4-僕らの生存戦略

綿菓子と結晶作りと強みの育て方

私は一度もやったことはありませんが、名前はよく耳にする「ストレングス・ファインダー」。

それについて書かれた記事が以下です。

ストレングス・ファインダーを11年ぶりにやってみて、改めてその活かし方を考えてみた(シゴタノ!)

軸となる棒をしっかり持つことで、自然とその棒の周りに綿菓子がまとわりついてくるように、自分の核心ともいえる軸を常に意識することで、必要な人や物や情報が自然と集まってくる。これが「才能を中心に日々の暮らしを集め直す」ということなのではないか、と僕は解釈しています。

綿菓子という比喩はとても実感的で面白いですね。ふわふわと糸状に固まった砂糖が集まっていく姿がイメージできます。

私なんかは、理科の実験で作ったミョウバン結晶を思い浮かべました。コアとなる結晶を飽和水溶液につけ込んでおけば、一晩のちには大きな結晶が出来上がっているというアレです。

どちらにせよ、軸(あるいはコア)となる存在があり、それが徐々に「成長する」という過程を取っています。

かのドラッカーも、継続学習の要として、以下の3つの点を指摘しました。

  • 「自らの強みが何か」を知ること
  • 「それらの強みをいかにしてさらに強化するか」を知ること
  • 「自分には何ができないか」を知ること

この場合も、「自らの強み」が軸(あるいはコア)です。それをしっかりと認知し、徐々に成長させていく。それと共に、何を軸にくっつけようとしないのかも知る。だって綿菓子に塩の結晶付いてたら嫌ですもんね。

というわけで、先ほどあげたイメージとぴったり重なります。

では、このメタファーについて、もう少し掘り下げてみましょう。

作り方

綿菓子を作るための機械は、どのような仕組みになっているのでしょうか。

綿菓子(ウィキペディア)

回転釜を加熱しながら高速で回転させて溶融した砂糖を遠心力で吹き飛ばし、すぐに空気中で冷えて糸状に固まった砂糖を割り箸などを用いて回収する。

なるほど。あの機械の中では、一度熱されてからすぐに固まった細い砂糖がグルグル回っているわけです。それを割り箸で集めていくわけですね。

結晶作りの場合も、一度熱してミョウバンを溶かした水溶液を使います。

どちらの場合でも言えることですが、軸(あるいはコア)を育てていくためには、その素材になるような物質が充満した空間の中に置いておくことが必要です。

魔法の杖のように割り箸を振り回しても、それがごく普通の空気中ならば、運が良くてホコリが付くだけでしょう。しっかりとした軸だけではなく、身を置く環境もまた大切なのです。

成長の方法

では、いかにして軸(あるいはコア)を大きくしていくのか。

綿菓子の場合は、しっかり割り箸を握りつつも、自分でクルクル回していく必要があります。それも綿菓子機が作り出す回転方向とは垂直の方向にです。綿菓子機が横方向ならば、割り箸は縦方向に回転させるわけです。そうすることで、バランス良く球状に綿菓子を膨らませていくことができます。

では、結晶作りはどうでしょうか。実は、こちらは動かしてはいけません。

ミョウバン結晶の宝石作り〔リライト版〕(おやこでポレポレ)

ミョウバンはゆっくり冷めて振動が少ないほど種が綺麗に育ちます。

振動が多いと、結晶に偏りが生まれてしまうのでしょう。できるだけ静止状態を保ち続けるのがコツです。

似たようなイメージの両者でしたが、ここでまったく反対の要素が出てきました。なかなか興味深いですね。

類推の展開

綿菓子と結晶作り。この二つについて思いを巡らせてみました。ここからの類推で何が導けるでしょうか。

まず、スタートとして、

・軸(あるいはコア)を知り、それを育てること
・軸にくっつけないものも知ること

この二つがあります。そこから拡げて、

・素材となるものが多い環境に身を置くこと

が出てきました。未知なる情報や知識、体験や人との交流。そうしたものに満たされた環境であるほど、大きくなれる可能性は上がります。

また、大きくする方法に二種類のアプローチがありうることも想像しました。自分で軸を動かす方法、あるいは極端にじっとしている方法の二つです。

これは「外向的」「内向的」な違いと言えるかもしれませんし、求める成果物の構造(ふんわり大きく、がっちり確かに)の違いになるのかもしれません。あるいは速度、ということもあります。どちらにせよ、単一の方法に制限されるわけではありません。

面白いのは、両者とも「流されていない」という共通点を持っていることです。

結晶作りは、まるで書斎に閉じこもるように周りの動きとは別に静止を求めます。また、綿菓子作りでも、砂糖が回っている方向とは違う方向に__逆方向ではなく垂直方向に__軸を回転させます。回転する砂糖と、同一方向に同一速度で割り箸を回してしまえば、軸が成長することはないでしょう。

どちらの場合であれ「流されて」はいません。

さいごに

メタファーを掘り下げて、軸(あるいはコア)を成長させるイメージを膨らませてみました。

そういえば、軸については「自軸」という形で、以下の本でも(少しだけ)紹介しています。

ソーシャル時代のハイブリッド読書術
ソーシャル時代のハイブリッド読書術 倉下 忠憲

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決して読書だけが成長に役立つものではありませんが、知識や擬似的経験を得るという意味では、読書の役割は現代でも決して薄れていません。というかむしろ、現代だからこそ読書の価値が上がっているかもしれません。それはつまり、垂直方向に軸を回転させる方法なのですから。

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