『いつでもどこでも書きたい人のためのScrivener for iPad&iPhone入門』にユーザインタビューでご協力させていただきました

パソコン用のScrivener入門書については以前紹介しました。

考えながら書く人のためのScrivener入門 小説・論文・レポート、長文を書きたい人へ
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今回発売されるのは、そのiOS版です。

でもって、その中にあるユーザインタビューにご協力させていただきました。ラインナップは以下。

  • ユーザインタビュー:小説家・藤井太洋氏に聞く、Scrivener for iOS & Mac版の使い方
  • ユーザインタビュー:物書き・倉下忠憲氏に聞く、Scrivener for iOS & Mac版の使い方
  • ユーザアンケート:うさぼうさんの場合
  • ユーザアンケート:早川純一さんの場合
  • ユーザアンケート:とし(Toshiaki Nakamura)さんの場合

ご存じの名前もちらほらあるかもしれません。私としては、「おぉ、藤井先生とご一緒させていただけるとは……」と三点リーダ付きで感動しております。

ちなみに本書はScrivener for iPad&iPhoneの入門書ですが、私はあまりiOS版を使っていません。メインはMac版で、その補佐としてiOS版を位置づけています。

でもまあ、ツールなんてそんなものです。「こう使わなければならない」というのはなく、自分の環境に合わせて最適なツールをセッティングしていくものです。その意味で、Scrivenerは、MacでやりたければMacで、iOS端末でやりたければそれで、という使い分けというか、多様な運用モデルを構築できるのが魅力かと思います。

ともあれ、ScrivenerのiOS版をがっつり使い込んでみよう、という方は本書が役に立つでしょう。なにせ高機能・多機能なツールなのでガイドブックは有用です。

それと、本書刊行記念のトークイベントが書泉ブックタワー(秋葉原)で行われる模様です。開催は3月13日。詳細は以下のページからどうぞ。

『いつでもどこでも書きたい人のためのScrivener for iPad & iPhone入門 記事・小説・レポート、文章を外出先で書く人へ』刊行記念トークイベント -藤井太洋先生×向井領治先生に聞く、Scrivener iOS版入門- – 書泉/東京・秋葉原

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Evernoteと大学ノート

私はEvernoteを使っています。
私は大学ノートを使っています。

統一したらいいのに。

でも、できません。

なぜ。

ノートの中の記録

大学ノート(以下ノート)は、書き込むときにページを開きます。

最新のページに辿り着くまでに、過去の記録の存在が知覚されます。内容が目に入ることすらあるかもしれません。あるいは、新規ページに書き込んでいるときに、パラパラと前のページを読み返すこともできます。

連続性の中に、記録が置かれているのです。

Evernoteの中の記録

Evernoteだって、連続性を持っています。タイムスタンプがあり、過去全ての情報にアクセス可能です。

とは言え、ノートにつらつらと記録を書きつけるのと同じような感覚がEvernoteにあるのかというと、やっぱりそれはありません。

なぜか。

inboxです。

inboxは、基本的に常時Zeroであることが推奨されます。でもって、新しく作成されたノートはこのinboxに入ります。このやり方をしている限り、新規作成されるEvernoteのnote(以下note)は、断片的に浮遊した存在となります。別の記録と切り離されているのです。

解決策としてのビュースタイル

もちろん、これは使い方の問題です。

私は気がつきました。inboxをホームにしなければいいんだ。では、どこにする。「すべてのnote」だ。Mac版のEvernoteには、特定のノートブックを表示させることもできますし、ノートブックの区切りなくすべてのnoteを表示させることもできます。

でもって、この「すべてのnote」をデフォルトで使うようにしておくと、ノートを使うときと同じような感覚が得られることがわかりました。

inbox zero体制で新規noteを作れば、そのノートは一人ぼっちの状態に置かれます。しかし、「すべてのnote」状態で新規noteを作れば、それはnoteのタイムラインに位置することになります。過去の記録と今の記録がひと連なりになるのです。

でもって、この使い方は、すべてを一つのアウトラインにまとめるWorkFlowyを触っている感覚と近くなります。実際は違いが多くありますが、「すべてがここにある」という感覚は強まるのです。

集まりすぎる情報

ただ、問題は一つあって、どう考えてもそれは使いにくい、ということです。だって、noteを分類する役割こそがノートブックの存在意義ですからね。「すべてのnote」はその役割をはぎ取ります。

特に私は、多くのものをEvernoteに入れてしまっているので、「すべてのnote」ビューはかなり雑多なものとなります。幕の内弁当とハッピーセットとラーメンライスを合わせたくらいの雑多さです。そのままの状態では使いづらいことこの上ありません。

とはいえ、「すべてのnote」ビューを使いやすくするために保存する記録を減らす、というのは本末転倒間が漂ってくるので避けたいところです。

さいごに

という問題を解消するために出てきたのが、flowboxでした。「すべてのnote」から醸し出される要素をinboxに寄せたのです。

しかし、これを書いていて思ったのですが、inboxはinboxのままにして、なんとかして「すべてのnote」ビューでやっていく、というのも一つの手かもしれません。

noteの数(あるいは増加数)が少ない場合は、試してみる価値はありそうです。

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2/13 〜 2/18 今週のまとめ

今週のまとめエントリーです。

  1. Evernoteのinboxをflowboxに その1
  2. Evernoteのinboxをflowboxに その2
  3. ほぼ半額! 『EVERNOTE「超」知的生産術』がKindleの月替わりセール対象です
  4. Evernoteのinboxをflowboxに その3
  5. Evernoteのinboxをflowboxに その4
  6. Evernoteのinboxをflowboxに その5

今週は、一週間かけて一つの対象について書いてみました。その分、一エントリーの分量を短くしたのですが、やっぱり若干書き足りない感じはありますね。また、来週からは変わると(あるいは戻ると)思います。

今日の一言

今日の一言はこちらでつぶやいております。

2月13日

楽しいことには慣れてしまう、ということは覚えておいた方がよいです。「楽しさ」を基準にしていると、だいたい続きません。

2月14日

8割原則の裏利用です。

2月15日

簡単にゆるせるのならば、それはもうはじめからゆるしているのとかわりありません。ゆるせないようなものをゆすることが「ゆるす」ということなのです。

2月16日

リアルタイム、現場、フィードバック、動的変化。本当に足りないものを把握し、それを埋めるように動くこと。

2月17日

人は必ず失敗するものです。不完全な存在なのだから仕方がありません。だから、失敗そのものよりも、その失敗にどう対処するのかが、たとえば責任感や行動力というものと結びつきます。そしてそれが信頼感を醸成するのです。

2月18日

後悔しないで生きていく上で一番簡単な方法が、内省しないで生きていくことです。多くの動物はきっと後悔を心の内側に抱えることなどないでしょう。そういうことです。

今週のその他エントリー

Honkure

WRM 2017/02/13 第331号
『ソードアート・オンライン19 ムーン・クレイドル』(川原礫)
『魔法科高校の劣等生(21)』(佐島勤)
『老人とプログラム言語』(松永肇一)
『一九八四年[新訳版] 』(ジョージ・オーウェル)

シミルボン

ポピュリズムと「トランプ現象」を位置づける | コラム | シミルボン

今週触ったメディア

明日のメルマガ告知

毎週月曜日に配信しているメルマガ。来週号の目次はこんな感じです。

○BizArts 3rd 「第五章 第六節 システムの拡大」
○でんでんコンバーターで電子書籍を作る vol.9
○艱難Think 「昔から言われていたとしても」
○今週の一冊『ルポ トランプ王国――もう一つのアメリカを行く』
○物書きエッセイ 「執筆と共にある問い」

頂いた感想など:

Weekly R-style Magazineは、毎週月曜日の朝7時に配信されているメルマガです。

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ブログに書けないテーマ、長期的な連載、日々考えていることなどをお送りしています。

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Evernoteのinboxをflowboxに その5

Evernoteのinboxをflowboxに その4

概要

  • 基本はinbox
  • しかしzeroにはしない
  • かといって入れすぎたりもしない
  • でもって戻すことも

flowboxとは

flowboxはinboxの拡張的概念です。基本は同じ。すべての情報の受け皿となる場所で、そこから振り分けて、適切な場所に情報を移動させます。

ただし、その運用においてはinbox zeroを目指しません。情報が残っていても気にしないのです。むしろ、常に一定量の情報がそこに存在していることを推奨すらします。

ただし、その数が膨大になることは固く戒めます。上限はせいぜい30。それを超えるようであれば、強制力を持ってノートを移動させます。押し出しファイリングと同じです。

flowboxが抱える情報

では、このfowboxに置いておく情報とはどのようなものでしょうか。いくか種類があるのですが、その前にこのflowbox(旧inbox)が私にとってどんな存在であるのかを考えてみます。

まずEvernoteはMac上で常に開きっぱなしです。flowboxは最低でも一日に一回処理しますが、それとは別にflowboxは私にとってのEvernoteのホームでもあります。Evernoteを開いたらまず、flowboxを確認する。どこかのノートブックを参照し終えたら、一旦flowboxに返ってくる。そのような使い方です。サイドバーのショートカットの一番最初に登録してあるので、どこにいても、command + 1のワンアクションでflowboxに帰ってこられます。これがホームということです。

つまり、このflowboxは「私が常に目にする場所」だといってよいでしょう。逆に言えば、このflowboxには「私が常に気を止めておきたい情報」を置く場所として使う、ということでもあります。

ホットなアイデア

何かしら思いついて、メモを書き留めたとき、「あっ、これはちょっと掘り下げたい」と感じることがあります。もうちょっと何か書きたせる気持ちが湧いてくるのです。しかしそれを「アイデアノート」に移動させてしまうと、その他のアイデアと混ざり合い埋没してしまいます。そのとき感じたホットさが失われてしまうのです。

だから、flowboxに置いておくのです。そこに置いておけば、私は常にそれを目にし、機会があれば何かを書き込むことでしょう。しばらく置いて、何も変化がなければ、さっさと「アイデアノート」に移動して構いません。

この一時的な「滞留」を作るのが、flowboxの役割です。

情報の仮留め

あるいは、「一時的にしか参照しないが、直近ではよく参照されるし、わざわざプロジェクトノートを作るまでもない」情報というのがあります。たおえば「ガイノオト 進化素材」なんてノートがそれです(詳細は割愛します)。Googleカレンダーから飛んできた、「確定申告開始」のリマインダーも同様です。

こちらはホットなアイデアを温めていくのではなく、短期限定で参照したいもの、あるいは自分の肝に銘じたいもの(「これをゆめゆめ忘れるではない」)を保存しておく使い方です。パソコンのディスプレイに付箋を貼るようなものだと想像していただければよいでしょう。

熟成

単にホットなだけでなく、「これは時間をかけて、一行一行要素を追加していきたい」と思う企画案があるかもしれません。それもまた、このflowboxに保存しておきます。

このノートは活発に動くことはありませんが、自分が抱えているテーマの覚え書きのような働きをしてくれます。情報が過去に追いやられる状況になれすぎていると、新しいものばかりに視点が向かい、ゆっくりじっくり進めていくものが忘却されがちです。flowboxにそれを留めておくことで、状況の改善が少しは見込めるかもしれません。

さいごに

という使い方をするのがflowboxの運用法です。理屈は難しくありませんが、何をflowboxに置いておくのかの判断は簡単ではありません。一歩間違うと__大量のファイルに埋もれているデスクトップと同様に__何もかもをここに置いておきたくなるからです。

逆に言えば、ここに置いておく・置いておかないの判断を通して、アイデアのジャッジメントを行っていると言えるかもしれません。

一点付け加えるなら、このflowboxには、別の場所に移動したノートが「戻ってくる」こともあります。「ちょっとこれ、温めなおしてみようか」ということもできるのです。この動きもまた、flowboxをflowboxと呼ぶ由縁でもあります。

(おわり)

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Evernoteのinboxをflowboxに その4

前回:Evernoteのinboxをflowboxに その3

概要

  • 私がEvernoteに保存しているもの
  • それぞれの性質について
  • 厄介なアイデアメモ

Evernote内情報環境

すでに6万5000を超えている私のノートですが、その中身は多様です。仕事に使うものに限っても、アイデアメモ、書き終えた原稿、Webスクラップ、読書メモ、テンプレート、チェックリストなどがあります。

それらの情報は、いくつかの切り口を持ちますが、ポイントは使用頻度と使うタイミングです。今動いているプロジェクトで使う、将来のプロジェクトで使いそう、今のところ何の関連づけも行われていない、プロジェクトを問わず使用する、といった違いによって、使う頻度もタイミングも変わってきます。整理もそれに合わせて行うのがよいでしょう。

で、問題はアイデアメモです。

以前以下の記事を書きました。

Inspiration-State あるいは情報カードに書けること

さわりだけ〜完成品まで、着想にもさまざまな状態があります。完成品には(少なくとも素材としては)もはや手を加える必要はありませんが、さわりの状態のものには追加の知的作用が必要でしょう。

その必要性は、『アウトライン・プロセッシング入門』や『アウトライナー実践入門』からもふつふつと感じていました。すべてのアイデアメモを一つのアウトラインに入れ、定期的に読み返したり、手を入れたりして、素片を育てていく。これは完成品のアイデアメモには必要ないかもしれませんが、さわり状態のものには必須です。

再びinbox

inboxの話に戻ります。

inbox zeroは、入ってきたすべての情報に対して「処理」を行い、しかるべき場所へと移動させます。これはタスクに対しては合理的な判断でした。すでにプロジェクトに関連づけられているアイデアですらそうでしょう。では、アイデアの「さわり」はどうでしょうか。その「さわり」は処理できるのでしょうか。

本来それは時間をかけて育むべきものです。しかし、inboxの中で「処理」されてしまうと、どことなく終わった感じがするものです。言い換えれば、「意識的に見返さない限り、見返さない」状態になります。

もちろんそれはそれでよいのです。私が思いつくピンからキリのアイデアは膨大であり、そのすべてを見返している暇はありません。意識的に見返せる分だけを限定して見返す、というやり方は十分機能します。が、それだけで本当によいのか、という疑問も消えません。

アウトライナーを触るように、「それを触るときは、アイデアのさわりにも触る」という状況を作れば、何かが変わるかもしれません。特に、一日二日ではなく、数ヶ月かけて育んでいくようなアイデアについては。

(つづく)

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Evernoteのinboxをflowboxに その3

前回:Evernoteのinboxをflowboxに その2

概要

  • 情報の性質に合わせた管理
  • 「押し出しファイリング」から学ぶ
  • 自分にそれを適用する

情報の性質と整理手法

タスク管理から情報管理に視点を上げると、「情報にもいろいろあるよな」という発見につながります。情報にも種類があり、それぞれ性質は異なります。もし、適切な管理法なるものがあるとすれば、それぞれの性質に合わせた管理手法が含まれるものとなるでしょう。情報整理の道具箱です。

ここで参考にしたいのが、野口悠紀雄氏の「押し出しファイリング」です。詳細は割愛しますが、「更新日順」にファイルを整理していくやり方で、アクティブな作業情報を管理するのに適しています。

で、面白いのが「神様」ファイルの存在です。「神様」ファイルは、名前の通り特別なファイル存在で、野口氏は「論文のコピー、名簿、使用説明書、保証書」などがこのファイルになる可能性が高いと述べられています。使うには使うだろうけれども、頻繁に使うわけではない(≒アクティブではない)情報、ということです。こうしたものは通常使うのとは色を分けた封筒を用いるなどして、すぐにそれとわかるようにしておくと検索効率がアップすることが示唆されていますが、注目したいのはこの点です

。おそらくこの「神様」ファイルは、あまり使用されずに右側に押し込まれていっても、通常のファイルと同様に「押し出される」(≒捨てられる)ことはないでしょう。つまり、情報整理に二つの軸があるのです。

一つは「更新日順」に並び替えられ、使用率の低いものは端に押し出されて、やがては捨てられるフローを持つもの。もう一つは、使用率には注目せず、むしろ重要度に注目して、一つの場所にとどまり続けるもの。この二つです。

物事には周期があります。一日に一回、三ヶ月に一回、数年に一回。アクティブな仕事の情報は使用する周期が非常に短く、完了後は徐々に長くなっていきます。それにあわせて情報環境を整理するのは合理的でしょう。しかし、その物差しでもともと数年に一回しか使わない情報を処理してしまえば、即座に捨てられてしまいます。情報の性質が違うのに、一つの手法で処理しようとすると、どうしても無理がやってくるのです。

となると、私は次のことを考えなければいけません。私がEvernoteに保存している情報にはどんな種類があり、それぞれの性質はどのようなものなのか。

(つづく)

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ほぼ半額! 『EVERNOTE「超」知的生産術』がKindleの月替わりセール対象です

最近セールをチェックしていなかったので、半月ほど気がつかなかったのですが、2月のKindleの月替わりセールに拙著が選ばれております。

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46%オフで745円引き。875円となっております。

すでに懐かしくなってしまったツールの紹介等もありますが、それでもEvernoteを中心とした知的生産活動をいかに行うのかに役立つ知見が盛り込まれておりますので、ご興味あればこの機会にぜひどうぞ。

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Evernoteのinboxをflowboxに その2

前回:Evernoteのinboxをflowboxに その1

概要

  • タスク管理は情報整理に内包される
  • Evernoteでは情報整理を行っている
  • Evernoteの管理はタスク管理手法だけでは足りない可能性

タスク管理と情報整理

概念の関係を整理してみましょう。

まず、一番大きな枠組みとして、「情報整理」があります。情報というものを整理する行為です。

その情報には、いくつかの種類があるでしょう。たとえばその一つがタスクです。そのタスクを整理する行為が、タスク管理と言えます。言い換えれば、タスク管理とは情報整理の一分野なのです。

情報には、他にもアイデアと呼ばれるものがあります。それを管理することもまた情報整理です。それがアイデア整理術などと呼ばれるものです。これもまた、情報整理の一分野に位置づけられます。

Evernoteは情報整理

ほんとうにすべてとは言えませんが、私はEvernoteにさまざまなものを保存しています。ライフログ、タスク、アイデア、原稿、取扱説明書……。よって、私がEvernoteで行っていることは、総合的な意味での情報整理です。

当然その中にはタスクも含まれているのですから、タスク管理の技法が役立つ部分はあるでしょう。実際に役にも立っています。ただし、それは全体の中の一部に過ぎません。つまり、タスクに関与する部分だけ、ということです。

Evernoteで行っている情報整理のうち、タスク以外の部分については、タスク管理以外の技法が必要なのではないか。つまり、inbox zero という手法だけでは足りないのではないか。

それが少し前から私が持ち始めた疑問であり、flowboxという概念が生まれた理由でもあります。

(つづく)

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Evernoteのinboxをflowboxに その1

概要

  • inboxは受信箱。情報の最初の着地点
  • inbox zeroは、受信箱に情報を溜めておかないようにするメソッド
  • inbox zeroは、タスク管理における手法
  • Evernoteにもinboxはある
  • Evernoteは、タスク管理ツールだろうか?
  • Evernoteのinboxにinbox zeroを適用すべきだろうか

デフォルトノートブックとinbox

Evernoteには、「デフォルトノートブック」というものがあります。全ノートブック中たった一つだけ指定できるノートブックで、何も指定がない状態でノートが作成されると必ずそのノートブックにノートが到着することになります。Gmailなどのメールソフトにおける「受信箱」(inbox)の位置づけです。

一般的にEvernoteの運用では、まずこのデフォルトノートブックに情報を着地させ、その後処理を行った上で、適切なノートブックに振り分ける、という手法がとられます。私も十年近くEvernoteを使っていますが、まさにこのやり方で運用しています。役割が似ているので、このノートブックに「inbox」と名前をつける方も多いようです。

さて、このデフォルトノートブックの処理法ですが、inboxという名前がついていることから、inbox zeroの手法が用いられることが多いようです。概要は省略しますが、inboxをメールの置き場所にしないという指針を持つ運用法で、入ってきたメールに対して必ず何かしらの処理を行い(あるいは判断をくだし)、メールを片付け、その数をゼロにするという具体的な営みが繰り返されます。

これはまったく合理的な手法です。リストのコンテキストが混乱するのを避けられますし、どうせ避けられない「判断をくだす」という作業が促されるのも魅力的です。世の中には「あとでいいか」と思えるものもたくさんありますが、たいていそれは処理が面倒な案件に対して起こりがちな気持ちで、つまりは体の良い先送りでしかありません。そのときずばっと判断を下した方が、実は精神的にもよかったります。

で、問題はそのinbox zeroという手法がEvernoteのデフォルトノートブックの処理にも適用できるのか、という点です。

(その2につづく)

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2/6 〜 2/11 今週のまとめ

今週のまとめエントリーです。

  1. 裏NovelJamも無事終了しました
  2. WorkFlowyにある等価性と絶対性
  3. KJ法によくある勘違い あるいは真なるボトムアップについて
  4. シミルボンにて「僕らの生存戦略ブックガイド」連載を始めます
  5. ため息
  6. 「自分らしさ」を巡る断章

2月に入って、雪をよく見かけるようになりました。私が住んでいるところではかなり稀な現象です。そういう日は、あまり外には出ず家で粛々と作業を進めるようにしているのですが、これが案外捗らないのが不思議なところです。

今日の一言

今日の一言はこちらでつぶやいております。

2月6日

問題点恐怖症にかかるとやっかいですね。

2月7日

むしろ実行できることをいくら知っているかが大切かもしれません。

2月8日

常に考えてください。これはどのようなフィードバックになりえるのか、と。

2月9日

隠れている=悪、とは限りません。なぜ隠れているのかについて検討することです。暴くのはそれからでも十分でしょう。

2月10日

むしろ逆なことが多いかもしれません。

2月11日

「こんなことは前にもあった」と繰り返していたら、まったく異質な状況に放り込まれてしまっていた、ということが起こりえます。

今週のその他エントリー

Honkure

WRM 2017/02/06 第330号
『クロニクル・レギオン』(丈月城)
映画『ハドソン川の奇跡』
『亜人ちゃんは語りたい(1)』(ペトス)
『賭ケグルイ(1) 』(河本ほむら, 尚村透)
ロングテールとリトル・ピープル(5)

今週触った本

86―エイティシックス― (電撃文庫)
安里 アサト, I-IV
KADOKAWA ( 2017-02-10 )
ISBN: 9784048926669

明日のメルマガ告知

毎週月曜日に配信しているメルマガ。来週号の目次はこんな感じです。

○BizArts 3rd 「第五章 第五節 新しいツールとの接続を試みる」
○でんでんコンバーターで電子書籍を作る vol.8
○「本」を巡る冒険 「出版とは祭りである」
○今週の一冊 『アイデア大全』(読書猿)
○物書きエッセイ 「プロジェクトノート」

頂いた感想など:

Weekly R-style Magazineは、毎週月曜日の朝7時に配信されているメルマガです。

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Weekly R-style Magazine ~プロトタイプ・シンキング~(まぐまぐ)

ブログに書けないテーマ、長期的な連載、日々考えていることなどをお送りしています。

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