2-社会情報論

「梅棹忠夫の七つ道具ワークショップ」に参加してきました

『21世紀の「知的生産の技術」Vol.01』と銘打たれた以下のワークショップに参加してきました。

梅棹忠夫の七つ道具ワークショップ」(Peatix)

梅棹忠夫の『知的生産の技術』が刊行されたのは1969年。 その先見性を検証しながら、グローバル・ネットワーク時代の「知的生産の技術」を考えます。 梅棹忠夫のツールを見ながら、思考のツボに関するレクチャーを聞き、さらに現代版のディスカッションあるいはワークショップを行います。 大人のためのクリエイティブ教室の、今回は第一回目のワークショップです。

ワークショップ前半では、小長谷有紀さんによる「梅棹忠夫の七つ道具」の紹介があり、後半は、その内容を受けての参加者によるワークショップ(ワールドカフェ風)が行われました。どちらもたいへん刺激を受ける内容です。

「梅棹忠夫の七つ道具」として紹介されたのは、

  • 発見の手帳&フィールドノート
  • ローマ字カード
  • 手書きカード
  • アドレスカード
  • こざね
  • 一件ファイル
  • 写真・スケッチ

の7つ。

『知的生産の技術』をご愛読の方ならお馴染みのツールです。今回は、実際に梅棹先生が使われていたもののレプリカに触れることができました。

スケッチや

20140131183954

こざね。

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前で小長谷さんが話を進められている間、テーブル間にこれらのレプリカが回されていたのですが、若干慌ただしい印象を受けました。レプリカに触りながら、同時に話をきちんと聞くのは少し難しいです。

あらかじめテーブルごとにサンプルを置いておき、参加者が自由なタイミングでそれに触れられる形の方がよいのかもしれません。

が、それはそれとしてお話はたいへん面白かったです。

適切なサイズにスケッチするためには「ズーム」が必要、という話題が出てきたのですが、思わず唸りました。それはスケッチ以外にも敷衍して言えることだと思います。

たとえば小さいテーマで1000字書くのと、大きいテーマで1000字書く場合の「ズーム」は違ってくるでしょう。適切な縮尺が行われないと文章にはまりきらず、大事な部分がはみ出てしまうこともあります。たぶんこの「ズーム」はアイデアメモの書き方なんかにも関係してきそうな気がします。

未来の「こざね」

後半のワークショップは、「未来のこざねはいかなるものか?」をテーマに進められました。

すいません。あんまり「こざね」に関係ない話ばかりしていたような気がします。

なので、こちらでちょっと書いておきます。

私は、どちらかと言えばデジタルツールユーザーですが、本を執筆する前には大量の付箋を使います。新刊の執筆に使ったアナログの足跡を「Facebookページ」でも公開してあります。こうした過程を経ないと、どうしても進められないのです。

発想におけるアナログとデジタルの関係については、『ハイブリッド発想術』でも取り上げました。iPadは優秀な考具ですが、どうしても「ディスプレイの大きさ」を超えることができません(詳しい話は拙著をご覧ください)。書籍のような大きな構成を必要とする場合、iPadでは狭すぎるのです。

なので私は、映画『アイアンマン』で、主人公トニー・スタークが操る空間ディスプレイに憧れを感じています。あのツールがあれば、ディスプレイの制約からは解放されます(もちろん部屋の大きさという制約は残ります)。それが人間の思考にどのような影響を与えるのかは空想するしかありませんが、タンジブルなUIを最大限に活かすためのデジタルツールの在り方、というのはきっとあるでしょう。

ピュアに「こざね」について考えれば、現代では付箋(ポストイット)がその機能を担ってくれます。が、完全な代替というわけではありません。どこか意欲的な文具メーカーさんは、「発想作業に最適化された付箋」を開発されると良いと思います。穴場です。

デジタルと付箋の、(SF的妄想における)連携で言えば、音声入力でアイデアを入力していくと、プリンターからアイデアが印字された付箋が出てくる、というものでしょう。これはすごく楽チンそうです。コストが相当かかりそうですが。

もう一つ、付箋を使わない方向としては、やはりアウトライナーです。

灯台もと暗し

と表現するのがまさしく最適な感じだったのですが、梅棹先生は情報の蓄積はカードで行い、そこから何かアウトプットを組み立てるときはこざねを使われていました。知的生産好きとしては、今更書くまでもないようなことです。しかし、実際の「京大型カード」と「こざね」を手で触ってみて、ピントが急に合った感覚がありました。

先日、EvernoteとOmniOutlinerの連携について書きました。

Evernoteから思いつきのメモをOmniOutlinerに移すことについて

それらを操作して思考の材料にすることができれば、きっと面白いだろう、と思いました。何がどう面白いのかはわからないが、面白いに違いない、という直感です。

EvernoteからOmniOutlinerに移動させることは、ぴったり京大式カードからこざねに移し替えることに適合しています。そりゃ、面白いに違いないと感じるわけです。なんで気がつかなかったんでしょうか。

「京大型カード」はB6でノート代わりにもなる、やや大きめのサイズ。こざねは、その1/4。とうぜん書き込める内容に差があります。

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情報の蓄積としての記録は、「未来の自分」(つまり別人)でも読み取れるような整った内容にしておく必要がありますが、こざねはそうではありません。断片、あるいは象徴的な言葉で事足りるのです。さらに言えば、そのように断片化したほうが操作しやすいのです。

こざねに詳細は必要ありません。むしろ邪魔ですらあるのです。

で、あるならばOmniOutlinerでEvernoteのノートタイトルだけを並べ、詳細についてはEvernoteのノートリンクから参照する、という使い分けはまさにジャストだったと言えるでしょう。

ただし、アウトライナーは、そのまま「こざね法」を実践するには少し力不足です。今後のツール進化に期待しましょう。
※それについてはまた別記事で書きます。

さいごに

どんなタイトルになるかはわかりませんが、『21世紀の「知的生産の技術」』について自分で書いてみよう、と思い立ちました。それぐらいインスパイアを受けました。

『Vol.01』とタイトルにあるように、この会は月一回程度のペースで開催されていくようです。
※大阪のグランフロント北館1Fにある「CAFE Lab.」が主な会場のもよう。

会の情報については、以下のFacebookページで更新されるようなので、ご興味ある方はチェックしてみてください。

21世紀の「知的生産の技術」

▼関連エントリー:
テクノロジーと人間が一体となる時代、知の巨人「梅棹忠夫」が予見していたもの (1/2)(Business Media 誠)

▼こんなエントリーも:
【coffee Break】本とコーヒーと空間と 〜Cafe Lab.と天狼院書店〜(R-style)

情報の授業と、知的生産の技術(R-style)

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