とある本を読んでいたら、ピンと閃きが降りてきました。
「そうか、コネクト力には育てる力も含まれるんだ」
以前から「コネクト力」という概念を考えていて、そこに追加する要素が1つ見つかったのです。
私は慌てることなく、iPhoneアプリの「EverGear」を立ち上げ、メモを作成・送信しました。いつもの風景です。
当然、Evernoteのinboxにはそのメモが舞い込んできます。
でも、これだけで何かが生まれるわけではありません。種は種であり、それを育てないと実はならないのです。
過去の自分を召喚する
ためしに私のEvernoteを「コネクト力」で検索してみました。自分が過去に書いた原稿、iPhoneから送信した一行だけのメモ、情報カードに書き付けたこと、紙のノートにまとめたこと、……。
さまざまなものが出てきます。
これらは、断片でしかないものもあれば、小さなかたまりになっているものもあります。なんにせよ、私の考えの痕跡には違いありません。
こうしたものを読み返していると、タイムマシンで過去の自分を引っ張り出して対話しているような気分になります。二年以上の前のメモに遭遇することも珍しくありません。「そうそう、こういうこと考えてたね」「あれについての考えは変わった?」なんてぐあいに。
とうぜん、過去の私の思考の記憶を想起しながらも、今の私は何かしらを考えています。それらもやっぱり、書き留めて、記録していかなければいけません。
記憶・思考・記録・想起・思考・記憶・記録……
複雑なステップを刻む、リズム感の良いダンスのような流れです。
作用を与える
たいせつなのは、何かを思いついて、それをEvernoteに放り込むだけでは、種は育たない、ということです。何かしらの作業を行わなければいけません。何かしらの作用を与えなければいけません。
きっと、いろいろな与え方があるでしょう。
私の場合であれば、アイデアの大本である「コネクトが持つ力」というノートに、最初に出てきた思いつきを書き足すことがそれです。あるいは、外部のツール(たとえばアウトライナー)にそれぞれの要素を書き出してみてもよいでしょう。
なんだったら、短い文章を書く手もあります。ブログなんかは、それにぴったりかもしれません。
なんであれ、「脳」を関与させるのです。自らの脳を__面倒くさがり屋の脳を__活動させるのです。
そうして出てきたものは、最初にあった小さなかたまりよりは大きくなっているでしょう。
でも、どれぐらい大きくなるかはわかりません。人様にお見せできるぐらいの大きなものになるかもしれませんし、その半分ぐらいの中間サイズかもしれません。あるいは、ほんのわずかだけ大きくなった、ということもありえます。
どちらにせよ、種に変化が生じたことは確かです。
さいごに
スタートとして、メモすることは本当に大切です。世の中には、生まれつき脚力があり、土台がなくても大ジャンプできてしまう人がいて、そういう人は「メモなんて必要ない」なんて言い方をされますが、一般人はするっとスルーした方がいいです。思いついたことは、メモしておくのが一番です。
でも、それだけでは十分ではありません。メモを足がかりにして、次のステップに進まないと大きなものは生まれてきません。
もちろん、「大きなものなんて生みたくない」というスタイルもありです。そこは、強制できるものではありません。
▼こんな一冊も:
Evernoteとアナログノートによる ハイブリッド発想術 (デジタル仕事術) |
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倉下 忠憲
技術評論社 2012-06-30 |
▼出てきたアプリ:
EverGear – Evernote投稿ツール
カテゴリ: 仕事効率化, ビジネス
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