新刊のタイトルを考えた際に使った方法です。
用意する物:
- Evernoteの新規ノート ×2
- まとまった時間 (できれば30分以上)
- やる気溢れる脳 (早めの時間帯がオススメ)
ステップ1:下準備
Evernoteのノートに表(テーブル)を追加しましょう。10×10ぐらいが目安です。
それを二つ作ります。
この表を前にして、タイトルを考えたい対象について思いを巡らせます。書籍のタイトルであれば、「その本は何なのか?」「何が含まれているのか?」「どんな目的があるのか?」といったことを考えるわけです。そして、思いついたフレーズや単語を表に書き留めていきます。これは後ほど使うアイデアの素になりますので、とにもかくにも数を重視してください。
上の表には、内容に関連があるもの、下の表には、内容にマイナスの関連があるものを入れていきます。上に「熱い」を入れるとすれば、下には「冷たい」が入る、といったことです。つまり、「この内容は○○だな」と思ったら上、「この内容は□□ではないな」と思ったら下、ということです。
一つのセルに入れるのは、できるだけ単語にしてください。その方が、後々使い勝手が上がるはずです。どうしても文章を入れたくなったら、文節ごとに区切っていれましょう。
ステップ2:100本ノック
下準備が終わったら、いよいよアイデア出しの本番です。
先ほどの二つの表を見ながら、タイトル案を考えていきます。そして、思いついたものをもう一つのノートに書き出していきましょう。
なにせ、ふんだんに素材があるので考えるのは難しくないはずです。とりあえず、100個考えてください。
この「100」はあくまで便宜的な数字です。目一杯考えを振り絞ってタイトル案をひねり出し、必死にひねり出し、もう何も出ないな、と思ったところから、さらに+10ぐらい考える、という意味です。
内容に関連がある言葉をつなげてもよいですし、マイナスの方を活用することもできます。たとえば、下の表に「銀の弾丸」というフレーズがあるならば、『銀の弾丸にはサヨナラ!一日一回基礎訓練』みたいな使い方をするわけですね。マイナスにマイナスをかけると、プラスになるというアレです。
ステップ2(補強)
だいたい10個や20個ぐらいなら5分ほどで作れるでしょう。でも、その辺で出てくる案はありきたり感があると思います。
いや、もう少し説明しておいた方がよいかもしれません。
このタイトル案をひねり出す作業を行う際は、ありきたりなアイデアでも1個と数えます。無茶な案でも突飛な案でも1個と数えます。ものすごく良いアイデアを100個考える、というのではないのです。とにもかくにも、タイトルっぽいものを100個ひねり出す、というのがこの作業です。
そうやってありきたりなものを出し切ってしまうと、使えるものがどんどん限られてきます。そこから先、何かアイデアを出そうとすれば、これまで無かったシナプスの繋がりが必要になります。脳をその状態まで追い込む、というのが一つのポイントです。
たしか、トマトか何かの栽培で、水を必要最低限ギリギリにしておくことで、美味しいトマトを作る、みたいな栽培法があったかと思いますが、それに近いと考えてください。
ステップ3、の前に
いや、こんな作業別にEvernote使わなくていいじゃん。ワードで余裕だろう。
という意見もあろうかと思います。基本的にはまったくその通りです。
でも、Evernoteならではのメリットもあります。そう、「関連するノート」です。
二つの表にキーワードを入れていくと、いくつか関連するノートが表示されるでしょう。それがたまに別のアイデアにつながったり、あるいは良い意味でのノイズになってくれたりします。
もちろん、今日Evernoteを使い始めたばかりの人にこの効果はありません。ある程度、Webスクラップやアイデアメモを蓄積している人だけが得られる効果です。
ともあれ、100個の案を考えているときに、関連するノートは栄養ドリンク的な効果をもたらしてくれるかと思います。
ステップ3
おおよそ100ほどのアイデアを出し切ったら、何かしらハッとするものが見つかるでしょう。それを選べばOKです。
見つからなければ、日を改めて、もう一度「そのコンテンツ」について思いを巡らせてみるところからやり直すのが良いかと思います。
さいごに
申し訳ないぐらいに、お手軽さとは無縁な方法ですが、無茶な方法ではないと思います。
そういえば、編集者さんってどうやってタイトル決めているんですかね。ちょっと興味があります。
▼こんな一冊も:
EVERNOTE「超」知的生産術 |
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倉下忠憲
シーアンドアール研究所 2011-02-26 |
Evernoteとアナログノートによる ハイブリッド発想術 (デジタル仕事術) |
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倉下 忠憲
技術評論社 2012-06-30 |