2013年に読んだ、面白かった本ベスト11冊

今年もいろいろ本を読みました。

「役に立った本」については、「2013年に読んだ、役立ち本ベスト7冊」にて書きましたので、今回は「面白かった本」です。今年発売された本、ではなく今年私が読了した本なのであしからず。あと、小説は抜きました。

もちろん「面白い」の定義は、いろいろあるわけですが、並べた本を眺めてもらえば感触は掴めるかと思います。

考える生き方

今でも机の横に置いて、ちょいちょい読み返しています。

考える生き方
考える生き方 finalvent

ダイヤモンド社 2013-02-21
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考えた結果失敗するかもしれないが、誰かの成功法則を自分で実験するよりも、自分で考えて自分だけの人生を発見していくほうが、結局、納得できる人生になる。

「成功」を追い求めてがむしゃらに頑張るのも人生ですが、それがうまく行かなかったときに、自分を無価値のように扱うのはちょっと違うような気がします。いや、無価値なのかもしれませんが、無価値は無価値なりに意味みたいなものを見いだすことはできるだろう、というようなことです。

これからの日本がどのように変化していくのかはわかりません。ただ、先進国のトッププレイヤーに返り咲くようなことはないでしょう。そういう国の移り変わりの中で、挫折を経験する人の数は、今よりも増えていくのかもしれません。

自分で考えて、自分だけの人生を発見し、納得できる人生を得る。

そういうのが大切になっていくと感じます。

最初に書いた書評記事(参照)ではうまく扱えなかったので、もうちょっと時間をおいてからチャレンジしたいと思います。

タテ社会の人間関係

今年読んだ本の中で、一番「あぁ〜、なるほどね〜」と思った本かもしれません。

タテ社会の人間関係 (講談社現代新書 105)
タテ社会の人間関係 (講談社現代新書 105) 中根 千枝

講談社 1967-02-16
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納得しただけでなく、いろいろな連想が膨らみました。たとえば、「学校カースト」というのは、この視点からどのように捉えられるのだろうか、などなど。

日本がタテ社会、単一社会の社会構造を持っていることは確かですが、それが機能不全を起こし始めている感触もあります。

日本人はある部分では、ネットの中にもタテ社会を構築しようとするのですが、どうにもそこには親和性はなさそうです。変化みたいなものは、きっと生まれているんでしょうが、そういう変化についても想いを馳せることになった一冊でした。

書評記事:【書評】タテ社会の人間関係(中根千枝)

知の逆転

面白い話が山盛りです。

知の逆転 (NHK出版新書 395)
知の逆転 (NHK出版新書 395) ジャレド・ダイアモンド ノーム・チョムスキー オリバー・サックス マービン・ミンスキー トム・レイトン ジェームズ・ワトソン 吉成真由美

NHK出版 2012-12-06
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知の最先端を走っておられる方々へのインタビュー集。随所に「知の在り方」についての質問が出てくるのが面白いですね。一般的に「集合知」と呼ばれているものに対する不信感がなんとなく感じられます。まあ、集合知だけで一流の研究が成立するかというと、難しいでしょう。

書評記事(参照)でも書きましたが辛口のジェームズ・ワトソン氏の言葉がいちいち突き刺さります。

多くの人は、非常に忙しく立ち働いているけれども、深く考えずに、単にそれができるからそうしているだけのことなんですね。

つまり「考えない生き方」。まったくもって耳の痛いお言葉です。

脳のなかの天使&妻を帽子とまちがえた男

どちらも「脳」についての本です。

脳のなかの天使
脳のなかの天使 V・S・ラマチャンドラン 山下 篤子

角川書店(角川グループパブリッシング) 2013-03-23
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妻を帽子とまちがえた男 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
妻を帽子とまちがえた男 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫) オリヴァー サックス Oliver Sacks 高見 幸郎

早川書房 2009-07-05
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『脳のなかの天使』の著者であるラマチャンドランは認知神経科学者、『妻を帽子とまちがえた男』の著者であるオリヴァー・サックスは脳神経科医と、若干立ち位置は異なりますが、両者とも「人間」を重視している点は同じです。その視点は著作の中にもはっきりと表れています。
※ちなみにオリヴァー・サックス氏は『知の逆転』にも登場されています。

両者とも、「人間」が持つ不思議さ・神秘さについて言及していますが、ラマチャンドラン氏は横や上に広がりを持って視点を巡らしているのに対し、オリヴァー・サックス氏は人の内面を深く掘り下げていきます。

「人間であるとはどういうことか」

こんな質問にも、__あまりにも身近すぎるがゆえに__私たちは満足に答えることもできないのだな、と気がつかされる二冊です。

関連記事:『脳のなかの天使』を読みながら

そのとき、本が生まれた&ベストセラーの世界史

どちらも「本の歴史」についての本です。

そのとき、本が生まれた
そのとき、本が生まれた アレッサンドロ・マルツォ マーニョ Alessandro Marzo Magno

柏書房 2013-03
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ベストセラーの世界史 (ヒストリカル・スタディーズ)
ベストセラーの世界史 (ヒストリカル・スタディーズ) フレデリック・ルヴィロワ 大原宣久

太田出版 2013-06-29
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『そのとき、本が生まれた』は、主にグーテンベルク以後、私たちが今「本」と呼ぶ存在が、どのように大きくなっていったのかが語られています。出版業界の萌芽、として捉えることもできるでしょう。『ベストセラーの世界史』は、その出版業界の中で、ベストセラーがいかに生み出されてきたのかが語られます。

両方買うといいお値段になりますが、「本」について考えたいなら、きっと面白いはずです。

書評記事:【書評】ベストセラーの世界史(フレデリック・ルヴィロワ)

雑文集 I [Kindle版]

『マヨネーズ』出してくると思ったかもしれませんが、こちらです。

雑文集 I
雑文集 I オドネル・ケビン

2013-01-18
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実験小説としての『マヨネーズ』の立ち位置はすごく好きですが、そういうのとはまったく別に、普通に楽しめたのがこのエッセイ集。最初の一編は、ちょっと戸惑うかもしれませんが、読み進めていくと、なるほどそういうスタイルなのか、と納得されるでしょう。

KDPならではの、雑多な文章集です。まさに雑文集。

ヤバい経営学: 世界のビジネスで行われている不都合な真実

ヤバいシリーズは、どれも好きですが、この本も個人的ヒットしました。

ヤバい経営学: 世界のビジネスで行われている不都合な真実
ヤバい経営学: 世界のビジネスで行われている不都合な真実 フリーク ヴァーミューレン Freek Vermeulen

東洋経済新報社 2013-03-01
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キラキラした目でビジネス書を読む前に一読しておくと、ちょうど良い塩梅マインドで読めるようになるかもしれません。人間存在に不合理が含まれているなら、人間が集団で集まる組織にもそれが含まれている。考えてみると当たり前ですが、そういう認知は綺麗に整形された書類の中ではすっぽり抜け落ちてしまいます。

少し長くなりますが、私が気に入っている文章を引用しておきましょう。

しかし、私が大企業の多くを好きになれない理由は、高学歴でやる気に満ちあふれていた友達の多くが、月曜朝に会社に出勤することを嫌になってしまっているからだ。立派な見た目とは裏腹に、会社人生は退屈で同じことの繰り返しで面白くないのだ。会社が一番重要な経営資源を有効に使えていないという、非常にわかりやすい症状だ。その重要な経営資源とは、まさしく社員だ。

書評記事:【書評】ヤバい経営学(フリーク・ヴァーミューレン)

世紀の空売り 世界経済の破綻に賭けた男たち

サブプライムローンで儲けた人の話です。

世紀の空売り 世界経済の破綻に賭けた男たち (文春文庫)
世紀の空売り 世界経済の破綻に賭けた男たち (文春文庫) マイケル ルイス Michael Lewis

文藝春秋 2013-03-08
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と書くと極悪人みたいなイメージが湧きますが、そういうわけではありません。読んでみればすぐにわかるでしょう。

私が感心したのは、バブルに湧く熱狂の中で、ずっと逆張りを続けたその精神力です。普通ちょっと耐えられないと思います。そういう意味で、『ブラックスワン』のタレブも、平均とは乖離した精神の在り方を持てる人なのかもしれません。

儲け話というよりも、いかにずさんな土台の上にシステムが構築されていったのか、そして、危機的状況が垣間見える中でも、人(あるいは集団)はどれぐらい都合良くそれを無視できるか、を知ることができる一冊です。

田舎のパン屋が見つけた「腐る経済」

ライフデザインの本です。

田舎のパン屋が見つけた「腐る経済」
田舎のパン屋が見つけた「腐る経済」 渡邉 格

講談社 2013-09-25
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「腐る経済」がどう、という話は横に置いておいて、自分の価値観に沿って、仕事・働き方・生き方を決めておられる著者の姿にたいへん共感を覚えます。たぶん、考える生き方というのは、こういうことでもあるのでしょう。

もちろんこういうパン屋さんの経営を万人ができるわけではありません。というかむしろ、これからの時代「万人ができること」なんてほとんど無くなっていくと思います。そういう「成功法則」は機能しなくなるのです。

本書のタイトルでは「見つけた」という言葉が使われています。で、一番最初に上げた『考える生き方』の引用には「発見していく」という言葉が使われています。つまりは、そういうことです。

教わるのではなく、見つける。

そういう姿勢です。

さいごに

今年読んだ本を振り返ってみました。

当初、25冊ぐらいリストアップしてしまったので、魔王城攻略前夜のパーティー編成なみに悩みました。なんどか厳選して11冊に絞り込みましたが、他にも面白い本はいっぱいあったのです。あと、もちろん面白い小説もたくさんありました。

買った本については、メディアマーカーに登録しているので、年末年始に読む本をお探しの方で、「もっと、本を!」という方は、以下のリンクから適当に散策してください。
rashitaのバインダー

来年も面白い本に出会えることを願いつつ、今回の記事を締めたいと思います。

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自分で本を作りたい人、ブログのコンテンツをまとめてみたい人。そういう方向けに、KDPを使ったセルフパブリッシングの方法を紹介しています。
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