7-本の紹介

【書評】Amazon Kindle クリエイティブ読書術(倉園佳三)

新刊発売記念ということで、新刊に関係ありそな本をいくつか紹介していきます。

ソーシャル時代のハイブリッド読書術
ソーシャル時代のハイブリッド読書術 倉下 忠憲

シーアンドアール研究所 2013-03-26
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今回は、以下の本。

できるポケット Amazon Kindle クリエイティブ読書術
できるポケット Amazon Kindle クリエイティブ読書術 倉園佳三 できるシリーズ編集部

インプレスジャパン 2013-03-01
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*献本ありがとうございます。

発売日が近く、かつテーマも近しいものがあるので、「ありゃ、かぶったか」と心配していたんですが、内容的には拙著と補完関係にある印象を受けました。

概要

タイトルにあるように、Amazonが提供するKindleでいかに読書を進めていくのかを紹介した本書。他の「できるシリーズ」と同様に、Kindleの細かい操作については、本書で隅々まで押さえることができるでしょう。

使用端末については、Paperwhiteがイチオシされており、本書内の解説もそれがメインになっています。もちろんKindle Fire HDについても必要な部分では解説されているので心配ありません。

目次は以下の通り。

第1章 Kindleでクリエイティブに読書する
第2章 Kindleを快適に使うための準備をする
第3章 本を購入してKindle端末に配信する
第4章 電子書籍を便利に快適に読むための機能をマスターする
第5章 ブックマーク、メモ、ハイライトで「読書メモ」を作る
第6章 ホーム画面を使いやすくカスタマイズする
第7章 パーソナル・ドキュメントを使いこなす
第8章 自炊した本を快適に読めるように変換する
第9章 ブログやWebサイトをKindle端末で快適に読む
第10章 Kindleのソーシャル機能を使いこなす

盛りだくさんです。Kindle周りで困っている問題は、だいたい解決できるでしょう。

拙著では、Kindleについて簡単に触れることしかできませんでしたので、より詳しい操作方法を知りたい方は参考になるかと思います。

「本」の味わい方

メインコンテンツではないものの、各章の最後に追加されているコラムが大変面白いです。

そのコラムの中で、著者は「速読」でもなく、「熟読」でもなく、「遅読」という方法を紹介しています。

本気で本に向かい合うとき、私は「寝かせながら読む」を心がけています。ある程度ページをめくったら本を閉じ、しばらくの間、本から得た言葉を自分のなかで熟成させます。また「続きを読みたい!」と感じたら、再び本を開いて次の休止ポイントまで読み進めます。これを何度もくり返すわけです。

素敵な本の読み方です。

拙著では、読書を「情報摂取」という枠組みで捉え、食べ物の比喩を何度か使いました。その延長で、この「遅読」を捉えるならば、まるでウィスキーを舐めるような読書法と言えるでしょう。

深夜、照明を落とした部屋で、ひんやりとした空気に包まれながら、ウィスキーグラスと対峙する。グラスを持ち上げ、一口だけウィスキーを飲む。冷たい熱さが喉から胃に通っていくのを感じながら、香りの余韻を鼻腔で楽しむ。一口の納得感があり、次の一口への期待が生まれる。

そんな読書です。

まさに「本を味わう」ような読み方と言えるでしょう。

もちろん、ハイブリッドの考え方を用いるならば、こうした方法も自分の読書法の中に組み込めます。

読書メモ

もう一つ面白かったのが、著者の「読書メモ」との付き合い方です。

ごく簡単にまとめてしまえば、作成した読書メモは「二度と見ない」ことの方が多かった、と赤裸々に語られています。

しかし、それが無意味であるかというと、そんなことはありません。

たとえば線を引く、あるいはノートに書き写すという作業を行えば、必然的に注意がその言葉に向きます。普通に読んだだけならば、一度しか目にしなかった情報が、読書メモを残す作業の中で、二度三度目に入ることになります。

当然、そうした方が記憶に残りやすいでしょう。

たとえば日常的にカメラを持ち歩いて風景を撮影している人は、もしかしたらその写真の大半を見返さないかもしれません。しかし、その人は歩いている時、無意識に良い風景を探しているはずです。それに、写真をとっているその瞬間は、より注意深くその風景を観察しているはずです。

つまりカメラという機器、撮影という行為が、その人の感覚をより敏感にしているわけです。言い換えれば、「今」という時間をより強く感じられるようになっているわけです。

これを無意味と評することなどできないでしょう。

それに今では、Evernoteがあります。

見返さなくてもEvernoteに取り込んでおけば、関連するノートとして、どこかずっと未来のタイミングでその情報と再会できるかもしれません。その可能性は、短期的な「効率」という指標では決して評価しえないものです。

さいごに

どれほど紙の本好きがあらがっても、プラカードを掲げても、シュプレヒコールをあげても、電子書籍のうねりが止まることはないでしょう。

電子書籍でしか発売されない本の数が増えてくれば、それを情報摂取の手段として認知せざるを得なくなってきます。

早かれ遅かれ、私たちはあたらしい「本」の形と付き合う方法を学ばなければならなくなるのでしょう。

それでも、私は紙の本との付き合いを最後まで大切にしたいと思います。が、それはそれとしてPaperwhiteを買ってみようかな、という気にもなっています。これもまたハイブリッドですね。

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