4-僕らの生存戦略

逆U字型カーブと真ん中

先日紹介した『逆転!』に、逆U字型カーブの考え方が紹介されている。真ん中ぐらいがちょうど良い、というお話だ。

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お馴染みなのは、年収と幸福感の関係だろう。

稼げば稼ぐほどハッピーになれるのは年収650万円まで、それ以上だと幸福感は収入に比例しない(GIGAZINE)

年収が増えていくのは嬉しいが、その「嬉しさ」の増加がいつまでも継続するわけではない。収穫逓減が働くのだ。

むしろ、年収を増やすことを探求し続けると、幸福感は減少していくかもしれない。

投資はかさむがリターンは増えない

もし、何もしないで年収が上がっていくならば良いが、そんなうまい話はこの世界にはない。

たいていは、大きな収入を得るために何かしらの投資が必要である。だいたいは、時間だ。心理的なコミットメントかもしれない。あるいは、一日中メールや電話が止まらない、といったこともある。

そうした投資が増加していくにもかかわらず、得られる心理的幸福感は増えない。さらに収入が多いことで感じるストレスもある。これらを踏まえると、トータルの幸福感は逆U字型を描く。

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どうも、この話は敷衍できそうだ。

新刊との関係

ほんとうにびっくりしたのだが、私の新刊のタイトルは『真ん中の歩き方』である。

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もちろん、このタイトルにはいろいろ含みがあるのだが、逆U字型の真ん中という意味もある。

たとえば、自己啓発を考えてみよう。

私は「自己啓発」に肯定的である。人生をより良く生きていくためには、必要な考え方だろう。

でも。

365日四六時中「自己啓発」について考えるのはどうだろうか。それに関する本を50冊も100冊も読むのはどうだろうか。それはちょっと、やりすぎではないだろうか。

かといって、まったく無視するのも違うと思う。

だから、100冊のうち30冊ぐらいは別の分野の本を読むぐらいがちょうど良いだろう。なんだったら、もう少し多くても良い。

それが「真ん中」な在り方である。

きっと、効率化やライフハックでも、似たようなことが言える。ひたすらパラメータを拡大していくのは__ゲームの世界と違って__、どこかにゆがみを生んでしまう。

ボタンを適度なリズムで

「真ん中」で在ることは、何もしないこととは違う。

浮遊系のゲームを思い浮かべてみよう。Aボタンを一回押したらジェットが噴出して少し上昇する。ボタンを押さなければ重力に引かれて落下だ。

そんな状態では、同じ高さをキープし続けるために、適度な間隔でボタンを押し続けなければならない。押さなければドボン。押し続けてしまったら、逆に空の彼方に消えてしまう。

真ん中を歩くことは、けっこうしんどいのだ。

さいごに

逆U字型カーブの真ん中ぐらいがちょうど良い。そして、それはさまざまな状況においても言える。「良いこと」だって、それのみに専念するのは、やっぱり危ういのだ。

ということは、視点を広げてみると「真ん中」であろうとする態度も、真ん中ぐらいがちょうど良いことになる。

ほら。難しいでしょ。

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