4-僕らの生存戦略

もやもやを通り抜ける、ということ

TEDの動画を見ました。

ウーリ・アロン: 真の革新的科学のために、未知の領域へ飛び込むことが不可欠な理由 (TED)

とても興味深い内容ですので、ぜひご覧ください。

「後で見ようかな」という方は、この文章にしばしお付き合いくださいませ。

「もやもや」に突入する

何かしらの目標があります。

IMG_0662

その目標に向かって歩いて行けば、それがゲットできる。こんなのは、思い込みに過ぎません。アロンは研究という文脈で言っていますが、おおよそ「新しい事柄」に関してはこれと同じことが言えるでしょう。

実際目標に向かって歩き始めると、「もやもや」(cloud)の中に突入します。

IMG_0663

何をやってもうまくいかない。うまくいく方法もわからない。何が正しくて何が間違っているのかも判然としない。そもそも前はどっちだ……。そんな状況です。

でも、たまたま運良くその「もやもや」を抜けることができると、当初は思いもよらなかった新しい発見ができるのです。

IMG_0664

上の動画でアロンが強調しているのは、「もやもや」を避けて通ることはできない、という点。

もし、当初立てた目標にそのままたどり着いたのならば、それは予定調和でしかなく、斬新な発見ではありません。つまり、すでにわかっていることを成し遂げただけです。極端な言い方をすれば、それはプログレスでしかありません。つまり、改善。イノベーションではないのです。

イノベーションというのは、事前に予想し得ないからこそイノベーションたりえます。

で、事前に予想し得ない場所にたどり着くためには、「もやもや」の中を通り抜ける必要があるのです。泥臭い試行錯誤を、忍耐図良く繰り返すしかないのです。

その発見や達成が成される前の時点では、「ここを越えればイノベーションにたどり着けます」という境界線は誰も知り得ません。繰り返しますが、誰も知り得ないからこそイノベーションなわけです。どこに行けばよいのか誰も知らないから、手当たり次第に歩き回る必要があるのです。それが「もやもや」なのです。

後から語られる物語

残念ながら、達成者が語る物語は、シンプルな形に歪められていることが多いようです。つまり、目標にまっすぐ歩いていったら、手に入った、という物語。まあ、メディアというフレームに当てはめるにはこうしたシンプルな構造がよいのでしょう。

あるいは、後から振り返る形で「あの時、あれをやっていたから今の成功があります」みたいな形でも語られます。でも、それは後知恵バイアスでしかありません。その時点では、何が鍵を握ることになるかなんて、誰もわかっていなかったのです。そして、その人は価値のわからないことを、ただただ続けていったわけです。

でも、「誰もわかっていない」という物語は、あまり好まれません。何かしらの意味づけがなされるのが大半です。

この問題をさらにやっかいにするのが、ある種のビジネスとして、この「もやもや」をパイバスしてくれる教えがあることです。つまり、いろんな人は「もやもや」の中にいるけれども、このノウハウがあれば、ほらこの通り。まっすぐに成功が手に入りますよ、と謳ってくるわけです。

たしかにそうしたバイパスには一定の効果があるのかもしれません。でも、それは既に確立された価値を手にするためのものです。シンプルに言えば、二番煎じ。もちろん二番煎じでも、価値にはちがいありません。あとは、それに見合う価格のなのかどうかのジャッジメントだけです。

一番煎じのフロントライナーが「もやもや」を通り抜けることで、その場所にたどり着いたのだとしたら、その後を追う人も、同じように(そして別の形の)「もやもや」を通り抜ける必要があるでしょう。

IMG_0665

さいごに

簡単にまとめましょう。

  • 新しい事柄にたどり着くためには「もやもや」は避けては通れない
  • 「もやもや」のショートカットは二番煎じ止まりの可能性大
  • むしろ「もやもや」に耐えられる力(あるいは仲間)が欲しい

では、お付き合いいただきありがとうございます。ぜひ、動画の方もご覧ください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です