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「10万字インプット・5000字アウトプット」について考えてみた

Posted on 2014 年 7 月 7 日2019 年 6 月 23 日 by Rashita
Tag:
  • 情報摂取の作法

けっこう速い球が投げられました。

ソーシャル疲れに対する処方箋としての「10万字インプット・5000字アウトプット」(みたいもん)

うまく打ち返せるかわかりませんが、バントぐらいは挑戦してみましょう。

ちなみに、私もソーシャル疲れなるものは感じたことがありません。

広義の書き手

でも、ソーシャルメディアでの言葉や振る舞いが、自分の生活とつながっているような生活を送っているような人も広義の「書き手」と考えた方が、どうもすんなり腹落ちするんです。

これは、堅苦しく表せば、「高度情報化社会で生活する市民」と言っていいと思います。ソーシャルメディア・シチズン。

日本はインフラ的に高度情報化されつつありますが、市民はまだそれにどっぷりとは浸かりきっていません。でも、やがて人口比は使っている人の方が多くなっていくでしょう。つまり、未来の話です。

情報化社会の市民

しつこく繰り返しますが、10万字インプットというのは、本を10万字読めってことじゃありません。ブログを読むでも、facebookを見るでも、twitterを見るでもいいんです。

5000字アウトプットも、原稿を書けとか記事書けとかいうことでもありません。だれかへのコメントとか、レスとかメッセとかを含めてもいいんです。

問題は、バランスなんです。

「10万文字インプット・5000字アウトプット」は3つの要素があります。

  • 大量にインプットすること
  • そこそこ書くこと
  • インプットとアウトプットの比をインプット多めに保つこと

引用記事の繰り返しになりますが、大量に読めばそれでOKというわけでもなく、ブログ記事を書きまくればよいわけでもありません。インプットとアウトプットをきちんと行い、そのバランスを取ることが肝要だ、という話です。

なぜなのでしょうか。

高度情報化社会において、情報が必須なのは言うまでもありません。生産の材料となる情報、何かのジャッジメントを支える情報、魂の息抜きの情報……、さまざまなものが情報の形で提供されます。

梅棹忠夫さんは、産業史を、農業の時代、工業の時代、精神産業の時代と3つに分け、それぞれを、内胚葉産業、中胚葉産業、外胚葉産業に対応させました。各時代において消費のメインストリームは異なります。内胚葉産業時代は栄養を満たす食物、中胚葉産業時代は便利な工業製品、そして外胚葉産業時代では、心を満たす情報が主役になります。

情報の文明学 (中公文庫)
情報の文明学 (中公文庫) 梅棹 忠夫

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で、現代は、外胚葉産業の時代へと足を踏み入れているのです。だから、情報を取り入れることは、食物を摂取するぐらい大切なことです。

では、書くことはなぜ必要なのか。

言葉として表す

鷲田清一さんの『パラレルな知性』に以下のような一節があります。

パラレルな知性 (犀の教室)
パラレルな知性 (犀の教室) 鷲田清一

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思考というものがわたしたちのうちにまずあって、それからそれが言葉にされるのではない。逆に、たいていの思考というものは、なにかよくわからないままぼそっと口にすることで、あるいは文字に書き起こすなかで、おずおず形をとってくる。言葉には思考をまとめるはたらきがあるのだ。

言葉として表すということは、何かしらの形にする、という作用があります。だからこそ、精神的に疲れるわけですが、出してみてスッキリすることは珍しくありません。

インプットしっぱなしだと、__あまり品はよくありませんが__便秘のような状態になってしまうのかもしれません。これは何が疲れるのかというと、ようするに「自分が何を・どう考えているのか、自分でわかっていない」という状態が続くからなのです。その状態は不安定なので、人に影響されやすくもなります。これはあまりよろしくない。

だから、何かしら自分自身の口で(あるいは手で)言葉を生み出すことをする。そうすることで、思考がまとまりをみせはじめ、それが積み重なることで「自分の考え」(あるいは軸)と呼べるような何かが生まれてくるのです。

あえて言うまでもありませんが、どこからのコピペを大量生産して「ほらほら、もう5000字ですよ」とやっても意味はないでしょう。何であれ5000字のアウトプットあればOK、という話ではないのです。それを出していく過程の中に、何かしらが存在しているのです。

拙著『ソーシャル時代のハイブリッド読書術』にて、私は以下のようなエピソードを紹介しました。

ソーシャル時代のハイブリッド読書術
ソーシャル時代のハイブリッド読書術 倉下 忠憲

シーアンドアール研究所 2013-03-26
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Facebookで何かを書き込むと、他の人からのコメントをもらえる場合があります。そのコメントに対して、私もコメントを返すことができるのですが、どうにもうまく言葉にまとまらないとき、つい「いいね!」ボタンをクリックして済ませてしまいます。それだけで、自分はそのコメントを読みました、そして好感を持ちましたということを伝えられるので非常に便利です。しかし、私の頭に浮かんだ「もやもや」は言葉にされることなく、消え去ってしまいます。

実際、それは本当の意味では消え去ってはいないのです。私の中では「まあ、いいか」と認識外に置かれただけです。それはきっと、澱のように蓄積されていくのでしょう。

ちなみに『ソーシャル時代のハイブリッド読書術』は、情報化社会における情報摂取作法その1的な位置づけの本ですのでご興味ある方はぜひ。

ともあれ、いいね!を押したり、RTしたり、Yoと送信したりしているだけでは、5000字のアウトプット効果は生まれません。シェアさせていただきます、も微妙なところです。たとえジョークであっても、自分の言葉を発しようとしてみること。それが必要です。

さいごに

インプット不足、アウトプット不足、その両方があり得るでしょう。

私なんかは毎日のように(というか実際毎日)文章を書いていますので、心配するとすればインプット不足になります。それぞれ自分の環境を振り返ってみるとよいかもしれません。

食事をとったら排泄する。情報をインプットしたら、アウトプットする。わりとナチュラルな話なので気負いは必要ないと思います。逆に言えば、日常生活にそれをしっかり組み込めるのが理想ですね。

最後に、引用記事と同じように「読もうと思って読めていない本」を晒しておきます。

贈与論 (ちくま学芸文庫)
贈与論 (ちくま学芸文庫) マルセル モース Marcel Mauss

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1 thought on “「10万字インプット・5000字アウトプット」について考えてみた”

  1. ピンバック: iki0147|「10万字インプット・5000字アウトプット」を精神のメンテナンス法として考えてみたら | イキブロ

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