3-叛逆の仕事術

やる気に満ちた計画、別人問題、計画8割原則

やる気になるには、他人に見通しをもらう、(ライフハック心理学)

他人に見通しをつけてもらうと、容易にやる気になることができます。コーチの役割はこうしたところにあるのでしょう。しかし、それでやる気になった場合には、よくよく気をつける必要があります。はまさんがエントリに書いているとおり「もらった見通しを保存しておくこと」が大事です。そして「見通し」を教わったときほど、「見通し」を実行するときには、やる気が再現しない(半ば別人になってしまう)という点も、見越しておくべきです。

「見通し」を教わった直後の自分と、「見通し」を実行するときの自分。

この二つの自分が乖離していると、やっかいな問題が顔を出します。

第一に、立てた計画が実行できないこと。第二に、そういう自分をダメに感じてしまうこと。

こうした状況は、ある種のセミナー中毒を生み出す可能性があるのですが、それついては脇に置いておきましょう。

「見通し」を教わった直後__つまり、やる気が燃え上がっている状態__における計画問題について、今回は考えてみます。

直後なら

本なりセミナーなりを摂取して、「見通し」を得て、やる気が燃え上がる。良いことですが、行動を生み出せていなければ、何も変わりません。

上の記事でも指摘されているようにやる気(と呼べるような何か)は有限です。蒸気機関車に積まれている石炭には限りがあります。もし、線路にも乗っていないうちから、石炭をくべ続ければ、蒸気はどんどん出てくるでしょうが、前には進みません。

たとえば、意気揚々と魔物退治に出かけたとします。あなたは準備を万全に整えてきたので、洞窟の奥に潜む巨大オーガなんて簡単に倒せそうな気がします。あなたは洞窟の奥に眠る秘宝に思いを寄せながら、途中遭遇するモンスターに全力の魔法をぶつけていきます。スライムにイオナズンを唱えるのです。結果、巨大オーガの目前までたどり着くと、MPが枯渇している……

上の記事で指摘されている「要するに読書やセミナーでやる気に満ちあふれてしまうと、むしろ帰宅後・読了後は通常より意欲が低下しやすくなり、すぐ寝たくなるものなのです」というのは、こういうイメージでしょう。

対策としては、やる気が満ちあふれた瞬間に、必要な行動をとってしまうことです。

本を読んで「これはすごい」と思ったら、その瞬間に本を読む手を止めて、その行動を実行するのです。セミナーを聞いて「それはすごい」と感じたら、その瞬間に講師の話などお構いなしに、その行動を実行するのです。これで、「時差」を防ぐことができます。

しかし、これで十分とは言えません。

避けられない別人問題

上の対策は、一回限りの行為にのみ通用します。

たとえば、「こうすれば絶対に成功するプロポーズの方法」であれば、やる気が上がった瞬間に彼女に電話をかければ、それで完結するでしょう(成功するかどうかは知りませんが)。

しかし、「ブログを更新する」「家計簿をつける」「食事制限する」「本を書く」といった行動は、その場限りの行動で済むわけではありません。明日も、明後日も、明明後日も、行動が必要です。こうした状況には、必ず別人問題がつきまといます。

ここでやっかいなのが「計画」です。

先ほど、「立てた計画が実行できないこと」を問題の一つとして上げました。しかし、これは「実行しえない計画を立ててしまう」と表現し直すこともできそうです。

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見通しを得た&やる気に火が付いた状態は、普段の自分よりも少し高いところに位置しています。極端な言い方をしてしまえば、ある種の万能感が、スーパーサイヤ人のオーラのように心の中に漂っているのです。

こうした状況で何か「計画」を立てたとしましょう。実に素晴らしい計画になるはずです。

でも、それは「普段の自分」の視点ではありません。普段の自分の視点はもっと下にあり、そして毎日行動を取るのはそちらの自分です。この乖離こそが別人問題です。

計画の対策

皮肉な言い方になりますが、やる気が燃え上がった状態ほど計画を立てたくなるが、そのやる気が大きければ大きいほど、普段の自分との乖離が激しい計画になりがち、ということです。

では、どうすればいいか。

まず、「そもそも計画を立てない」が考えられます。これで何かが前に進むかどうかはわかりませんが、少なくとも自分のことをダメに感じるようなことは減るでしょう。

あるいは、「やる気が湧いた直後には、計画を立てない」というアレンジバージョンもあります。やる気が落ち着いてから、計画を立てるわけですね。が、その場合、やる気が減少しているので、「計画を立てること」が実行されない危惧があります。

そうすると、「立てた計画を、後から修正する」あたりが現実的かつ無難な対応でしょうか。つまり、深夜書いた手紙は投函前に一度読み返せメソッドを使うわけです。

こうすれば、ある程度の見通しを保持しながら、そこそこ現実的な計画が作れるのではないでしょうか。といっても、一度の修正でうまくいくわけではなく、計画&実行のフィードバックサイクルをグルグル回していく必要はあるでしょう。

「盛らない」計画

理想論を言えば、「計画8割原則」が一番強力です。

やる気に燃え上がっていても、決して冷静な視点を見失うことなく、2割ほど縮小させて計画を作成する。縮小の規模は2割がいいのか、3割がいいのかはわかりません。人によって違うでしょう。

ともかく、計画を立てる段階で、自分の「盛りすぎ」を加味して修正できれば、最初から現実的な計画ができあがります。

しかし、そんなことが簡単にできるぐらいなら、最初から計画で悩んだりはしません。「食べなければ、太らない」ぐらい正論で、効果が無いアドバイスです。基本的にバイアスを消すことはできない、と考えておいたほうが無難でしょう。

そうしたものを自動的に修正してくれるソフトウェアがあると、きっと新しいタスク管理ツールになりえるとは思いますが、実装は難しそうです。

さいごに

やる気に関係する問題については、「やる気が無くても行動できるようにする」か「無くなったやる気を復活させる」のどちらかが、今のところ現実的な手段と言えるでしょう。現実的な計画は、前者に位置づけられます。

ただ、どちらの手段においても、記録はとても重要です。

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