリプトで変換できるのは、見出しだけです。#〜######の6段階の見出し。その他のマークダウンはまったくサポートされておりませんので、「おい、中途半端だな」と思われる方はご自分で実装してくださいませ。

苦労点

当初は、「ようするに正規表現で#のついている行を見つけて、置換すればいいんだろう」ぐらいに考えていました。ある部分まではそれで正解ですが、ややこしいのはEvernoteのノートの内部構造です。

通常のマークダウンの処理では、「行頭に#があるものを見つける」的な動きになるのでしょうが、Evernoteではそれがうまくいきません。何でだろうな、と思っていたら、そういえばEvernoteのノートの取得は、HTMLなのでした。どういうことかというと、各行がDivダグで囲われているのです。だから、行頭に#がないのです。

だったら、プレーンテキストで取得すればいいんじゃないか、となりますが、書き込みたい要素がHTML(hタグ)なので、これではうまくいきません。

なので発想を切り替えて、「Divの開きタグ+#」という検索条件にしました。今のところ、これで問題なく動いております。

さいごに

Evernoteのノートエディタで直接文章を書いている方は少ないかもしれませんが、もしバリバリ使っているなら一度試してみて下さい。わりと便利です。

  1. スクリプトエディタを立ち上げて、上記のコードをコピペ
  2. 名前を付けて保存
  3. スクリプトエディタの「環境設定」で、「メニューバーにスクリプトメニューを表示」をチェック
  4. スクリプトメニューから、スクリプト用のフォルダが表示
  5. そこに先ほどのスクリプトを保存する

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これで、メニューバーからいつでもこのスクリプトを起動できます。Evernote用のスクリプトフォルダに入れておけば、Evernoteがアクティブになっているときしか表示されないので、それはそれで便利です。

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