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【書評】あのプロジェクトチームはなぜ、いつも早く帰れるのか?(中島 紳)

Posted on 2014 年 4 月 3 日 by Rashita

タスク管理系の書籍としては、少々珍しい一冊と言えるだろう。

あのプロジェクトチームは なぜ、いつも早く帰れるのか? いまのメンバーで最大のパフォーマンスを生む!【図解で学ぶ】タスク管理術 (impress QuickBooks)
あのプロジェクトチームは なぜ、いつも早く帰れるのか? いまのメンバーで最大のパフォーマンスを生む!【図解で学ぶ】タスク管理術 (impress QuickBooks) 中島 紳

インプレスコミュニケーションズ 2014-03-27
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タスクマネジメントだけでなく、プロジェクトマネジメントについても掘り下げられている。

タスクは常に個人的なものであるが、プロジェクトはそうはいかない。多くのプロジェクトは、複数人の協同__つまりチームによって動いていく。リーダーの仕事は、その全体をマネジメントすることだ。

本書では、自身のタスク管理からスタートし、その方向性をプロジェクト全体へ敷衍していく流れが紹介されている。非常に実践的な内容だ。

本書のポイントは3つある。

  • GTDベースの仕事術
  • ツボを押さえた図解
  • チーム・プロジェクトマネジメントの手法

GTDベースの仕事術

第二章では、GTDが取り上げられている。

お馴染みのワークフローも紹介されているのだが、本書の白眉は「GTDでタスクを管理することが、感覚的にどういうことなのか」が丁寧に追いかけられている点だ。「水のような心」と言われても、ぴんと来ない人は多い。が、本書ではタスク管理を実施することで「どういう状況が、どういう状況に変化するのか」を説明してくれている。

それはつまり、

「タスクを管理するとはどういうことなのか?」

に対する答えを提示しているということだ。もう少し言えば、どのような状態であればタスク管理できているといえるのか、についての著者なりの見解が示されている。その見解は、GTDの提唱者デイビッド・アレンに近いしいものであるし、私のそれとも近い。GTDとは、頭の中の整理術なのだ。この辺りの話は非常に楽しめた。

ツボを押さえた図解

上にあげたタスク管理のお話では、図解が多様されている。それが実にわかりやすい。

世の中の「図解本」は、必要もないのに図解を持ち出してページ数を稼いでいるものがあるが、本書の図解は、「まさにそれが必要」という部分で用いられている。図解自体はシンプルなものだ。凝ったイラストではない。それでも、概念の理解に大いに役立ってくれることは請け合える。

また、ところどころに「挿絵」が入ってくる。可愛らしく、クスッと笑えるイラストだ。真面目な本文と、イラストが緩さとのギャップが箸休めのような役割を担っているように感じた。こういう「休符」の使い方は、なかなか面白い。

チーム・プロジェクトマネジメントの手法

冒頭で上げたが、本書の最大の特色と言ってもよいのが、「チームでタスクを共有すること」が扱われているところだ。

本を書くような人は、フリーランス的形態で仕事をしている人が多いので、この辺りの話は掘り下げにくい。実際に会社に勤めておられる方ならではの知見は、たいへん魅力的である。

以下の記事でも触れられているのだが、本書が面白いのは「私はこういう仕事のやり方をしています」という紹介だけでなく、タスクの共用が行われている協力会社の方にもインタビューしている点だ。

【応援!本レビュー!】ひとりで仕事はできないからこそ参考にしたい。『あのプロジェクトチームはなぜ、いつも早く帰れるのか?』中島紳 著(Find the meaning of my life.)

本書は何と!著者が仕事をお願いした協力会社の方にもインタビューを行い、仕事をお願いされた側の視点も盛り込まれています。このインタビューを読むと、決して著者のひとりよがり、自己満足をチームに押し付けているわけではないということが、良くわかります。

もちろん、ものすごく悪い話を載せる著者はいないだろうが、ある種の状況を複数の視点から眺められる点は興味深い。

仕事術に限ったことではないが、ノウハウの話は「私はこうでした。私はこうしています」という一人称視点の話に限定されてしまう。その著者の視点に同調すると「ふむふむ。なるほど」と納得できるのだが、そういうノウハウを運用した場合、周りの人はどうなるのか、という視点をうっかり忘却してしまう可能性が高い。特に筆力のある著者なら、なおさらそういう同調による視野狭窄が起きやすい。

インタビューの挿入は、その視点をバランスしてくれることが期待できる。

さいごに

本書の方法論が、そのまま導入できるかはわからない。特に、クラウドツールの導入は会社によってはまったく不可能という場合もあるだろう。それでも、チームマネジメントにおいて何が大切なのかは普遍性を持ちうるし、それについて本書は軽く扱ってはいない。

本書の著者は、スーパーなサラリーマンではない。きっと年収が10倍にもなってはいない。ごく普通に仕事をされている方だ。そして、それこそがリアリティのある希望になりうるのだろう。


▼その他リンク:

あのプロジェクトチームはなぜ、いつも早く帰れるのか?の発刊について(このまま一生β版)

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1 thought on “【書評】あのプロジェクトチームはなぜ、いつも早く帰れるのか?(中島 紳)”

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