ライブドアブログで、「ライトなラノベコンテスト」が行われています。
ブログでライトノベルを更新していく、というちょっと変わったタイプのコンテストで、最優秀賞に選ばれると作品が電子書籍化され、さらに印税の最低保証分として10万円が支払われます。
といっても、締め切りは2014年1月31日24時00分なので、今からチャレンジするのは難しいかもしれません。
私は、去年の11月から書き始めて、ようやく本日書き終えました。
第1話は以下。
全11話。合計で2万5000字ほどです。
この作品が、はたしてライトノベルなのかどうか判断できませんが「これが、私のライトノベルなんです」と言い切ってしまえば問題ないでしょう。お暇ならご覧くださいませ。
損しないチャレンジ
「ライトなラノベコンテスト」(以下ララノコン)の第一次審査は、ブログのアクセス数で判断されます。私のランキングは現状とても低いので、たぶん一次審査を突破することはないでしょう。それでも構わないのです。
なんといってもKDPがあります。一次審査に通らないことが分かったら、自分でそれを電子書籍化してしまえば問題ありません。もちろん、有名なイラストレーターの方に表紙を書いてもらうことも、出版社のバックアップがある販促も行えませんが、それさえ気にしなければ、書いた作品を「本」にすることは容易です。
万が一、優勝すれば大々的に販売され、そうでなくても手元に自分のコンテンツが残る。悪いところなしではありませんか。
利用したい効果
もう一点押さえておきたいことがあります。それは、こうしてコンテストに参加しなければ、きっとこの作品は完成しなかっただろう、ということです。
実は、「アリスの物語」の第一話と第二話は、このブログに書いたエントリーです。
スマートタスクリスト2.0 あるいはアリスの物語
フィードリーダー2.0 あるいはアリスの物語(2)
第一話が 2013年1月21日で、第二話が同年3月18日。それ以降、ぴたりと更新が止まりました。続きを書こうと思ってはいましたが、他に書きたい記事もたくさんあるので、ついつい先送りしていたのです。
それがコンテストに参加して、締め切り二日前ではありますが、なんとか完成までこぎ着けました。
なんだかんだいって「締め切り」は重要です。他人が切ってくれる締め切りを利用しない手はありません。
書き手に何が必要か
別の側面から、このララノコンについて考えてみましょう。ララノコンの一次審査は「ブログのアクセス数」です。アクセス上位者が第二次審査に進める、ということでしょう。
もちろん、面白い作品ならアクセス数を集めやすいことは間違いありません。しかし、Twitterのフォロアーが100人の人と、5万人の人であれば、後者の方がアクセス数を集めやすい環境にいることは確かです。これって不公平ではないのでしょうか。
しかし、改めて考えてみてください。最終的に勝ち残った作品は、電子書籍化され、「商品」として発売されるのです。あなたが売り手の立場だった場合、100人にアクセスできる人と、5万人にアクセスできる人のどちらの作品を売りたいと考えますか。作品の質が大差なければ、後者でしょう。「商業的すぎる」なんて非難される考えでもありません。普通の話です。
ララノコンは、これからの書き手に必要なことを明示しています。
「良い作品」を生み出すだけでなく、「読まれるための活動」も意識的・積極的に行っていくことが必要なのです。
書き手の新しさを定義するのは簡単ではありませんが、「プロモーションを他者任せにするのではなく、自身の活動の中に組み込んでいる人」というのは、たたき台としては機能しそうな気がします。
二つのポイント
その文脈に即していえば、ララノコンなどのコンテストに参加すること自体も、メタ的な「読まれるための活動」と言えそうです。コンテストも一種のプラットフォームであり、自分のことを全然知らない人が、たまたま作品を読んでくれる可能性が出てきます。自分のメインブログで、リピーター的な読者に向けてコンテンツを出すだけではなく、積極的に「外部」のプラットフォームにも足を運ぶ。それによって新しい読者との出会いが生まれてきます。
とりあえず、ポイントを二つあげるとすれば、
- 書き手の(メインの)仕事に、プロモーションも含まれる
- プロモーションは、作品が完成する前から始まる
となりそうです。
さいごに
「私も、実力がついて何か書けるようになったら、何か書いてみよう」なんて考えは、すぱっと捨て去った方がいいでしょう。
結局の所、作品を書き上げる力は、作品を書く過程でないと身につかないものだと思います。もちろん良質のインプットはぜひとも必要ですが、それだけで技術が上がるものではありません。
「こんな作品は稚拙だ」と笑われる恐怖さえ飲み込めば、ウェブ上に作品を公開していくのは良い練習になりますし、プロモーションの萌芽にもなりえるのです。
▼こんな一冊も:
KDPではじめる セルフパブリッシング |
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倉下 忠憲
シーアンドアール研究所 2013-12-21 |
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