物書き生活と道具箱

アイデアパーソンは、机を片付けない方がよいのか

作業机の在り方というのは、事務効率だけでなく知的生産においても重要な要素です。

「デスクが散らかっている人はクリエイティブ」―米研究結果(ネタりか)

人は雑然とした環境に身をおいた方が独創的になり、斬新なアイデアを得やすいそうです。その人の仕事環境は、人柄を映し出す鏡でもありますが、仕事能力にも少なからず影響を与えていることが米ミネソタ大学の研究で明らかになりました。

こんな内容を見れば、『アイデアが欲しければ、机は片付けるな』とか『アイデアパーソンの机はなぜ散らかっているか』なんてビジネス書の企画が浮かんできそうになりますが、すこし落ち着いてみましょう。

対照実験として、「キチンと整頓してあるオフィス」と「雑然と散らかったオフィス」を分けて、「ピンポン玉の他の使い道」についてのアイデアを出してもらった。両グループとも、アイデアの数は同じだったが、散らかったオフィス群の方が、「面白く、斬新なもの」が多かった。

こういう実験結果のようです。

はたして、実験がきちんとコントロール下に置かれていたかもわかりませんし、「面白く、斬新である」という評価軸がきちんと機能していたのかも、この記事だけでは判断できません。

ただ、注目したいのは以下の点です。

実験でも、散らかったオフィスにいたグループでは、既存の商品より、新しい商品を好むことが分かっています。つまり、雑然とした環境が、人を慣習にとらわれず、社会からの黙然の期待からも自由にする助けとなっているということ。逆に、キレイなオフィスのグループでは、どちらかといえば、安全パイを選択する傾向があったということです。

一つはっきりと言えることは、ことわざとしても重宝されている「朱に交われば赤くなる」は正しい、ということです。

人間は置かれた環境によって立ち振る舞いや判断を変えるものです。そして、視覚的な情報はその環境を認識する上でかなり大きな位置づけを持っています。だとすれば、「整頓されたオフィス」と「散らかったオフィス」がそこに存在する人間に何かしらの影響を与えることは十分に考えられます。
※部屋を片付けたら「スッキリする」のも、この辺りに関係があるのかもしれません。

加えて、いろいろ探し回れば、机が乱雑な優秀アイデアパーソンを一人や二人ぐらい簡単に見つけられるでしょう。

これらの要素を並べれば、「アイデアパーソンになるためには、机を片付けてはいけない」という提案に微妙な説得力が出てくるかもしれません。それにその提案は、机が散らかっている人にとっての清涼剤になり得るでしょう。

しかし、もっと探し回れば、机が綺麗に片付いている優秀なアイデアパーソンというのも一人や二人ぐらい見つけられるでしょう。そういう事例が出てくると、上の提案は微妙になってきます。

何か本質的なことを見逃しているのかもしれません。

秩序と混沌

実は、作業机については以前すこし書いています。

365日の書斎:#14 作業机の秩序と混沌

たしかにアイデア発想において、刺激のあるインプットは欠かせない存在です。

でも、それを与えるのが必ずしも作業机である必要はないでしょう。

そもそも、忙しくてほとんどデスクを使わない場合、作業机の整理具合(あるいは混沌具合)は、その人の発想に影響を与えないかもしれません。

もう一つ付け加えておきたいのが、四六時中新しいアイデアが必要とされているわけではない、ということです。

時には、刺激を遮断して、自分の内側に潜り込み、井戸の奥で何かをつかみ取ることも必要でしょう。私が想像するに、散らかった作業机はそういう作業にはまったく不向きです。

さいごに

問題は、作業机が整理されているかどうか、ということではなく、環境が人間に影響を与えることを理解した上で、その力をうまく使えているかどうか、という点です。

たとえば、家の机は片付けておいて、刺激が欲しかったら外に出る、という環境の使い分けはありでしょう。逆に、家の机は特に片付けずに、秩序が欲しければ高性能のイヤフォンを持ってカフェに出かける手もあります。

そこに唯一の正解はありません。単に自分なりの最適解があるだけです。

えっ、お前の机はどうなってるか?

自慢できるほどには整理されておりません。モノは少ないですが、圧倒的に本が多いです。ご想像の通りに。

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