「お父さん頑張って」家族の願い届かず 長崎市長死去
「最善を尽くしたが、残念だ」。伊藤市長が運ばれた長崎大付属病院では同日午前4時半から、江口勝美院長ら2人がこの日2度目の緊急の記者会見を開き、市長の死亡を発表、悔しさをにじませた。
非常に悲しい事件が起きてしまった。
朝刊の一面を見て心から驚いたのは久しぶりである。
長崎市長銃撃:補充立候補受け付け 伊藤市長が死亡
長崎市で17日夜、山口組系暴力団幹部に銃撃され、心肺停止状態となっていた同市の伊藤一長(いっちょう)市長(61)は18日午前2時28分、搬送先の長崎大医学部付属病院で、銃創による大量出血のため死亡した。市長の死亡に伴い、22日投開票の市長選について市選挙管理委員会は18日朝から補充立候補の受け付けを始めた。
事件の大まかな経緯は次の記事を見ていただきたい
城尾容疑者「殺すつもりだった」…車事故で長崎市に抗議
長崎市長銃撃事件で逮捕された城尾哲弥容疑者(59)は、「市長を殺すつもりだった」などと供述しているが、犯行前、知人に市や伊藤一長市長への不満を漏らしていたことが明らかになった。
関係者によると、城尾容疑者の乗った車が2003年2月、長崎市内の道路工事現場で事故を起こした。この事故を巡り、城尾容疑者は車両保険金が支払われなかったことから、損害保険会社との間でトラブルとなった。
この道路工事は市が発注していたため、城尾容疑者は、市に対しても説明を求め、事故に関する書類の公開を求めたりもした。しかし、「市から『わざと事故を起こしたのではないか』と責任をなすりつけられた」「市から満足のゆく回答がなかった」などと不満を漏らし、市に抗議もしていた。
これ以外にも公共事業の受注うんぬん、という話も出ている。
このあたりはこれから警察が解明していくだろう。
この事件はいろいろな要素がありすぎてちょっと混乱してしまう。
警察発表とマスコミ報道に漂う空しさ
長崎市長銃撃死事件、民主主義は暴力に屈してはならない
長崎市長射殺:「大切な人失った」 国連本部にも悲報
長崎市長射殺:「ヤクザの犯行」海外でも速報
「強い憤り、痛恨の極み」山出・全国市長会長がコメント「民主主義への挑戦許さぬ」 安倍首相職員と来庁者ら黙祷「卑劣な行為許せない」 長崎銃撃
菅総務相、公選法の補充立候補規定について見直し検討を表明
長崎市長、銃撃され心肺停止…殺人未遂で暴力団幹部を逮捕
長崎市長銃撃 統一地方選さなかに起きたテロ(4月18日付・読売社説)
いくつかキーワードを上げるとすれば、
民主主義に対するテロ、公共事業、選挙中、平和(軍縮)、補充立候補制度、長崎市2度目・・・といったところだろうが。
どの辺が事件の根本に関わってくるかはわからない。
もしかしたら、本当に単純な私怨なのかもしれないし、あるいは背後にもっと大きなものが潜んでいるのかもしれない。
しかしそういうことは単純に抜きにしても、こういった選挙活動中に立候補した人が狙われるというのは民主主義に対するテロであるということは間違いない。
暴力が引き起こすプレッシャーというのをまじまじと感じることができる。
犯行前に、メディアに声明らしきものも出していたということなので、そういったテロ意識というのはきっとあったように思う。しかしそのあたりから対策はできなかったのであろうか。
きっといろいろこれから情報がでてくるだろう。それらにも注目したい。
伊藤市長はきっと無念であるだろうが、心安らかに眠られることを願っている。