世の中に情報がいっぱいあります。
しかし、私たちの手持ちの時間は有限です。自由に使える時間となれば、極小とすら言えます。
当然、すべての情報を仕入れることはできません。どれだけ、面白そうでも、有益そうでも、刺激的でも、エロティックでも、そこには取捨選択が必要になります。
さて、何を拾い、何を捨てましょうか。
情報摂取の基準
そろそろ引退が近づいているGoogleReaderのチェックが、私の日課の一つです。毎日数百の更新情報がリーダーに並び、私はそれを上から眺めていきます。当然、それら全てを読むわけではありません。むしろ、実際に読むのは10〜15程度でしょう。
タスク進捗が切迫していれば、その数はもっと少なくなります。言い換えれば、取捨選択がより強く働くようになるわけです。
その際、一つの方針となるのが、「便利そうな情報はチェックしない」というもの。特に、その情報の発信源が知名度あるサイトならほぼスルーします。
一旦、こういう方針を決めておくと、チェックする情報がずいぶんと減ります。
で、タスク進捗が元に戻っても、その方針はある程度維持されます。すると、自分が自由に使える時間が目盛りにして1ぐらいは増えます。
これだけでも、考えごとをしたり、紙の本を読んだり、誰かと会話したりする時間が増えることになります。うん、悪くないですね。全然悪くない。
贅沢な使い方
基本的に、「便利そう」な情報は、今それが無くても困らない情報ということです。切迫している時に、わざわざその情報を__貴重な時間を使って__読みに行く必要はありませんね。でも、翻ってみると、どんな状況だって、私たちの時間が貴重であることは変わりありません。そう考えると、そういう情報を読みに行くのは、結構贅沢な時間の使い方だということに気がつきます。もちろん、それがイケナイということではありません。単に贅沢な時間の使い方だ、と述べているだけです。
基本的に、どう時間を使うのかは個人の自由です。ただ、使った時間は決して返ってこない点は留意しておいた方がよいでしょう。そうでなくても、私たちは一日一日、一秒一秒、老いているのですから。
ビバ!検索
人間の「損失回避性」は割と根強いものです。得する情報をスルーすると、何か損したような気持ちが湧いてきます。その損を避けるために、一見不合理な行動を取ってしまうことすらあり得ます。※この辺は、ダン・アリエリーの著書を。あるいは『ポイントカード』のエントリーでも。
が、我々の存在する世界線にはありがたいことにGoogle先生がいます。その情報が必要になったときに検索をかければ、瞬く間にその情報を提示してくれます。そのサイトが有名サイトであればあるほど、その情報が見つかる可能性は高いでしょう。さらに、SEOを意識しているサイトならば100%発見できるとすら言ってもいいかもしれません。
というわけで、その情報を見なくても別にそれを失うわけではありません。むしろ、私たちのポケットに入っているも同然なのです。だから、慌てて見に行く必要はありません。
さいごに
私は、時間が切迫している時ほど、無名のサイトで、「便利」でも「有益」でもない記事を優先して読みます。そういう記事は、この検索競争社会の中で、一期一会になってしまう可能性が非常に大きいのです。もちろん、その記事だって「無くても困らない情報」が載っていることは確かです。でも、15歩ぐらい引いて俯瞰してみれば、それが無くては致命的になる情報なんてそんなに無いものです。
だったら、読んでいて楽しい情報を積極的に摂取したいものです。もちろん、「便利そうな情報」を読んでいるのが楽しい方は、私とはまた違った基準が働くことでしょう。別になんだって良いのです。基準があるのか、無いのか、ということが大切ですので。
▼こんな一冊も:
予想どおりに不合理 行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」 増補版 |
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ダン アリエリー Dan Ariely 熊谷 淳子
早川書房 2010-10-22 |
不合理だからすべてがうまくいく―行動経済学で「人を動かす」 |
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ダン アリエリー Dan Ariely 櫻井 祐子
早川書房 2010-11-25 |
ソーシャル時代のハイブリッド読書術 |
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倉下 忠憲
シーアンドアール研究所 2013-03-26 |
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