「タスク」の研究

100円ショップとタスク管理に関する雑考

以下の記事を読みました。

「やるという決断」は「やる」前に終わっている(ライフハック心理学)

記事のタイトルを見て、『ジョジョの奇妙な冒険』のとあるセリフを想起したのですが、その話は関係ありません。

100円ショップと、タスク管理における分割の関係性についてです。

価格と機能

大もとになったのは、大はしさんの以下のツイート。

たとえば、100円ショップで販売されている商品が持つ機能を仮に1としましょう。100円に対して機能1です。

もし、これが500円で5機能を持つ商品だったらどうでしょうか。機能のうち3つぐらいは使わないかもしれません。すると、300円分ぐらいがムダになるかもしれません。あるいはムダにならないかもしれません。

500円機能5と100円機能1×5個は、完全に等価ではないのです。

ここで重要なのは、機能のうち3つが本当に無駄になるかどうかではありません。そういう疑念が入り込む余地がある、ということです。すると、確信が欠落します。決断できなく(あるいはしにくく)なるのです。となれば、行動が生まれてくることはありません。

タスク管理の要点は、「今、自分がすることはこれだ」という確信を得ることです。

その確信が欠損してしまっては、車輪は前には進みません。タスクを分割しておけば、「今、自分がすることはこれだ」という確信を得やすくなるのではないだろうか。

これが出発点です。

5つの疑問

100円ショップの例えから、いくつかの疑問が湧いてきます。

  • 100均トラップは?
  • 統合はいかにして生まれるか?
  • タスク管理におけるカゴとは?
  • タスク管理における棚とは?
  • タスクの分割は絶対に必要か?

それぞれ見ていきましょう。

100均トラップは?

「100均トラップ」

それは、100円だからとついつい買い込んでしまう罠のことです。

「使いそうだから」「面白そうだから」とどんどんカゴに入れていき、レジに行ってみるとちょっと驚くような金額になってしまう。そんなことはないでしょうか。わたしはよくあります。

が、これは100均ショップが悪いわけではありません。私の買い物の仕方が悪いのです。

タスクを分割すれば、着手しやすくなる。でもそれは、仕事を前に進めることを保証するものではありません。

たとえば、私がパズドラのモンスター進化を複数の手順に分割すれば、きっとそれも着手しやすくはなるでしょう。が、仕事は前に進んでいません。私のタスクの設定方法が悪いのです。

タスクを着手しやすくなるための方法に加え、何をタスクとして選ぶかの方法論も(時には)必要になってきます。

統合はいかにして生まれるか?

分割の話が出てくると、私はまず統合の話を思い浮かべます。

それは暗号化の話が出てきたら、その解読方法に想いを馳せるのと同じです。あるは圧縮に対する解凍でもよいでしょう。

どんどん分割していく。それによって、一つ一つは扱いやすくなる。言い換えれば、部品化となるかもしれません。

が、部品はそのままでは機能しません。それが組み合わさって一つの構成物となるとき部品は部品の意義を持ちます。

100均ショップに行って文房具をいろいろ買い込んできたけれども、机の上に配置してみると統一感がなかった、なんてことはないでしょうか。あるいは、似たような機能のペンを複数買ってしまった、なんてこともあるかもしれません。あるいは組立型の書類置きを3つ買ってきたけれども、うまくくっつかなかった、なんてこともありえます。

統合の欠落です。

タスク管理に置いては、この問題はあまり取り上げられないかもしれません。基本的には、もともと大きなプロジェクトを、より細かい手順に分けるからです。部品を合わせて完成品を組み上げるのではなく、完成品をバラして分解するのだから、統一感は損なわれません。ただし、組み立て方に気を遣う必要はあるでしょう。タスクを行う順番です。

が、これはもちろん「実行」のタームに気をつけることではなく、プレの段階の話です。

それとは別に、「自分がやっている作業って何の役に立つのだろうか」という不安感に襲われることはあるかもしれません。タスクを分割して管理していれば、起きそうな事態ではあります。その辺りは、レビューで対応してく必要があるのでしょう。

タスク管理におけるカゴとは?

小売業界の常識といってもよいですが、お客さんにカゴを持ってもらうと客単価が上がります。これはもう、明らかに上がります。

というか、自分が客の立場になったことを考えても明らかです。「買い物メモ」を持っているときですら、カゴがあると”余計なもの”を放り込みたくなります。

なぜでしょうか。

それはもちろん、「持てる量」が増えるからです。あるいは持ちやすくなるから。

カートと違って、カゴは自分の筋力以上の買い物を許容してくれたりはしません。むしろ、カゴの重さの分、持ちうる荷重の量は減ってしまっています。でも、実際「持てる量」は増えるのです。そう考えると、カゴってハックです。

とりあえず、一個一個手に持っていると限界があります。たぶん、それはタスク管理に置き換えると、脳の__というか短期記憶の__限界に近いものなのかもしれません。

「タスク管理におけるカゴ」とは何かについてのイメージは持ち合わせていませんが、何か相当するものはあるでしょう。

タスク管理における棚とは?

もし、100円ショップが棚を持たず、その辺に適当に商品を散らばせているだけであれば、いくら100円1機能であっても、さくさく買い物は進まないでしょう。

やはり、整理された棚があるからこそ、買い物がスムーズに進みます。

タスク管理においては、それはやはりタスク管理ツールの出番でしょう。

問題は、この「商品分類」が個人個人で違う、ということです。GTDの文脈で言えば、機能するコンテキストには個人差がある(コンテキストには絶対解はなく、最適解しかない)となるでしょう。

どのように商品を配置するか。あるいは、棚の高さなんかも、お店ごと・客層ごとに違ってくるのが小売業です。

タスク管理でも、「棚作り」は結構重要で、自分自身の行動と心理的なクセや傾向について知っておいた方が機能する配置を作り出せるのではないでしょうか。

タスクの分割は絶対に必要か?

もちろんNOです。

100円ショップでないと小売業ではない。がNOなのですから、それは間違いありません。分割しないタスク管理も存在しうるでしょう。

ただし、分割すれば、「手に取りやすい」「カゴに入れやすい」という心理的な傾向があることは確かです。あとは、それをいかに利用するか、という問題です。

現状で何一つ問題無なく仕事が進んでいるのならば、そのままのスタイルでOKでしょう。ただ、手の付けにくい仕事に直面したとき、「分割する」という手法は使えます。ものすごく使えます。

さいごに

小売業って、突き詰めれば「いかに<買う>という決断をしてもらうか」で、心理的にみれば「いかに<タスクを実行する>という決断をするのか」というタスク管理と共通しています。

そういう意味で、小売業の方法論(多分に心理学が活用されている)をタスク管理に取り込むことってできるかもしれません。

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