物書き生活と道具箱

エッセイ集を作るときに、Scrivenerがめちゃ役に立ったよ、という話

二冊目のエッセイ集ですが、一冊目と違い「ジャンル分け」を行いました。

遠くて近い場所、近くて遠い場所 (WRM エッセイ集)
遠くて近い場所、近くて遠い場所 (WRM エッセイ集) 倉下忠憲

倉下忠憲 2014-05-29
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時系列で並べるのではなく、私がグルーピングした章立てごとに並べてある、ということです。

このグルーピングのときに、Scrivenerが大活躍しました。というか、これがないと詰んでいたかもしれません。

Scrivener – AppStore

ステップ1

まず、時系列でエッセイを並べていきます。

過去に書いたエッセイはすべてEvernoteで保存しているので、そこからせっせとコピペ(※)。
※ScrivenerはAppleScriptに対応していない。

screenshot

で、並べたエッセイを読み返し、誤字脱字を修正していきます。

ちなみにアイコンの意味は、一回目の読み直しが完了したものがホワイトフラッグ、二回目以降でとりあえずGoサインが出せるものがブルーフラッグ、ちょっと採用を見送った方がいいのでは……というものがノートのアイコンになっています。こういう最低限の進捗管理がビジュアルで実現できるのがよいですね。

で、一通り作業を終えたら、このフォルダごとまるまる複製します。いろいろ順番を入れ換えてみた結果、時系列の方が良いことに気がついた、という事態に対応するためです。移行後の作業は、複製したフォルダで進めていきます。

最終的なフォルダの中身は以下のようになりました。

screenshot
※グリーンフラッグは、「何も問題無し」の意味

ここに至るまでの流れですが、まず時系列に並んだエッセイを眺めて、「あっ、これとこれは似たようなことを書いているな」というエッセイを近くに配置させます。どちらをどちらに近づけても構いません。どうせ大きな順番は後から変更するからです。

で、それと同じことをグルグル繰り返します。そうすると、少しずつグループというか島みたいなものが生まれ始めます。3〜6個ぐらいのエッセイの群れです。そうしたら、新しいフォルダを作り、そこに近しいエッセイ群をどどんと投下。フォルダ名には、そのグループに対する見出しを与えます。たとえば「知的生産の技術」とか「生き方・考え方」とかですね。

これで大まかな分類は終わりました。

ステップ2

しかし、作業はまだまだ続きます。

まず、グルーピング内の順番です。「知的生産の技術」フォルダに収められているエッセイをどの順番で並べるのか。それを考えなればいけません。さらに、グルーピングのフォルダそのものの順番もあります。最初に持ってくるグループはどれにするのか、その次のグループは、最後のグループは……といったことを考えていきます。

この際、私が使ったアプローチは、「一番最初に読んでもらいたいエッセイはどれか?」を考えることでした。先頭に配置するエッセイが決まれば、最初に配置するグルーピングも自ずと定まります。で、最初のエッセイから一番流れがよく感じるエッセイはどれかを考えて、二番目、三番目と配置を決めていきます。

そうやって、フォルダ内の配置が決まると、一番最後のエッセイに近しいエッセイはどれかを考えます。もちろん、そのフォルダに入っているもの以外のエッセイから探すのです。それがうまく見つかれば次に配置するグループも自ずと定まります。後は、それを繰り返していくだけです。

泥臭い試行錯誤

今「一番流れがよく感じるエッセイはどれかを考えて」なんて思念的な表現をもちいましたが、実はもっと泥臭い作業です。

つまり、実際にエッセイをその順番に並べてみて、どのように読めるのか。どう感じるのかを自分でテストするわけです。で、ダメだったらまた別のエッセイを持ってくる。そういう試行錯誤を延々と繰り返しました。で、この作業はScrivenerが非常にやりやすいのです。

エッセイ単位で移動が可能だけでなく、各エッセイだけを読むことも、章だけを読むことも、全体を読むことも可能です。左のサイドバーで全体像を俯瞰しながら、右のエディタではそれが実際どのように表示されるのか(どう読まれるのか)が確認できる。実にありがたい機能です。

さいごに

普通のテキストエディタだと、コピペ作業の嵐になるので、きっとどこかで「まあ、いいか」ということになりかねません。Evernoteでは、そもそも任意の順番にノートを並べることが困難です。簡単に、手軽に作業できるツールの存在は、心強いものです。

もちろんScrivenerには他にも心強い機能がたくさんあるわけですが、完成した文章の配置を自由自在に(&こと細かに)いじれる、という点は「本づくり」において大いに役立ちました。

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