以下のコメントを頂きました。
その上であえて「ある日、Evernote が使えなくなったら?」と「ある日からEvernoteが使えなくなることになったら?」を聞いてみたいと思った。 >>物書きの仕事道具 sec.4 〜アプリ・Webツール類〜 http://t.co/Cv18Qokpyj @rashita2
— あおのうま (@uma_blue) August 4, 2013
二つの質問は、受け取り方に違いがありますので、分けて考えてみましょう。
まあ、どちらにせよ困ることには違いないのですが。
「ある日、Evernote が使えなくなったら?」
朝起きて、Twitterをチェックしたら「今日はEvernoteが使えないらしいよ」というつぶやきを発見する。急いで確認してみると、たしかにクライアントは同期してくれないし、メモアプリからは送信エラーが。Webクリッパーもまったく動かない。
そういう状況になったとしたら、困ります。自分の「保存先」が一日使えなくなるわけですからね。
それでもEvernoteのMacクライアントが使えるのならば、大問題にはなりません。おそらくその日の仕事はごく平凡にこなせるでしょう。
しかし、EvernoteのMacクライアントさえ使えなくなってしまったら?
そりゃもう、大惨事ですよ。第三次大惨事ですよ。
「ある日からEvernoteが使えなくなることになったら?」
たとえば、「一ヶ月先の○月○日でサービスは終了します。それまでにデータバックアップしておいてくださいね」というような、某フィードリーダーみたいな状態になってしまったら。カタストロフィーの到来です。情報生態系幼年期の終わりです。
もちろん、本当に全てが崩壊するわけではありません。言ってみれば、大きくなりすぎた企業が、独占禁止法を盾にされ分割を余儀なくされるのに似ています。
- Webクリップは、はてブなどのソーシャルブックマークに保存するでしょう
- 過去原稿はDropboxに保存し、spotlightから検索できるようにしたいところ
- ライフログ系の写真は、iPhotoなどに保存するか、flickrを使うかもしれません
- 記事のテンプレートは、メーラーアプリに保存しておく手がありそうです
- 一番困るのはメモです
まさか一行だけのメモのために、テキストファイルを作成して保存などやってられません。iCloudのメモを使うか、Googleなんちゃらを使うのが賢明でしょうか。手書きノートに書いたメモやiPadで作成したメモも、まとめて保存できればベストです。
以上のように、「Evernoteで何を行っているのか」を把握できていれば、それぞれの要素を別のツールで代用することは不可能ではありません。しかし、まったくもってやりたくはありません。
保存する際に「えっと、これはどこに保存しておこうか」と考えたり、引き出す際に「えっと、これはどこに保存してあったかな」と考えたりするのは、時間だけではなく、認知資源の無駄遣いです。
さらにいえば、Evernoteは、本来散らばっているはずのこれらの情報を「関連するノート」として、繋げてくれる効果もあります。あるいはノートリンクを使って、自分で繋げることもできます。
全体は部分の総和ではないのです。
さいごに
というわけで、Evernoteがある日から使えなくなっても、他のサービスに用途分割することで、なんとかやっていくことはできるでしょう。しかし、その前後はまったく等価というわけではありません。結局の所、
「ある日、Evernote が使えなくなったら?」や「ある日からEvernoteが使えなくなることになったら?」
に対する返答は、
「そんなことは考えたくもありません」
というのが率直な意見です。もちろん、何が起こるかはわからないわけですが。
▼こんな一冊も:
復刊 初等カタストロフィー |
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野口 広 福田 拓生
共立出版 2002-06-15 |
幼年期の終り (ハヤカワ文庫 SF (341)) |
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アーサー C クラーク 福島 正実
早川書房 1979-03-31 |
EVERNOTE「超」仕事術 |
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倉下忠憲
シーアンドアール研究所 2010-08-18 |
EVERNOTE「超」知的生産術 |
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倉下忠憲
シーアンドアール研究所 2011-02-26 |
Evernoteとアナログノートによる ハイブリッド発想術 (デジタル仕事術) |
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倉下 忠憲
技術評論社 2012-06-30 |
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