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カドカワ70%セールについての雑感

Posted on 2014 年 1 月 24 日2019 年 6 月 23 日 by Rashita
Tag:
  • 「本」の未来
  • ,
  • 電子書籍

Kindle版がむちゃ安い。

そんな噂を聞きつけて、Amazonにアクセスしてみると、たしかにカドカワの本がいくつも70%OFFになっています。コミックなんかは200円を切る価格。

なんだかんだで、『Fate/Zero』とか『僕だけがいない街』とか揃えちゃいました。前評判なしで読んだ『僕だけがいない街』でしたが、結構ビビっときましたね。うん。面白い。他にも『日常』とか『新世紀エヴァンゲリオン』とか『機動戦士ガンダムUC』とかのコミックも今のところ安くなっています。

ネットをみていても、結構買っている人が多いみたいで、売り上げベースだとすごいことになっているんじゃないでしょうか。Kindle本のランキングなんてほぼカドカワが席巻しています。セール効果的にみれば、大成功と言えるでしょう。

今回は、この超絶70%オフセールをみて、考えたことなんかを。

電子書籍導入者が増えたかも

まず、「ちょっと買ってみるか」と思い、実際に買った人がすごく増えたのではないか、ということ。

電子書的との対峙では、いろいろな状態がありうると思うのですが、

  • すでにKindle版をばりばり購入している人
  • Amazonのアカウントは持っているけど、電子書籍は買っていない人
  • スマホやタブレットを持っているけど、これで読めるとは知らない人
  • 「普通の電子機器には興味がありません」な人

さすがに一番下にアクセスするのは無理でも、二つ目、三つ目ぐらいにはアクセスしたのではないでしょうか。

もし、これを契機にAmazonでアカウントを作ってみたり、あるいは初めての一冊にチャレンジした人が増えたとしたら、電子書籍業界全体にとってプラスと言えるでしょう。なにしろ、そこのハードルが高いのです。

iTunesとかもそうですが、一度こういうプラットフォームで買う経験をしてしまうと、どんどんそれがナチュラルな体験になって、あとは泥沼のように……という話は横においておくとして、ハードルを超えた人が結構増えただろうな、という印象があります。

やはりそれは有力なコンテンツを持っているカドカワさんが、結構な全力投球でセールを打った、という点がポイントになるでしょう。コンテンツの数が少なかったり、値引率が低かったりすれば、ここまでのインパクトは無かったかと思います。

コンテンツにお金を支払うという態度

という話になると、「紙の本の売り上げが・・・」という展開に流れていきそうな気もします。

しかし、電子書籍云々をまるっと抜いても、きっと下がるべくして下がって行く流れはあったかと思います。あまり大きな声では言えませんが、「本」というメディアに対する不信感・残念感しか生み出さないような本が書店の新刊コーナーに平積みされていた時期がありましたからね(とりあえず、過去形で)。

出版業界の一番の懸念は、電子か紙かという以前に、「コンテンツにお金を支払う」という感覚を持たない人が増えることではないでしょうか。それが減少していけば、どのような手を打ったところで、売り上げ回復の目処は立ちません。

逆に言えば、「コンテンツにはお金を支払う」感覚を持った人が増えていけば、紙の本にも光が見えてきます。それはまぶしすぎる天啓の光ではないにせよ、何かを照らすだけの光量は持っているでしょう。

退屈しないだけの時間を満たすコンテンツは、ネットでいくらでも見つかります。でも、お金をもらうことを前提として作られたコンテンツは、やっぱり質が高いのです。面白いか面白くないかで切り分けると面倒な話になりますが、トータルでみた場合の、質の高い時間を経験させてくれる期待値はずいぶん高いと言えるでしょう。

でも、そういうコンテンツは無くても別に死なないのです。生命活動に差し障りはないのです(活字中毒を除く)。さらに言えば退屈しないだけの時間はネットで満たせます。

というわけで、導入部分はできるだけ敷居を低くして、多くの人がまたげるようにしておくのがよいかと思います。

70%オフにすれば売れる?

もう一つ、別の視点から。

たぶんカドカワさんは、このセールで「実績」となる数字を作られたかと思います(あくまで推測です)。

じゃあ、他の出版社さんも70%オフにすれば、同じようなセール効果が見込めるのでしょうか。そんな単純な話ではないでしょう。

当たり前ですが、セールを打ったことだけが販売数を作ったのではありません。それが話題になったのが一つのポイントなのです。

Kindle情報を取り上げているブログ・メディアでは、当たり前のように紹介されていましたが、普段はそういうものに言及しないようなブログにまで話題が上がっていました。詳しい言及は避けますが、タイミング的にもインパクトのあるセールだったのです。

コンテキスト余地

金額的にもそうですが、コンテンツの量も話題性があります。なにしろ数が多いのです。

この「多さ」は一つのポイントで、メディア的な切り口の余地、別の言い方をすればコンテキストを発生させられる含みがあります。

たとえば対象が10冊だけだったら、ブログ1記事でそれを紹介しておわりです。他のブログでも似たような記事になることでしょう。結局、流通するのはそれらのうちのどれか一つだけ。話題波及力は乏しいと言わざるを得ません。

しかし、今回のように数が多いと、切り口がたくさんうまれます。引用はしませんが、実際いろいろな記事を見かけました。それら一つ一つがバズる可能性を持っているわけです。当然、セールの存在を知らない人に届く可能性は上がります。

結局、こういうのはこぢんまりとやってしまうと、ほとんど無いに等しい結果しか生まないことになるのでしょう。特にネットの世界では情報の回転が速いので、小さな話題はすぐに押し流されてしまいます。

逆に、大きな話題(になるもの)を提供すれば、コンテンツそのものが創発的・自発的に生み出され、勝手に(というといささか語弊がありますが)広まっていってくれます。

というわけで、セールを打つときは、これでもか!というぐらい全力でやるのがよろしかろうと思います。

さいごに

安く本が買えてお得、というのとは別の所で、面白い現象でした。

カドカワというブランド名ではなく、カドカワが持っている優秀なストックがものをいった、と言えるのかもしれません。

やっぱり、なんだかんだいって、ストックは強いです。それをネットだと全展開できちゃうわけですから。しかも、自発的なキュレーターがわんさかいるという、すばらしい環境です。

私もこつこつとストック作りにいそしむとしましょう。漫画でも読みながら。

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