6-エッセイ

ingressとロマン

そんなにたいした話ではありません。

この地球は探検し尽くされて、もはやロマンはなくなった。

みたいな言葉があります。私もなんとなく同感していました。ネットを使えば、いろいろな地域の情報だけでなく写真なんかも確認できます。その意味では、たしかにロマンはないでしょう。

でも、それって人類という視点で眺めたときの話だよな〜と、ingressをしながら思ったわけです。

ingressをプレイしていると、いろいろなところに行きます。普段生活している圈からはみ出ることも珍しくありません。それに、地元に30年以上住んでいる人間ですら曲がったことがない角を曲がったりもします。

当然、そこには見たことのない風景が広がっているわけです。自分が勝手にそうであろうと想像していたのとは違う風景が広がっているわけです。

そんな風景に直面したとき、私たちは何かしらの発見をします。面白さ、美しさ、意外な繋がり……と、発見のスタイルはさまざまでしょうが、そうした発見から逆算してみると、ポータル巡りは一種の「探検」です。

ingressというゲームを通じて、私は探検を行い、そこで何かしらの発見をしているわけです。

その発見は、ゲーム的にデザインされたものではありません。プログラマーが「ここに、宝箱を配置しておいてやろう」と企んだものではないのです。だから、何かを発見する人もいれば、何も発見しない人もいます。同じ風景に直面して、まったく異なったものを発見することもあるでしょう。

現実というフィールドが持つ豊かさを、存分に使い切っている。ingressからは、そんな印象を受けます。そのためには、ゲーム的に余計なものは必要ないのです。むしろ、邪魔とすら言えるかもしれません。

残念ながら、そこに画一的な楽しみは存在しないでしょう。全ての人が一様に面白いとは感じないはずです。でも、それで良いのでしょう。

ともかく、個人的にみれば、いろいろな場所にまだまだロマンは眠っている。そんな気がしました。

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