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そんなに悪いことではない

Posted on 2013 年 7 月 27 日2019 年 6 月 23 日 by Rashita

以下の記事を読みました。

迷ったら、とにかく書けばいいんじゃない?(breadwin0927の日記)

「文章を書く」という行為について、心地よい考察が行われています。

記事を引きながら、私もつれづれなるままにキーボードを叩いてみましょう。

 つまり「文章を書く」という事は、いつどんな段階においても、どんな状態においても、その品質が保証される事はほとんどない、と、個人的に思うのです。

たとえば、同じテーマ、同じ素材を使っても、同じ文章が毎回紡げるわけではありません。

ちょっと思い出してみてください。必死で書いた記事が、アップロードエラーですっかり消えてしまったときのことを。「やれやれ」の大合唱をBGMに、同じテーマで文章を書き直します。そのとき出来上がった文章は、消えてしまった文章と同一でしょうか。もちろん、違います。「言いたいこと」の中心はズレていなくても、細かい表現や話の順序は微妙に変わってしまいます。

あるいは、その作業を次の日に回したとしましょう。すると、リライトの時間までに得たインプットが、少なからずその文章に影響を与えます。ある意味で、「文章紡ぎ」というのは一回性のものです。別の表現を使えば、「ゆらいでいる」のです。

文章は私たちの脳から生まれてきます。そしてその脳は動的なネットワーク構造であり、微妙ながらいつでもゆらいでいるのです。当然、アウトプットとしての文章もゆらぎが出てきます。

だから物書きは、何度も推敲し、「平均としての自分」の文章へと近づけていきます。

さらに言えば、ある時に書ける文章は別の時にはもう書けなくなってしまうこともあります。たとえその質がどうであろうと、若いとき__インプットが少ない、あるいは偏っているとき__にしか書けない文章というのがあるのです。そしてその文章には、その文章なりの存在価値があります。

なので、私は「書こうかどうか迷っている人」には「とりあえず書いてみればどうですか」と勧めることにしています。損することはほとんどないと思うので。

 と、いうわけで、僕は今文章を書く、という事に対して以前より悠長な、もしくは余裕のある姿勢で向かえています。「文章を書く」というのは「怖い」、自分の無知さが明るみになる事もある、曖昧だ、どう帰結するかも分からない、計画的に行かない、それならむしろ書きたくないと、以前は必要以上にナーバスになっていました。

分解してみましょう。

「文章を書く」というのは「怖い」

文章を書くことは怖いです。とても楽しい作業でもありますが、どれだけ数をこなしても、底辺には怖さがいつでも横たわっています。それは、手慣れた床屋さんでも、ひげ剃りするときには緊張する、というのに似ているかもしれません。言葉には力があるのですから。

自分の無知さが明るみになる事もある

梅棹忠夫さんはこう言いました。

なんにもしらないことはよいことだ。自分の足であるき、自分の目でみて、その経験から、自由に考えを発展させることができるからだ。知識は、あるきながらえられる。あるきながら本をよみ、よみながらかんがえ、かんがえながらあるく。これは、いちばんよい勉強の方法だと、わたしはかんがえている。

無知は罪悪でもなければ、落伍者の烙印でもありません。無知さに羞恥を感じる必要なんてないのです。世界に存在するあまたの知識と、一人の人間が抱え込める知識の量を比較すれば、私たちは生涯を通して無知であるとも言えます。「何でもは知らないよ。知っていることだけ」

むしろ無知の発見は、新しい旅への招待状なのです。「こんなことも知らないのか」なんて批判も、「そんな世界があるのですか」という好奇心で塗りつぶしてしまいましょう。

曖昧だ、計画的に行かない、それならむしろ書きたくないと

文章書きは確かに曖昧で、計画的に行かないことが多いでしょう。

しかし私は、「だからこそ」文章書きの魅力に取り憑かれているのかもしれません。起きる出来事が全てわかっている旅というのは、少々退屈なものです。トラブルこそが、旅の非日常性を際立たせてくれます。

書き終わってみたら、まったく想定外の結論に着地した。自分で自分を自分の思いもよらぬ場所に連れて行ってしまう。そんな不思議な魅力が文章書きにはあります。

 迷ったらとにかく書く。そこに自分のパースペクティブや知識が明確に照らし出される。と、なると、文章を書く事が楽しくなってきます。自分が何を考えているか、どんな思考の枠組みがあるか、何を知らないか、明確に見えてきます。もしくは、自分が忘れている、「過去の自分」に、会える様な気さえしてくるのです。 

少し青臭い表現かもしれませんが、「誠実に文章を書くことで、自分自身が浮かび上がってくる」と言えるような気がします。知的誠実さがなければ、実は「自分の中に無いもの」だっていくらでも文章化できます。言葉に長ければ長けるほど、そういうスキルはアップするのです。

ともあれ、「迷ったらとにかく書く」というのは、なかなか有効な手法であるように思います。私も、どちらかといえばそっち派の人間です。

また、「とにかく」が案外重要です。四の五の言う理屈は横に置いといて、という感覚は、思考のバッドループにはまり込んでいる時には大変有効です。

さいごに

べつだん明確な趣旨も主張もありませんでした。

でもまあ、文書を書くことはそんなに悪いことではない、ということだけは書いておこうと思います。そんなに悪くないのです。ほんとに。

1 thought on “そんなに悪いことではない”

  1. ピンバック: R-style » 7/22 〜 7/27 今週のまとめ

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