4-僕らの生存戦略 7-本の紹介

決してコピペできない(ブログを形作る)要素

『ヤバい経営学』からブログの手法を学ぶ、という連載企画。

ヤバい経営学―世界のビジネスで行われている不都合な真実
ヤバい経営学―世界のビジネスで行われている不都合な真実 フリーク ヴァーミューレン 本木 隆一郎

東洋経済新報社 2013-03-14
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第一回はこちら→日の当たらない(ブログの)競争力の源泉
書評記事はこちら→【書評】ヤバい経営学(フリーク・ヴァーミューレン)

今回は、第一回の終わりで触れた「あるもの」について書いてみましょう。

といっても、大それたものではありません。みなさんの身近にあるものです。

時間圧縮の不経済性

第三章にて、著者がチェロのレッスンを受けていた時のお話が紹介されています。一週間のうち6日、毎日30分ピアノの練習を行い、土曜日にはレッスン。それが終わればまた6日間の練習。それを繰り返していくうちに、徐々に上達していく。習い事ではよく見られる風景です。

でも、ある週だけは違っていました。いろいろな予定が入り、日、月、火、水、木はまったく練習できなかったのです。幼い頃から聡かったであろう著者は__おそらくみんなも思いつくであろう__対策をひねり出します。

「同じように今から一気に三時間練習すればいいじゃないか。そうすれば、毎日三〇分の練習を六日間やったのと同じだ。そうすればきっと大丈夫だ。

もちろん、待っていたのは悲惨なチェロの音色でした。

「毎日30分を6日間」と、「一日三時間一気に」は同じではないのです。

新しい情報をインプットしたり、スキルを身につけたりする前には、回復期間が必要で、活動をしていない時間が練習をするのと同じぐらい重要なのだ。

つまり、ある種の情報なり行動が、脳に「なじむ」ためには、一定の時間が必要ということです。

著者はここから企業戦略の最適なペースの話へと展開します。野心的な成長のために、「新市場戦略」や「企業買収」や「雇う従業員の数」を二倍にする企業は、思ったほど効果を上げていないばかりか苦しくなっているところもある。企業の成長は、爆発的な速度ではなく、適度なペース(ゴルディロックス速度とでも呼びましょうか)で行うのが、実は長期的にみて良い結果をもたらす。

そんなお話です。

なぜそうなるのか。理由はいくつか考えられるでしょうが、やはり「理解が追いつかない」という点が大きいでしょう。次々に新市場を開拓していけば、一つ一つの市場に対する理解は浅くなります。顧客の反応や潜在的なニーズを掘り下げないまま、また新しい市場を開拓していく。それを繰り返していけば、別の企業につけいるスキを与えているだけです。

企業買収や従業員の数も似たようなもので、「機能する組織構造」についての理解を得られないまま、規模だけが大きくなっていくのでしょう。これで組織運営が成功するとしたら奇跡です。

効果的な組織には、さまざまな要素が必要だ。(中略)このような組織というのは、ただ単に「ここの部品を持っている」こととは違う。継続的な努力も要るし、一生懸命にならないといけない。そして、なにより時間がかかるのだ。

そうです。「あるもの」とは時間のことです。

あまり大きな声では言えませんが、「一瞬で○○になる」というような謳い文句はだいたい戯言か虚偽のどちらかである、と考えておいて人生損はありません。

たぶん、今「人気のブロガー」さんも、わりと「芽が出ない」時期があって、その間にさまざまな試行錯誤を繰り返されてきたのだと思います。実際のところ、その試行錯誤のなかで得られた「感触」や「経験知」(暗黙知)というのが、その人の競争力の源泉であり、また「その人らしさ」を作っているのでしょう。

「継続的な努力も要るし、一生懸命にならないといけない。そして、なにより時間がかかる」

だとすれば、はっきりしていることが一つあります。

それは

「今から始めた方がいい」

ということ。言い訳を並べている時間の分だけ、階段を上るための時間が遠ざかってしまいます。

さいごに

世の中めまぐるしいスピードで動いていますし、親切な人が特急券を渡してくれることもありますが、私なんかは鈍行で風景を楽しみたいな、と思いながらブログの更新を続けています。

みなさんはどうでしょうか。

では、また次回に続きます。

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