記憶は、さまざまな対象とリンクを持っています。
たとえば写真。一枚の写真からそのときの情景がスポットライトを当てたかのように想起されることがあるでしょう。
あるいは香り。すれ違った女性のシャンプーの香りから、昔の彼女の・・・まあ、いいや。「プルースト現象」なんてのもありますね。
視覚であれ、嗅覚であれ、私たちの知覚を刺激するものは、往々にして記憶の箱を揺さぶり、その中身をこぼれ落とさせます。
もちろん音楽だって、その力があります。
音楽が記憶を想起させる。あるいは想起した記憶が音楽を希求する。
そんな経験は珍しいことではないでしょう。
記憶リンクとしての音楽
「音楽を聴く」あるいは「音楽を聴きたい」というシチュエーションには二種類あります。一つは、「音楽」を聴きたいというもの。
作業するときにBGMとして音楽を流す。ドライブの相方にCDをかける。移動中にiPodから伸びるイヤフォンを耳に差し込む。
そういう状況で求められているのは、カテゴリーとしての「音楽」です。曲であれば何でも良いとはいえませんが、その「音楽」が特定の曲を明示していることはありません。
もう一つのシチュエーションは、「あの曲」を聴きたいというもの。
誰かと会話しているときに、「そうそうあの曲良かったよね」とか「あの時代はいっつもあれ聴いてたよね」という話題が出てきて、その曲が聴きたくなるようなシーン。
この場合、その「曲」は代用がききません。コルトレーンのLPが見つからないからといって、マイルスのでいいか、とはならないわけです。
Music @Evernote
回りくどい話を書いてきたのは、「私がEvernoteで音楽を聴く」という少々風変わりな行為の理由を察してもらうためです。そうです。私はたまにEvernoteで音楽を聴くのです。
普段はiPodで作業用BGMを流し続け、音楽に「浸かって」生活しています。
※今はLiSAの「traumere」がエンドレスリピードで流れています。
しかし、Evernoteでライフログを見返していたり、何かの歌詞をふと思い出したとき、曲を探すためだけにiTunesを起動するのは少々面倒です。そのままEvernoteで探すことができればVery Goodに違いありません。
というわけで、フェイバリットな曲のmp3をコツコツEvernoteに保存し、時折Evernoteでそれを聞き返す、なんてことをやっています。
望む、高機能化
が、しかし。Mac版のEvernoteには音楽ファイルを再生する機能が付いているものの、再生と停止のボタンしかありません。リピート設定すら不可能です。
また一つのノートに複数個の音楽ファイルが存在していても、それらを連続で再生することができません。アルバムを聴く場合は、一曲ごとに再生を押していく必要があるのです。
不満です。非常に不満です。
さいごに
間違いなくマニアックな使い方だとは思います。しかし、私の人生において「音楽」は欠かすことができない存在です。Evernoteがライフログ的な位置づけを持つのならば、音楽ファイルを保存できるだけではなく、その再生についても高機能化してくれればと望むのは、望みすぎではないでしょう。
それにmp3ファイルは、別に「音楽」だけではなく「会話」や「スピーチ」なども含まれます。そうした「記録」と「再生」のニーズならばけっこう存在していることでしょう。
※ちなみに、以下の記事でワクテカなアプリが紹介されているのですが、どうやら進捗の雲行きは怪しいようです。
Evernoteに音楽を保存する日も近いかもしれない。発表が待ち遠しい画期的なミュージックアプリCloud Pod(歩けば僕の足跡)
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